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格安SIMで失敗しないノウハウ~格安SIMの機種別の対応周波数を調べる方法~

格安SIMで失敗しないノウハウ~格安SIMの機種別の対応周波数を調べる方法~

「格安SIMを使うようになったら通信速度が遅くなった」「出張で地方に行くと電波の入りが悪くなった気がする」など、格安SIMに変えて失敗したという話を聞いたことがあるでしょうか。こうした失敗をしないためのノウハウをお話しします。
格安SIMと端末との相性などとも言われていますが、格安SIMとSIMフリーのスマホを組み合わせて使う時には、対応周波数のことを知っておく必要があります。
対応周波数とはそもそも何なのか、格安SIMを使う時には対応周波数の何に注意をすればいいのかといったポイントについて解説しましょう。

対応周波数って何?

スマホに限らず携帯電話端末には、すべて機種ごとに対応している「周波数帯」があります。NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルなどのキャリアは、それぞれ国から周波数帯を割り当てられていて、それぞれ会社ごとの周波数帯でのみ通信と通話ができるようになっています。

例えばドコモのモバイル通信には「LTE (FDD-LTE)」と「3G (W-CDMA)」という2つの通信規格があります。LTEは「4G」の一種で、3Gの後継として登場した高速な通信規格です。さて、ドコモのLTEと3Gはそれぞれに周波数帯が決まっていて……

LTEの周波数帯
  • 2.1GHz帯 (バンド1)
  • 1.7GHz帯 (バンド3)
  • 800MHz帯 (バンド19)
  • 1.5GHz帯 (バンド21)
  • 700MHz帯 (バンド28)
3Gの周波数帯
  • 2.1GHz帯(バンド1)
  • 800MHz帯(バンド6)
  • 800MHz帯 (バンド19)

となっています。

ドコモでスマホや携帯電話を購入すれば、端末は最初からこれらの周波数帯にきちんと対応しています。具体的には、ドコモの端末は必ず2.1GHz帯、1.7GHz帯、800MHz帯の3つ、もしくは2.1GHz帯と800MHz帯の2つに対応しています。これが「対応周波数」という言葉の意味です。

周波数が合っていないスマホにSIMを装着して使おうと思っても、通信ができません。実際にはまったく通信できないわけではないのですが、一部にしか対応していないので“ちゃんとした”通信ができないということが起きてしまいます。

周波数帯ごとに役割がある

これらの周波数帯には、それぞれ得意分野と苦手分野があります。大雑把に言うと、高い周波数帯であるほど速度は速くなり、低い周波数ほど電波が届きやすくなります。

  • 最も高い周波数帯である2.1GHz帯(バンド1)は日本全国に基地局があり、速度も速く、ドコモだけでなくauもソフトバンクもLTEとして利用しています。さらに海外でも広く使われている周波数帯なので、海外の端末でも対応している製品が多いのが特徴です。また、日本では2GHz帯と呼ばれることもありますが、これは2.1GHz帯と同じと考えて差し支えありません。

  • 1.5GHz帯(バンド21)も同じLTEバンドですが、こちらはドコモが地方都市で高速化のために整備している日本独自の周波数帯です。海外製の端末が対応していることはほとんどありません。最大23の周波数に対応していることを売り物にしているiPhone6sでも、この周波数帯には対応していません。

  • 1.7GHz帯(バンド3)はドコモが主に東名阪で使用しているLTE限定の周波数帯で、実は下り最大150MbpsというLTEの最高速度が出ます。都内などは2.1GHz帯と1.7GHz帯が併用されています。また、日本では1.7GHzと呼ばれていますが、海外では1.8GHzと呼ばれることが多いことも知っておいてください。

  • そして800MHz帯(バンド19)は最大75Mbpsと速度は遅いのですが、ドコモのプラチナバンドと呼ばれています。理由は電波が届きやすく、広い場所をカバーできるためです。地方で多く使われている「エリア対策用」とも言われる周波数帯が800MHz帯です。都市部でも、ビル内など電波が入り込みづらいところにはこの周波数帯が利用されています。しかし海外ではそれほどポピュラーな周波数帯ではないため、残念なことに対応している端末はそれほど多くありません。

特に地方では周波数帯に注意を

格安SIMを販売しているMVNOはドコモの回線を借りていることが多いので、格安SIMを装着して使うスマホも、ドコモの周波数帯を意識しておく必要があります。ドコモの端末を使うのであればまず問題ありませんが、海外製のSIMフリー端末を自分で用意する場合は要注意です。

