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映画『海底2万マイル』ネタバレ解説|ネモ艦長の「希望」とは何だったのかを考察!

おさとう

更新日:2022-5-23

<プロモーション>

1954年にアメリカで公開された映画『海底2万マイル』。

 

本作は“SFの父”と称されるフランスの小説家ジュール・ヴェルヌの著作『海底二万里(かいていにまんり)』を原作とし、潜水艦ノーチラス号で海底を巡る冒険ファンタジーとなっています。

 

映画を見たことがない方も、そのタイトルや映画をモチーフとして作られた東京ディズニーシーのアトラクション「海底2万マイル」はご存じなのではないでしょうか。

 

今回はそんな映画『海底2万マイル』をネタバレありで分かりやすく解説!

さらに原作小説や続編に関する情報もご紹介していきます。

 

・「『海底2万マイル』ってどんな話?」

・「結局ラストってどうなるんだっけ?」

・「『海底二万哩』?『海底二万里』?正しい名称ってなに?」

 

こんな疑問をお持ちの方はぜひ読んでみてください!

 

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映画『海底2万マイル』を見るならディズニープラスがおすすめ!

 

映画『海底2万マイル』をまだ見ていない方やもう一度見たい方に向け、本作を配信しているサービスをご紹介します。

 

2023年1月現在、映画『海底2万マイル』は以下の動画配信サービスで配信されていることが確認できました。

 

動画配信サービス

配信状況/追加料金

ディズニープラス

月額990円(税込)

見放題

music.jp

月額1,958円(税込)

レンタル

299円(税込)

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月額550円(税込)

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クランクイン!ビデオ

月額990円(税込)

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GYAO!ストア

都度課金

レンタル

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上記の中でも、特におすすめの動画配信サービスがディズニープラスです。

ディズニープラスは、ディズニー作品だけでなくピクサー作品やマーベル作品など、豊富なラインナップの動画を楽しめることから、着々とユーザーを増やし続けている今注目の動画配信サービス

言わずと知れた『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや、『海底二万里』の原作者ジュール・ヴェルヌの同名小説を映画化した『地底探検』などの作品を、月額料金990円(税込)のみで見放題で視聴できるサービスとなっています。

 

ディズニー作品は権利の都合上、他の動画配信サービスでは月額料金とは別途課金が必要になる「レンタル作品」となっていることがほとんど。

 

しかし、ディズニーが公式に運営している動画配信サービスディズニープラスであれば、他ではレンタル扱いになっている作品や配信されていない作品を、見放題で視聴することが可能です。

 

さらにディズニープラスでは、映画本編に加えて未公開シーンやサイドストーリーなどの特典映像がたくさん配信されており、ディズニーファンなら絶対に加入しておきたいサービスとなっています!
 

 

 

映画『海底2万マイル』概要

 

海底二万マイルタイトル画像

『海底2万マイル』概要

タイトル

『海底二万哩(マイル)』(複数表記あり)

原題:20000 Leagues Under the Sea

監督

リチャード・フライシャー

主要キャスト

カーク・ダグラス、ジェームズ・メイソン

ポール・ルーカス、ピーター・ローレ

原作

ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』(複数表記あり)

原題(仏語):Vingt mille lieues sous les mers

公開日

日本:1955年12月23日/アメリカ:1954年12月23日

上映時間

127分

 

1954年に公開された映画『海底2万マイル』は、当時アニメーション製作が主体だったディズニーの7番目の実写映画です。

 

『十五少年漂流記』や『神秘の島(ミステリアス・アイランド)』などの代表作を持ち、“SFの父”と称されるフランスの小説家ジュール・ヴェルヌの著作『海底二万里』が原作となっています。

 

監督を務めたのは、第二次世界大戦後に日本を占領していたアメリカ兵のために製作され1947年に公開された映画『Design for Death』で、アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞しているリチャード・フライシャー

 

本作は、洗練されたノーチラス号のデザインや巨大イカとの大迫力の戦闘シーンが評価され、アカデミー美術監督装置賞(現:美術賞)と特殊効果賞(現:視覚効果賞)を受賞しています。

 

映画『海底2万マイル』の簡単なあらすじ【ネタバレなし】

 

海底に潜水する乗組員

 

1868年、南太平洋で船舶が怪物に襲われて沈没するという事故が続いていた。
 

海洋学者のアロナクス教授とその助手コンセイユは、アメリカ政府の軍艦に搭乗し調査に赴く。しかし、軍艦は怪物に襲撃され大破。アロナクス教授とコンセイユ、そして同乗していた銛打ちのネッドは海に投げ出されてしまう。
 

