細田守作品をランキング形式でレビュー!
今回、細田守監督作品をランキング化するにあたって、3人のライターが全9作品を視聴し、それぞれ5項目に分けて評価をおこないました。
▽参加ライター
・たみ
好きな映画のジャンルはホラー、ミステリー、スリラー系。ですが、最近はジャンル問わず色々見てます。邦画と恋愛物はあまり見ません。
アニメ映画も好きで、追ってる作品が映画化したらチェックする他、ディズニーとジブリ作品も大好きです。
細田守監督作品は、「バケモノの子」から監督を意識してチェックするようになりました。
・おさとう
細田守監督作品は、『時をかける少女』以外初見。
『耳をすませば』や『聲の形』など、学生を主人公とした“青春もの”が好きです。
映画を見るときは、特に登場人物の心理描写に注目して見ています!
・クマミ
トイストーリーと共に大人になってしまった、子供心を捨てられない映画好き。
ジャンル問わず年間約200本視聴しますが洋画がメインになりがちです。
登場人物が本当に存在しているように感じられる作品がとても好き。
生涯大切にしようと思っている映画は、『シング・ストリート 未来へのうた』、『メッセージ』、『インターステラー』、『素晴らしき哉、人生!』、『ピンポン』などなど。
総合評価を元に各作品の平均値を出し、ランキングにしています。
各作品の評価内容は以下の通り。
評価項目(5段階評価、0.5刻み) |
具体的な内容 |
ストーリー(物語の面白さ) |
物語の面白さ |
キャラクター |
デザインや共感性・魅力的かどうか |
音楽 |
劇中で流れる音楽や効果音 |
作画 |
作画の綺麗さや動き |
演出 |
音楽と作画の掛け合わせやカットなどの表現 |
総合 |
上記5項目を加味した最終的な評価 |
それに加え、それぞれの感想も記載しているので、ぜひ最後までチェックしてください!
【第9位】圧倒的な歌声が光る!「竜とそばかすの姫」
あらすじ
田舎町に住む17歳の女子高生・鈴は、幼い頃に母を亡くし、それから父親と2人で暮らしてきました。
母と一緒に歌うことが好きだった鈴は、母を亡くしてから歌うことができず、今は曲作りに没頭しています。
ある日、鈴は親友に誘われネット上にある仮想世界「U(ユー)」に参加することになりました。
自分の分身を作り出し現実とは異なる人生を送れるようになった鈴は、「ベル」という分身を作り、仮想世界で歌姫として人気を集めていきます。
世界的に名が知られるようになったベルは、大規模なコンサートを開催します。しかしその当日に突然謎の「竜」が現れ、コンサートを台無しにしてしまうのです。
竜の存在を知った鈴は、次第に竜とは一体誰なのかが気になり、彼の正体を探り始めます。
レビュー
【レビュアー:たみ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★2.5 |
キャラクター |
★3.5 |
音楽 |
★3.5 |
作画 |
★4 |
演出 |
★3.5 |
総合 |
★2.5 |
〔感想〕
中心となるストーリーがいまいちだった。要所要所は面白いものの、全体的に(特に後半)突拍子のなさが強くて入り込めなかった。
声優も気になってしまい、ストーリーに集中しにくい。
「竜」に関するミスリードは面白かったし、「竜」の正体である登場人物は好み。もう少し深堀りして欲しかったけれど、考察の余地があると考えればちょうど良いのかも。
モブキャラクターや「竜」を取り巻くAIたちのキャラクターデザインと、主人公の歌は良かった。「ストーリー<歌」なんだと感じる映画だった。
|
【レビュアー:おさとう】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★2.0 |
キャラクター |
★2.0 |
音楽 |
★4.0 |
作画 |
★4.5 |
演出 |
★4.0 |
総合 |
★3.0 |
〔感想〕
幻想的な仮想世界にはワクワクさせられ、写実的な現実世界の背景には懐かしさを感じた。
主人公ベルが“歌姫”というだけあって、音楽にこだわりを感じた。歌声にも聴き入ってしまう。
ただ、ご都合主義な終わり方には納得できず、ストーリーにも意外性がなかったし、主人公の「竜」に対する動機も不明瞭だと感じた。
声優にも違和感があって、集中して見ることができなかった。
|
【レビュアー:クマミ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★2.5 |
キャラクター |
★2.0 |
音楽 |
★3.5 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★2.5 |
総合 |
★2.5 |
〔感想〕
現代版美女と野獣といえる作品。
全体的にキャラクターが好きになれず、主人公に感情移入もしづらかった。
丁寧な作画と、主演の中村佳穂(主人公)の歌声は美しくて良かった!
