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ストレス社会を生きるあなたへ『プーと大人になった僕』あらすじ解説!

クマミ

更新日:2022-4-13

<プロモーション>

2018年に公開された映画作品『プーと大人になった僕』。

キュートな見た目とほんわかした愛らしさで人気のディズニーキャラクター、くまのプーさんの初実写化作品となっています。

 

そんなプーさんの実写映画『プーと大人になった僕』ですが、なんとアニメ版プーさんからはイメージできない大人向けな内容の映画でした!

 

今回はそんなディズニーでは珍しい大人向け映画作品『プーと大人になった僕』のあらすじや見どころなどをまとめて解説!

 

「作品のストーリーや結末が知りたい!」

「なぜ大人向けの映画って言われているの?」

「プーさんたちの名言に込められた意味が知りたい!」

 

といった映画を見てない方も見た方も楽しめる内容になっているかと思いますので、ぜひ最後までチェックしてみてください!

 

泣ける大人の実写映画『プーと大人になった僕』の作品情報

始めに、『プーと大人になった僕』の作品情報をまとめてみましたのでご覧ください!

 

映画『プーと大人になった僕』作品概要

タイトル

プーと大人になった僕

(原題:Christopher Robin)

原作 くまのプーさん
監督 マーク・フォースター
脚本

トム・マッカーシー

アレックス・ロス・ペリー

アリソン・シュローダー

製作国 アメリカ
言語 英語

公開日

2018年9月14日(日本)

2018年8月3日(本国)

製作会社 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
配給会社

ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ(本国)


ウォルト・ディズニー・ジャパン(日本)

上映時間 104分
興行収入

$197,731,709

24.3億円

 

『プーと大人になった僕』はアメリカで製作されたディズニー実写映画。

原題は『Christopher Robin』となっており、アニメにも登場する唯一の人間キャラクターと同名になっています。

 

監督は、ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンド作品『007/慰めの報酬』や、パニックアクション映画としてヒットした『ワールド・ウォーZ』を手がけたマーク・フォースター。

 

大作アクションを代表作に持つ監督さんですが、同時にアクションと平行してドラマ性の高い演出をすることでも評価されている側面をもっています。

プーさんと大人になったクリストファーが再会するというエモーショナルな作風に加えて、かわいいプーさんたちのドタバタ劇は、アクション作品を手がける監督ならではの動きのついた映像表現になっていると感じました。

 

忙しい社会人が見たくなる!実写映画『プーと大人になった僕』の簡単なあらすじ

 

 

映画『プーと大人になった僕』の簡単あらすじ

プーさんたちの住む100エーカーの森で過ごしていたクリストファー・ロビン。

しかし親のススメで寄宿学校に行くことになり、その生活にもお別れの時が来た。
 

プーさんたちと別れ本来の人間の生活を送るクリストファーは、ロンドンで妻と娘を持つ一人の大人に成長を遂げる。

旅行カバンを販売する会社で働く彼は、多忙を極め家族との時間がとれない日々が続いていた。
 

そんな時、友達がいなくなってしまったというプーさんがクリストファーロビンの前に現れる。

会社のプレゼン準備に追われていたクリストファーロビンは、嫌々プーの仲間探しに連れ出されていくが…。

 

『プーと大人になった僕』は、大人へと成長したクリストファー・ロビンがプーさんと再会する物語が展開されていきます。

 

クリストファー・ロビンが大人に成長していて、さらに普通のサラリーマン生活をしているというのはかなり斬新。

だからこそ、普段働いている忙しい社会人が共感できるような内容となっています!

 

仕事に追われて最近プライベートな時間がとれていないなぁ…なんて感じているアナタに見てほしい1作品です!

