実写映画「ダンボ」ってどんな映画?
作品情報
原題
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Dumbo
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監督
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ティム・バートン
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脚本
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アーレン・クルーガー
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音楽
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ダニー・エルフマン
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公開日
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2019年3月29日
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実写映画「ダンボ」の監督を務めたのは、ティム・バートン。
「シザーハンズ(1990年)」や、「チャーリーとチョコレート工場(2005年)」、「アリス・イン・ワンダーランド シリーズ(2010年~2016年)」などで知られる、独特な世界観が人気の監督です。
ダニー・エルフマンは、ティム・バートン監督のほぼ全ての作品で音楽を担当。
今作品でも音楽で活躍しました。
キャラクター&キャスト
ダンボ
大きな耳を持った、主人公の赤ちゃんゾウ。
メディチ・ブラザーズ・サーカスで生まれた。
お母さんのことが大好き。
ホルト・ファリア
今作品の人間側の主人公で、ミリーとジョーの父。
メディチ・ブラザーズ・サーカスの元看板スターで、かつては乗馬ショーを得意とする曲芸師だった。
新たにダンボの飼育係に任命されるも、あまりやる気がない様子。
【キャスト】コリン・ファレル
【日本語吹き替え版】西島秀俊
マックス・メディチ
メディチ・ブラザーズ・サーカスの団長。
経営難に陥ったサーカスを立て直そうと奮闘する。
お金のことに悩みながらも、サーカスの団員のことを考えてくれている。
【キャスト】ダニー・デヴィート
【日本語吹き替え版】浦山迅
V.A.ヴァンデヴァー
ニューヨークの巨大テーマパーク、“ドリーム・ランド”の経営者。
ダンボのニュースを聞き、ダンボとメディチ・ブラザーズ・サーカスの団員たちを、ドリーム・ランドで雇うことに。
金儲けのことばかり考えており、ダンボを巡ってホルトたちと敵対する。
【キャスト】マイケル・キートン
【日本語吹き替え版】井上和彦
コレット・マーチャント
ドリーム・ランドの看板スターで、空中ブランコの曲芸師。
一見気が強そうだが、優しい心の持ち主。
ダンボたちと過ごしたことで、ヴァンヴァーのやり方に疑問を持つように。
【キャスト】エヴァ・グリーン
【日本語吹き替え版】沢城みゆき
ミリー・ファリア
ホルトの娘で、発明家になることを夢見ている。
冷静な性格で、人前には出たがらない。
やる気がない父とは対照的に、ダンボの世話に熱心な様子。
【キャスト】ニコ・パーカー
【日本語吹き替え版】遠藤璃菜
ジョー・ファリア
ホルトの息子。
明るく一生懸命な少年で、姉のミリーと仲良し。
ミリーと共にダンボの世話をしている。
【キャスト】フィンリー・ホビンス
【日本語吹き替え版】岡部息吹
ジャンボ
ダンボのお母さん。
メディチ・ブラザーズ・サーカスでダンボを産んだ後、ダンボと引き離されてしまう。
実写映画「ダンボ」のあらすじ
メディチ・ブラザーズ・サーカスで、ゾウの赤ちゃん・ダンボが誕生。
可愛らしい赤ちゃんでしたが、ダンボは“大きすぎる耳”を持っていました。
他のゾウとは違うダンボ。
ダンボはサーカスのショーに登場しましたが、みんなの笑いものになってしまいました。
観客から愛する我が子をバカにされた怒りから、ダンボの母・ジャンボは大暴れ。
その日のショーは滅茶苦茶になってしまい、ジャンボはどこかに売られてしまいました。
サーカスの元看板スター・ホルトの子供たちが、ダンボの世話をしていたある日のことです。
子供たちは、ダンボが大きな耳を使って宙に浮く姿を目の当たりにします。
ダンボが空を飛ぶことは、瞬く間に世間に知れ渡りました。
ある日、ダンボの噂を聞いた、V.A.ヴァンデヴァーがサーカスにやってきました。
彼の経営する“ドリーム・ランド”に、ダンボとサーカスの団員たちは雇われることになりますが……。
実写映画「ダンボ」のアニメ版との違い
実写映画「ダンボ」は、アニメ版とそもそものストーリーが大きく異なります。
そのため、実写版とアニメ版の違いとしては、「全てが違う」というのが簡潔な解答です。
今回は、具体的にアニメ版と大きく異なる部分をいくつかピックアップし、アニメ版のあらすじと共に、詳しく紹介します!
