歴代「ノイタミナ」アニメ一覧・特徴
2005年
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ハチミツとクローバー
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Paradise Kiss
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2006年
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怪 〜ayakashi〜
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獣王星
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ハチミツとクローバーII
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働きマン
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2007年
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のだめカンタービレ
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モノノ怪
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もやしもん
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2008年
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墓場鬼太郎
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図書館戦争
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西洋骨董洋菓子店 〜アンティーク〜
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のだめカンタービレ 巴里編
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2009年
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源氏物語千年紀 Genji
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東のエデン
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東京マグニチュード8.0
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空中ブランコ
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2010年
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のだめカンタービレ フィナーレ
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さらい屋 五葉
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四畳半神話大系
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屍鬼
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海月姫
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2011年
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フラクタル
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放浪息子
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C
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あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
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うさぎドロップ
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NO.6
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UN-GO
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ギルティクラウン
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テルマエ・ロマエ
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2012年
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ブラック★ロックシューター
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坂道のアポロン
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つり球
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もやしもん リターンズ
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夏雪ランデブー
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PSYCHO-PASS
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Robotics;Notes
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2013年
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刀語
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銀の匙 Silver Spoon
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ガリレイドンナ
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サムライフラメンコ
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2014年
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ピンポン THE ANIMATION
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龍ヶ嬢七々々の埋蔵金
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残響のテロル
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PSYCHO-PASS 2
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四月は君の嘘
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2015年
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冴えない彼女の育てかた
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パンチライン
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乱歩奇譚 Game of Laplace
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すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
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2016年
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僕だけがいない街
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甲鉄城のカバネリ
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バッテリー
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舟を編む
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2017年
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クズの本懐
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冴えない彼女の育てかた♭
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DIVE!!
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いぬやしき
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2018年
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恋は雨上がりのように
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ヲタクに恋は難しい
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BANANA FISH
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2019年
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約束のネバーランド
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さらざんまい
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ギヴン
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PSYCHO-PASS サイコパス3
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2020年
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うちタマ?! 〜うちのタマ知りませんか?〜
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富豪刑事 Balance:UNLIMITED
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2021年
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2.43 清陰高校男子バレー部
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約束のネバーランド(Season 2)
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バクテン!!
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平穏世代の韋駄天達
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王様ランキング
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2022年
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よふかしのうた
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うる星やつら(2022年版)
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2023年
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王様ランキング 勇気の宝箱
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るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-(2023年版)
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ノイタミナの特徴
深夜枠のアニメだからといって、全てが「エロ」「グロ」「バイオレンス」「インモラル」というわけではない。むしろそういうのがウリの作品は少ないのがノイタミナです。
作品の傾向は、ちょっと考えさせられるなーとなる、「ライトな大人向け」って感じ。恋愛にしろバトル物にしろ、子供よりも大人だからこそ響くって作品が多い印象です。
S(少し)F(不思議)な物語
吸血鬼、宇宙人、幽霊、超能力…があったりなかったり。
想像とは違う日常が突然飛び込んでくる。
少し不思議な、そんな物語。
UN-GO
▼あらすじ
探偵は二人組。人呼んで最後の名探偵、結城新十郎。
そして、相棒の因果。わけあって世の謎と真実を解き明かす探偵業。西に刺殺された金持ちあれば、行って犯人をあぶり出し、東に呪いで死んだ男あれば呪いではないと証明する。因果の協力と新十郎の推理。二人の不思議な絆が力を発揮する時、解けない謎はない。
――なんて、いつもカッコつけちゃいるけれど、なかなか思うようにならないことも多かったりして。それでも二人は吸い寄せられるように事件に立ち向かっていく。
「しかし私が呼ばれたってことは、なにか事件が起きるということですよ。大事件がね」
「真実は解き明かされるべきなのだろうか…?」
探偵モノにもかかわらず、真実を解くことの必要性を問う、ミステリー作品。
ジャンルはミステリーとなっているけれど、SF(近未来)設定・オカルト現象・事件は怪物の能力であっさり解決、と、あまりミステリー部分は重要ではない作品。
この物語の焦点は“謎解き”ではなく、人々の内面を描く人間ドラマ。「真実を解き明かすこと」に価値を感じるか、「真実を明かしたあとの事象」に価値を見出すか。対立する2つの思想がぶつかり合う。
物語終盤はファンタジーよりもちゃんとミステリー色が強くなり、先が見えない展開に引き込まれます。
うる星やつら
▼あらすじ
地球“最凶”の高校生・諸星あたると、宇宙から舞い降りた“鬼っ娘”美少女ラム。二人の出会いからすべてが始まった…!
今なお第一線で活躍する高橋留美子による鮮烈のデビュー作「うる星やつら」。小学館創業100周年を記念し、選び抜かれた原作エピソードを4クールに渡ってテレビアニメ化!(第1期:2022年10月より2クール放送)
大胆不敵、恋にも全力、でもどこか切なくて…あたるとラムのボーイ・ミーツ・ガールを、銀河中から集結するキャラクターたちが彩るラブコメディ。
原作へのリスペクトを感じる作風。この古さの残った作品を「いい」と感じるか「リメイクなら現代に寄せろ」と思うかは、人それぞれだろう。
昭和のドタバタラブコメディそのまま。声優も過去の雰囲気にかなり寄せてきている。
変なアレンジはなく、原作の内容をギュッと濃縮した形に仕上がっている。
原作ファンをふるいに掛ける昨今の実写化と比べると、原作ファンのことを考えて作られたこのリメイクは、個人的には好印象。
四畳半神話大系
▼あらすじ
「大学三回生の春までの二年間、実益のあることなど何一つ していないことを断言しておこう」
〝薔薇色のキャンパスライフ〟を夢見る、誇り高き三回生の「私」。しかし現実はほど遠く、実り少ない二年間が過ぎようとしていた。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。
いっそのこと、ぴかぴかの一回生に戻って大学生活をやり直したい!
迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、不毛と愚行の青春奇譚。
性格の悪い悪友との友情の話であり、可愛い後輩とのラブコメであり、平行世界が交差するタイムリープものという、混沌とした作品。
ループもの故に似たような話を繰り返すが、それに耐えたあとは感動のラストが待っている。
ヒロインの明石さんがまたいい。主人公に好意を持っているのだけれど、その好意が分かりやすく表現されることはない。彼女はどんな相手にもフラットに、自分を貫いた態度を取る。その中に、ほんの少し、主人公への好意をにじませる。
実は両片思いなのに、今よりも薔薇色のキャンパスライフを謳歌しようと、ループを繰り返す主人公。なんとも不毛。なんとも虚しい足掻き。だがそれがいい。
よふかしのうた
▼あらすじ
「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」
女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。さらには、夜に眠れない日々が続いている。そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。
夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。彼女は、夜の住人・吸血鬼。コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。
「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」
夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に吸血鬼になる方法を教えてもらう。それは……「人が、吸血鬼に恋をすること!」
果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!?ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__
ジュブナイル的、ボーイ・ミーツ・ガール。
うわーわー、14歳の思春期の少年の(大人にとってはくだらない)葛藤がリアルで、なんか、恥ずか…思春期の感情がフラッシュバックするみたいな、そんな作品。
夜に家を抜け出すことに特別を感じるとか、女性に対しての接し方に悩むとか、“みんなと同じ”は嫌と感じる少年心は、『物語の主人公』に憧れたことがある人間にはぶっ刺さる青臭さ。
そんな青臭い14歳の少年が、非日常の象徴でもある吸血鬼に出会ってしまったから大変。非日常への憧れをそのまま吸血鬼の女性に投影して、彼女に恋をしようと頑張るのが…なんかもう眩しい…。
テルマエロマエ
▼あらすじ
紀元前128年、第14代皇帝ハドリアヌスが統治し、かつてない活気に溢れているローマ。すべてに斬新さが求められるこの時代、古き良き浴場を愛する設計技師のルシウス・モデストゥスは、生真面目すぎる性格が時代の変化に合わず、職を失ってしまう。落ち込むルシウスは、友人に誘われて訪れた公衆浴場から、突然現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまい・・・!?
古代ローマと現代日本の“風呂”を巡る冒険を描く、空前絶後&抱腹絶倒のタイムスリップ風呂アニメ。
「あんた、阿部寛にちょっと似てんじゃないのぉ?」せやろか…(実写版の宣伝アニメだから)せやろな。
『秘密結社・鷹の爪団』みたいなノリのアニメだなと思ったら、本当に制作が同じだった。主人公の声は鷹の爪団のFROGMANだし、完全に出張版鷹の爪。
私は実写版しか知らなかったので「実は原作はこういうノリなのかな?」と思ったら、どうやらオリジナル色(FROGMAN色)の強いアニメらしい。
これはこれで面白いフラッシュアニメだけど、原作ファンはもしかしたら好みが分かれる作品かもしれない。短編集なので、テルマエロマエの入門として見るには丁度いいかも。
さらい屋五葉
▼あらすじ
気弱ではずかしがり屋な性格が災いして浪人となり、田舎から江戸に出てきた秋津政之助は、ある日偶然出会った遊び人風の男・弥一に用心棒になるよう頼まれる。
しかし、政が守るべき弥一こそ拐かしを生業とする賊「五葉」の一味であった。剣の腕を見込まれ一味に加えられてしまう政之助。その五葉にはひとクセもふたクセもある個性的な面々が揃っていた。
盗賊団から足を洗い、娘と料理屋を営む梅造。飾り職人で、かつては一匹狼の盗賊だった松吉。素性の知れない妖艶な美女・おたけ。そして政之助を五葉に引き入れた謎の男、弥一。
仕方なく五葉を手伝う政之助だったが、五葉の仕事を通じて、五葉の面々が抱える事情に関わってゆく事となり、人として成長を遂げていく。
江戸時代が舞台のヒューマンドラマ。
こういう不思議な雰囲気の時代物を『ネオ時代劇』というらしい。おそらく「無限の住人」という漫画から知名度が上がっただろうジャンルで、その特徴は「その時代に詳しくなくてもエンタメとして面白い」ということ。
あらすじでも察せる通り、メインは義賊的グループに所属する人たちの人間模様。
なにかしら事情を抱える彼らは、多くを語らずともどこかで繋がっている仲間。そこに気弱だけど正義感があり(バカ)正直者な主人公が巻き込まれ、それぞれに影響し合う。
そんな淡々と静かな、人によっては陰鬱さも感じるストーリー。物語はゆっくりと、丁寧に、人物描写が描かれていて、ヒューマンドラマとしてとても質が良いと感じる作品。
もやしもん
▼あらすじ
主人公、沢木惣右衛門直保は、空気中の菌が目に見えるという特殊な体質の持ち主。もやし(種麹)(※3)屋の息子である彼は、幼なじみで造り酒屋の息子・結城蛍とともに農業大学進学のため東京にやってきた。入学式当日、祖父からのメモに書かれた樹という人物に会いに行く二人。祖父と古くからの知り合いという樹は、菌について語りだすと止まらない、ちょっと奇異な老教授だった。その後、樹研究室に出入りするようになった沢木は、新たな「菌」と「発酵」の世界に触れながらも、彼を取り巻く少し変わった人たちとの出会いによって、様々な騒動に振り回されていくことに・・・。