 

 

 

実写映画『プーと大人になった僕』の主な登場キャラクターとキャスト情報

 

キャラクター名 キャスト(声) 吹き替え声優
クリストファー・ロビン ユアン・マクレガー 堺雅人
イヴリン・ロビン ヘイリー・アトウェル 園崎未恵
マデリン・ロビン ブロンテ・カーマイケル 遠藤璃菜
プー ジム・カミングス かぬか光明
ティガー ジム・カミングス 玄田哲章
イーヨー ブラッド・ギャレット 石塚勇
ピグレット ニック・モハメッド 小形満

 

クリストファー・ロビン(演:ユアン・マクレガー)

 

本作の主人公。

アニメ版では騒動を起こすプーさんたちの頼れるリーダーとして活躍していた少年でしたが、今作はプーさんたちと過ごしていた少年時代から成長をとげ、大人になった彼を主軸に物語が進んでいきます。

 

大切な妻と娘を持つクリストファーですが、日々会社の業務に追われ団らんの時間を作ることができていない現状。

そんな時、旧友であるプーさんと不思議な再会をします。

 

今作で、クリストファーロビンを演じたのはイギリスの名優ユアン・マクレガー。

 

人気SF作品『スター・ウォーズ』やアカデミー賞受賞作『人生はビギナーズ』など、エンタメ・芸術問わず多方面で活躍している実力派俳優です。

 

アニメでは子供の姿でしか登場しないクリストファーロビン。

その成長した姿を演じるという難しい役柄を、繊細な演技で見事に表現しています。

家族との関係性や彼の現状がプーさんたちとの再会でどのように変わっていくのか、注目しながら見てください!

 

イヴリン・ロビン(演:ヘイリー・アトウェル)

 

クリストファー・ロビンの妻であるイヴリン・ロビン。

仕事で忙しいクリストファーに代わって、娘のマデリンを世話をする頼もしい性格の持ち主です。

クリストファーの良き妻であるイヴリンですが、家族の時間を作ることのできないクリストファーには不満を持っている一面も見られます。

 

そんな力強い女性イヴリンを演じたのはイングランド出身の女優、ヘイリー・アトウェル。

同じくディズニー実写化映画『シンデレラ』にも出演している女優です。

 

また、マーベル映画『キャプテン・アメリカ』シリーズでは主人公の彼女役であるペギー・カーターを演じていることでも知られています。

『キャプテン・アメリカ』でも今作と同様に、1940年代を強く生きる女性として描かれているため、この女優さんを見ると古き良き美女というイメージがついているように感じます。

 

マデリン・ロビン(演:ブロンテ・カーマイケル)

 

クリストファーの愛する一人娘、マデリン。

しかし、当のマデリンは仕事ばかりで一緒に遊ぶ時間のないクリストファーに愛されていないのではないのかと不安に思っている様子。

 

子供時代のクリストファー・ロビンとプーさんの冒険を知らずに育ち、父親にやきもきしているという点が視聴者の「こんなのクリストファー・ロビンじゃない…」という気持ちを代弁しているようなキャラクターになっているのではないでしょうか。

 

演じたのは、イギリス出身のブロンテ・カーマイケル。

アカデミー受賞作『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』や大人気の海外ドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演していますが、主演で役を演じたのは今作が初となっています。

 

クリストファーの娘という、アニメを知っている方にはなかなか想像しづらい役を初々しさのある演技で表現していました!

 

プー(声:ジム・カミングス)

 

お馴染みくまのプーさん。

黄色い毛並みに赤の服を着た愛くるしい見た目は、実写版でも見事に再現されています。

いつもマイペースで少しドジっ子なプーさん。

今作では対照的な忙しい大人になってしまったクリストファー・ロビンと再会することで、大きく物語が進み始めます。

 

大好きなはちみつと風船があれば幸せなプーさんは、大人になったクリストファーにどんなことを言うのか?

注目です!

