自宅でWi-Fiを使う環境を作るためには、アクセスポイントを設置する必要があります。アクセスポイントとはそもそも何なのか、どうやってパソコンやスマートフォンなどの端末と接続すればよいのかなど、今回はアクセスポイントについて解説します。
まずアクセスポイントと、その周辺の混同しがちな言葉について説明します。
無線でスマートフォン、ノートパソコン、ゲーム機といった複数の無線LAN(Wi-Fi)機能付きの端末を、家庭内LANに接続するための機械です。無線LANと有線LANを相互変換する装置であるとも言えます。
ルーターは、外部のインターネットと家庭内LANとを仲介して接続する機械です。以前は、LANケーブルを使って有線でインターネットに接続するルーターが一般的でしたが、近年では、ケーブルをつながずに電波を飛ばして、インターネットに接続することが可能になっています。また、接続方式についても以前は「トンネル方式」と呼ばれるIPv4 PPPoEのみで、アクセスが集中すると回線速度が遅くなることがありました。しかし、近年、新たな接続方式となるIPv6 IPoEが誕生。IPv4 PPPoE方式で通らなければならなかった、NTTの基地局からプロバイダへの回線経路「網終端装置」を経由せずともインターネットへ接続できるようになり、光回線が本来持っている速度を引き出しやすくなりました。
ルーターに複数の端末を有線で接続するための機械です。ルーターには、最初から複数のLAN端子が付いていることがありますが、この場合はルーターにハブ機能が付属しているということになります。
現在、市販されているWi-Fiルーター(無線LANルーター)の大半は、この3つの機能をすべて備えています。すでにモデム(ルーター機能のあるもの)または有線専用ルーターがある環境では、新たにWi-Fiルーターを加えて「アクセスポイントモード」で使用すれば、無線LAN機能が使えるようになります。
ただし、ホテルやマンションで既存のインターネット環境がある場合は、こうした方法を取ることもありますが、通常は単に今まで使っていた有線専用ルーターをWi-Fiルーターに交換すれば、有線でも無線でもインターネットが利用できるようになります。
パソコンは、ノートパソコンであればほとんどの機種が、無線LAN機能を備えているのでアクセスポイントを利用できます。デスクトップパソコンは無線LAN用の子機、アダプタなどを取り付ければ利用可能です。スマートフォンやタブレット、携帯音楽プレイヤー、Wii、Wii Uなどのゲーム機、DSやPSP、PS vitaなどのポータブルゲーム機も利用できます。
またプリンター、一部のデジタルビデオカメラ、テレビなども、アクセスポイントを利用して家庭内LANに接続できます。もしプリンターを接続すれば、同じ家庭内LANにつながっているパソコンやスマートフォンから無線(Wi-Fi)で印刷が可能です。
また、テレビを別室のパソコンやスマートフォン、タブレットで見たり(DLNA(Digital Living Network Alliance)対応の場合)、デジタルカメラの画像やビデオカメラで撮影した動画を共有したりすることもできます。
ここでは、スマートフォンをアクセスポイントに接続する際の設定方法を解説しましょう。
「設定」画面を出して、「無線とネットワーク」をタップし、さらに「Wi-Fi設定」へと進みます。設定がオフになっている場合は、オンにしましょう。
すると、現在受信できるアクセスポイントの一覧が現われます。このアクセスポイントを識別するためのIDは、SSIDと呼ばれます。自分のルーターのSSIDが表示されていたら(SSIDは、ルーターに付属しているシール、またはルーターの裏側などに書いてあります)、それをタップします。
複数ある場合は、2.4GHzと5GHz(5GHzのほうが、接続スピードが速い。しかし、距離が遠いと速度が落ちる傾向にある)の違い、オーナー用とゲスト用の違い、セキュリティ方式の違いなどによってSSIDが分かれています。
使用したいSSIDを選ぶと、パスワードを入力する画面に切り替わるので、ルーターに付属していたシールまたはルーターの裏側などに記してあるセキュリティキーを入力します。入力後に「接続」をタップして「接続されました」と表示されたら設定完了です。
iPhoneの場合も、Androidとほぼ同じです。「設定」から「Wi-Fi」に進み、「ネットワークを選択」の中からSSIDを選択、パスワードを入力して「接続」をタップします。
また、ルーターによっては手動で設定する手間を省いた簡単な接続方法が用意されていることもあります。詳しくはルーターの設定ガイドなどを参照してください。
ただし、上述した設定方法は、機種によってメニュー名が異なったり、やり方が少し違かったりしますのでご注意ください。
アクセスポイントについて理解すれば、家庭内にあるさまざまな端末をもっと便利に使えるかもしれません。無線でいろいろな端末がネットにつながる快適な環境を作り上げましょう。
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