※3 たねこうじ・・・蒸米にこうじかびを生やしたもの。日本酒の原料のひとつ。
細菌やウィルスを見ることができる不思議能力を持った青年を中心に繰り広げられる、農大コメディ。
いやもうめっちゃ好き。
雰囲気としては『動物のお医者さん』『げんしけん』みたいな、大学日常コメディ。
ぼんやりと見てるだけで、細菌関連に詳しくなった気になれる『はたらく細胞』みたいな作品。
いいなー私は専門学生だったから、こういう自主性を重んじたキャンパスライフにとても憧れる。
キャラの濃さはさすが専門系って感じの癖の強さと”偏り”。アホだけど楽しい先輩や、残念美人の先輩、頼りになる教授、それから地元の親友。そんな彼らとつるんで自由に研究したり好きなことを勉強したりする、ドタバタキャンパスライフ…。憧れますねぇ。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
▼あらすじ
ひきこもりのじんたんの前に現れた、幼なじみ・めんま。一体彼女は何のために現れたのか、かつての仲間たち“超平和バスターズ”の面々は、その謎に向き合っていく。それぞれに後悔を抱え、別々の道を歩んでいた彼らが、かつてのように集まり始め…。
幽霊×青春×幼馴染三角関係、そんなよくある話。
「めんまを成仏させて“やろう”」という同じ目的によって再び集まった幼馴染5人。でも、心の内にはそれぞれ思惑や、隠してた傷があって…。
疎遠になったのは“大人になったから”じゃなくて、“本心を隠すのが上手くなったから”なんだよね。傷つかないよう無難でいようとして失敗したのが、この5人。
そんな歪な形で成長してしまった幼馴染たちの関係を、幽霊が関わることで修復させていくのが、なんとも感動的。
個人的には、めんまは「誰からも愛されるキャラにしよう!」って、製作者の気持ちが全面に出されすぎてて、きれい過ぎて気持ち悪い。人間なんて、ちょっと汚いくらいが丁度いいのにな。
でもまぁ、こういうのは、やっぱり泣いちゃうね。
ファンタジー・SF
作品紹介でこのジャンルは外せないでしょう。
約束のネバーランド
▼あらすじ
突然終わりを告げた、
グレイス=フィールドハウスの幸せな日常。
ハウスは農園。
子どもたちは、鬼に飼われる食用人間。
大好きだったママは子どもたちの監視役。
「これ以上、家族が死ぬのは嫌だ…!」
そう願ったエマ達は、日常に潜んでいたあらゆる意図を解き明かしていく。
鬼vs子ども、命をかけた脱獄計画が始まる――
里親の元へ行くなんて真っ赤な嘘。自分たちが人食い鬼の『食料』として育てられていたことを知った主人公たちは、孤児院から脱出することを決意する。
そんな命がけの脱出ゲームから始まる、ダークファンタジー。
漫画で結果を知ってても、見返して子供たちの会話に泣かされる。
「命はくれてやる。でもその他何一つ譲る気はない。負けるつもりも、一切ない。」
誰かは自分を切り捨ててでも家族を逃がす決意を決め、誰かは全員揃って脱出したいと願う。緊迫した状況で、それでもなお、「どうしたら家族を死なせないか」と話し合う子どもたちの姿は…とてもしんどい。
波乱万丈で最後まで楽しめるけど、やっぱりこの物語のピークは「ファーム脱出」の序盤かな。子どもたちとママの関係が、切ねぇよ。
平穏世代の韋駄天
▼あらすじ
かつて世界は魔族に蹂躙されていた。韋駄天と呼ばれる戦いの神々が魔族を封印し、世界に平和をもたらしてから800年――。ルール無用の最凶バトルが今始まる!
ポップなデザインに反したエログロバイオレンス。
ゆとり世代の神様たちが、復活した魔族と、ゆとりならではの戦略で戦うファンタジー。
魔族「人間を守る神なんだから人間の国を隠れ蓑に戦おう!」
神「どうせ人間は繁殖するから、魔族が隠れ蓑にしてる国ごと滅ぼそう。」
魔族「それが神のやることかよぉぉぉぉおおおお!!」
これが神のやることです。
戦いの神が魔族を蹂躙する『俺TUEEEE』脳筋アニメかなと思ったら、後半では頭脳戦も混じってきて、かなり面白い。
個人的にこの作品の良さは俺TUEEEE要素よりも、人外ならではの倫理観で動く韋駄天達と、やけに人間臭い魔族の対比かなって思ってる。人間社会に溶け込んでるから、魔族のほうが神より人間臭いっていうね…。
甲鉄城のカバネリ
▼あらすじ
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。
鋼鉄の皮膜で覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。
極東の島国である日ノ本(ひのもと)の人々は、カバネの脅威に対抗すべく各地に「駅(えき)」と呼ばれる砦を築き、その中に閉じ籠もることでなんとか生き延びていた。駅を行き来ができるのは装甲蒸気機関車(通称、駿城(はやじろ))のみであり、互いの駅はそれぞれの生産物を融通しあうことでなんとか生活を保っていた。
製鉄と蒸気機関の生産をなりわいとする顕金駅(あらがねえき)に暮らす蒸気鍛冶の少年、生駒(いこま)。彼はカバネを倒すために独自の武器「ツラヌキ筒(づつ)」を開発しながら、いつか自分の力を発揮できる日が来るのを待ち望んでいた。
そんなある日、前線をくぐり抜けて駿城(はやじろ)の一つ甲鉄城(こうてつじょう)が顕金駅(あらがねえき)にやってくる。車両の清掃整備に駆りだされた生駒(いこま)は、義務であるカバネ検閲を免除される不思議な少女を目撃する。
その夜、生駒(いこま)が無名(むめい)と名乗る昼間の少女と再会するなか、顕金駅(あらがねえき)に駿城(はやじろ)が暴走しながら突入してきた。乗務員は全滅し、全てカバネに変わっていたのだ!顕金駅(あらがねえき)に溢れ出るカバネたち。パニックに襲われる人々の波に逆らうようにして、生駒(いこま)は走る。今度こそ逃げない、俺は、俺のツラヌキ筒(づつ)でカバネを倒す!