 

ティガー(声: ジム・カミングス)

 

いつも陽気で元気なとらのキャラクター、ティガー。

自慢のシッポをバネにしてせわしなく飛び跳ねる姿は、プーさんたちのキャラクターの中でも特に異彩を放っています笑

 

そのハイテンションっぷりは今作でも健在。

「オレ様はティガー!」でお馴染みの曲、「ワンダフル・シング・アバウト・ティガー」も劇中で披露されます。

 

イーヨー(声:ブラッド・ギャレット)

 

すぐにシッポがとれてしまうロバのキャラクター、イーヨー。

卑屈な性格で鬱々としたセリフが印象的なキャラクターです。

 

筆者が今作で特にいいキャラクターだなぁと感じました。

登場人物のセリフに対してやる気のない返答をするイーヨーですが、それが物事が表裏一体であることを示しています。

 

これがプーさんたちの何気ないセリフに深い意味を与えるヒントにもなっていて、視聴者はハッとさせられたのではないでしょうか。

 

卑屈すぎて皮肉にもとれるセリフの数々に注目してみてください!

 

ピグレット(声:ニック・モハメッド)

 

臆病で弱気な小さな豚のキャラクター。

大好きなどんぐりを「とんくり」と呼んでいたり、探検を「トンケン」と呼んでいたりプーさんたちの中でも特にお茶目さが目立ちます。

 

プーさんと特に仲のいいキャラでもあり、今作でもプーさんの体に身を寄せるその姿は愛らしさそのもの!

マイペースなのんびり屋さんのプーさんがピグレットにとっては、余裕のある頼もしい姿に見えるのかもしれませんね笑

 

 

映画『プーと大人になった僕』が見れる動画配信サービスはディズニープラス!

 

映画『プーと大人になった僕』が視聴できるオススメの動画配信サービスは、ディズニープラスとU-NEXTです!

 

まだ見ていない方や、見返したい人に向けてそれぞれのサービスの特徴を簡単に教えちゃいますので参考にしてみてください!

 

ディズニー作品が見放題で楽しめるディズニープラス!

 

ディズニープラスは、ディズニーが運営する月額990円(税込)の動画配信サービス。

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ディズニー作品は権利の関係上、他の動画配信サービスでは有料のレンタル作品となっているのでたくさんのディズニー作品を楽しみたい方にはこれ一択!なサービスです。

 

もちろん、今作『プーと大人になった僕』も見放題。

その他にもプーさんのアニメ作品を多く配信しているので、懐かしの名作をいつでもどこでも楽しめちゃいます!

 

また、ディズニー作品だけでなくスター・ウォーズシリーズやマーベルシリーズなど、その他にも強力な人気コンテンツももりだくさん。

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【ネタバレあり】実写映画『プーと大人になった僕』のあらすじ

 

それでは、ここから『プーと大人になった僕』のあらすじを起承転結に分けて紹介していきます。

 

なお、ここからの内容は映画のネタバレを含む内容となっていますので、まだ未視聴の方はご注意ください!

 

【起】プーさんたちと別れて大人になったクリストファー・ロビン

100エーカーの森でプーさんたち仲間と仲良く暮らしている少年クリストファー・ロビン。

しかし、その生活にもお別れの時がやってきた。

 

寄宿学校に行かなければならなくなったクリストファーに、プーさんたちはお別れ会を開く。

ティガーやピグレット、イーヨー、ラビット、カンガ、ルー、オウルたちお馴染みの仲間が勢ぞろいした会は大盛り上がり。

 

最後にクリストファーはプーさんと木の下で「何もしないことは最高の何かにつながる」ことを話して寄り添い合った。

 

寄宿学校で生活をし始めるクリストファーは、「何もしない」ことができない現実世界での暮らしの中で大人になっていく。

父との死別、戦争、様々な経験を得た中でクリストファーはイヴリンという女性と恋をし、一人娘のマデリンを授かる。

 

戦争から帰ってきたクリストファーは、ウィンズロウ商事と呼ばれる会社の旅行カバン部門で働き始めるが、業績は悪く上司に無理難題を突きつけられる毎日。

 