と思う反面、歌うシーンがかなり長く、演出面では助長気味だと感じてしまって合わなかった。
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【総評】
主人公が仮想世界で“歌姫”としての座を確立させるという設定だけに、歌声や音楽は非常に魅力的で、美しい映像と細田守監督作品らしい丁寧な作画を堪能できる作品です。
しかし、主人公をはじめとするキャラクターの心情の描写不足により動機がわかりにくく、ストーリーについては物足りなさを感じるという感想が目立ちました。
【第8位】心温まる家族の繋がり「未来のミライ」
あらすじ
甘えん坊の4歳の主人公・くんちゃんの元に、妹・未来ちゃんがやってきました。
初めて見る赤ちゃんに興味津々なくんちゃんでしたが、お父さんとお母さんは未来ちゃんの世話に追われ、くんちゃんは後回しにされるようになってしまいます。
次第に未来ちゃんに嫉妬感を覚え、くんちゃんは未来ちゃんのことが嫌いになってしまいました。
そんなとき、突然庭が光り、女子高生が現れます。その女子高生は未来からきた未来ちゃんでした。
過去と未来を繋ぐ庭で、くんちゃんは不思議な体験をすることに……。
レビュー
【レビュアー:たみ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★2 |
キャラクター |
★2 |
音楽 |
★3 |
作画 |
★3 |
演出 |
★2.5 |
総合 |
★2.5 |
〔感想〕
東京駅のシーンが細かくて綺麗で、独特な世界観と不気味さが素敵だった。
オムニバスを読んでいるような、要素の多いストーリー性が自分には合わず、主人公の声も違和感が強くて集中して見ることができなかった。
また、物語の基盤である“不思議な木”について、セリフでサッと説明して終わりだったのが残念。
4歳の主人公の“子供らしさ”が非常にリアルで好みではなかったものの、子供を持つ親が見たらもっと面白いのかもしれないと思う。
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【レビュアー:おさとう】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★3.5 |
キャラクター |
★4 |
音楽 |
★3.5 |
作画 |
★4.5 |
演出 |
★4.0 |
総合 |
★3.5 |
〔感想〕
過去・未来の繋りがあって“今”がある、という終わり方は綺麗だったと思う。
近未来的な東京駅や、駅で登場する絵本から出てきたようなキャラクターにはワクワクした。
ただ、登場人物のほとんどにイライラしたし、子育ての問題について切り込みたかったのだと思うもののわかりにくかった。
“中庭の木”について説明するシーンも唐突すぎたし、説明台詞に感じた。
「未来のミライ」というタイトルから観客が期待するものと、映画の内容が合っていないのではないか。
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【レビュアー:クマミ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★3.0 |
キャラクター |
★3.0 |
音楽 |
★4.5 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★3.5 |
総合 |
★3.0 |
〔感想〕
「時をかける少女」のように女の子が主人公の物語かと思ったら全然違った。若干タイトルとストーリーにズレがあって損しているような……。
「過去の人々の様々な偶然が重なって今の自分がいる」というメッセージ性は好きだったが、その過程の描き方に工夫が欲しかったと感じた。
メインの家族のキャラクター性が個性的でないために、それぞれの失敗が悪目立ちしている印象。
物足りなさもあるものの、嫌いにはなれない少し不思議な映画だった!
|
【総評】
「未来のミライ」というタイトルから想像できるストーリーと、実際に展開される物語の相違が受け入れられにくい作品でした。
キャラクターについても惹かれたり感情移入できる要素が少なく、物足りなさを感じてしまう結果に。
「過去があっての現在」「過去・現在・未来の繋がり」「家族の繋がり」といったメッセージ性は魅力的で、親世代向けの映画なのではないかと感じます。
【第7位】デジモンと細田守監督の原点!「劇場版デジモンアドベンチャー」
あらすじ
ある日、主人公の少年・太一が暮らす街で、電子機器に原因不明の異常が発生しました。
そんな中、太一のパソコンから突然卵が現れます。
驚きつつも幼い妹・ヒカリと共に卵を大切にしていると、中からコロモンと名乗る不思議な生物が生まれました。
自由気ままなコロモンに振り回されながらも、楽しい日々を過ごしていた太一たち。
コロモンは急速に成長し、あっという間に太一が見上げるほど大きくなっていきました。
ある夜、コロモンは突然家から飛び出してしまいます。
コロモンを追いかけた太一とヒカリが目にしたのは―。
レビュー
【レビュアー:たみ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4 |
キャラクター |
★3.5 |
音楽 |
★3.5 |
作画 |
★3 |
演出 |
★3 |
総合 |
★3.5 |
〔感想〕
デジモンは全く知らなかったけれど比較的わかりやすくて入り込めた。
クラシック(ボレロ)を使用しているところが特徴的。
子供だけが異変に気づいているという設定は良かったけれど、どうしてなのかはわからなかったり、妹が常に笛を吹いている理由などが明かされることはなかったため、その点で少し物足りなさを感じた。
|
【レビュアー:おさとう】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★3.0 |
キャラクター |
★3.0 |
音楽 |
★4.0 |
作画 |
★3.0 |
演出 |
★3.5 |
総合 |
★3.0 |
〔感想〕
効果音が多彩で聞いていて楽しい。BGMが不穏な空気を煽り、観客に効果的に緊張感を与えていると感じた。
また、音楽に合わせてキャラクターや物が動くという演出が印象的だった。
|
【レビュアー:クマミ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★3.0 |
キャラクター |
★3.0 |
音楽 |
★5.0 |
作画 |
★3.5 |
演出 |
★3.5 |
総合 |
★3.5 |
〔感想〕
テレビアニメ版の前日譚があるとは知らず、主人公・太一と相棒のアグモンの出会いはここから始まっていたと知れた!
