同じ光回線でもその通信速度は回線事業者やプロバイダーによって異なります。では目安となる平均通信速度はどれくらいなのでしょうか。今回はとくに光回線における下り回線について、快適にインターネットが利用できるスピードの目安をケース別にご紹介していきます。
光回線の速度について説明するには、まず上りと下りの違いについて理解しておいてもらわなくてはなりません。上りと下りの違いは以下のとおりです。
インターネット回線における上りとはデータをアップロード(送信)することを意味します。上り速度と表現するときは、アップロード時の速度のことを言っています。
例えばメールの送信、SNSなどへの書き込み、Webサイトの更新、YouTubeなどへの動画の投稿などがアップロードです。
これに対し、下りはデータをダウンロード(受信)することを意味します。下り速度とはダウンロード時の速度のことです。
例えばYouTubeやNetflixなどの動画を見る、メールを受信する、あるいは普通にブラウザでWebサイトを閲覧するのもダウンロードという行為です。
ここまで説明すればおわかりのように、多くのユーザーにとって重要なのは上り速度よりも下り速度です。下り速度が速いほど、快適に動画を見たり、Webページを次々に素早く開いたりできます。FPSやMMORPGなどのオンラインゲームも、やはり上り速度よりも下り速度の方が重要です(プレイ動画の配信をするなら上り速度も重要になります)。
インターネット回線の通信速度を示す単位として使われるのが「bps」という単位です。bpsは1秒間に転送できるデータが何ビットかを表します。「1kbps(キロビーピーエス)」なら毎秒1,000ビット、「1Mbps(メガビーピーエス)」なら毎秒100万ビット、「1Gbps(ギガビーピーエス)」なら毎秒10億ビットのデータを転送できます。
光回線の最大通信速度は1Gbpsが基本ですが、実測値はMbpsの単位になります。
光回線の下りの回線速度は回線事業者やプロバイダー、光回線1本あたりのユーザー収容数や、機器の通信規格によって実測値にはかなりバラツキがあります。また、最近の光回線は休日や夜になると速度が遅くなるケースが増えています。そのため平均速度を求めることは非常に難しいといえるでしょう。
インターネットをどのような目的で利用するかによって、快適な回線速度は異なるといえます。以下、ケース別に、目安となる速度を見てみましょう。
ブラウザでWebサイトを閲覧するだけなら、10~30Mbpsの下り速度があれば快適です。表示に時間のかかる大きいサイズの画像が多数使用されている場合などは遅く感じるかもしれませんが、通常は問題なくサクサクとページを開いて閲覧できるはずです。
YouTubeやNetflixなどで動画を見る場合は、SD(標準画質)であれば10Mbps程度でも十分だと言えるでしょう。ただ、HD(高画質)やさらに上の画質であるUHDや4Kの動画を視聴する場合は、30Mbps以上が目安となるでしょう。速度が遅いと途中で動画が止まることが多くなります。
オンラインゲームの場合は、ゲームデータのダウンロードやメンテナンス後の更新データのダウンロードにかかる時間を考えると、下り速度は速ければ速いほど快適にプレイできます。目安は100Mbps以上で、これくらいの速度が出ていればゲームに限らずどんな用途であってもインターネットを快適に楽しめます。
ただし、ゲームの場合は速度だけではなく、PING値も重要です。PING値とはインターネット回線の応答速度を表すもので、単位は「ms(ミリ秒=1/1000秒)」です。数値が小さいほどラグが抑えられ、レスポンス性能が高いということになります。通常、PING値が30ms以内ならオンラインゲームに適していると言えますが、FPSやTPS、格闘などの応答速度の速さがキモとなるゲームでは15ms以下が目安とも言われています。
インターネットを快適に使うためには、下りの回線速度が安定していなければなりません。
回線が安定しないと、時間帯によって著しく速度が落ちたり、サイトに繋がりにくくなることがあります。
回線速度の速さと安定性が重要となるオンラインゲームなどは、休日や夜の8時以降などゲームをプレイしたいと思う時間帯に限って速度が遅くなるといったケースがあり、快適にプレイができず、悩まれている方もいるようです。また、4Kなどの高画質動画を視聴する際にも、同様のケースで、動画がスムーズに再生されないなどのトラブルが生じることがあります。
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