そのため家族と過ごす時間もなく、大切に思っている妻イヴリンと娘のマデリンとの間にも溝が生まれる日々を過ごしていた…。

 

 

【承】再会と100エーカーの森

 

プーとクリストファーロビンの再会

 

会社の業績悪化を打破するために、ウィンズロウ商事社長の息子ジャイルズ・ウィンズロウから経費削減案を提案するように言われたクリストファーは休日を返上してプレゼン準備をしていた。

 

家族と故郷で過ごす約束を破り、経費削減のためには同じ部署で働く従業員にリストラ宣告をしなければならないと苦悩するクリストファー。

 

そんな彼の前に、突然ロンドンの街に迷い込んでしまったプーさんが現れる。

100エーカーの森の仲間たちが姿を消してしまったから一緒に探してほしいと頼むプーさん。

会社のプレゼン準備でそれどころではないクリストファーであったが、しぶしぶプーさんを連れて100エーカーの森へ向かう。

 

霧に包まれた100エーカーの森の中で昔と全く変わらないプーさんの言動にイラつくクリストファーは、プーさんとはぐれ大きな水たまりで意識を失ってしまう。

夢か現かクリストファーは100エーカーの森で恐れられる巨大なゾウ、ズオウの幻影に飲み込まれてしまった。

 

晴れた100エーカーの森で意識を取り戻したクリストファーは、そこで自分のことをズオウだというイーヨーと再会する。

イーヨーを連れて歩き続けるクリストファーは、ピグレット、ティガー、ラビット、カンガ、ルー、オウルたちお馴染みの仲間たちを発見するが、クリストファーをズオウだと信じてしまっている彼らは閉じこもってしまっていた。

 

クリストファーは、自作自演でズオウを倒すふりを繰り返し自身がクリストファー・ロビンであることを証明する。

イーヨーたちは、大人になったクリストファーが彼自身であることを再確認し再会を喜ぶ。

彼らとの会話で、プーさんが子供時代に最後に会話した場所で待っていることを感じ取ったクリストファーはプーさんとも再会。

 

はぐれる前に酷いことを言ってしまったと謝るクリストファーに、プーさんは僕らは友達だと優しく返事をするのであった。

 

 

【転】マデリンとプーさんたちのロンドン探検(トンケン)

 

クリストファーとプーさんたち仲間は、再会を喜びそのまま眠りについてしまっていた。

翌朝、眠りから覚めたクリストファーは会社のプレゼンに間に合わないと慌ててプーさんたちのいる100エーカーの森を後にする。

 

帰り際、故郷で休日を過ごしていた妻と娘に遭遇するクリストファーであったがうまく事情を説明できないままロンドンまでの列車へ乗り込む。

列車に乗ったクリストファーは、プーさんたちとの思い出を反芻し心の余裕が芽生え始めていた。

しかし、カバンの中にしまっていたプレゼン資料はティガーが自分たちを忘れないように入れた思い出の品とすり替えられてしまっていたのだ…。

 

一方クリストファーの娘・マデリンは、父のクリストファーの故郷で過ごしても父と遊ぶことができず、寄宿学校に向けた勉強を強いられている現状に我慢することができなくなり、森の中で一人遊んでいた。

そこに、クリストファーのプレゼン資料を届けようと100エーカーの森を抜け出してきたプーさん、ピグレット、イーヨー、ティガーが現れる。

 

動く人形のようなプーさんたちに驚くマデリンだったが、父を知っているプーさんたちの事情を聞き、彼らと一緒にクリストファーの資料を届けるためにロンドンへ向かい始める。

 

クリストファーのいるウィンズロウ商事へ向かうマデリンたちは、途中プーさんたちの存在がロンドンにいる人たちにバレてしまいパニックに。

それでもマデリンたちは、なんとかしてクリストファーに資料を届けたい一心でウィンズロウ商事の輸送車に乗り込んでいく。

 