揺れるカメラワークで特撮らしい巨大さを演出していたのが良かった。
最後に流れる「butterfly」(テレビアニメ版「デジモンアドベンチャー」のオープニングにもなった曲)にはテンションが上がる!
短編だったが、そのまま本編を見たくなる作品!
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【総評】
デジモンシリーズの1番最初の作品というだけあり、デジモンについて知らない人でも楽しめる内容でした。
20分という短さでありながら、音楽を効果的に使用しているため、印象に残る作品に仕上がっていると感じます。
デジモンファンは必見!
【第6位】ホラー要素あり!?「ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」
あらすじ
航海中、バカンス気分を味わえるという“オマツリ島”への地図を手に入れたルフィたち。
期待に胸を膨らませながらその島を訪れたものの、島の当主だというオマツリ男爵から突然、半ば強制的に様々な試練を与えられてしまいました。
初めは楽しみながら試練を乗り越えていたものの、何度もおこなわれる試練への苛立ちから、次第にルフィ率いる麦わらの一味は仲間割れしてしまいます。
そんな中、チョッパーとロビンは島の異変に気付きました。
オマツリ島とオマツリ男爵が抱える秘密とは……!?
レビュー
【レビュアー:たみ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★3.5 |
キャラクター |
★3.5 |
音楽 |
★3.5 |
作画 |
★3 |
演出 |
★3.5 |
総合 |
★3.5 |
〔感想〕
どんちゃん騒ぎ!という感じで全体的に楽しい。ワンピースはそこまで詳しくないけれど問題なく見れた。知らないからこそかも……?
特にルフィとチョビヒゲ船長の追いかけっこのシーンで、音楽に合わせてキャラクターが動いていたのがとても良い演出でお気に入り。
敵キャラクターの設定やビジュアルが素敵だった。
個人的にアニメにCGが使われると違和感が強くて好みじゃなく、今作品でもそれが目立つシーンがあったためその点だけ少し残念。
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【レビュアー:おさとう】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★3.5 |
キャラクター |
★3.0 |
音楽 |
★4.0 |
作画 |
★4.5 |
演出 |
★4.0 |
総合 |
★3.0 |
〔感想〕
まるでホラー映画のよう。子供なら泣き出すレベル。
音楽に合わせてルフィとチョビヒゲがチェイスするシーンはコミカルで、割と長い時間チェイスが続くが飽きなかった。
ストーリーも「仲間」や「絆」をテーマにしていることが分かりやすかった。
悪役のオマツリ男爵はやり方が陰湿で好きだったが、そうなるに至った動機が少し弱いと感じた。
バトルシーンが少ない&ルフィがあまり活躍しない部分が、ワンピースファンには物足りなく感じるかもしれない。
|
【レビュアー:クマミ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★2.5 |
キャラクター |
★2.5 |
音楽 |
★3.0 |
作画 |
★3.5 |
演出 |
★3.0 |
総合 |
★3.0 |
〔感想〕
キャラクターの行動原理や言動が気になってしまった……。
原作ファンだからこそ、麦わらの一味はあんなにすぐ仲が悪くならないのではと感じる。
仲が悪くなるなら、島に不思議な力が働いているという説明が欲しかった。
ラストの戦いは「少年漫画原作……?」と思うほど生々しく、そこは今作のオリジナリティがあったと思う。
個人的にはその描写が好みだったけれど、賛否両論分かれそう。
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【総評】
原作ファンかどうかで意見が割れる作品。
原作が好きだと、ルフィをはじめとする麦わらの一味の言動に疑問を抱いてしまうようなストーリーでした。
また、少年漫画らしからぬホラーな要素が強い作品であるため、その面でも好みが分かれるでしょう。
【第5位】SF青春ストーリー!「時をかける少女」
あらすじ
主人公の女子高生・真琴は、ある日偶然タイムリープの力(時間を巻き戻せる能力)を手に入れました。
真琴はこの力を何度も使い、自分にとって都合の良い日常を築きます。
まるで自分が神様になったかのような状況に満足する真琴でしたが、その後やってくるある出来事によって、自身の行動を見つめ直すことに。
そしていつものように真琴がタイムリープで未来を変えようとしたとき、なぜタイムリープの力を手に入れたのかが明らかになったのです……。
レビュー
【レビュアー:たみ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★3.0 |
キャラクター |
★3.0 |
音楽 |
★3.5 |
作画 |
★3.5 |
演出 |
★3.5 |
総合 |
★3.0 |
〔感想〕
面白いけれど特出した何かを感じられなかった。思ったより恋愛要素が強かったので、恋愛物語が好きなら面白いのかも。
タイムリープする装置に関して、どのようにしたら起動するかなどの説明がもう少し欲しかった。
「自分だったらそっちを選ばないかも」と思ったため、登場人物の千昭に共感しにくかった。
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【レビュアー:おさとう】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4.0 |
キャラクター |
★4.0 |
音楽 |
★5.0 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★4.5 |
総合 |
★4.0 |
〔感想〕
アニメーションが良かった。空を飛んだりグルグル転がる主人公の動きが面白かった。
主人公の成長が描かれており、「過去へ戻る」から「未来へ走っていく」という変化で物語が終わるのが良い。
原作の主人公が“魔女おばさん”として登場するが、“修復士”という設定なのも粋。
10代の頃に見たらとても感動できる作品だと思うが、大人になった今見ると学校という狭い空間だけで生きているところが気になったり、感情移入できるキャラクターがいなかったのが惜しい。
何でもかんでも恋愛に結び付けているように感じた。
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【レビュアー:クマミ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★3.5 |
キャラクター |
★4.0 |
音楽 |
★3.5 |
作画 |
★4.5 |
演出 |
★4.0 |
総合 |
★3.5 |
〔感想〕
15年以上前の作品だが、今も色褪せない綺麗な作画が素晴らしい!