―――こうして、本当に輝く男になるための生駒(いこま)の戦いが始まるのだった。
和風スチームパンクなゾンビモノ。
主人公・生駒は屍化を防ぐことに成功し、人の心を保ち屍の能力を得た〈カバネリ〉へと変わる。
「体は屍でも心は人」人間が人の心を持ったまま人外の力を得る。『デビルマン』『ゴッドイーター』『真・女神転生Ⅲ』昔からよく使われるテーマ。良いね、中二病バンザイ。
音楽やアクション、演出が素晴らしく良い。作画もきれいだし、個人的には設定も含めて結構好き。
唯一見ててうわーって思ったのは『ヒロイン無能問題』。一応理由はあるものの、なんども主人公たちの足を引っ張り、そのたび多くの犠牲を出すヒロインに「てめぇ汽車から降りろぉお!」と何回怒ったものか…。
東のエデン
▼あらすじ
2010年11月22日(月)。日本各地に、10発のミサイルが落ちた。ひとりの犠牲者も出さなかった奇妙なテロ事件を、人々は「迂闊な月曜日」と呼び、すぐに忘れてしまった。それから3 ヶ月。卒業旅行でアメリカに出かけた森美 咲(もりみ・さき)は、ホワイトハウスの前でトラブルに巻き込まれ、ひとりの日本人に窮地を救われる。滝沢 朗(たきざわ・あきら)。彼は記憶を失っており、一糸まとわぬ全裸の姿で、拳銃と、82億円もの電子マネーがチャージされた携帯電話を握りしめていた・・・・・・。滝沢 朗とは何者なのか?謎の携帯電話の正体は?失われた、滝沢の記憶とは何だったのか?
「君たち12人には、日本をより良くするためゲームをしてもらいます」的な、デスゲーム…が裏で行われてるラブコメ。
参加者には100億円と優秀なAIサポートが与えられ、それぞれが思う理想の日本のために行動し、自分の理想のために、参加者同士で潰し合う。
そんなデスゲームに参加してた記憶喪失の主人公・滝沢と、彼の記憶を取り戻そうと助けてるうちに巻き込まれていくヒロイン・咲。この2人のラブコメを主軸に描かれる、日本改変デスゲーム。
デスゲームという要素を挟むことで、日本の問題を『権力者視点』ではなく、『弱者視点』で変えていくことになる、という設定は上手いなと感じたけれど…。シナリオの整合性を深く考えてしまうと粗が目立つなぁ、といったところ。
日本を『壊す』ことで変えるのか、それとも『立ち上がる』ことで変えるのか。なかなか考えさせられる作品でした。
青春・日常・それから恋
大人になって思う。…高校生ブランドは有効活用するべきだったと。
クズの本懐
▼あらすじ
報われない恋 切ない恋 片想い
それってそんなに美しい物ですか
高校二年生の安楽岡花火は、叶わぬ恋に身を焦がしていた。大事な人を傷つけ、傷つきながらも求めてしまう人のぬくもり。これは、あまりにも純粋で歪んだ恋愛ストーリー。
自分勝手だけど他人思い、誠実に不誠実。歪で、矛盾だらけで、純粋な、クズたちの純愛ラブストーリー。
お互い違う人が好きだけど、その叶わぬ恋心を慰めるために、興味ない相手と関係を持つ2人の恋の行方を描いた作品。
タイトルの通り、色々とクズ要素を抱えたキャラクターが多いのだけど、この作品はそんな人間の「醜い本性」を描きつつも、純愛なのがポイント。気持ちが一つじゃないのも、思考がとっ散らかるのも、流される事があるのも、人間だものしょうがない。
「ヒーローとヒロインが結ばれてめでたしめでたし」な恋愛が見たい人には決しておすすめできない、リアル路線ラブストーリー。
人によっては、かなり共感できる部分もあるんじゃないかな。
ギヴン
▼あらすじ
ある日、上ノ山立夏は壊れたギターを抱えた佐藤真冬と出会う。ギターを修理したことで懐かれてしまう立夏。仕方なくギターを教えることになった立夏だったが、偶然聴いた真冬の歌が心に刺さる。立夏は真冬を自分のバンドに誘い、2人の距離は変わり始める。しかし、感情を表現することが苦手だという真冬は、過去に囚われているようで――。
音楽がかっこいい!
バンドアニメで大事なのは、もちろん挿入歌。この作品は挿入歌がしっかりかっこいいので、バンドモノ作品としてはとても良い作品。
対してBL要素は…ううん、個人的には、コレジャナイ感。
ボトムキャラが量産型メス男子。ヘテロな登場人物が極端に少ない。同性愛に理解がありすぎるユートピア。
この世界観は商業BLに慣れ親しんだ人間なら問題なく流せるだろうけど、そうじゃない人にとっては違和感がありすぎる。
もうね、これだと「ただの少女漫画と何が違うの?」という感じ。
「同性愛がマジョリティ化した世界観がいい」という人ももちろんいるでしょう。けど、個人的には「GL/BLは友情と恋情の境目で苦悩するのが最高なんだろうが!!!」という気持ち。伝われこの想い。
四月は君の嘘
▼あらすじ
「14歳の春――僕は、君と走りはじめる」
からっぽになった少年が一人の少女と出逢う。少女の、自由で情熱的な音楽の調べが、少年の止まっていた時間を突き動かす。
11歳の冬――早熟の天才ピアニスト・有馬公生は母親を失ったショックから演奏をするとピアノの音が聴こえなくなるというトラウマを背負ってしまう。以来、少年は次第にピアノから遠ざかっていく。
ピアノと母親を失った彼の日常はモノトーンのように色をなくしてしまっていた。
そんなある日、公生を子供の頃から見てきた幼なじみ澤部椿は、あるクラスメイトを紹介する。
クラスメイトの名前は宮園かをり。
彼女はコンクールに出場するヴァイオリニストだった。楽譜を超え、自分なりのスタイルで課題曲を演奏するかをり。その奔放な演奏を見て、モノトーンだった公生の世界がカラフルに色づきはじめる。
「暴力上等、性格最低、印象最悪・・・・・・でも、彼女は・・・・・・・・・美しい」。
音楽が導くボーイ・ミーツ・ガール。情熱的なヴァイオリンの響きが、凍りついたピアノを融かしたとき、2人は豊かなハーモニーを奏でるのだ。
与えられた道から逸れ、自分の殻を破り、新たな一歩を踏み出す少年の成長物語。
「優勝するためのピアノ技術」を母親から厳しく叩き込まれた主人公と、「純粋に音楽を楽しむ」ヒロインが出会い、変わっていく、まさにド定番のボーイ・ミーツ・ガール。
ありきたりでよくある青春モノなんだけど、主人公とヒロインがお互いに勇気を与え合う関係性とか、主人公を取り巻く周りの暖かさとか、母の愛に気づくこととか、そういうちょっとしたヒューマンドラマが魅力的な作品。なんか「がんばろ」って気持ちになれる。
ちなみにだけど、これは等身大な中学生男子のウダウダ悩む姿を描いた作品だから、『エヴァンゲリオン』のシンジくんにイライラした人にはオススメできないってことを伝えておく。
銀の匙
▼あらすじ
気持ちいいかも、こんな青春。
可愛くて可哀想、だけど旨い!それが肉!