アニメーション映画「ダンボ」あらすじ
サーカスのゾウ・ジャンボの元に、コウノトリが赤ちゃんを運んできます。
可愛らしい赤ちゃんでしたが、他のゾウとは違う特徴がありました。
赤ちゃんゾウは、大きな耳を持っていたのです。
ジャンボの仲間のゾウたちは、赤ちゃんの大きな耳を笑い、バカにして「ダンボ」と名付けました。
ジャンボは仲間たちの悪口には耳を貸さず、我が子に溢れんばかりの愛情を注ぎ、大切に育てました。
ある日、サーカスに来た人間がダンボを見て、大きな耳をからかいます。
それを見たジャンボは怒り狂い、大暴れ。
サーカスの団長は、ジャンボを“危険なゾウ”と見なし、檻に閉じ込めてしまいます。
お母さんのジャンボと離れ離れになったダンボは、他のゾウたちからも仲間外れにされ、独りぼっちです。
その様子を見たサーカス団員のネズミ・ティモシーは、ダンボに手を差し伸べます。
「サーカスのスターになってお母さんを助けよう!」とダンボに提案するティモシー。
ダンボとティモシーはスターを目指して奮闘します!
ジャンボを救うという共通点
実写版とアニメ版とでは、ほぼ全てが異なる「ダンボ」ですが、“ダンボの母・ジャンボと再会する”という目標は共通しています。
【アニメ版】
ダンボをバカにされたことに怒り、大暴れした結果、「危険なゾウ」として檻に入れられてしまったジャンボ。
ダンボはティモシーたちに助けられながら、サーカスのスターになってジャンボを救うべく、奮闘するというストーリー。
最終的な結末では、ダンボが空を飛べるようになり、サーカスのスターになる。
そしてジャンボと再会し、ダンボとジャンボはサーカスの一員として新たな街へ向かう。
【実写版】
ダンボをバカにされたことを怒ったジャンボが、サーカスのショーに乱入。
死者を出してしまう大惨事になり、ジャンボは売られてしまう。
ミリーやジョーをはじめとする人間たちがダンボに協力し、空を飛ぶというダンボの特技を生かしてサーカスを儲からせ、ジャンボを買い戻そうと考える。
最終的な結末では、ダンボとジャンボは故郷に帰してもらうことに。
最終的な結末は、アニメ版と実写版とで異なります。
実写版ではサーカスのスターになるのではなく、ダンボとジャンボが故郷に帰りました。
より動物のことを考えた結末になっているのではないでしょうか。
ダンボの名前の由来は?
【アニメ版】
ダンボの本当の名前は、「ジャンボ・ジュニア」。
ダンボの母・ジャンボが名付ける。
しかし、ジャンボの仲間たちのゾウが、大きな耳をバカにして「ダンボ」というあだ名をつけた。
【実写版】
実写版では明確に名付けられてはいないものの、最初は「ベイビー・ジャンボ」と呼ばれていた。
メディチ・ブラザーズ・サーカスでダンボがショーに登場した際、看板が壊れて「DEAR BABY JUMBO(みんなの子 ジャンボ)」という文字が、「EAR BABY DUMBO(耳のダンボ)」に。
それから「ダンボ」と呼ばれるようになった。
「Dumbo(ダンボ)」は、造語ではなく、バカ、まぬけといった意味を持つ単語です。
ちなみにダンボの性別は、アニメ版と実写版のどちらもオス。
アニメ版では「坊や」という言葉や、実写の字幕版では、「he」という単語が使われていることがわかります。
ピンクのゾウって何?
映画「ダンボ」を語るうえで、必ずと言っても過言ではないほど話題にあがるのが「ピンクのゾウ」。
「ピンクのゾウ」とは一体何なのでしょうか。
【アニメ版】
傷心したダンボを、ティモシーが慰めるシーンで、誤って酒入りの水を飲んでしまったことで、酔っぱらった2匹が“ピンクのゾウ”の夢(幻覚)を見る。
【実写版】
ドリームランドのショーで、ダンボの出番の前に、シャボンを使った芸が披露される。
そのシャボンで、アニメ版のピンクのゾウが再現されている。
アニメ版では、酔っぱらっている様子を描いていることもあり、かなり意味不明なシーンに仕上がっています。
そこそこ長い尺で描かれており、アニメ版「ダンボ」の中でも、特に印象に残りやすい場面。
例えるなら、「風邪をひいたときに見る夢」のような、サイケデリックでカオスなシーン。
幼少期にダンボを見て、ピンクのゾウがトラウマになったという人も多いようです。
実写版では、アニメ版ほど怖さはないものの、現実と上手く織り交ぜながら、忠実に再現されているように感じました。
アニメ版を知らない人が見たら、「このシーンは必要なの?」と感じてしまうような、非常に謎めいたシーンに見えるのではないでしょうか。
アニメ版のようなカオスさを残しつつも、シャボン玉で幻想的に美しく表現されています。
ダンボが空を飛ぶきっかけは?
