2021年からディズニープラスで配信が開始されたMCUドラマ。
今年は4本もの実写ドラマと1本のアニメ作品が配信され、ファンにとっては映画の枠組みを超えて多くのマーベル作品が楽しめるような1年だったのではないでしょうか。
そんな2021年を締めくったのが11月より配信開始され、先日最終回を迎えたドラマ「ホークアイ」。
アベンジャーズ初期メンバーにして名脇役として活躍し続けたヒーロー、ホークアイの初タイトル作品となりましたが、今回のドラマは筆者個人としては納得のいかない部分が多々ある煮えたぎらない作品に感じてしまいました…。
本記事では、中学生のころ仮病を使って見始めたMCU1作目「アイアンマン」からリアルタイムで作品を追い続けている1ファンの筆者が、僭越ながらも今回のドラマが手放しに楽しめなかった理由を綴らせていただきたいと思います。
あくまでも1個人の感想であり、作品を汚すような記事にならないよう心がけて執筆いたしましたが、ドラマ「ホークアイ」を楽しんだ方々には少々不快に感じる記事になっているかもしれません…。
そちらを踏まえた上で、「こういった感想もあるんだ」くらいに捉えていただければと思いますのでご容赦くださいませ。
よろしければ、いってみましょう!
12月22日をもって最終回を迎えたMCUドラマ「ホークアイ」
アイアンマンやキャプテン・アメリカなどの名だたるヒーローが所属していたドリームチーム、アベンジャーズ。
その中で特殊能力を持たない生身の人間ながらも、卓越した戦闘技術とプロフェッショナルなマインドを持ち合わせてチームに長年貢献してきたのがホークアイです。
これまでアベンジャーズ本編の中で彼のバックボーンが明かされることはありましたが、単体作品でホークアイが取り上げられるのは今作が初。
ドラマ「ホークアイ」では多くの戦闘や挫折を経験してきた彼が、どのように過去や今と向き合うのかが描かれるストーリーとなっています。
また、12月22日に最終話が公開された本作では12月のニューヨークを舞台に描かれるMCU初のクリスマス作品。
ホリデーシーズンをホークアイが駆け回り、コメディチックな描写も多々挟まれた一風変わったMCU作品となっていましたね~。
【最初に】ドラマ「ホークアイ」のここが良かったポイント2選!
それでは、ここからネタバレありで感想を言っていきたいと思います!
「ホークアイ」をまだ未視聴の方はネタバレに気を付けてください。
まずは、楽しめなかった理由を紹介する前に本作で「ここが良かった!」と思った点を2点ほど取り上げましたので共感してもらえると嬉しいです!
他ヒーローとの共演に期待大!新キャラ、ケイト・ビショップが魅力的すぎる!
今作初登場の弓使いのケイト・ビショップ。
彼女の魅力が詰まりに詰まった作品となっていたことに異論はないでしょう!
天真爛漫でお調子者な性格ながらも、絶対に譲れない想いを持っている唯一無二のキャラクター。
ケイト・ビショップを演じたヘイリー・スタインフェルドが個性豊かな表情で喜怒哀楽をバシバシと伝えてきてキュートでかっこいいキャラクターになっていたのでないでしょうか!
アベンジャーズに憧れている点や軽快なトークは、女性版ピーター・パーカーといった面もあるように感じましたし、二人が共演してわちゃわちゃ推しヒーローについて語っているシーンなんかも面白そうだな~と思いました。
今後、ホークアイ以外の既存キャラクターとの共演でどんな表情を見せてくれるのか…?
純粋に気になる良キャラクターの登場には胸躍りました!
第3話のカーチェイスシーンが最高にクール!
ドラマ第3話で描かれたカーチェイスシーンは本作一番の盛り上がりを見せる圧巻のシーンでした!
クリントとケイトどちらもお節介でジャージ・マフィアに捕まってしまいましたが、脱出劇の成り行きでバディっぽくなってしまうのも良かったですし、そこからのカーチェイスは「これは最早映画だろ!?」としか思えないアクションっぷりに度肝抜かれました!
また、ここで弓使いならではの意思疎通が見れるのも◎。
耳が聞こえないクリントとケイトのやり取りがほほえましく、この後のシーンからお互いの距離をグッと近づいたように感じているところもナイス演出だったと思いました。
ピム粒子を使ったトリックアローは反則級!