主人公・八軒勇吾は、受験に失敗したことで親への反発もあり、北海道の全寮制農業高校『大蝦夷農業高校』に入学。クラスメイトはみんな実家が生産業の子どもたちばかり。
農業なんて一切関わったことのない主人公が、周囲の人とのギャップに慄きながら、自分なりの答えを見つけていく、笑いあり、感動あり(?)の、農業スクールライフ。
この作品って、思春期の少年への気付きと共に、大人への気付きもあるよなぁ…って。
「大事に育てた豚を殺すのは可哀想、でも肉は変わらず旨い」そんな相反する感情。深く考えなければいいのに真面目に考えて悩み続ける主人公と、そんな主人公に真摯に応えてくれる先生。なんだか、こんな青春、いいなぁ。
「答えがないことに答えを出そうと必死に考え続ける」そんな大人になると自然と消えていく感情を思い出させてくれる作品。
スポーツ
のめり込む何かがあるって、いいよね。それはきっと一生モノの経験。
バッテリー
▼あらすじ
「原田巧」はピッチャーとして抜群の野球センスをもつ少年。中学入学を期に移り住んだ山あいの街、新田市で、巧は自分の全力投球を受け止められるキャッチャー、「永倉豪」と出会う。新田東中学校の野球部に入部した二人は、部員同士の軋轢や、教師たち大人の事情に翻弄され、時には互いに衝突しながら、ピッチャーとキャッチャー、二人一組の「バッテリー」として成長していく。
『No.6』の作者・あさのあつこさんの作品なので、どことなく腐敗臭。たぶん女性向け青春アニメ。(スポーツアニメとして見ることはオススメしない)
主人公はすでに野球選手としてある程度仕上がっている少年・巧。だからこれはスポーツ選手としての成長物語というよりも、野球を通して少年たちが友情を育み人として成長していく物語。試合部分はさして重要視されていない作品なので、スポーツアニメと断言して良いものか…。
原作が1996年の作品なので、昔の「部活の上下関係あるある」がなんとも懐かしい気持ちにさせられる。野球部といえば坊主だよね…。
『ハイキュー!!』とか『黒子のバスケ』とか『Free!』とか、最近の和気藹々としたスポーツアニメしか知らない若者には、逆に新鮮に感じるかもしれない。『ブルーロック』?知らない子ですね。
バクテン‼
▼あらすじ
「笑ったぶんだけ高く、泣いたぶんだけ強く」
中学生活最後の夏、『男子新体操』と出会い、強烈に魅せられた少年「双葉翔太郎」。私立蒼秀館高等学校(通称:アオ高)に入学した翔太郎は、男子新体操部の門を叩く。そこには、個性的な先輩たちと、中学男子新体操のスター「美里良夜」がいた。何か一つのことに懸ける、熱い青春の日々。ときに挫折し、すれ違うも、共に仲間と過ごす毎日の中で、一生懸命一つの目標に向かって、チームでひた走る姿を描く「スポ根 × 青春群像劇」。この春、情熱を懸けた本気の青春が、始まる――
OP/EDちょいダサいけど、新体操の演技はかっこいいぞ。
内容はいたってシンプルな青春スポーツアニメ。これはどちらかといえばシナリオではなく「目で見て楽しむアニメ」。
キレイなアニメーションと、躍動感あるカメラワークを駆使し、とても見ごたえのある演技シーンが出来上がっている。
なんか新体操の演技がアニメらしくないと思ったら、これモーションキャプチャーで実際に人が動いたのをアニメに落とし込んでるのか…!動きがリアルだと思ったらガチで中の人がいた。
演技シーンだけの映像は公式がYou Tubeで公開しているので、気になった方はぜひ。
ピンポン
▼あらすじ
才能にあふれ、卓球が好きで好きでたまらないペコ。子供の頃から無愛想なスマイルにとってペコはヒーローそのもの。だが、ペコは上海からやってきたエリート留学生・チャイナに完敗。続くインターハイでは、もう1人の幼馴染み・アクマにも敗れてしまう。
才能と努力、誰もが目をそらしたくなるテーマを痛快に描いた卓球アニメ。
独特な作画だけで忌避している人がいたらぜひとも見てほしい作品の一つ。
絶対的な才能と、それに食らいつこうと必死に足掻く人間の、嫉妬と葛藤の物語。
それだけだけ聞くとガキ臭くて青臭い、どこにでもあるようなスポーツ作品なんだけど、それでも惹かれるものがあるのは、キャラクター達の魅力やそこから生まれるセリフの深さなんだろうなって。あと試合シーンの躍動感もすごい。
才能を鼻にかけ努力を怠る主人公・ペコ。自分には才能はないからと舐めプする幼馴染・スマイル。この二人の関係性が私は好き。
無愛想でコミュ障ゆえにいじめられていたスマイルが、自分のヒーローだったペコを信じ続けたのも良いし、物語の最初と最後で「僕の血は鉄の味がする」の意味が変わってくるのも、とても良い。
ガキ臭くて青臭い、それでもなんだか心揺さぶられるモノがある、そんな作品。
戦うアニメ
