ゆるキャン3期は制作会社が変更に
ゆるキャン△3期では、それまでアニメーション制作を担当していたアニメスタジオ「C-Station」から「エイトビット」に変更となりました。
「C-Station」は2018年のアニメ第1期から2022年に公開された映画「ゆるキャン△」の制作にも携わっていました。
それにもかかわらず、突然の制作変更に、慣れ親しんだファンの間では、驚きの声が多くあがりました。
一方で、メインキャラクターの声優や音楽などは変わっていません。
OP・EDテーマを担当するアーティストも変わっておらず、全部が全部がらっと変わった訳ではないようですね。
その点では、過去に途中で制作会社が変わったアニメに比べればそこまで悪印象ではないように思えます。
▷ゆるキャン△3期 予告PV
ゆるキャン△3期の主なスタッフ
原作
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あfろ(芳文社「COMIC FUZ」掲載)
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監督
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登坂 晋
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シリーズ構成
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ピエール杉浦
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キャラクターデザイン
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橋本尚典
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美術監督
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権瓶岳斗(グーフィー)
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撮影監督
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小川克人(チップチューン)
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音楽
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立山秋航
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音響監督
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高寺たけし
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主題歌
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OP:キミのね
ED:亜咲花
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アニメーション制作
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エイトビット
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アニメーションスタジオ「エイトビット」とは
「エイトビット」は日本のアニメーションスタジオ。『マクロスF』などの制作を手がけていた制作陣が独立して興したスタジオ。
そのため、当初はバトルアクションアニメの制作が多かったのですが、最近では『ヤマノススメ』『推しが武道館いってくれたら死ぬ』『星合の空』といったように様々なジャンルのアニメを手がけています。
特に『ヤマノススメ』ではキャラクター作画の良さはもちろんこと、舞台となる山々、登山道、木漏れ日、雄大な空、眼下に広がる街並みなど、丁寧かつ美麗な風景描写が好評です。
制作会社変更の理由を考えてみた
アニメ3期にあたり、それまでの体制を変更した簡単に理由を考えてみました。
1)制作スケジュールの都合
2)契約更新の都合
3)オリジナル映画の評価を受けて
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□制作スケジュールの都合
おそらく、1番信憑性が高いと思われる理由が“制作スケジュール”の都合です。
「C-Station」は、2009年にアニメスタジオ「ビィートレイン」から子会社化した会社で、スタッフ数も約50人ほどのそこまで大きいアニメスタジオではありません。
TVアニメに関しては1年に1作品のペースで制作しています。
例えば、直近では2022年に映画『映画 ゆるキャン△』、2023年に『Opus.COLORs』が制作されています。
まだ、2024年度の制作作品は発表されていませんが、そちらの作品との制作スケジュールの兼ね合いで変更があったのかもしれません
□契約更新の都合
日本のアニメの多くは、アニメスタジオが単体でアニメを作るのではなく、「製作委員会方式」で制作されています。
この製作委員会方式とは、ひとつのアニメを作る際に複数企業に共同で出資してもらう仕組みで、スポンサーや放送局など、製作企業が関わってきます。
つまり、ほとんどのアニメは製作委員会が決定したアニメスタジオで、制作されることとなります。
今回のゆるキャン△でいえば、アニメスタジオ「C-Station」はアニメ第1期、2期、映画までの制作を依頼されており、元々3期以降は依頼されていなかったのではないかと言われています。
□オリジナル映画の評価を受けて
2022年に公開された映画「ゆるキャン△」は、原作ベースではなく、アニメオリジナルエピソードで描かれた作品。
本編から約7年ほど経ち、成長した5人がそれぞれ仕事や生活に追われ、少し薄くなった関係をキャンプを通して再生していく物語となっています。
オリジナル映画かつ、大人となった5人組を描いたことにより、「女子高生のゆるいキャンプ」を見たかった一部の視聴者からは、好ましくない評価を受けています。
アニメ第3期を担当する監督によると、アニメ第3期はそれまでのアニメ1期2期と同じく原作の映像化に加えて、作画など原作を意識した作りとなるそうなので、もしかするとオリジナル映画の評価を受けて、作風が刷新されたのかも知れません。
※アニメ公式からは変更理由は発表されておりませんので、あくまで推測となります。
【期待】ゆるキャン3期の気になるポイント3選【不安】
放送前に公表されている情報を元にゆるキャン△3期の気になるポイントをまとめてみました。
新規スタジオの演出、作画など作風
ゆるキャン△3期を担当するアニメスタジオ「エイトビット」は、アニメファンから原作よりの作風が魅力のスタジオと評価されています。
例えば、2022年放送のアニメ『ブルーロック』などでは、陰影や瞳の描き方が原作漫画を意識しており、ハイスピードなアクションの中でもキャラクターの生々とした描写が特徴的でした。
このように原作を重視したアニメ制作に定評があり、映像の完成度が高いと言われています。
▷3期を担当する「登坂監督」のコメント
やはり、原作漫画を尊重した作りとなっているようですね。
キャラクター描写
上記に関連して、やはりファンから注目されているのがキャラクター作画です。
現在、アニメ公式やPVから確認できるキャラクターデザインは、確かに既存の作画とは異なったように思えます。
特に瞳のハイライトの入れ方や丸みを帯びた顔の輪郭などは、「エイトビット」ならではの作画ではないでしょうか?