特に主人公が時をかける、ダッシュジャンプシーンが演出も相まって尚良し!
主人公の友達(千昭や功介)も魅力的なキャラクター。
タイムリープものの元祖ということで、見ておいて損はない作品。と思う反面、最近では同系統の作品が増えすぎて、既視感も多いなぁと思ってしまった。
|
【総評】
細田守監督作品では「家族」がテーマになることが多いですが、今作品ではあまり家族が絡むことはなく、恋愛要素が非常に強い作品です。
恋愛ストーリーが好きかどうかでも、今作品に対する意見が割れるのではないでしょうか。
公開から15年以上経った今でも綺麗だと感じる作画で、主人公が活発に動くのが魅力的。
【第4位】現代社会にも通ずる「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」
あらすじ
デジタルワールドでの戦いを終えた、主人公・太一ら子供たちが現実世界に戻ってから数ヶ月経った頃。
突如、インターネットの世界に新種のデジモンが誕生します。
新種のデジモンは様々なデータを食い荒らし、世界は混乱に陥りました。
異変に気付いた太一と友達の光子郎は仲間を集め、再びデジモンと共に戦いに乗り出します。
レビュー
【レビュアー:たみ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4.0 |
キャラクター |
★3.0 |
音楽 |
★3.0 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★3.5 |
総合 |
★3.5 |
〔感想〕
圧倒的サマーウォーズ感(今作品が先)。独特な、細田守監督作品らしい電脳世界の作画が良かった。
非常に危機的な状況にも関わらず、奮闘する主人公たちがどこか楽観的で、そこが子供感があって面白くて好きだった。イライラする人もいると思う。
デジモンの基礎知識ありきの作品。ただ比較的わかりやすいため、知らなくても置いてけぼりになるほどではなかった。
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【レビュアー:おさとう】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★3.5 |
キャラクター |
★5.0 |
音楽 |
★3.5 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★4.5 |
総合 |
★4.0 |
〔感想〕
敵キャラクターのデザインが最高だった。特に完全体は非常に気味が悪く強者感が漂っている。
また、「遊ぶこと」を目的として悪事をはたらくという設定も、悪役の動機として王道で魅力的だ。
ストーリー面では世界が危機的状況に陥っているのが分かりやすく、戦う理由が明らかなので入りやすかった。しかし、若干テンポが悪い。
世界中の人々がインターネットを介して繋がっていることが視覚的に描写されていて、自分もその中の1人として主人公たちの戦いを見守っているような感覚になった。
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【レビュアー:クマミ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4.0 |
キャラクター |
★4.0 |
音楽 |
★3.5 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★3.0 |
総合 |
★4.0 |
〔感想〕
現代のネット社会に現れた凶悪なデジモンから世界を救うひと夏の出来事……思い返せばそのまんまサマーウォーズ!笑
と思いつつも懐かしいデジモンたちの登場にテンションが上がった!
欲張りな感想だが、メインのデジモンたち以外にも焦点を当てて欲しかったな……。
2000年の作品とは思えないような現代社会への風刺、子供たちがみんなSNSを利用しているような描写が先見の明を感じると同時に、ラストへの盛り上がりにも繋がっていてアツかった!
|
【総評】
2000年に公開された今作品。“細田守監督作品らしさ”が既に確立されています。
電脳世界(デジモンワールド)の描写や、キャラクターデザインが光る作品で、今でも通用する内容―むしろSNSが主流となった現代社会だからこそ入り込みやすいようにも感じられました。
デジモンについてある程度の知識をつけてから見るのをおすすめします!