何かと戦う人間はかっこいい。
C – The Money of Soul and Possibility Control
▼あらすじ
20XX年、政府系金融機関の登場で、政府は奇跡的な財政再建を実現。そんなある日、経済学部生・公麿の前に怪しい男が現れた。「未来の可能性を担保にお金をお貸します。その金を運用してみませんか?」その日から公麿の運命は大きく変わってゆく…。
マネーゲーム(物理)に巻き込まれる話。
主人公~~~~公麿が、ぬるいぃぃぃぃ~~~!「話せば分かる」「やめたい」「普通でいい」・・・タラタラタラタラ…。とっとと覚悟決めろや!と思う序盤。
まあね、これは「マネーゲーム」の話じゃなくて「主人公の葛藤」と「未来と現在」を描いた話だから、ここの主人公のモダモダがないと話が始まらない。
投資って、「いつロスカットするか」とか「いつキャピタルゲインで稼ぐか」とか、自分との戦いだからねぇ、ある意味これは正しい物語の構成なのかも。
「未来を担保に金を手っ取り早く勝負事で稼ぐ」
リスクを背負って今稼ぐか、未来を大事にするか。この物語はそういう問答を描いてるんですが…。個人的には愚問。
継続可能な金じゃなければ、今得られる金に価値なんてない。背負うリスクは、自分で選んで決めるべき。そういう意味では、私も主人公と変わらないかもね。
刀語
▼あらすじ
伝説の刀鍜治、四季崎記紀がその人生を賭けて鍛えた十二本の“刀”を求め、無刀の剣士・鑢七花と美貌の奇策士・とがめが征く!
自身の肉体を刀として戦う刀を使わない剣士・鑢七花と、奇策士とがめの、刀蒐集の旅物語。人がぽろりと死ぬよ。
まぁ、西尾維新作品なんでね、普通の冒険譚だと思ってみると全然違うので、知らない人はびっくりするでしょう。西尾維新作品の真髄は「言葉遊び」と「トチ狂ったヒューマンドラマ」なので、痛快なアクションを見たい人はご退場。
出会うキャラクターみんな個性が強く、言葉の応酬も面白い。コミカルでありつつ、なるほどぉと唸ってしまうストーリー展開。好きな人はめちゃくちゃハマる、独特な作風。
いやー、第四話「薄刀・針」の所持者・錆白兵との戦いはとても熱かったですね。私でなきゃ見逃しちゃうね。
サムライフラメンコ
▼あらすじ
“斬新!大胆!スリリングッ!な、オリジナルアニメーション、ここに誕生。改造手術も受けず、特殊な能力も持たず“自力で”正義の味方になってしまった男・羽佐間正義。運命の悪戯でその正体を知り、以降彼の起こすトラブルに巻き込まれる警官・後藤英徳。二人の関係を軸に、この世界で「正義の味方として活動」することの困難と意義、そこから生まれるドラマをときにコミカルに、ときにシリアスに、真のヒーロー誕生までの物語をドラマチックに描く!
賛否両論の、超展開につぐ超展開を繰り広げる迷走アニメ。
今は亡きマングローブのオリジナル作品。(かなしい…)
主人公は趣味でヒーロー活動をするんですが、まぁ現実に超パワーも悪の秘密結社もないので、やるのは地道な慈善活動。自作のヒーロースーツを身にまとい、夜にたむろし騒ぐ悪ガキを注意し、ゴミのポイ捨てを注意する、誰がどう見ても変人。
そんな身近な小さな悪に立ち向かう主人公・羽佐間正義は、世間からは理解されず邪魔者扱い。
逆に現実の正義である警察官の後藤英徳は、世間の平穏のため大きな悪だけを捌く。
この異なる性質の正義をもつ二人を描くことで、正義とはなにかというのを、主人公とともに視聴者にも問いかける作品。
6話以降の超展開に適応できれば、間違いなく良作。
図書館戦争
▼あらすじ
2019年(正化31年)。公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる『メディア良化法』の成立から30年が経ち、メディア良化委員会と図書隊が抗争を繰り広げる日本。
念願の”図書隊員”として採用された笠原 郁は、両親に、図書隊の中でも危険の伴う防衛員志望だとは言い出せないまま、軍事訓練に励む毎日を送っていた。郁は高校時代、書店でメディア良化隊員に本を奪われそうになったところを、一人の図書隊員に救われたことがある。その「正義の味方ぶり」に憧れ、顔も憶えていない図書隊員を王子様と慕い、自分も図書隊に入隊して本を守ることを決意したのだ。
やがて、卓越した運動能力と情熱が買われ、郁は、エリートによる精鋭部隊である“ライブラリー・タスクフォース(図書特殊部隊)”に配属されるのだが・・・。
海外がポリコレ侵食されている今、フィクションと笑えねぇ作品。
なんで銃撃戦してんだとか、なんでこんな強権的なことが民主主義国家で成立してんだとか、そういう野暮ことは言ってはいけない。これは体を張って「表現の自由」を守る主人公の、ちょっとスパイシーな恋物語なので。恋物語なので!
