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【ネタバレあり】映画「悪の教典」ってどんなお話?詳しく解説!

エンタミート編集部

更新日:2021-12-17

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「まるで出席を取るみたいに、先生は皆を殺し続けたんだ。」このキャッチフレーズだけでも恐ろしさの伝わる映画「悪の教典」は、人気小説家貴志祐介氏原作の同名小説を映画化したものです。サイコキラーいう裏の顔を持つ教師がとある高校に赴任してきたことで始まる恐ろしいバイオレンスホラー映画です。

 

この記事では、映画「悪の教典」のネタバレも含めたストーリー解説とともに、映画の見所や謎についても紹介や考察していきます。

 

 

「悪の教典」ってどんなお話?あらすじ紹介!

 

とある高校に赴任してきた教師蓮実聖司は、「ハスミン」の愛称で生徒たちから好かれている人気教師です。しかし、実はサイコキラーという裏の顔を持っており、学校と自身に降りかかる問題を解決するためなら平気で人を殺していきます。

 

次々と犠牲者が増えるなか、最後には担当しているクラスの生徒を皆殺しする計画を立てていき…というストーリー展開となります。

 

登場人物をご紹介!

 

映画「悪の教典」に登場する主要人物をご紹介します。

 

蓮実聖司(伊藤英明)

 

主人公の蓮実聖司は、「ハスミン」の愛称で生徒から人気の高い教師です。様々な問題を解決する一見有能な人物ですが、裏の顔は両親すら躊躇なく殺すサイコパスで、自分にとって邪魔な人間には容赦しません。

 

柴原徹朗(山田孝之)

 

体育教師で生活指導も担当しています。暴力的な人物で生徒の安原美彌に性的関係を要求するが、蓮実に邪魔されたことで関係が悪化します。

 

片桐怜花(二階堂ふみ)

 

もう一人の主人公である片桐怜花は、少し引っ込み思案でおとなしい性格をしているごく普通の女子高生です。

 

前島雅彦(林遣都)

 

美術部に所属しているおとなしい性格の生徒です。美術部顧問の久米先生(平岳大)と親しくしていました。

 

早水 圭介(染谷翔太)

 

最初の被害者です。蓮実のクラスの生徒ではないものの、その洞察力により蓮実に対し疑念を持っていました。

 

夏越 雄一郎(浅香航大)

 

蓮実のクラスの生徒で、頭脳明晰ですが控えめな性格の人物です。

 

安原美彌(水野絵梨奈)

 

とても美しい容姿をしており、人気のある生徒です。柴原に弱みを握られていましたが、蓮実に救われたことで想いを寄せています。しかし、蓮実の犯罪の証拠を見つけたことで、自殺に見せかけ殺されかけます。

 

 

【ネタバレあり】悪の教典の詳しいストーリーを解説!

 

ここからは、映画「悪の教典」のストーリーについて、ネタバレも含めて詳しく解説していきます。

 

ハスミンこと蓮実聖司の裏の顔

 

物語は蓮実聖司が14歳の時から始まります。蓮実の両親は、息子である聖司の他者への共感能力の無さに危機感を覚え、社会から隔離するべきではと相談していました。

 

しかしその企てに気がついた聖司によって、両親は殺害されます。そして時は流れて、とある私立高校に蓮実聖司は英語教師となって赴任してきます。

 

蓮実は生徒の集団カンニングの問題を解決するなど有能な一面を見せ、周囲の人物から信頼を獲得し、親しまれていました。普段は完璧に「いい人」を演じていている蓮実ですが、裏の顔は自分にとって不都合な人物は容赦なく消すという恐ろしいまでのサイコパスです。

 

子どもがいじめられているのではと度々学校に怒鳴り込んでいるモンスターペアレントの清田を邪魔に思った蓮実は、清田の家を全焼させ焼死させます。続いてクラスにいる不良生徒蓼沼も殺害し、自分にとって邪魔な人物を立て続けに二人消したのです。

 

躊躇なく邪魔な人物を消していく蓮実に対し、最初から疑念を持っていた教師の釣井は彼について調べ始めます。

 

疑いは確信へ

 

カンニングを行っていた生徒の一人早水圭介は、蓮実に対し疑いを持ち始めます。そして釣井から蓮実の過去の経歴や以前いた高校で事件が起きていたことを知り、ますます疑いを深めます。

 

しかし、この会話を蓮実に盗聴されていたことで釣井と早水は殺されてしまいます。ここまで4人を証拠も残さず殺してきたはずでしたが生徒の安原美彌に蓼沼の携帯を持っていることを知られてしまいました。

 

美彌は体育教師柴原徹朗から弱みを握られていましたが、蓮実に救われたことで彼に恋をし、特別な関係になっていました。しかし、バレたことで邪魔者になった美彌は、自殺と見せ掛けて蓮実から屋上から突き落とされてしまうのです。

 

それは文化祭の泊り準備の日でした。

 

恐怖の選択

 

美彌を殺した直後に一人の女子生徒が屋上に来てしまいます。慌てた蓮実はその女子生徒も殺害しますが、このままでは証拠隠滅が難しいため、全員皆殺しにすることを思いつきます。

 

物語のシナリオは美術部顧問である久米(平岳大)と美術部に所属している生徒前島雅彦は同性愛で体の関係を持っていましたが、それを知られたことで逆上した久米によって皆殺しにされ、さらに自らも心中したというものでした。クレー射撃が得意な久米に罪を被せるため、殺害方法も射撃を選択します。