しかし、クリストファーのプレゼンは始まってしまった。

資料がないことに気づくクリストファー、大事なプレゼンが行えないことに気づいた上司たちは、旅行カバン部門は撤退することを言われ万事休すとなる…。

 

 

【結末】「何もしないことは最高の何かにつながる」

 

プーと語り合うクリストファーロビン

 

慌てふためくクリストファーの前に、娘がいなくなったことに気づいたイヴリンが現れる。

娘の一大事に、プレゼンを放置して会社を抜け出すクリストファーとイヴリン。

 

「探検」を「トンケン」と誤って書かれたマデリンの書き置きメモを読んだクリストファーは、娘がプーさんたちと共にいることに気づく。

マデリンを探しながら事情を説明するクリストファー。

絵空事で全く信じてもらえないイヴリンの前に、輸送車の荷台から振り払われたティガーとイーヨーとピグレットたちと鉢合わせる。

 

無事にウィンズロウ商事に到着したマデリンとプーさんであったが、転んだ拍子にプレゼン資料は宙に舞ってしまう。

一枚だけ紙をつかむマデリン。

そこに、ウィンズロウ商事に向かっていることを聞いたクリストファーが二人を見つける。

 

資料を失くしてしまったと落ち込むマデリンに、クリストファーは書類よりもマデリンが無事で良かったと伝える。

寄宿学校にも行かず、いつまでも一緒に暮らそうと付け加えたクリストファーはマデリンと抱き合うのであった。

 

さらにクリストファーはマデリンが握っていた一枚の資料を見て、プレゼンの打開策を思いつく。

 

旅行カバンを販売しているウィンズロウ商事であったが、その客層は富裕層。

クリストファーが思いついたのは、今まで通り富裕層に向けて高額の商品を売りつけるのではなく、富裕層以外の客層に向けて格安のカバンを製作するというものだった。

 

さらに従業員たちに有給休暇を与え、多くの従業員がウィンズロウ商事の新たなカバンを持って各地に旅行することで、これまで獲得できていなかった富裕層以外の客層に大きく自社の商品をアピールできる。

 

経費削減案を出せと言われ従業員へのリストラを宣告しなければならなかったクリストファー、そしてそのために大切な家族との時間をないがしろにしていたことへの答えは、まさに「何もしないことは最高の何かにつながる」というプーさんとのやり取りの中で生まれた言葉であった。

 

逆転の発想を用いた提案に、社長は大満足。

クリストファーはそのまま家族と仲間と共に、100エーカー森へと向かっていった。

みんなで楽しく遊ぶ中、クリストファーはプーさんにはちみつを渡す。

 

木の枝に座り寄り添う二人は、子供のころにお別れしたあの時の姿と変わらないままであった。

 

 

『プーと大人になった僕』の見どころを解説!

 

ネタバレあらすじ、いかがだったでしょうか。

ここからは『プーと大人になった僕』の見どころや作品に込められたメッセージ部分を解説していきたいと思います!

 

映画を見てしまった人も、そういうこだわりや解釈があったのか!

と思ってもらえるように紹介していきますので、ぜひご覧ください!

 

ズオウとは?ヒイタチとは?大人に向けられた珍しいディズニー映画

 

昨今ディズニー映画は『アラジン』や『美女と野獣』など、往年の人気作の多くが実写映画化される傾向にあり、今作もその流れにのって「くまのプーさん」が実写化されたものでした。

 

しかし、今作はそんな実写映画の中でも特に大人に向けられた映画作品であったように感じます。

アニメ版や原作では子供であるクリストファー・ロビンとプーさんたち100エーカーの森の仲間たちが仲良く暮らす物語である一方、本作はそこから時を経て大人になったクリストファー・ロビンがプーさんと再会し失っていたものを取り戻すというストーリー。

 