例えば東名阪で使うのなら、高速通信ができる1.7GHz帯に対応している端末でなければその恩恵を受けられないことになります。もっと気をつけたいのは800MHz帯です。この周波数帯に対応していない端末は地方ではかなりつながりにくくなってしまいます。山間部などでは、800MHz帯が使えないと電波がまったく入らないということもあるでしょう。

LTEだけではなく3Gの周波数帯も要チェック

格安SIMでは、電話で通話する時には3G回線が使用されます。そのため、データ通信だけではなく通話もしたいという人であれば、3Gのどの周波数帯に対応しているかもチェックしておく必要があります。

特にドコモではFOMAプラスエリアが使用できるかどうかが重要です。ドコモのFOMAプラスエリアはバンド6の800MHz帯と、バンド19の800MHz帯の2つが使用されています。SIMフリー端末がこのどちらにも対応していれば問題ありませんが、現在ではバンド6の方が多く使用されているため、最低でもバンド6に対応していればまず問題はありません。

なお音声通話は、周波数帯云々の前に、SIMフリー端末の通信方式がW-CDMAではなくCDMA2000であった場合には、そもそも通話自体ができません。CDMA2000はau(KDDI)が採用している通信方式で、W-CDMAはドコモとソフトバンクが採用している通信方式です。

対応周波数はどれを押さえるべき?

ここで、SIMフリー端末を選ぶ時にはどの周波数帯に対応していればいいのか、改めて整理しておきましょう。

まず、どんなSIMフリー端末でも、2.1GHz帯 (バンド1)に対応しているのは必須と考えてください。実際、これは海外製でも国内製でも、多くの端末が対応しています。

さらに、プラチナバンドである800MHz帯(バンド19)に対応していることも条件に入れておきたいところです。カバー範囲の広い周波数帯なので地方では特に必要で、都市部でも対応していれば助かるシーンがあるはずです。

そして東名阪で使うのなら1.7GHz帯(バンド3)にも対応していればベターです。通話も行う場合には、3Gのバンド6、800MHz帯に対応しているかどうかも調べておきましょう。

SIMフリー端末の対応周波数を調べる方法は?

SIMフリー端末がそれらの周波数帯に対応しているかどうかは、スペックを見てチェックします。普段は見落としがちですが、3G/LTEの「周波数帯(バンド)」や「通信方式」という項目があればこれをよく読みます。
「FDD-LTE:B1/B3/B7」という書き方がしてあることもよくあります。B1というのはバンド1ということです。もしもスペック表に載っていなかったりわかりづらかったりすれば、国内販売されている端末は販売業者に問い合わせてみるのが確実で手っ取り早いでしょう。

もしも「Nexus9」を格安SIMで使うとしたら?

例えば、人気のSIMフリータブレットである「Nexus9」を格安SIMで運用するとしたらどうでしょうか。スペックを見ると、Nexus 9のLTE対応モデルの対応周波数は次のようになっています。

WCDMA: 850, 900, AWS, 1900, 2100MHz
LTE: Bands 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 20

3Gは2.1GHz帯(バンド1)には対応、800MHz(バンド6)には対応していません。LTEは2.1GHz帯 (バンド1)、1.7GHz帯(バンド3)に対応、800MHz帯 (バンド19)には対応せずとなっています。つまり、「Nexus9」は都市部では比較的使いやすい端末ですが、ドコモのプラチナバンドである800MHzには対応していないため、地方では注意が必要ということになるでしょう。

このように、格安SIMを使う時にはSIMフリー端末の対応周波数をよく調べておかなければなりません。国内で販売されている、技適認証も受けた「技適マーク」付き端末であったとしても、その端末が必要な周波数帯すべてに対応しているとは限りません。
大手キャリアのスマホとSIMを使っていればそこまで考えることはなかったかもしれませんが、格安SIMを十分に活用したいなら、周波数帯に関する知識は持っておくべきでしょう。その上で、自分の環境に最も適した端末はどれなのかを吟味して選ぶようにしてください。

例えば「DTI SIM」も、ドコモが提供する回線を利用しており、LTE「Xi®(クロッシィ)」、及び「FOMA®」のエリアに対応しています(詳しい対応エリアはNTTドコモのホームページからご確認いただけます)。ただ今回お伝えしたように、どの端末を選ぶかでも使用可能エリア、回線スピードに違いが出てきますのでご注意ください。

2015年10月更新

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