この物語は「表現の自由」という大きな思想のくくりで見ると薄っぺらくて冷めてしまうけど、「一人の女性の恋と仕事への向き合い方」という視点で見るととても良いストーリーだなと感じる。
最初は「憧れの男性と同じ職場で働きたい」という気持ちで始めた仕事が、苦労や困難、壁にぶつかって乗り越えるたび、だんだん彼女にとってやりがいのある、かけがえのないものになっていく・・・という変化が、素敵だなと思う作品。
実際そうだよね。好きな仕事だけできるわけじゃない。希望の職場でも、やりたくないことはある。でも、それでも、小さなやりがいを見つけただけで、したくない苦労もなんか「べつにいっかー」ってなる。天職って、そんなもん。
いぬやしき
▼あらすじ
定年を間近に迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は会社や家庭から疎外された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け自暴自棄になる。その晩、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は人間を遥かに超越する力を手に入れることに。一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。
自分の意に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。
人間の本質は善なのか、それとも悪なのか・・・?強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す――。
胸糞展開を耐えた先にある板野サーカス。戦闘シーンはかなりの見応え。
初めて漫画を手に取ったとき、お父さん(主人公)があまりにも可哀想で…。この記事書くにあたって、苦しみながら見ました。控えめに言って拷問。
しかしお互いの正義がぶつかり合い、サイボーグ同士がレーザーを撃ち合い派手に戦う様子はかなりの見応えで、それだけでも第1話の苦しみを耐えた甲斐があったというもの。
まあね、主人公が定年間近のおじさんってだけで、ようは成り上がりヒーロー物だからね。胸糞展開はありつつも、結構スッキリしたストーリー展開でしたね。
人を救うために力を使う主人公・犬屋敷。悪を排除するために力を使う男子高校生・獅子神。この2人の対比が分かりやすくて良い。
2人共根底には「悪人から人を(大事な人を)助けたい(守りたい)」ってのがあって、でも手段も結果も全然違う。獅子神は暴力で悪を捌くから、世間から獅子神は殺人鬼扱い。そらそうよ。そしてその暴力は、自分や自分の守りたかった人に返ってくる。
ラストは多分賛否両論。爆発オチなんてサイテー!と言いたくなるとんでも展開。
重い・鬱アニメ
心して観た方がいい、心にズシンとくる、重いアニメ。
東京マグニチュード8.0
▼あらすじ
夏休みに入ったばかりのお台場。
中学1年生の未来は、弟の悠貴に付き合わされロボット展を見に来ていた。
はしゃぐ弟を横目に、反抗期真っ盛りの未来は退屈そうにケータイをいじっている。
「毎日毎日ヤなことばっかり・・・。いっそのこと、こんな世界、壊れちゃえばいいのに」
そう思った瞬間、突然地面が激しく揺れた。
東京を襲った、マグニチュード8.0の海溝型大地震。
連絡橋は崩れ落ち、東京タワーは倒壊―。一瞬にしてすべてが変わった東京。
未来は悠貴の手をひき、お台場で出会ったバイク便ライダー・真理の力を借りながら
世田谷にある自宅へ向かう。
果たして3人は無事に家に帰ることができるのか―。
もしも今、関東大震災を越えるマグニチュード8.0の大地震が首都・東京で発生したら・・・。
そのとき、私たちは誰を想い、何をすべきなのか。
震災時にどんな問題が起こるのか、それを分かりやすく描いた作品。
スカイツリーはマグニチュード8.0に耐えられる構造らしいですね。
まぁそんな誰も気にしないであろう情報は置いておき…泣かせに来てますねぇ。
中学生と小学生の姉弟二人だけで、親切な女性に助けられながら家を目指す…。どれだけ不安だったでしょうね。お姉ちゃんもまだ中学生(反抗期まっただ中のむつかしいオトシゴロ)だし、不安でイライラしちゃって弟に当たるのも、仕方ない。仕方ないけど、やるせないねぇ。
フィクションらしいご都合主義もありつつ…交通マヒによる帰宅困難者、ビルの外壁の落下や看板の落下の危険、余震による二次被害、被災者どうしでのいざこざ、都心で起こる震災での懸念事項が分かりやすく描かれているので、震災への心構えを学ぶという意味でも、おすすめできる作品。
…あーやだやだ、こんな分かりやすいお涙頂戴な作品なのに、小さい子がつらい目にあうストーリーは、悔しいけど泣いちゃう。
残響のテロル
▼あらすじ
ある夏の日──
突然、東京を襲った大規模な爆弾テロ。平穏なこの国を眠りから覚ました事件の犯人は、たったふたりの少年だった──。
“スピンクス”と名乗る犯人たちの、日本中を巻き込んだ壮大なゲームがいま、始まる。
スピンクスを名乗る少年2人により行われた爆破テロ。現場には「VON」の文字が残されていた。
これは居場所のない子どもたちが、大人に牙をむく、世界を巻き込んだ復讐劇。
個人的には、犯人2人の心理や背景解説が少ないのが良かったですね。
メインで描かれているのは「爆弾テロ犯と警察の戦い」。犯人たちの思惑や動機、本当に望んでいたことなどは、その攻防から見えてくる、といった感じ。いいね。
こういう系は犯人の動機を語らせれば語らせるほどチープなものに変わるから、このくらい犯人の背景が曖昧に描かれていたほうが、私は楽しい。
柴崎刑事と犯人の頭脳戦もとてもワクワクしたし、最後まで柴崎刑事が「大人として」しっかり少年2人の前に立ちふさがっていたのも、とても心に来た。
大人の思惑に巻き込まれて、当たり前にあるべき日常を失った少年二人には、彼も「希望(VON)」として映ったかもね。
ぼくだけがいない街
▼あらすじ
命を救うため、その原因が起こる時刻に引き戻される…。その現象「リバイバル」を日常的に体験している29歳の青年・悟は、母親の殺害事件をきっかけに昭和63年の北海道へリバイバルする。そこで彼は、同級生・加代が何者かに殺害されたことを思い出す。
タイトルから陰鬱な作品かと忌避していたが、そこまで陰鬱さはないサスペンス。
主人公にも原理がよくわかっていないタイムリープ能力「リバイバル」。
母の謎の死、18年前に起こった児童虐待と児童連続誘拐殺人事件。
タイムリープによって及ぼす影響と、それに連なる伏線がちゃんと描写されていて、犯人がわかった状態で見ても「あ~~ここか~」と楽しめる、かなりよく仕上がっているサスペンス作品。
犯人が分かりやすいので、ミステリー物としては弱いかなーとは思うけど、これは謎解きを売りにしてるんじゃなくて「主人公が人としての成長と気付きを得るヒューマンドラマ」という面が強いサスペンスだから、そこで評価するのは違うかな。
タイムリープもので「よくできてるな~」と思ったのは『グノーシア』以来ですね。
きたねぇ人間どもとクソみたいな世界
そこに救いはないのですか?