ディズニー映画でありながらも主人公である大人のクリストファー・ロビンは苦労しているサラリーマンになっていて、その目線から物語が展開されるというのはかなり珍しい部類に入るのではないでしょうか。

 

また大人目線の作品になったからこそ、今作におけるズオウとヒイタチの比喩を考えるのも面白いです。

ズオウとヒイタチは、アニメ版プーさんに登場するはちみつを狙う想像上の生き物。

 

ティガーははちみつを狙う生き物として「ゾウ」と「イタチ」を例に出すが、発音を間違えて「ズオウ」と「ヒイタチ」と言ってしまう。


ティガーの話を信じたプーさんは、はちみつを守ろうと家の見張りをスタート。


しかし眠気に負けてしまい架空の生物である「ズオウ」と「ヒイタチ」にはちみつを狙われ続ける悪夢を見てしまうのだった。


くまのぷーさん/完全保存版より

 

アニメ版では、プーさんが大好きなはちみつを奪われるという恐怖心から生み出された「ズオウ」と「ヒイタチ」。

今作での「ズオウ」と「ヒイタチ」はどちらもクリストファー・ロビンの恐怖の対象となって表現されていたように思います。

 

クリストファー・ロビンの心を表す「ズオウ」

 

今作における「ズオウ」とは、クリストファー・ロビン自身の「大切な家族」「大切な友人」を奪う存在だったのではないでしょうか。

 

作中で初めてプーさん以外のキャラクターと再会する場面では、どのキャラクターも大人になったクリストファー・ロビンを「ズオウ」だと恐れていました。

その前の場面では、プーさんともう友達じゃないかもしれないと言った途端に大きな水たまりの中で「ズオウ」の幻影のようなものにクリストファーは飲み込まれてしまっています。

 

仕事に追われ、「何もしない」ができなくなった大人のクリストファーは余裕のない立場に置かれ、大切だったプーさんとの友達という関係をも否定してしまいました。

 

そんな自分をクリストファー・ロビンだと信じてもらうために、彼は一人で「ズオウ」と戦っているふりのごっこ遊びを始めます。

このシーンでカバンを攻撃しているのも意味深。

職務に追われていた自分自身をやっつけ、大切なものを取り戻すセラピーのようなシーンに感じました。

 

妻イヴリンにも最近笑っていないと言われていたクリストファーは、ごっこ遊びで「ズオウ」と戦うことで大切なものを取り戻し、ピグレットやイーヨーたちにも自分がクリストファー・ロビンであることを信じてもらうことに成功します。

 

もしかすると、プーさんが他の仲間とはぐれてしまったことにもクリストファーの心理状態や喪失感が関係しているのかもしれませんね。

 

部下に仕事を押し付けるジャイルズはずる賢い「ヒイタチ」

 

アニメ版ではプーさんのはちみつを狙うもう一人の悪者、ずる賢い「ヒイタチ」が登場します。

そして、クリストファーの心を蝕む存在は自分自身以外にも、もう一人いました。

それがウィンズロウ商事に勤めている上司のジャイルズです。

 

彼は、クリストファーに休日を返上して経費削減案のプレゼン準備をしろと命じ、クリストファーの家族との関係を悪化させている存在でした。

そうは言うものの、彼自身は何もせず休日はゴルフをしているという仕事丸投げ人間。

仕事を押し付け、家族と過ごす大切な休日を奪っているジャイルズはまさしくずる賢い「ヒイタチ」です。

 

これは、作中の終盤でも明言されていましたね。

 

自身の内から来る大切な気持ちを失ってしまうという恐怖心、そしてそれを促進させようとする外的なずる賢い人間。

 

大人になってもなお、恐怖の対象とするものは「ズオウ」と「ヒイタチ」で表されてしまうというのがキュートながらも人間の心理を解いているプーさんの奥深いところなのかもしれません!

 

 

核心を突く!プーさんたちの名言の数々!