3人は漂流の末に運よく巨大な潜水艦を発見する。しかし、その潜水艦“ノーチラス号”こそが船舶を襲っていた怪物の正体だった。3人は捕らえられ、ノーチラス号のネモ艦長と共に海底を巡ることに……。

 

怪物の調査に赴いたアロナクス教授とコンセイユ、ネッドの3人が、潜水艦ノーチラス号のネモ艦長に捕らえられてしまうことから物語が始まる『海底2万マイル』。

 

そんな本作は、ノーチラス号に捕らえられた3人が海底を巡りながら、ネモ艦長が有する卓越した科学技術や、地上と人間に対する絶望などを知っていく冒険ファンタジーとなっています。

 

映画『海底2万マイル』の登場人物/キャスト紹介

 

【アロナクス教授(演:ポール・ルーカス)】

謎の船舶沈没事故を調査するため軍艦に乗船した海洋生物学者。漂流しノーチラス号の捕虜となる。ネモ艦長の技術力に関心を持ち、親しくなっていく。

 

アロナクス教授を演じたのは、1943年の映画『ラインの監視』でアカデミー主演男優賞を受賞したポール・ルーカス。

 

【ネモ艦長(演:ジェームズ・メイソン)】

潜水艦ノーチラス号の艦長。天才的な頭脳を持ち、19世紀末では考えられないほど高度な技術を用いてノーチラス号を作り出した。奴隷として使役されていた過去を持つ。

 

基本的には理性的な紳士であるが、目的達成のためなら手段を選ばない冷徹な一面も持ち合わせている。

 

ネモ艦長を演じたのは、イギリス出身の俳優ジェームズ・メイソン。『スタア誕生』や『ジョージー・ガール』、『評決』などの代表作でアカデミー賞にノミネートされるも、一度も受賞に至らなかった事から「無冠の名優」「無冠の帝王」などと呼ばれています。

 

【ネッド・ランド(演:カーク・ダグラス)】

 

沈没事故の調査に同行した銛打ち。感情的になりやすく度々トラブルを起こすためネモ艦長との相性は悪い。しかし、巨大イカに触手に絡めとられ海に引きずり込まれそうになったネモ艦長を助けるなど、裏表のない性格をしている。

 

ネッド・ランドを演じたのは、『スパルタカス』や『脱獄』、『悪人と美女』などの代表作を持つアメリカの名優カーク・ダグラス。90本以上の映画に出演しているほか、1963年には小説『カッコーの巣の上で』の権利を取得してブロードウェイ・ミュージカル化するなど、プロデューサー業にも精力的に活動しました。

 

【コンセイユ(演:ピーター・ローレ)】

 

アロナクスの助手。アロナクス教授に忠実な男で、教授が軍艦から海に投げ出された際にはすぐに自らも海に飛び込んだ。ノーチラス号に入ってからは、アロナクス教授がネモ艦長と親しくなっていったことで距離が生まれてしまい、ネッドと話す機会が増えたため親しくなる。

 

コンセイユを演じたのは、ヒッチコック監督作『暗殺者の家』やアカデミー賞3部門を受賞した映画『カサブランカ』に出演しているハリウッド俳優ピーター・ローレ。

 

 

『海底二万里』?『海底二万哩(マイル)』?多数存在する名称の理由

 

小説『海底二万里』タイトル画像

 

実は映画『海底2万マイル』には、複数の正式なタイトル(邦題)が存在します。

 

元々日本で公開された時のタイトルは『海底二万哩(マイル)』でした。

 

しかし、ビデオ販売時にBVHE(現:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント)版は『海底2万マイル』、ポニー・バンダイ版は『海底20000マイル』というタイトルで発売されます。

 

その結果、現在正式な映画のタイトルは、

 

・『海底二万哩』

・『海底2万マイル』

・『海底20000マイル』

 

の3つとなっているのです。

 

さらに、原作となった小説『海底二万里』にも複数のタイトルが存在しています。

 

小説のタイトル一覧(一部抜粋)

タイトル

出版社・年代

『海底二万里』

岩波書店・1956-1957年

『海底二万リーグ』

早川書房・1962年

『海底二万海里』

角川書店・1963年

『海底二万マイル』

旺文社・1970年

『海底2万マイル』

講談社・2000年

 

なぜこのように様々なタイトルが存在するのでしょうか?]