【第3位】母親の愛「おおかみこどもの雨と雪」
あらすじ
ある男性と出会い恋に落ちた主人公の花。共に過ごしていくうちに、彼から実は人間ではなく“おおかみおとこ”であることを告げられます。
それでも好きという気持ちに変わりはなかった花は、彼と一緒に暮らし始め、2人の子ども(雨と雪)に恵まれました。
しかし、突如彼が亡くなってしまい花は悲しみに打ちひしがれます。
それでも子ども2人をちゃんと育てようと、心に誓うのです。
雨と雪はオオカミと人間のハーフであり、普段は人間の姿をしていますがおおかみの姿にも変わります。花は子どもたちが最終的に人間とオオカミ、どちらの世界を生きていくか選択できるように自然豊かな田舎町へと移住することにしました。
果たして子供たちが選ぶ道とは……。
レビュー
【レビュアー:たみ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4.0 |
キャラクター |
★4.0 |
音楽 |
★3.0 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★3.5 |
総合 |
★4.0 |
〔感想〕
面白かった。手放しにハッピーエンドでないところが良い。
雪山を駆け回るシーンや、教室を映しながら子供たちの成長を描いたシーンが印象的。
幼少期の雪(おおかみこども)の声が可愛くて、キャラクターをより魅力的にしていると感じた。
おおかみこどもの雨が、オオカミの姿でキツネと駆け回るシーンでは、雪山に入ってからの音楽が壮大だったものの、少しゴチャゴチャして聞こえてしまった。
|
【レビュアー:おさとう】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★5.0 |
キャラクター |
★5.0 |
音楽 |
★4.0 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★4.0 |
総合 |
★4.5 |
〔感想〕
「母の愛は偉大」。この一言に尽きる。
前半はシングルマザーが抱える社会問題を取り上げていて、いい意味で見ていて息苦しく、後半は成長と共に“個性”や“自意識”の芽生え始めた子供との向き合い方に葛藤する母の姿、そして底なしの母の愛に涙。
キャラクターも魅力的で、「母は強し」を体現したような主人公・花が好き。
しかし、それを全面に出した結果、母の深い心理描写がなかったのが惜しいと感じた。
また、だからと言って悪いわけではないが、他の作品と比較すると目新しい作画や演出はなかったように思える。
一番好きな作品だった。
|
【レビュアー:クマミ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4.0 |
キャラクター |
★3.5 |
音楽 |
★3.0 |
作画 |
★3.5 |
演出 |
★4.0 |
総合 |
★3.5 |
〔感想〕
アニメ映画で「母と子の物語」と言われると子供を主軸に物語が展開される気がするが、今作では親視点半分・子視点半分といった構成になっていて、結構新鮮だった。
どちらかというと親世代に刺さる作風なのではないかと思う。
父と母から受け継いだ、人間とオオカミという2つの生き方。それをどう子供が選ぶのか、どちらも選ばせたいという主人公の母親の力強さと優しさの描き方が素敵だった!
|
【総評】
母の強さと優しさがグッとくる「おおかみこどもの雨と雪」。細田守監督作品の中でも特に心揺さぶられる、感動的な作品なのではないでしょうか。
子供と親のどちらにも焦点を当てて物語が展開され、それぞれが抱える苦悩や葛藤が描かれているのも魅力的です。
非常に優しく繊細で、丁寧な作品だと感じました。
【第2位】夏に見て欲しいアニメ映画!「サマーウォーズ」
あらすじ
主人公・健二は数学における天才的な頭脳を持ちながら、内気な性格で人付き合いを苦手とする高校2年生。
そんな健二は、世界中の人々が集い、ゲームや買い物だけでなく様々な行政手続きなどをおこなえる、インターネット上の仮想世界OZ(オズ)の保守点検のアルバイトをしていました。
ある日、健二は憧れの先輩である夏希から特別なアルバイトを頼まれます。
アルバイトをするために訪れたのは彼女の実家がある長野の田舎でした。そこで突然夏希からフィアンセの振りをしてほしいと頼まれてしまいます。
健二は夏希のために奮闘しますが、そこでひょんなことから世界を巻き込む危機に巻き込まれてしまうのです。
レビュー
【レビュアー:たみ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4.0 |
キャラクター |
★4.0 |
音楽 |
★3.0 |
作画 |
★3.5 |
演出 |
★4.0 |
総合 |
★4.0 |
〔感想〕
大勢が協力するという展開はベタではあるもののやはり胸が熱くなるし、みんなが応援する理由も明確なおかげでご都合主義な展開でも受け入れやすいし、一緒になって主人公たちを応援できる。
現実と仮想世界がしっかりリンクしているため、仮想世界があってこそのストーリーになっていて良かった。
何より仮想世界のデザインや仮想世界が狂っていく演出が良かった。
カズマと侘助おじさんが魅力的!
|
【レビュアー:おさとう】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★3.5 |
キャラクター |
★2.5 |
音楽 |
★4.0 |
作画 |
★4.5 |
演出 |
★4.0 |
総合 |
★3.5 |
〔感想〕
鑑賞後に何も残らなかった、というのが正直な感想。綺麗にまとめただけの作品だと感じてしまった。
主人公やヒロインをはじめ、登場人物に魅力を感じなかった。
侘助やカズマが今のような状態になった理由、主人公の成長、登場人物たちの心情は描かれていた?という疑問が残った。
田舎の閉塞的な空気と、仮想世界の対比は効果的な演出だと思う。
映像は綺麗で、現実世界の田舎感はとても表現されている。
仮想世界において、「竜とそばかすの姫」が“近未来”のイメージなら、「サマーウォーズ」は“デジタル”な感じがして好みだった。
|
【レビュアー:クマミ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4.0 |
キャラクター |
★3.5 |
音楽 |
★4.0 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★4.5 |
総合 |
★4.5 |
〔感想〕
日本の夏を熱くする、THE夏映画!