 

本作の見どころは、なんといってもプーさんたちお馴染みのキャラクターのセリフ!

アニメ版から何一つ変わらないキャラクターたちですが、大人目線で子供の純真な心を感じられるセリフ一つ一つを聞いてみるとなんとも核心をつかれているような気持ちになります。

 

目からうろこな言葉をいくつかピックアップしてみたので、ご覧ください!

 

「何もしないことは最高の何かにつながる」

 

プーさんと小さいころのクリストファー・ロビンがお別れするときのやりとりの中で生まれた言葉。

 

「何もしない」というのは、今作のニュアンスでは忙しさを理由に大切な何かを見失わないというメッセージだと感じました。

 

プーが「何もしない」のは既に大切な友達たちと仲良く暮らしていけているから。

そうではなくなってしまっていたクリストファーに深く刺さる言葉であり、それは私たち現代社会を生きる人たちにとっても同様なのではないでしょうか。

 

沁みるよ…プー…。

 

「変わらないよ 友達だ」

 

大人になってしまったんだよ…というクリストファー・ロビンに対してプーさんが言った言葉「変わらないよ 友達だ」。

 

友達であることに変わりはないという意味に加えて、どんなに時が経ってしまってもあの頃の自分は自分だったんだと再認識させる言葉のように感じます。

 

遠くに引っ越してしまった、ご時世で疎遠になってしまった…様々な理由があり会えなくなってしまった人たちがこの記事を読んでいる読者さんにもいるかもしれません。

もし仮に、会えたときこんな気持ちで接することができたら素敵ですよね。

 

「昨日 まだ今日が“明日”だった時は手が届かないと思ってた」

 

考えるのが上手じゃないというプーさんに考えさせられた言葉でした笑

確かに、今日考えても明日にはどうやっても手が届きません。

 

この先に続く「今日という日が一番好き」というセリフにも、プーさんが一日一日を大切にして生きているということが伝わってきます。

 

色んな事を考えるようになってしまった大人だからこそ、こういったプーさんの真っすぐな考え方は見落としがちな大切なことを教えてくれるのではないでしょうか。

 

「じゃあ なぜ一緒にいないの?」

 

娘のマデリンが一番大切だと語ったクリストファー・ロビンに、ルーが疑問に思って発したセリフ。

クリストファー・ロビンの苦い表情にグサッときた方も多かったのではないでしょうか。

 

家族、友人、恋人、各々が大切だと思っている人、一緒にいればいるほどその人がいることが当たり前だと思ってしまいがち。

 

仕事やタスクに追われてそれをかまけてしまうのではなく、もっとその人との時間を大切に思うことを教えてくれるルーの純朴な子供心が尊いです…!

 

「さらってくれて ありがとう」

 

いつも卑屈で冷めた気分なイーヨー。

彼のセリフはいつもネガティブを纏っています笑

 

そんなイーヨーが川に流されているところをクリストファー・ロビンに助けてもらった際のセリフが「さらってくれて ありがとう」。

 

助けを求めたつもりはないというイーヨーが川から引き上げられて何をいうかと思えば、「さらう」という物騒なワードが飛び込んで笑ってしまいました笑

なんとも皮肉めいたセリフ。

 

プーさんを見るといつも思うのですが、イーヨーの辛辣なセリフで誰もダメージ受けていないのツボなんですよ笑

意外とみんなメンタル強いのかな…?笑

 

 

プーさんを現実世界に再現したこだわりのぬいぐるみと撮影技術

 

プーさんたちを現実世界に再現した今作では、実際に製作した本物のぬいぐるみを使用しています。

スタッフがそのぬいぐるみを動かしながら撮影したものに、CG処理やアニメーションをつけ本編映像になっているものも。

 

ディズニープラスで見れるメイキング映像では、本編にそっくりな実物大のぬいぐるみプーさんと撮影をしている可愛くて楽しそうな現場の様子が垣間見ることができますよ。

 

細かい毛並みやぬいぐるみ感を超リアルに再現し、まるで本当のぬいぐるみが動いて喋っているように見える本作。

プーさんの実写化にあたってスタッフのこだわりが遺憾なく発揮された、こだわりの映像表現と言っていいでしょう!

