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【ネタバレあり】糸が紡いだ壮大な愛と絆!映画「糸」とはどんな作品?

エンタミート編集部

更新日:2021-12-17

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2020年8月21日公開されたこの映画は、中島みゆきさんの名曲「糸」を基に制作された作品です。平成生まれの男女が出会いや別れを経験し、そして再会に至るまでの様子を描いた壮大なラブストーリーとなっており、糸が紡ぐ愛と絆の物語に感動すると話題になりました。

 

また、平成史を辿りながら展開されるストーリーにも注目してみてください。今回は、映画「糸」のあらすじやキャスト、ネタバレ、評価をご紹介します。

中島みゆきの名曲「糸」が映画に!

 

 

1992年のリリース以降、ドラマ主題歌への起用や数々のアーティストによるカバーなどを経て、誰もが知る名曲となった中島みゆきさんの代表曲「糸」は、人と人との出会いの奇跡や絆の大切さを歌ったバラード曲です。2020年夏、幅広い世代の人々に愛されてきた「糸」をモチーフにした映画が全国で公開されました。

 

楽曲から着想を得た物語が描かれており、舞台となった北海道、東京、沖縄、シンガポールの各都市でのロケーション撮影もこの作品の見どころです。菅田将暉、小松菜奈のダブル主演で制作された映画「糸」は平成元年生まれの2人の男女が出会い、元号が令和に変わる直前に再び巡り会うまでの物語を平成史の変遷と共に描いています。

 

これまで非常に多くの人々に歌われてきた中島さんの名曲は、一体どのように映画化されたのでしょうか?今回は、ネタバレを含みながら作品についてご紹介します。

 

登場人物やキャスト(相関図)をご紹介

 

 

若い世代を中心に人気を集める2人の実力派俳優・菅田将暉さんと小松菜奈さんが主演を務めたこの作品では、主役級の豪華俳優陣たちが多数出演したことでも話題になりました。メガホンを取ったのは、「8年越しの花嫁 奇跡の実話」や「楽園」、「護られなかった者たちへ」など、多数の人気作品を手掛けてきた瀬々敬久監督です。

 

相関図を見ると楽曲「糸」をモチーフにしているだけあって、人間関係は交差し複雑であると分かります。ここでは、作品の登場人物と共に豪華な俳優陣たちをご紹介します。

 

・高橋漣(菅田将暉)

北海道の上富良野で生まれ育ち、13歳の時に訪れた花火大会で葵と運命的な出会いを果たしますが、別離してしまいます。高校卒業後は地元・美瑛町のチーズ工房で働いています。

 

高橋漣役を演じた菅田将暉さんは、カメレオン俳優として様々な顔を見せる実力派俳優です。

 

・園田葵(小松菜奈)

13歳の時に漣に出会いますが、家庭の事情により東京へ引っ越してしまいました。地元・美瑛町を離れてからは世界を飛び回る生活を送っています。

 

園田葵役を演じた小松菜奈さんは、これまでに数多くの人気ドラマ・映画などに出演している他、ファッションモデルとしても活躍を遂げています。

 

・桐野香(榮倉奈々)

漣が務めるチーズ工房の先輩であり、後に2人は恋愛関係へと発展します。桐野香役を演じたのは女優の榮倉奈々さんです。

 

水島大介(斎藤工)

葵の良き理解者であり、後に恋愛関係に発展するファンドマネージャーです。水島大介役を演じたのは俳優の斎藤工さんです。

 

高木玲子(山本美月)

葵のキャバクラ時代の同僚であり親友である玲子は、やがてシンガポールで事業を始めます。高木玲子役を演じたのは女優やモデルとして活躍する山本美月さんです。

 

竹原直樹(成田凌)

漣の幼馴染で良き理解者です。竹原直樹役を演じたのは俳優の成田凌さんです。

 

後藤弓(馬場ふみか)

葵と漣の幼馴染であり、直樹の最初の妻となります。後藤弓を演じたのは女優の馬場ふみかさんです。

 

村田節子(倍賞美津子)

子どもたちに温かい料理を無償で提供する「子ども食堂」の女主人です。村田節子役を演じたのは女優の倍賞美津子さんです。

 

 

作品のあらすじをご紹介

 

 

元号が昭和から平成に変わる年、連は北海道に生まれました。それから13年後の夏、美瑛の花火大会で葵と出会った漣は一目ぼれしたため告白します。

 