少年がひと夏を超えて成長する王道ストーリーが気持ちいい。
正直序盤・中盤の展開はダレがあるように感じたものの、それをあり余るほど補う終盤の盛り上がる熱い展開は、「来い!来い!」と頭を空っぽにして楽しめる。
強きおばあちゃんの姿に奮い立たせられ、それを受け継ぐ家族の物語に胸が高揚しないわけがない!
暑い夏にみんなで見る映画の決定版!一番好きな作品!
|
【総評】
言わずと知れた細田守監督の代表作!
色彩豊かでどこか無機質な仮想世界と、懐かしさを感じる日本の田舎の風景の対比が美しい作品です。
仮想世界の斬新で独特な世界観に加えて、胸が熱くなること間違いなしなストーリーが展開。
ただ、登場人物に魅力を感じられないと、終盤にかけて盛り上がる彼らのテンションについていけないのかもしれません。
一体となって応援したい!王道な展開が好き!といった人におすすめ!
【第1位】最高傑作!「バケモノの子」
あらすじ
両親が離婚し、共に暮らしていた母親も交通事故で亡くしてしまった9歳の主人公・蓮。
親戚に引き取られることになりましたが、引っ越しの準備中に蓮は家から飛び出してしまいます。
行く宛もなく、夜の街でうずくまっていると「熊徹(くまてつ)」と名乗る熊の見た目をした大きなバケモノ(獣人)が声をかけてきました。
熊徹の後を追いかけた蓮が辿り着いたのは、バケモノたちが暮らす世界。
蓮は熊徹に「九太(きゅうた)」と名づけられ、弟子入りさせられることになりました。
最初は反発していた九太でしたが、「1人でも生きていけるようになりたい」という思いから、次第に熊徹から強くなるための修行を受けるようになります。
しばらく経った頃、バケモノが暮らす世界ではトップともいえる“宗師”を決めるべく、しきたりに従って闘技場で戦いがおこなわれることになったのですが……。
レビュー
【レビュアー:たみ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4.0 |
キャラクター |
★4.5 |
音楽 |
★3.0 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★3.5 |
総合 |
★4.0 |
〔感想〕
人ではない者と人間の友情や親子関係という設定がとにかく好き。
キャラクターがみんな際立っていて魅力的。
話は王道ではあるものの、人間の世界とバケモノの世界を往復するのはオリジナリティがあると思った。とはいえヒロインの重要性を見出せなかった。好みの問題……。
主人公が家族(親族)と上手くいっていないことについてはサラっと描かれているため、少しわかりにくさがあるようにも感じる。
個人的には認めたくない結末を迎えたけれど、一番好きな作品!
|
【レビュアー:おさとう】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4.0 |
キャラクター |
★4.5 |
音楽 |
★3.5 |
作画 |
★3.5 |
演出 |
★4.0 |
総合 |
★4.0 |
〔感想〕
いがみ合いながらも主人公・九太と熊徹が共に補い合って成長し、信頼関係を築いていくところが良かった。
戦闘シーンはかっこいいし街並みや風景の描写は美しい。
しかし、主人公が抱えた「自分は何者なのか」という苦悩をもっと掘り下げても良かったのでは?と感じる。敵となるキャラクターも同じ境遇で対照的な存在として描いていたのに、それが伝わりづらい。
「バケモノに育てられた人間」という面白い素材が生きておらず、やろうとしていることは好きだっただけに惜しいと感じた。
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【レビュアー:クマミ】
評価項目 |
評価 |
ストーリー |
★4.0 |
キャラクター |
★4.5 |
音楽 |
★4.0 |
作画 |
★4.0 |
演出 |
★4.0 |
総合 |
★4.5 |
〔感想〕
いがみ合う主人公・九太と熊徹が、疑似親子的な関係になっていくドラマ的要素と、少年漫画を彷彿とさせる熱いバトルシーンが合わさってかなり楽しめた!
キャラクターもみんな個性的で、魅力的なキャラクターたちが口喧嘩をしながら仲良くご飯を食べるシーンはこちらもお腹が減ってきてしまう!笑
子の成長と親の成長、そしてそれに伴う葛藤と感動が味わえる。色んな人が楽しめる映画だと感じた!
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【総評】
とにかく登場キャラクターが魅力的な作品!
主人公の九太や熊徹はもちろん、彼らを見守るキャラクターもみんな個性豊かでした。
ゼロから親子関係を築いていくというストーリー性に加え、迫力のあるバトルシーンも描かれています。
反抗期があった人、子供を持つ親、少年漫画が好きな人……幅広い見方で楽しめる映画なのではないでしょうか。
今回のレビューで1位に輝いた「バケモノの子」、ぜひチェックしてみてください!
【全9作品】興行収入で見る細田守監督のアニメ映画作品一覧
【9億円】劇場版デジモンアドベンチャー(1999年)
1999年3月6日、東映アニメフェアの1作として公開されました。
上映時間は20分と短く、「遊☆戯☆王」「ドクタースランプ アラレのびっくりバーン」と同時上映された作品です。
テレビアニメ版「デジモンアドベンチャー」の前日譚。この映画が公開された翌日、テレビアニメの放送が開始されました。
太一たちがデジモンと初めて出会った日が描かれている、まさにデジモンアドベンチャーの原点である作品です!