 

 

【感想】「仕事を辞めたくなる…」いやいやそうじゃないでしょう!

 

『プーと大人になった僕』を検索して調べてみると、「仕事辞めたくなる」というサジェストが出てきました笑

確かに、100エーカーの森で暮らすプーさんたちは「何もしない」をやり続けているある意味自由な存在です。

 

「かわいいプーさんと100エーカーの森でずっと暮らしたい…だらっとし続けたい~」

なんて気持ちもわかりますが、この作品の本筋はそこではないのではないのではと思いました。

 

この作品の主人公はプーさんではなく成長したクリストファー・ロビンです。

大人になった彼は大切な家族を養うために、働きづめの毎日を送っていました。

そこで大切な家族たちをないがしろにしてしまったというのが本作のテーマの主軸であるように思います。

 

「子供のころは、何も考えなくて良かった」とつい思ってしまうことがあります。

でも考えなければならない問題が成長していくにつれて増えていくのも事実。

ただ、それに飲み込まれてしまってはクリストファーのようにズオウになってしまうのではないでしょうか。

 

どんな状況でも自身の大切なことを見失わないこと、それこそがプーさんが日頃大事にしている「何もしないこと」へと繋がっているように感じます。

 

まぁ、でも100エーカーの森暮らしはちょっと憧れるかも…しれません!笑

 

 

もう一つの実写版!?映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』もオススメ

 

グッバイクリストファーロビンの映画ジャケット

 

2017年に公開された映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』は、「くまのプーさん」の原作者であるA・A・ミルンの伝記映画。

 

原作者であるミルンの視点からどのような経緯で「くまのプーさん」が生まれたのか、という実話ベースの物語となっています。

プーさんが生まれる時代背景や、ミルンが実の息子をモデルとしてクリストファー・ロビンが生まれた経緯などプーさんファンなら非常に興味深いストーリーが盛りだくさん。

 

また、『プーと大人になった僕』にも通じる演出や表現も似ていて、合わせて視聴すれば「くまのプーさん」の原点や伝えたいメッセージ性などをより深く知ることができますよ!

 

コチラの作品もディズニープラス、U-NEXTどちらでも視聴可能です。(U-NEXTは199円分のレンタル作品)

まだ見てない方はこの機会にぜひ鑑賞してみてくださいね!

 

 

実写映画『プーと大人になった僕』のあらすじまとめ

 

『プーと大人になった僕』のあらすじ解説を紹介してきました。

最後に記事をまとめていきたいと思います!

 

『プーと大人になった僕』あらすじまとめ

●『プーと大人になった僕』は、2018年に公開されたプーさんの実写映画作品
 

●お馴染みのキャラクターと大人になったクリストファー・ロビンが登場するストーリー


●ディズニー映画では珍しい大人に向けた作風


●仕事で忙しい人たちに刺さるプーさんたち名言の数々

 

大人になったクリストファー・ロビンとプーの再会が感動を生むストーリー、『プーと大人になった僕』。

何度見てもかわいいプーさんたちに癒され、励まされる良作映画だと思いました。

 

ストレス社会にひるまないために「何もしない」、つまり大切な人とだら~っと映画を見ることも必要です!

 

ぜひ休日のお供に、『プーと大人になった僕』を見てみてください!

 


※本ページの情報は2022年4月時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サービスサイトにてご確認ください。

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執筆

クマミ

トイストーリーと共に育ち、大人になってしまった人。 好きな映画はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーです。 おいしいウィスキーを飲みながらオシャレな映画が見たいこの頃。 皆さんが作品を見たくなるような記事を書くため精進中!

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