葵もまた漣の優しさに惹かれており、2人は想い合う関係へと発展しました。しかし、ある日学校を休んだ葵を心配し、漣が弓と一緒に彼女の家を訪れると、一家で夜逃げをした後でした。

 

その後、漣は何とか葵が住んでいる場所を突き止めて札幌まで足を運びますが、大人たちの手によって2人は再び引き裂かれてしまいます。それから8年、漣は地元・美瑛町のチーズ工房に勤め、葵は東京にいました。

 

お互いの親友である直樹と玲子の結婚によって再会を果たしますが、置かれている状況が時と共に変化した2人は再び離れてしまいます。遠い空の下、お互いに想い合いながらもすれ違いを繰り返す漣と葵が、それぞれ別の人生を歩み、平成が終わりを告げるその時までに再び巡り会うまでの物語です。

 

 

出会いは幼少期

 

 

平成元年に生まれた漣と葵は13歳の頃、北海道美瑛の花火大会で運命の出会いを遂げます。漣は親友の竹原直樹と、葵も同じく親友の高木玲子と会場に訪れており、この時4人は漣と葵、直樹と弓でそれぞれカップルになりました。

 

青春時代のわずかな時間を共に過ごした2人でしたが、ある日突然葵が美瑛町から姿を消してしまいます。漣はもう一度葵に会うため必死になって居場所を探し、札幌に住んでいることを突き止めたのです。

 

2人は無事に会うことが出来ましたが、この時漣は葵が義父から虐待を受けていること、それに対して母親は無関心であることを知りました。そんな葵を救うため幼いながらに逃避行をした2人でしたが、翌朝警察と親の捜索により2人は引き裂かれてしまいます。

 

この時、まだ中学生だった漣は何もできませんでした。こうして13歳の頃に運命の出会いを遂げた漣と葵でしたが、幼い2人の恋にはあまりにも大きすぎる家庭事情という問題が振りかかり、引き裂かれてしまったのです。

 

最初の再会

 

 

大人たちの手によって離れ離れになってしまった漣と葵は、お互いの親友である直樹と玲子の結婚を機に最初の再会を果たします。2人の結婚式のために漣は地元から東京に向かいますが、ウェディングパーティーに葵も来ると聞き、慌てた様子を見せます。

 

21歳で再会した2人でしたが、自分とは全く違う人生を歩んできた葵に漣はどこか距離を感じました。漣は式の途中で退席した葵を追いかけ2度目の告白をします。

 

昔のように喜ぶ様子を見せましたが、告白には応えず迎えに来た高級車に乗ってその場から去ってしまいます。

漣の人生

 

過去に葵を守れなかったことを後悔する漣は、地元のチーズ工房で働いていました。親友の結婚式のために東京へ行った漣は21歳で葵と再会を果たし告白しますが、葵には想いを寄せる男性がいたため振られてしまいます。

 

迎えきた水島の車に乗り込む姿を見て泣き崩れる漣は、その後しばらくの間仕事に集中できずにいました。そんな時、同じチーズ工房で働く先輩・香と距離が縮まり、恋愛関係へと発展します。

 

その後、順調に関係を築いていった2人は結婚し子どもを授かりますが、香に腫瘍が見つかります。どうしても出産を優先したいという香の思いを尊重して、治療は遅らせることにしました。

 

無事に生まれた女の子は「結」と名付けられ、香は出産後闘病生活を送ることになります。精一杯病と闘ってきた香でしたが、とうとう別れの時がやってきてしまいます。

 

それからは変わらずチーズ工房で働きながら、結と2人で暮らしていました。

 

葵の人生

 

結婚式で途中退席をしたその時に葵を迎えに来た高級車に乗っていたのが水島大介です。葵は母親の勝手で上京したため、学費を稼ぐためにキャバクラで働かなければいけませんでした。

 

水島との出会いは、学費を稼ぐという目的のためにキャバクラで働いていた頃だったのです。自分と同じ境遇の葵を気にかけた水島は面倒を見るようになり、後に恋愛関係へと発展します。

 

一緒に住むようになった2人でしたが、ある日水島は会社が多額の損失を出したことから、葵にお金を残し失踪してしまうのです。納得がいかない葵は水島を追いかけ沖縄まで訪れます。

 