 

映画の原作にもなっている小説『海底二万里』の原題は『Vingt Mille Lieues Sous Les Mers(海底2万リュー)』。英語でのタイトルもその直訳『Twenty Thousand Leagues Under the Sea(海底2万リーグ)』です。

 

しかし、日本ではリューやリーグという単位になじみが薄いことから、当初マイルに換算して『海底六万哩(マイル)』と訳していました。

 

ですが、この『海底六万哩』と原題の「2万」が混同されてしまい、いつの間にか『海底二万マイル』というタイトルが広まり定着してしまったのです。

 

その後、「2万マイルだと正しい距離じゃない」「2万里なら2万リューとほとんど同じ距離だ」という話になり、小説のタイトルは『海底二万里』が一般的になったのでした。

 

単位解説画像

 

ちなみに「2万リュー」は「約8万キロメートル」、「2万マイル」は「3万キロメートル」です。

※マイルには「国際マイル」など様々な種類があります。ここでは分かりやすい「メートルマイル」で計算しています。

 

映画のタイトルは『海底2万マイル』で定着してしまったのでそのままになっていますが、本来の半分以下の距離になっていたなんて驚きですね!

 

 

【ネタバレ】映画とは違う!原作小説『海底二万里』の結末

 

小説『海底二万里』表紙ネモ艦長版

 

映画『海底2万マイル』と原作となった小説『海底二万里』は、時代設定や話の大筋は変わらないもののその結末は大きく異なります。

 

映画『海底2万マイル』の結末は、ネモ艦長は銃弾を受け重傷を負い、最後はノーチラス号と共に海に沈んでいくというもの。

 

一方、小説『海底二万里』は、ノーチラス号が「魔の大渦(メイルストローム)」に巻き込まれた隙にアロナクス教授とコンセイユ、ネッドが脱走して物語が終わります。

 

その後、ネモ艦長はジュール・ヴェルヌの著作『神秘の島(ミステリアス・アイランド)』に再登場し、老衰で亡くなりました。

 

この他にも、映画で巨大イカと戦うシーンが小説では複数の巨大タコと戦うシーンであるなど、細かい違いがあります。

 

原作小説『海底二万里』と比較しながら映画『海底2万マイル』を視聴するのも面白いかもしれませんね!
 

 

つまらない?怖い?映画を見るとより楽しめる!アトラクション「海底2万マイル」

 

「海底2万マイル」と聞くと、映画よりも東京ディズニーシーのアトラクションを思い浮かべる人も少なくないのではないでしょうか。

 

実はあのアトラクション「海底2万マイル」は、映画『海底2万マイル』をモチーフにして作られているんです。

 

ちなみに、原作者ジュール・ヴェルヌにまつわるアトラクションは他にもあり、人気アトラクション「センター・オブ・ジ・アース」は、ジュール・ヴェルヌの著作『地底探検』を原作に製作された同名映画をモチーフにしています。

 

さらに、「海底2万マイル」や「センター・オブ・ジ・アース」があるエリア「ミステリアスアイランド」もジュール・ヴェルヌの著作『神秘の島(ミステリアス・アイランド)』の名に由来しているんです。

 

そんな人気アトラクションの1つ「海底2万マイル」について調べていると、「つまらない」「怖い」という評判を目にしました。

 

「海底2万マイル」は、ゲストがネモ艦長の新任部下となり、小型潜水艇に乗って海中探検を楽しむという内容のアトラクション。

 

この乗り物が暗い&狭いため、暗所恐怖症や閉所恐怖症の人だと恐ろしく感じてしまうことがあるようです。

 

「海底2万マイル」には、アトラクション中に映画に登場する巨大イカに襲われたり、アトラクション付近にいるキャストの制服が映画に登場するノーチラス号の乗組員と同じデザインだったりと、映画を見ているとより楽しむことができる要素がたくさんあります。

 

もちろん東京ディズニーシーの「ミステリアスアイランド」にある「ノーチラスギャレー」に浮かぶノーチラス号も、映画に登場するノーチラス号を見たままに再現しています。

 

映画を見ていなくても十分に楽しめるアトラクションですが、映画を見た後に乗るとそれまでとは違った楽しさに触れることができるでしょう。ぜひ映画『海底2万マイル』を視聴してみてください!