そこにないならないですね。
BANANA FISH
▼あらすじ
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。ストリートギャングを束ねる彼は手下に殺された男が死ぬ間際に“バナナフィッシュ”という謎の言葉を発するのを聞く。
時を同じくして、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。二人はともに“バナナフィッシュ”の謎を追い求めることに──。
尊厳破壊に定評のある名作。
ストリートギャングとして己の身一つで生き抜いてきたアッシュから見ると英二は『甘ちゃん』で、最初は「なんだコイツ、まぁ利用出来るならするか」くらいの相手。でもちょっと死んだお兄ちゃんの面影を感じて複雑になったり…。
そんな相容れない存在だったはずの英二がさ…“ただのアッシュ”になれる特別な存在になっていて…この『甘ちゃん』を守りたいなんて思うようになって、なんかもう、幸せになれよ…。
どーしてここまでひどいことができるんですか!!!という気持ちと、いいぞもっとやれ!という気持ちが私の中でぶつかり合う。推しの苦しむ姿でしか得られない栄養が、そこにある。
PSYCHO-PASS サイコパス
▼あらすじ
あらゆる感情、欲望、社会病質的心理傾向はすべて記録され、管理され、大衆は「良き人生」の指標として、その数値的な実現に躍起になっていた。
人間の心の在り方、その個人の魂そのものを判定する基準として取り扱われるようになるこの計測値を人々は「PSYCHO-PASS(サイコパス)」の俗称で呼び慣わした。
犯罪に関する数値も“犯罪係数”として計測され、犯罪者はその数値によって裁かれる。
治安維持にあたる刑事たちは常に、犯人を捕まえる実動部隊となる“執行官”と、執行官を監視・指揮する“監視官”のチームで活動する。自らが高い犯罪係数を持ち、犯罪の根源に迫ることのできる捜査官こそが優秀な“執行官”となりうる。それゆえに、犯罪者になりかねない危険も孕む“執行官”は、その捜査活動を冷静な判断力を備えたエリートである“監視官”に監視されている。公安局刑事課一係のメンバーはそれぞれの想いを胸に、正義の在処を常に突きつけられながら任務を遂行していかなければならない。
彼らが立ち向かうものの先にあるのは――
お前たちの絶望(脚本家:虚淵玄)が来たぞ。
刑事として優秀であればあるほど「犯罪係数」が高くなるという皮肉は最高だね。
心理状態が数値化できるようになったことで、犯罪者でなくとも「潜在犯」として裁かれる…。そんなディストピア化した世界でシュビラシステムと連動した武器「ドミネーター」を使い、犯罪者を捌く執行官たちの苦悩と戦いを描いた作品。
「シュビラシステムだって所詮人間が作ったシステムなのに、それの判断を絶対としてしまう法律はどうなん?ほら、やっぱシュビラシステムで裁けない犯罪者が現れた。」っていう、典型的なポストヒューマンSF。
最近のポストヒューマンSFの中では傑作なのではないかと個人的には思ってる。
SFらしい哲学論議、格闘アクション、隠れた犯罪者との攻防。攻殻機動隊が好きな人はきっとハマる作品。
NO.6
▼あらすじ
交わるはずのなかったふたつの運命。
彼らが出会ったとき、世界は音を立てて崩れはじめる・・・・・・。
『バッテリー』のあさのあつこが手がける近未来SF小説『NO.6』。“聖都市”の別名を持つ理想都市「NO.6」でエリートとして育てられた16歳の少年・紫苑(シオン)と、NO.6の外に広がるスラム地区「西ブロック」に住むミステリアスな少年・ネズミ。ふたりの出会いと成長、そして襲い来る過酷な運命を描いたこの作品が、実力派アニメーションスタジオ・ボンズによって完全アニメ化!
幸福なのは義務なんです。
果たしてますか?義務ですよ。
「NO.6」という幸福であることが絶対のディストピア都市と、過酷な環境だけど自由がある西ブロック、この2つが舞台となるSFファンタジー。
生まれも価値観も違う二人の少年が出会い、苦難を乗り越え、友情を育む。
管理された幸福な社会に退屈さを感じていた紫苑は、非日常の象徴とも言えるネズミに心惹かれてしまうんですよね。それが彼の破滅の始まりで、心躍る大冒険の始まり。
紫苑はネズミとの出会いを経て「与えられたものではなく、自分がほしいと思ったものを、自分の手で手に入れていく」喜びを知る。
原作小説9巻を11話に濃縮しているから、後半かなり駆け足だし、端折られた部分もあるけど、原作未読であればとくに不満もなく楽しめる作品。
まとめ
おすすめ作品をまとめるにあたって、世間での評価も確認したんですけど、一定数「キャラクターの背景説明がずさんで分かりにくい」という点で評価を落としている人がいるんですよね。なんでや!
「分かりやすく説明しろ」なんて「ネタの面白さがわからないから笑える点を解説して」とお笑いに求めてるようなものじゃない!?
キャラクターの行動原理なんてもんはぁ!そのキャラの行動・会話・表情から“演出”するもので、“説明”されるものじゃなーーーーい!!!
こういう映像作品としての難しさが「原作小説は良いけどアニメはつまらない」という評価に繋がるんでしょうね…。かなしい。
本記事でご紹介した「ノイタミナ」作品は、そのほとんどがDMM TVで見放題で配信されているので、気になった方はチェックしてみてね。
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