2人の間には確かに愛があり、しばらくの間沖縄で平穏な生活を送りましたが、最終的に水島はまたお金を残して失踪してしまうのでした。そんな時、キャバクラ時代の友人・玲子と冴島からシンガポールで事業を始めようと誘われます。

 

ネイリストとして働き始めた葵でしたが、共同経営者となった玲子が会社の資金を勝手に動かしたことで、大金を騙し取られてしまいました。玲子は何でも器用にこなす葵に嫉妬していたため、このような身勝手な行動に出てしまったのです。

 

2度目の再会

 

 

香と暮らす手続きをしに行くために役所に行った漣は、そこで東京にいたはずの葵と再会しました。葵は絶縁した母親が危篤状態にあると聞き、地元である北海道に訪れていたのです。

 

しかし、どれだけ探しても母親が見つかることはなく、さらに詳しい情報を調べるために役所に来ていたところ偶然にも漣と再会します。結局役所で調べても母親の居場所に関する手掛かりは掴めませんでしたが、葵はその時母親の兄が函館にいたことを思い出します。

 

美瑛から函館まではかなりの距離があったため行くことを躊躇う様子を見せますが、漣は一瞬も迷わず「行こうよ、函館。車、あるんだ。」と言いました。漣の口から出たその言葉は葵に対する未練からではなく、2人の関係を過去のものにするため、決着をつけるための旅に出ようということを意味するものです。

 

別れと再会を繰り返した過去に終わりを告げ、これからはそれぞれが別々の道を歩むために、2人にとって必要な儀式でした。

 

それから函館にある叔父の家に向かいますが、そこで葵はすでに母親は他界しているという事実を知らされます。愛情を注がれず育ってきた葵は母親の死に対して悔しさや悲しみの感情が込み上げ、我慢していた涙を止められませんでした。

 

その姿を見た漣は葵を抱きしめますが、結局2人は結ばれることなくまたバラバラになってしまいます。別れ際、空港に来ていた2人はこれが最後になると理解していたためか、子どもの頃のようにお互いの名前を呼んで旅を終わらせました。

 

平成最後の日

 

 

「平成」という一つの時代が終わるその瞬間を、漣は娘・結と北海道で、シンガポールから帰国した葵は東京で迎えようとしていました。物語が大きく動く重要な日となっているので、ぜひ注目して観てみてください。

 

東京に出張する漣

 

地元のチーズ工房で働いていた漣は、自分の作ったチーズが東京の三ツ星レストランで採用されることになったため、東京へ訪れていました。平成最後の日、親友である直樹と飲み明かす予定でしたが、時代の最後の日は大切な人と過ごすべきだと思った漣は北海道に帰ることを決意します。

 

チーズを届けに子ども食堂に訪れていた結は、泣いている人を抱きしめてあげたことを漣に教えました。漣はそれがすぐに葵だと気づき追いかけるために走り出しますが、その姿を見たチーズ工房のオーナーが思わず「どこに行くんだ!」と呼び止めます。

 

漣はその言葉に、一人の娘の父親である自分が今さら何をしようとしているのだろうかと立ち止まります。しかしその時、結が漣の背中にどんぐりを投げ「命中」と言うのでした。

 

その姿が香と重なって見えた漣は、背中を押してもらったように感じ駆け出します。

 

シンガポールへと向かう葵

 

シンガポールで親友に裏切られた葵は、共に事業を始めた冴島からもう一度新たにスタートを切ってみないかと誘われます。旅立ちの日、葵はシンガポールから行き先を変更し、北海道にある「子ども食堂」に訪れていました。

 

子ども食堂に訪れたのは葵が幼い頃、近所に住んでいた村田のおばちゃんが始めた食堂だったからです。お腹を空かせている葵にご飯をごちそうしていた村田のおばあちゃんは、そのことがきっかけとなり食堂を始めたと言います。

 

現実としっかり向き合うために帰省した葵は子ども食堂を訪れ、まるで昔のように村田のおばちゃんが作ったご飯を食べました。帰る場所なんてないと思っていた葵に村田のおばちゃんは「おかえり」と声を掛けました。

 

子どものように泣きながらご飯を食べている様子を見たある一人の女の子が、「ママが、泣いている人がいたら抱きしめてあげるんだよ」と言い、葵を抱きしめます。その女の子の名前は結でした。

 

平成が終わるまであと10分

 

 

平成史に残る数々の事件

 

 