ダンボの特徴は大きな耳。
そして、その耳を使って空を飛ぶこと。
この重要な部分でも、アニメ版と実写版とでは少し違いがあります。
【アニメ版】
一番最初は、ダンボが酔っぱらったときに無意識のうちに飛んでいた。
(酔ってピンクのゾウを見た後、木の上でダンボとティモシーが目を覚ます場面に移るため、シーンとしては描かれていない。)
その後、カラスたちから“魔法の羽根”をもらったことがきっかけで、意識的に空を飛べるようになる。
魔法を信じたダンボが鼻で羽根を握り、空を飛ぶ。
実際には魔法などはなく、“魔法の羽根”はティモシーが奮い立たせるために嘘をついて渡したただのカラスの羽根。
最終的には羽根がなくても飛べるようになる。
【実写版】
ダンボが羽根を鼻で吸い込み、くしゃみをした拍子に宙に浮き、空を飛べるように。
最終的には羽根がなくても空を飛べるようになった。
アニメ版では、カラスたちにアドバイスをもらったティモシーが、「空を飛べるようになる魔法の羽根だ」と言って、ダンボに羽根を渡します。
それをダンボが信じたことで、空を飛べるようになりました。
実写版では「魔法」という言葉はなく、偶然羽根を吸い込んだことで、空を飛べるようになります。
空を飛ぶシーンのたびに、ダンボは鼻で羽根を吸い込むのですが……「そんなにたくさん吸い込んでしまって大丈夫なのかな?」と思わずにはいられませんでした。笑
アニメ映画版「ダンボ」をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
実写映画「ダンボ」の感想
続いて、個人的な感想を含みながら、「怖い?」「評価は?」といった気になる点について解説していきます。
ちなみに筆者はアニメ版「ダンボ」の大ファン。
幼少期の頃から見ていて、今までで何度見たかわかりません。
実写版「ダンボ」も劇場に見に行き、その後も配信サービスで数回視聴しました。
実写版の監督、ティム・バートンのファンでもあるため、公開が決まったときは非常にワクワクしたことを覚えています。
ダンボのファン目線も含め、実写版「ダンボ」の感想を紹介します!
実写版「ダンボ」は怖い?
実写版「ダンボ」の監督を務めたのは、ティム・バートン。
彼は、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993年)」や「チャーリーとチョコレート工場(2005年)」、「フランケンウィニー(1984年、2012年)」など、ファンタジーでありつつも、少しダークな世界観を描くことが多い監督です。
そのため、今作に対しても「少し怖いのかも……?」と思う人も多かったのではないでしょうか。
そして、ゾウであるダンボの実写化のイメージが湧きにくかったり、リアルだと少し怖いというイメージを持ってしまいやすいのかもしれません。
しかし、今作は怖い描写はないように感じました。
強いて言うなら、「ピンクのゾウ」のシーンくらいでしょうか。
そのシーンも、アニメ版ではたしかに怖いというのも頷けるシーンでしたが、実写版では非常に幻想的で、意味は分からないものの美しさの方が勝るのではないかと思います。
ダンボもリアルでありながらも、表情豊かで可愛らしく描かれていました。
ティム・バートンらしい、独特雰囲気のあるファンタジー映画でありながら、子供も大人も楽しめる内容なのではないかと思います。
実写版「ダンボ」はひどい?
アニメ版でダンボを支えた相棒・ティモシーや、“魔法の羽根”を渡したカラスたちは、実写版では登場していません。
ティモシーに関しては、それらしい白いネズミが2回ほど映りますが、特にストーリーに絡んでくることはありませんでした。
また、アニメ版でサーカスの団員たちを乗せていた、蒸気機関車のケイシー・ジュニアも、実写版では冒頭に登場するのみ。
アニメ版のように喋ったり歌ったりはしません。
(ケイシー・ジュニアは1941年のディズニー長編実写&アニメーション映画「リラクタント・ドラゴン」で初めて登場し、その後、アニメ版「ダンボ」にも登場したキャラクターです。)
こういったアニメ版で重要な役割を果たしたキャラクターが、実写版には登場しなかったため、実写版に対して「ひどい」という感想が生まれてしまうのかもしれません。
しかし、アニメ版のファンならハッとするような嬉しい演出も多々見られました。
アニメ版でジャンボの元にダンボを運んだコウノトリは、ジャンボがダンボを産んだ夜、一瞬映ります。
“魔法”ではないものの、ダンボが空を飛ぶきっかけが羽根であったり、ダンボがピエロ姿で登場するサーカスのショーのシーンでは、アニメ版を少し再現していました。
また、アニメ版でダンボの耳を引っ張っていじめる少年にそっくりな少年が、実写版のサーカスの観客の中にいたりと、気づくと嬉しい小ネタが詰まっています。
個人的には、ティモシーは実写版でも活躍して欲しかったな、と思いはしたものの、「アニメ版で見たやつだ!」と楽しめるポイントもあったため、ひどいとは感じませんでした。
特に「ピンクのゾウ」が再現されていたのは嬉しかったです!