ちなみに、今作に登場するアグモンと、テレビアニメ版で太一のパートナーとなるアグモンは別個体。
今作品ではデジモンの“モンスターらしさ”が強調されています。
【21.6億円】デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(2000年)
今作品は、2000年3月4日に東映アニメフェアの1作として公開されました(同時上映は「ONE PIECE」)。
前作「劇場版デジモンアドベンチャー」に続き、高い評価を得た今作品。
1年間のうちで最も興行収入が高かった作品や、観客を呼んだ監督などを元に選出される、
第18回ゴールデングロス賞で優秀銀賞を受賞しました。
後に制作された細田守監督作品「サマーウォーズ」の原型となった作品でもあり、類似する箇所が多く見られます。
【12億円】ONE PIECEワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島(2005年)
今作品は、細田守にとって初めての長編アニメーション監督作品です。
(これ以前に監督を務めていた「劇場版デジモンアドベンチャー」は20分、「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム」は40分と短い作品でした。今作品の上映時間は91分。)
ワンピースの映画作品としては第6作目にあたります。
【2.6億円】時をかける少女(2006年)
「時をかける少女」は、1967年に筒井康隆氏によって描かれた小説を基に描かれたアニメ作品です。ただし、原作とは内容が大きく異なっています。
国内外で高い評価を得た今作品は、第30回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞や、第39回シッチェス・カタロニア国際映画祭 アニメーション部門 最優秀長編作品賞(スペインで毎年10月におこなわれている映画祭)などをはじめとする様々な賞を受賞しました。
【16.5億円】サマーウォーズ(2009年)
「サマーウォーズ」は、細田守監督にとって初の長編オリジナル作品です。
2009年8月1日に公開されてから4ヶ月間上映され、観客動員数は123万人にものぼりました。
前作「時をかける少女」に続き国内外で数々の賞を獲得し、輝かしい功績を残しています。
【受賞歴】
・第13回文化庁デジタルメディア芸術アニメーション部門 大賞
・第33回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞
・第64回毎日映画コンクール アニメーション作品賞
・第42回シッチェス・カタロニア国際映画祭 アニメーション部門 最優秀長編作品賞
など
【42.2億円】おおかみこどもの雨と雪(2012年)
2012年7月21日に公開され、公開初日と翌日の2日間で興行収入は3.6億円を記録。
同年11月末には観客動員数が341万人を超え、大ヒットを収めました。
今作品もシッチェス・カタロニア国際映画祭(アニメーション部門 最優秀作品賞)や日本アカデミー賞、ゴールデングロス賞など、数多くの賞を受賞しています。
【58.5億円】バケモノの子(2015年)
公開初日の2015年7月11日と翌日の2日間で6.6億円もの興行収入を記録し、公開から1ヶ月半で観客動員数は400万人を突破。
最終的な興行収入としては、58.5億円と大ヒットしました。
第33回ゴールデングロス賞 日本映画部門 優秀銀賞、第39回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞などを受賞しています。
細田守監督のオリジナル作品としては第3作目にあたる今作品も、大成功を収める結果となりました。
【28.8億円】未来のミライ(2018年)
今まで興行収入は右肩上がりでしたが、今作品では大きく落ち込む結果に。
今までのような細田守監督作品とは少しテイストの異なる作品だったため、国内では賛否両論別れました。
しかし、国外では視点や描写などが高く評価されており、受賞には至らなかったものの、第91回アカデミー賞長編アニメ映画賞に日本の作品としてはジブリ作品以外で初めてノミネートされています。
また、第76回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞には日本の作品として初めてノミネートされました。
【66億円】竜とそばかすの姫(2021年)
66億円と、細田守監督作品の中で最高の興行収入を記録した今作品。
現代の日本、そしてインターネットの世界で「美女と野獣」を表現したらどうなるだろうという発想から生まれた作品なのだそうです。
細田守監督作品では6回目の受賞となる、第45回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞に加え、最優秀音楽賞を受賞しました。
細田守監督ってどういう人?スタジオジブリとの関係は?