吸盤がかなり有効活用される意外性なんかも楽しめて、ホークアイ独自の魅力がたっぷり詰まったアクションシーンにテンションぶち上げMAXです!
【本題】それでも「ホークアイ」を駄作に感じてしまった4つの理由
ここからが本題です!
ドラマ「ホークアイ」が個人的に楽しめなかった理由を4つの観点からご紹介。
再三の忠告になりますが、ドラマ「ホークアイ」を楽しんだ方にとっては、気分を害してしまう場合があるかもしれませんのでご理解の上、読み進めていただければと思います。
先に結論から言ってしまうと、今回のドラマは本当に「ホークアイ」だったのか…?
と感じてしまった点が、筆者がいまいちノれなかった部分。
4つの観点から順を追って説明していきます。
エレーナにエコー、ジャックにエレノア…とりあえず出しときました感のあるキャラで大渋滞
今年配信されたMCUドラマ「ワンダヴィジョン」「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」「ロキ」「ホークアイ」はいづれもこれまで単体作品が映画で公開されていないキャラクターに焦点が当たった作品でした。
タイトルにあるように「ホークアイ」の主人公は、ホークアイであるのは必然です。
しかし、このドラマではあまりにも登場キャラが多くホークアイ以外の人物にも多く焦点が当たっていたためタイトルである「ホークアイ」という部分ではかなり薄味になっていたのではないでしょうか。
ドラマが公開される前から、映画「ブラック・ウィドウ」で初登場したナターシャの妹エレーナや今後ドラマで単体作品が公開されると言われているエコーの登場は示唆されていました。
それにしても出番が本筋に関わりすぎていて、もう少しゲスト出演感があってもよかったのでは…?
また、それ以外にもケイトの親・エレノアとその婚約者であるジャックと触れなければならないキャラがいすぎたために肝心のホークアイの物語といった感は皆無で、話の本筋があっちにいったり、こっちにいったりでまとまりがない印象を感じました。
ドラマ「ワンダヴィジョン」で初登場したヴィラン・アガサの単体作品の製作が決まっていることを踏まえると、ここで登場したキャラで人気になったやつがあればそのキャラクターで一本ドラマ作っちゃおうよ~感がなんとなくあるような気がしてしまいます…。
ローニンの犯した罪はいづこへ…?
上記の登場人物が多すぎるという作りから、この物語における最も核となるエンドゲーム後のホークアイへの描写が浅すぎると感じてしまいました。
今回のドラマでは、彼がサノスによって家族を奪われた喪失感から全ての人口が半分になった世界でなお生き延びている悪人たちを殺すローニンとなっていた時代に焦点が当たった作品であり、自分が過去に犯してしまった罪と向き合う物語であったはず。
しかし、肝心の復讐者として現れたエコーはただ依頼人がエコーの組織のボスだったんだよとクリントが真実を伝えて改心。
いや、でも殺したのはローニン時代のクリントだったでしょ…そのまま鵜呑みにしちゃうのも簡単すぎないか…?と思ったのは筆者だけでしょうか…?
また、ナターシャがクリントに殺されたと誤解しているエレーナが登場してしまったことによってさらにローニン時代に犯してしまった罪への描写が薄れていたように思います。
エコーの誤解(そもそも、これ誤解じゃないし…)を説いたから、次はエレーナね…のような感じで進み、戦闘があったとはいえエレーナがすぐに納得するのは凄くやっつけなんじゃないかと。
クリントがローニン時代に犯してしまった罪というのはこんなものではないと思う反面、核の部分を様々なキャラクターを登場させることによって濁して、結局ホークアイはヒーローだった、という雑なまとめ方に納得はできませんでした。
満を持してのサプライズキャラ「キングピン」ことフィスクはただのチョイ役
こちらも登場キャラの多さにつながる部分ではありますが、Netflix版「デアデビル」から満を持して登場した「キングピン」ことフィスク。
キャストもNetflix版からの続投でヴィンセント・ドノフリオが演じており、NetflixとDisneyとの権利関係を超えた中での出演にファン歓喜したのではないでしょうか。
とはいっても、Netflix版で見せた凶暴な暴力性を全面に発揮することなく微妙な活躍となってしまったのには、やはりとりあえず出演させただけ感の印象が強く残ってしまいました。
長年デアデビルを苦しめ続けていたキャラクターでもあるため、ホークアイでかなり引っ張った展開からのチョイ役はモヤモヤ…。
終盤ではエコーによって銃弾で止めを刺されたかのように思える描写がありましたが、せっかくMCUタイムラインに合流したフィスクなので、また再登場してくれると信じたい…。
ミュージカル締めって結局ホークアイ関係ないじゃん!