実写版「ダンボ」の主題歌は?
ミュージカル映画という印象があまりないかもしれませんが、アニメ版の「ダンボ」では、歌がいくつか流れます。
アニメ版「ダンボ」挿入歌一覧
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コウノトリにご用心(Look Out for Mr. Stork)
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ケイシー・ジュニア(Casey Junior)
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テント張りのうた(Song ff the Roustabouts)
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私の赤ちゃん(Baby Mine)
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ピンク・エレファンツ・オン・パレード(Pink Elephants on Parade)
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道化の歌(Clown Song)
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もし象が空を飛んだら(When I See an Elephant Fly)
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実写版「ダンボ」では、アニメ版でも一番有名な「ベイビー・マイン」のみ、劇中とエンディングで歌われています。
日本語版エンドソングでは、竹内まりやが「ベイビー・マイン」を歌いました。
また、実写版の冒頭で流れる音楽は、アニメ版で流れる「ケイシー・ジュニア」をアレンジした音楽です。
実写版「ダンボ」の評価は?
実写映画「ダンボ」は、個人的には、アニメ版とは全く別物だと割り切って楽しめる映画だと感じました。
世間では、実写映画「ダンボ」はどのように評価されているのでしょうか?
興行収入では、日本では10.0億円と、歴代ディズニー実写映画では第10位。
全世界の興行収入では$353,000,000(約435億円)と、ヒット作と言える映画なのではないでしょうか。
ツイッターでの感想も、「感動した」「面白かった」という意見が目立ちました。
しかし、中には「終わり方がありきたりだった」「ダンボが脇役に感じた」という人も。
他のゾウとは異なる特徴を持った、赤ちゃんゾウのダンボ。
そんなダンボと接し、変化していく人間たちに焦点を合わせた作品にも感じ取れるストーリー展開だったため、たしかに人間の方がメインキャラクターとして映し出されているかもしれません。
実写映画「ダンボ」では、最終的な結末としてダンボとジャンボが故郷に帰ったり、メディチ・ファミリー・サーカスが「動物を閉じ込めないサーカス」になったりと、“動物サーカス廃止”という、動物愛護を訴えかける映画でもあります。
子供も楽しめる内容ではありつつも、どこか考えさせられる部分がある、大人にこそ見て欲しい映画です。
ダンボと人間の新たなストーリーが描かれた映画
アニメ版ではダンボたちにとって、人間は比較的悪者という立ち位置で描かれていました。
しかし、実写版では、ダンボを支え、共に奮闘するのは人間たち。
ダンボと人間たちの友情を見ることができる、全く新しく生まれ変わった「ダンボ」を楽しむことができます。
また、アニメ版ではダンボが主役ですが、実写版ではどちらかというと人間が主役のようにも感じられるのではないでしょうか。
“普通とは違う動物や人”を見たとき、どのような対応をしますか?
最初から他と変わりなく、優しく接することが出来る人は少ないのではないのでしょうか。
実写映画「ダンボ」では、見かけだけで判断することの愚かさや、関わっていく内に変化していく心境が描かれています。
“人と違うことはおかしいことではない”ということを、訴えかけている映画だと感じます。
そして、アニメ版とは異なる結末を迎える実写版では、「動物への接し方」も大きなテーマになっているのではないでしょうか。
心温まり、自分を見つめ直すきっかけにもなり得る、実写映画「ダンボ」。
きっと見た後は優しい気持ちになれるはずです。
実写映画「ダンボ」を見るなら!
劇場公開が既に終了した、実写映画「ダンボ」を見るなら、配信サービスでの視聴がおすすめです。
中でも特におすすめな配信サービスは、ディズニープラス!
実写版「ダンボ」はもちろん、アニメ版「ダンボ」も見放題で見ることができます。
また、アニメ映画「バンビ」や、実写映画「プーと大人になった僕」など、ディズニー作品が豊富に配信されています。
その他にも、実写版「わんわん物語」や「私ときどきレッサーパンダ」など、ディズニープラスでしか見られない、独占配信されている作品も豊富。
また、ディズニー以外の映画やドラマ、アニメ作品も多様に配信されているため、ディズニー以外の作品も見たいという人でも安心です!
心温まる優しい物語の実写映画「ダンボ」、ぜひチェックしてみてください!
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