細田守監督がアニメ業界に入ったのはジブリの影響?実はあのジブリ作品の監督になるはずだった…
細田守監督はスタジオジブリと深い関係性を持っていると言われています。
まず細田守監督がアニメーションの世界に足を踏み入れるきっかけとなった作品は、宮崎駿監督が手掛けた「ルパン三世 カリオストロの城」です。この作品やパンフレットに描かれた絵コンテを見て、アニメーションの世界に興味を持つようになりました。
そして金沢美術工芸大学を卒業すると、スタジオジブリで働きたいという思いから研修生採用試験に臨みましたが落選してしまいます。
ただし後日宮崎駿氏から「ジブリに入れば君の才能が削がれてしまう」という内容の手紙を受け取っていたようです。
ジブリには入社できなかったものの、東映動画へ入社し多くのアニメ制作に関わっていく中で、徐々に演出も手掛けるようになります。
監督として携わった「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」(2000年)では、高評価を得ました。
2000年にはスタジオジブリに「ハウルの動く城」の監督を依頼され、出向することになります。当時はちょうど「千と千尋の神隠し」を制作している時期であり、ジブリスタッフがハウルまで手を付けられない状況でした。
何とか制作に取り込もうと自力でスタッフを集めようとする細田守監督ですが、最終的に監督から外されてしまいます。
このように、細田守監督とスタジオジブリには深い関係性があります。細田守監督にとってはあまり良い思い出ではないかもしれませんが、宮崎駿氏は世界的に活躍する細田守監督の才能を当時から見抜いていたようです。
細田守監督作品の特徴とは?おなじみの演出やこだわりをまとめて紹介
細田守監督の作品には、他のアニメーションでは見られない特徴やこだわりが発見できます。どのような特徴があるのか、解説していきましょう。
印象的な“入道雲”や、現実のような“風景”
細田守監督作品は夏をテーマにしていることが多く、中でも「青空に入道雲がある風景」が多く見られます。この入道雲はただ「夏がテーマだから」という理由だけで描かれているわけではないと考えられます。
大きく上に成長する特徴を持った入道雲と、作品の登場人物たちが成長する様子を重ね合わせ、象徴的に描かれているのではないでしょうか。
また、まるで現実の風景や街並みがそのままアニメに落とし込まれたような美しい背景も、細田守監督作品の特徴として挙げられます。
現実世界にあるものをモデルに描かれることも多く、例えば「時をかける少女」で主人公の叔母が働く美術館は東京国立博物館がモデルになっており、「おおかみこどもの雨と雪」に登場する主人公が通っていた国立大学は一橋大学がモデルになっています。
登場人物の“影”を描かない
細田守監督の作品には昔から“影”が描かれていません。風景などには影が入っているものの、人物には服のシワにも影が描かれず非常に平面的です。
その理由は、日本の伝統的な手法が関係しています。
浮世絵や絵巻物など古来から日本で描かれてきた作品には影は描かれていません。
細田守監督はそういった日本画を見て、「影がなくても人物を生き生きと表現できる素晴らしい技術があるのに、なぜアニメにはわざわざ影をつけなくてはいけないのか」と感じ、現在の表現方法が誕生したそうです。
また、人物に影を描かないことで手間が減り、その分人物の動きや背景に時間を割けることも理由の1つと言われています。
“クジラ”が登場する
細田守監督作品には実は共通してクジラが登場しています。
作品はそれぞれテーマが異なるにも関わらず、なぜクジラが共通して登場しているのでしょう?
クジラが登場する理由は明かされていませんが、恐らく細田守監督自身クジラが好きで登場させているのだと考えられます。
また、夢に出てくるクジラには「勇気」や「乗り越えなくてはいけないもの」といった意味を持つと言われているため、同様の意味を込めて作品に登場させているのかもしれません。
細田守監督の作品はどうやって視聴するのがおすすめ?
細田守監督作品を視聴するなら、「U-NEXT」や「Hulu」がおすすめです。
U-NEXTでは、「劇場版デジモンアドベンチャー」「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム」を見放題で配信。
「ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」「竜とそばかすの姫」をレンタル作品として配信中です。
Huluでは、「ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」以外の、これまでに細田守監督が手掛けてきた8作品を観ることができます。
なお、Huluは2023年8月30日をもって無料トライアルを終了したため、細田守監督作品を無料視聴することはできません。
しかし、ほとんどの細田守監督作品を配信しているため、「月額料金がかかっても良いからたくさん視聴したい!」という方におすすめです。
細田守監督作品数はHuluの方が多いですが、U-NEXTには31日間の無料お試し期間があるため、まずは無料で試してみたいという方にはU-NEXTがおすすめです!
無料お試し期間中に付与されるポイント(600ポイント)は、追加課金が必要なレンタル作品にも利用できますよ。
ご自身が視聴したい作品に合わせて、配信サービスを選んでみてくださいね。
実は細田守監督の著書も!小説版の作品一覧
アニメ監督として有名な細田守監督ですが、実はいくつかの小説も手掛けています。
細田守が著者である小説は以下の通り。
・おおかみこどもの雨と雪
・バケモノの子
・未来のミライ
・竜とそばかすの姫
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どれもスピンオフ作品ではなく、映画の原作小説であるため映画と内容はほとんど同じです。
映画のその後が書かれているわけではありませんが、「バケモノの子」では主人公・九太と対になる存在である一郎彦について映画より少し掘り下げられていたり、「竜とそばかすの姫」の主人公・鈴にそばかすがある理由や愛犬の名前など、映画では描かれなかった細かい部分が明らかになっている部分もあります。
映画と小説では視聴者・読み手の感じ方も異なるはず。映画を見たことがある作品でも、小説版では新たな視点で楽しめるのではないでしょうか。
まとめ
今回は細田守監督作品について紹介してきました。数ある作品の中で特におすすめの作品は「バケモノの子」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」です。
どれも親子愛や家族の絆が描かれており、「バケモノの子」ではスピード感のある戦闘シーンも楽しむことができます!
細田守監督作品には共通して描かれている部分や、些細なところに至るまでこだわっている部分も見られます。細田守監督作品をいくつか視聴してみると、どんな部分によりこだわっているのかが分かりやすいです。
ぜひU-NEXTなどの動画配信サービスから細田守監督作品をチェックしてみましょう。