MCUお馴染みのエンドクレジット後の映像は、本作「ホークアイ」の1話で劇中内で描かれていたアベンジャーズのミュージカルシーン。
Twitterでも多くの反響を見せたファンへのクリスマスプレゼントのようなシーンであるのも重々わかるのですが、このシーンはただの目配せに感じてしまい筆者的にはあまりいらないおまけ映像だったな…と感じました。
そもそもホークアイのドラマなのに、このシーンってホークアイほぼ出てこないじゃん…。
完全にネタキャラ枠じゃん…と悲しくなりました。
アベンジャーズのNY決戦を経て利益をあげていたキングピンの登場と、このミュージカルシーンの対比、そして英断のようにみせられているホークアイのヒーローとしての苦悩が描かれた本作といった部分では繋がっている描写にも感じられますが、このミュージカルシーンで全てを片づけてしまうのは強引というか、今作のホークアイが抱えていた闇の部分が勢いでごまかされてるように思います。
【結論】マーベルがクリスマスものをやりたかっただけになってしまった印象
以上4点の理由から、本作はホークアイを引きにしてマーベル側がただただ季節もののクリスマスストーリーを展開したかっただけのように感じてしまいました。
ホークアイというキャラクターは、アイアンマンやキャプテン・アメリカたちと比べると地味なヒーローであるという側面もあり、これまで単体作品をやっていなかったのだと思いますが、満を持してのタイトルドラマでも端に追いやられていたのは、筆者的には解せなかったです。
ホークアイを受け継ぐケイト・ビショップのキャラクターは凄く良かっただけに、もっと二人の関係を濃く描くバディものとしてもネームバリューに負けないしっかりとした作品になっていたでしょうし、クリントの背負った罪を昇華させる濃いドラマとして成立していたように思います。
今回のドラマ作品では、登場キャラクターの多さやホークアイ自身の掘り下げの薄さから、今後続いていくMCU作品の布石をただただクリスマスシーズンに合わせてやっておくかぁというストーリーの厚さよりも製作の都合が透けて見えてしまったのが残念でした。
初期アベンジャーズメンバーでこれまでタイトル作品がなかったのは、ブラック・ウィドウとホークアイ。
片や映画公開作品として完全主人公として描かれたブラック・ウィドウに対して、今回のドラマでもなんとなくMCU世界の橋渡し作品のようになってしまっているホークアイが浮かばれません…。
【まとめ】ドラマ「ホークアイ」を見て感じた今後のMCUへの不安…
MCUはこれまで作品が繋がる世界観というものが魅力の一つではありましたが、どの作品も単体でそれぞれ新たな試みがある攻めの姿勢が楽しめるような作りになっているからこそ、アベンジャーズなどで各々のヒーローが集結することに意味があるシリーズであったように感じます。
(もちろん、筆者にもこれまでの作品で好き嫌いはありますが…)
MCUドラマが展開され始め、今後さらにそれぞれの作品同士の関係は加速度的に強くなっていくことが予想されますが、それでも今回のようなMCUのタイムラインを意識しただけのような攻めの姿勢を崩すような作品は増えてほしくないです。
どの作品にも強烈な個性があり、それでも同じ世界観を共有している。
それこそがMCUが作り上げてきた「アイアインマン」から10年以上もファンを魅了している秘訣ではないのでしょうか。
「エンドゲーム」を劇場で見た筆者は、少なくとも7回ほど涙を流しました笑
それは全ての作品が佳作ではなく、一矢報いる作品であったからこそ到達できた感動だったのだと思います。
「エンドゲーム」で迎えた感動を経験した筆者は今後のMCU作品もそうであってほしい…と切に願うばかり。
最早、筆者がかなりの老外になっている可能性は否めませんが、ドラマ「ホークアイ」を見てそんなことを感じました。
ここまで読んでくださった方は「ホークアイ」を見てどのように感じましたか?
良ければ共有して感想を教えてくださると励みになります!
筆者は早く親目線であたたかく今後のMCU作品を見守れるようになりたいです!笑
MCU、それでも3000回愛してる!
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