 

 

【ネタバレ感想】ネモ艦長が口にした「希望」とは何だったのか

 

ネモ艦長肖像画

 

本作でもっとも存在感を放っていたのは間違いなくネモ艦長です。

 

ネモ艦長は高度なエネルギー技術を発明し、それを利用して作り出した潜水艦ノーチラス号で海底に暮らす男。基本的には紳士的で知性に富んだ人物です。

 

しかし、過去には某国の強制収容所で奴隷として兵器開発のための原材料採掘をさせられており、収容所から逃げ出してノーチラス号を開発した後には、発明の秘密を知ろうとした某国に妻と幼い息子を拷問され殺されています。

 

そのことが原因で、ネモ艦長は国家の利益のために戦争をする人々を憎むようになり、各国の軍艦を乗員もろとも沈没させるようになったのでした。

 

そんなネモ艦長を、アロナクス教授は「凄まじい技術力や気品のある態度に惹かれると同時に、過去に囚われ戦争を繰り返す利己的な人類への復讐に燃える狂人」と見ていたのではないかと思います。

 

そしてアロナクス教授は、ネモ艦長を正しい道=発明を人類の発展に役立てる道に改心させようと考えていました。

 

ですが、そもそもネモ艦長は「復讐に燃える狂人」などではなかったのではないでしょうか。

 

「地上」=「人類」から距離を置いて海底に暮らしているのは事実ですし、戦争に対して怒りを抱き軍艦を沈没させているのも事実です。

 

しかし、銃弾を受け死を覚悟した時には「未来にも希望はある。世界がより良いものになった時、自分の発明したものが正しく使われる日が来る」と言っています。

 

また、アロナクス教授を生かしてノーチラス号に同行させたのは、発明を公にするための使者になってもらうためでした。つまり、ネモ艦長ははじめから発明を公表するつもりだった、人類は愚かな生き物だと完全には諦めてはいなかったのです。

 

作中で明示されているわけはありませんが、ネモ艦長の発明したエネルギー技術とは原子力エネルギーのことであると考えられます。

 

本作は「発展していく科学技術は使い方次第で破滅も平和ももたらすものだ」という教訓と、「だからこそ正しく使われる日が来ることを願っている」という、現代にも通ずる痛切なメッセージが込められた作品だったのだと思います。

 

 

『海底2万マイル』ドラマ版リメイクをディズニープラスで配信予定

 

ディズニーシーのノーチラス号の画像

 

映画『海底2万マイル』はこれまでに3度リメイクの話が上がったものの、実現には至っていません。

 

『チャーリーズ・エンジェル』や『ターミネーター4』のマックG監督や『ゴーン・ガール』のデヴィッド・フィンチャー監督、『17歳のカルテ』や『ニューヨークの恋人』で知られるジェームズ・マンゴールド監督が起用されるも、様々な理由で企画は中断されてしまいました。

 

2016年以降、噂すら耳にすることのなくなった『海底2万マイル』のリメイク。

 

ですが、なんと2021年8月にアメリカの週刊誌「ハリウッド・リポーター」が、「ディズニー動画配信サービスDisney+が実写ドラマ版『海底2万マイル』にゴーサインを出した」と報じたのです。

 

「20,000 Leagues Under the Sea(原題)」全10話の実写ドラマとして制作予定で、原作小説『海底二万里』を忠実に映像化するのではなく、ネモ艦長と潜水艦ノーチラス号の前日譚を描いた作品になるそうです。

 

脚本を映画「ザ・レジェンド」やドラマ「ストライクバック 極秘ミッション」のジェームズ・ドーマーが担当し、イギリスの「Moonriver TV」と「Seven Stories」が制作に参加。2022年上半期にクランクインしているとの情報も!

 

配信されるのはまだまだ先になると思いますが、ファンにとってはかなり嬉しいニュースですね!

 

 

映画『海底2万マイル』ネタバレ解説まとめ

 

映画『海底2万マイル』をネタバレありで解説してきました。

 

『海底2万マイル』というタイトルから冒険ファンタジー要素が主となるのかと思われがちですが、その実は人間のエゴと戦争の悲惨さを如実に描いたヒューマンドラマの色が濃い作品です。

 

巨大イカとの特撮シーンではCGとは一味違った迫力を味わうことができ、趣向を凝らしたノーチラス号の内装は見ていて心躍るものでした。

 

ディズニーファンであれば、ネモ艦長がパイプオルガンを演奏するシーンや人食い人種に追われるシーンなど、「『パイレーツ・オブ・カリビアン』はこれをオマージュしたのか!」という発見があってより楽しめると思います。

 

ディズニープラスでドラマ版リメイクが制作されるという情報もあるので、まだ見たことがない方も既に視聴済みの方も、ぜひ映画『海底2万マイル』を視聴してみてください!

 

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※本ページの情報は2022年5月時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サービスサイトにてご確認ください。

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執筆

おさとう

純文学・詩・エッセイなどを好み、深夜に散歩することを日々のささやかな楽しみとする20代。スマホのロック画面は『ナイト・オン・ザ・プラネット』のウィノナ・ライダー。読者の皆さんが新たな気付きを得られる記事を目指して書きます。

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