一方で、今回の作画は、原作漫画と比較してみると、そこまで違和感があるように思えませんし、むしろ原作を意識した柔らかなキャラクターの印象を受けます。
□メインキャラクターのキャラデザ変更点
各務原なでしこ
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瞳がやや縦長に
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志摩リン
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下がり眉が八の字に、お団子ヘアや前髪の分け目が変更
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大垣千明
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デコが前髪で隠れるように、全体に丸みを帯びた輪郭に
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犬山あおい
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眉毛が太くなり、少し幼い印象に
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斉藤恵那
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ボブくらいの髪型に
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ストーリー展開、原作を何処まで映像化するのか
2015年から連載中の原作漫画「ゆるキャン△」は、現在単行本15巻まで刊行されています。
アニメ第1期では、単行本1〜4巻、第2期では5〜9巻までの内容が映像化されました。
そのため、第3期では、10〜14巻までの内容が主なエピソードとなるように思われます。
ちなみに漫画10巻では、SL列車で有名な大井川鉄道沿線が舞台となっています。今期は原作重視ということで、アニメオリジナルエピソードは少なそうですが、ゆるキャン△ではお馴染みのご当地コラボもしっかり入りそうですね。
制作会社が変更してイメージが変わったアニメ
本編の途中で制作会社が変更されたアニメは少なくありません。
作画だけではなくシナリオや作風が変わった作品もあれば、よりブラッシュアップされた作品もあります。
ここでは、制作会社が変更されて作品のイメージが変わったアニメを一部紹介していきます。
□みなみけ
アニメ『みなみけ』は、日常系コメディ作品として人気を博し、2007年第1期から2013年の第4期にわたって放送されました。しかし、シーズンごとに制作会社が変更されたことにより、作品評価にも変化が見られました。
というのも、第1期、2期、4期で制作スタジオが異なり、それぞれのシーズンで作風がかなり異なっているからです。
特に有名なのが2008年放送の『みなみけ〜おかわり〜』(2期)です。キャラクターデザインが変更され、このキャラデザでは第1期とも原作漫画とも異なる印象をうけます。
また、日常系のゆるいコメディが魅力の本作ですが、メインキャラクター以外のいわゆるモブキャラクターたちは、表情が見えないように黒塗りされており、少し不気味に映りました。
また、アニメオリジナルのシナリオ展開として、ゲストキャラクターが追加され、みなみけ三姉妹やその友人たちと深く関わることとなります。
個人的にアニメオリジナルエピソードを取り入れることには大歓迎なのですが、追加されたキャラクターの性質やエピソードが正直、本編の雰囲気とミスマッチでした。
そのため、アニメ第2期は、制作変更によって賛否両論の作品になったと言えるでしょう。
ちなみに第3期は、監督やシリーズ構成は異なるものの、制作スタジオは同じであり、こちらは既存のファンからも高評価をされています。
□五等分の花嫁
アニメ『五等分の花嫁』は、第1期と2期で制作会社が変更されました。2019年放送の第1期は「手塚プロダクション」、2019年の第2期は「バイブリーアニメーションスタジオ」が制作を担当しました。
シナリオ展開に関しては、監督は違うものの、シリーズ構成が同じ担当者であるため大きな違いはありません。どちらも原作漫画を忠実に再現しており、ストーリーのテンポもほぼ同じです。
個人的に第2期では第1期よりもコミカルなシーンやキャラクターの掛け合いが強調されており、より明るい雰囲気を感じました。
そして、本作の変更点として強い印象を受けたのは、いわゆる“作画の安定度”です。
2期にあたりキャラクターデザインが変更されただけではなく、全体的な作画も向上し、登場人物の自然な動きや色彩の鮮やかさが加わったことで、1期とは一味違ったアニメーションとなっています。
そのため、第2期で制作会社が変更され不安だったファンたちからも満足のいく出来上がりとなっていたようです。
□進撃の巨人
アニメ『進撃の巨人』は、2013年から放送された第1期〜3期までを「WIT STUDIO」が担当し、2020年放送の最終章からは「MAPPA」が担当しました。
最終章の制作がMAPPAに移行したことで、作画の質はWIT STUDIO時代と比べて劣化したという意見もありましたが、MAPPAはWIT STUDIOとは異なる作画の特徴を活かし、最終章の迫力あるアクションシーンを表現をしてみせました。
特に最終章から登場した多くの巨人は3DCGを活用し、人間らしくもありながらも、人体には再現できなさそうな不気味さを兼ね備えたアクションが光っていたように感じます。
一方で、キャラクターデザインが原作漫画を意識した作画になり、アニメファンからすると違和感があったようです。
アニメ最終章を経てアニメ『進撃の巨人』は、原作漫画では駆け足気味だった物語の結末も、アニメならではの新規描写が増えたことでより分かりやすい解釈となっており、ファンの間からは高評価を受けています。
元々クオリティーの高い作品であったために作品全体の印象ががらっと変わったわけではありませんが、少なくとも制作会社が変更されたことで失敗したアニメ作品ではないでしょう。
ある意味、アニメ『進撃の巨人』の制作変更は、ゆるキャン△3期の現状に近いのかもしれませんね。
ゆるキャン3期に対するファンの声・反応
最後にゆるキャン△3期に関するファンの声や意見を集めてみました。
特にキャラクター作画に関してはやはり、「旧シリーズの絵が好み」「原作の絵柄に近づいた」と賛否あるようでした。
しかしながら、3期の放送を楽しみに待っている方が多かったので、ファンから愛されているシリーズだなと感じましたね。
□制作会社変更に関して
□作画に関して
□放送が待ち遠しい
□第1期・2期を担当した「京極監督」のコメント
まとめ
ゆるキャン△3期の制作情報と制作会社変更についてのファンの反応などをまとめてみました。
本作は原作漫画からアニメ、そして実写ドラマまで、人気の高い作品です。新たな挑戦に不安を感じるかも知れません。ですが、実際に作品を視聴してみないとその是非は問えません。
2024年4月放送開始とのことで、まだまだ情報が少ないですが、公式から新たな発表が追加され次第、追記していきたいと思います。