この映画は「平成」に生まれた人々の苦難や葛藤、恋愛など、様々な出来事を経て成長していく姿が描かれています。また、平成に起きた全米同時多発テロやリーマンショック、東日本大震災といった時代を背景に、平成生まれの人々がいかに大変だったかということを訴えています。

 

他にも、社会的に問題となった児童虐待や児童労働も背景として挿入されています。同じ平成に生まれた若者にとっては、自分と重ね合わせられるシーンも多いはずです。

 

今回描かれた平成という時代は作品の主役になっていると言っても過言ではありません。

 

作品を彩る中島みゆきの楽曲

 

 

本作のタイトルになっている「糸」だけではなく、中島みゆきさんの数々の楽曲が作中で使用されています。名曲「時代」は、人と人との巡り会いがテーマとなっているこの作品にピッタリ当てはまる楽曲であり、共感できる部分がたくさんありました。

 

また、漣の親友である直樹が自分の境遇と重ね合わせ「ファイト!」を利子の前で熱唱するシーンに胸を打たれたという人も多いはずです。この楽曲は1994年に「空と君のあいだに」との両A面シングルとしてリリースされ、多くの人々に愛されてきました。

 

「ファイト!」は、テロ事件や震災が起きてしまった時代で必死に足掻いて生きている人々をまるで応援しているかのような歌詞です。さらに、漣と葵の恋愛模様や人生は「糸」の世界観を基に描かれており、人と人との巡り合わせがどれほどの奇跡であるかということを訴えています。

 

中島みゆきさんが歌う楽曲は、「糸」という作品になくてはならないものであると分かります。

 

 

菅田将暉&小松菜奈の子ども時代を演じた子役に注目!

 

 

高橋漣と園田葵の中学時代を演じたのは、子役として数々のドラマや映画に出演している南出凌嘉さんと植原星空さんです。南出さんはこれまでに、「花のち晴れ~花男 Next Season~」や「キングダム」、「ザ・ファブル」などの人気作品に出演し活躍を遂げています。

 

植原さんはディズニー映画「メリー・ポピンズ・リターンズ」の日本語吹き替え版や大河ドラマ「おんな城主直虎」などの作品へ出演を果たしています。また、漣の娘・結を演じたのは連続テレビ小説「スカーレット」やドラマ「アンナチュラル」などの作品に出演している稲垣来泉さんです。

 

有名俳優の幼少時代や学生時代を演じている3人のこれからの活躍に期待が高まります。

 

 

「糸」に込められたメッセージとは

 

 

時代が織りなす運命に翻弄されながらも誰かと巡り会い、それがまた他の巡り会いにつながるという大きなスケールで描かれています。では、この映画には一体どのようなメッセージが込められているのでしょうか?

 

物語の後半、「運命の糸ってあると思う。たまにほつれて、切れることもある。でもまた、何かにつながる。生きていれば必ず何かにつながる・・・」と香が漣に向けて言うこのセリフがあります。中島みゆきさんの楽曲「糸」との共通点は、人とのつながりを糸で表現していることです。

 

この言葉に託された思いが、映画「糸」に込められたメッセージではないかと考えられます。

 

 

テレビ放送はいつ?

 

 

一般的に、映画は劇場公開から1年~1年半ほどで地上波放送される場合が多いです。

「糸」は2020年8月に公開され、直近では2022年3月29日に「映画『糸』テレビ特別版」として地上波放送されました。

 

今のところ、再放送の予定はありません。

 

現在、「糸」は動画配信サービス「U-NEXT」で配信されているため、地上波放送まで待ちきれないという人はぜひ視聴してみてください。

 

 

映画「糸」に関するまとめ

 

 

今回は、中島みゆきさんの代表曲をモチーフに制作された映画「糸」についてご紹介しました。平成史と共に2人の男女の出会い、すれ違い、別れ、再会が描かれる様は、同じ平成という時代に生まれた若者の心に突き刺さったのではないでしょうか?

 

名曲「糸」を聴いた上で改めて作品を観てみると、歌詞と物語がマッチしていることが分かります。楽曲のラストのサビにある「逢うべき糸に出逢えることを人は仕合せと呼びます」という歌詞は、苦境を乗り越えて結ばれた漣と葵の姿に重なって見えます。

 

中島みゆきさんの名曲に合わせて、壮大なスケールで描かれた映画「糸」をぜひU-NEXTで観てみてはいかがでしょうか?

 

※本ページの情報は2021年12月時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サービスサイトにてご確認ください。

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