 

そして、まずは久米を殺し、学校にいた生徒と教師も次々と殺害していきます。校内に残っているほとんどの人間が殺されてしまうという恐ろしい状況の中、片桐怜花と夏越雄一郎は防火シャッターの向こうに隠れて難を逃れていました。

 

しかし、ついにそこの居場所も蓮実にバレてしまいます。

 

逮捕は終わりではなく新しいゲームの始まり

 

生き残っていた生徒たちは次々と殺されていき、もう誰も残っていないかと思われましたが、怜花と雄一郎は死体に自分たちの制服を着せ、蓮実に死んだと勘違いさせることに成功したのです。そんなことは知らない蓮実は、自分は久米に拘束されていたというシナリオを通すため、頭をぶつけて血を流し、サイレンの音を聞いていました。

 

計画は成功したと思っていた蓮実でしたが、怜花と雄一郎が生き残っていたことで、予定は一気に狂います。さらに、AEDに彼の行動は全て録音されていたことで、蓮実の犯行であることが裏付けられ、ついに逮捕されました。

 

しかし、全く悪びれることなく精神異常をアピールする蓮実に対し、驚きと怒りを感じる怜花と雄一郎でしたが、彼女たちは蓮実が既に「次のゲーム」を楽しんでいることに気付きます。

 

 

映画「悪の教典」の見所は

 

まずは映画「悪の教典」のとっておきの見所について、ご紹介します。

 

サイコキラー蓮実聖司を見事演じきった伊藤英明の演技力!

 

今作の主人公である蓮実聖司は表の顔は完全にいい人を演じていますが、裏の顔は平気な顔で次々と人を殺していく恐怖のサイコキラーです。海猿や陰陽師など熱い真っすぐな男を演じることの多い伊藤英明さんの雰囲気に、蓮実の裏の顔は合わないのではと考えてしまいがちです。

 

しかし、明るい好青年のような表情から一変、何を考えているのかわからない淡々と人を殺していく冷酷な表情まで、伊藤さんは蓮実の表の顔と裏の顔を見事演じ切っています。

 

トラウマになるほど怖い!!恐怖の演出

 

映画「悪の教典」では他の映画とは比べ物にならないほど、次々と人が殺されていきます。その中で最も印象深いシーンと言えば、文化祭の泊り準備の日の夜に起こる大量虐殺でしょう。

 

このシーンでは実はカメラが引きの状態で撮影されており、直接的な部分は映っていません。しかし、おびただしいほどの量の出血や蓮実が浴びる返り血は想像力を掻き立ててきますし、荒れた校内や死体によって凄惨な現場であることは見てとれます。

 

映画「悪の教典」は、カメラワークや演出によってトラウマレベルの恐怖を植え付けます。

 

ハスミンのサイコパスな一面が見えるシーン

 

「いい人」を完璧に演じており、人望も厚いハスミンこと蓮実聖司ですが、ふとした瞬間に彼のサイコパスな一面を垣間見ることができます。

 

自分の意見が否定された時

 

物語の最初に行われる職員会議のシーンでは、カンニングにどうのように対処するかが議題に挙がっており、その中で蓮実は携帯電話を使ってカンニングをするなら、妨害電波を出して阻止しようと提案します。しかし、校長によって却下された時、先ほどまでの笑顔とは変わり、ほんの一瞬だけ人を見下すような恐ろしい表情を見せるのです。

 

その表情は映画終盤の大量殺戮をしている時に見せた表情と非常に似ています。周りの教師たちは全く気付いていませんでしたが、蓮実のサイコパスな一面は最初から見えていたのです。

 

いじめられている生徒の親が乗り込んできた時

 

蓮実の受け持つクラスの生徒である清田梨奈に対するいじめ問題を解決しようとしない学校側に対し、清田父は何度も学校を訪れ詰め寄ります。その中で清田父が学校の裏掲示板に悪口が掛かれている証拠を提出すると、こともあろうに蓮実は「こういうのはガス抜き的なもの」として清田父に対しても「愚痴を吐く場は大切でしょ」と言い放ちます。

 

これまで清田父に対して完璧に対応してきた蓮実ですが、このときだけは相手の考えを一切受け入れようとせず、共感能力に欠けた発言をします。このように、普段は完璧に振る舞っていますが、ごくまれに一瞬だけサイコパスの特徴が蓮実の中に垣間見えます。

 

 

「悪の教典」の気になる部分を徹底考察!!

 

なぜ、「卒業おめでとう」なのか「次のゲーム」とはいったい何なのかなど、映画「悪の教典」の中で気になった部分について考察していきます。

 

「卒業おめでとう」の意味

 

生徒を虐殺した後に蓮実が「卒業おめでとう」と言いますが、作中にはこれといった説明もないため、いまいち意味が理解できていない人もいるのではないでしょうか。ここからは推測となりますが、蓮実の言った「卒業おめでとう」とは生きることからの卒業という意味の比喩ではないかと考えられます。

 

元々生徒たちを虐殺した夜は計画されていたものではなく、あくまで美彌だけを殺そうと考えていました。それが女子生徒に見られたことで、全員皆殺しにしようと考えてしまう蓮実なので、完璧に理解するのは難しいですが、この「卒業おめでとう」という言葉の意味に関しては生きることからの卒業と見て良いのではないかと推測できます。

 

二階堂ふみの目はなぜ白くなった?カラスの意味

 

映画のラストで警察に連行される蓮実に、三階堂ふみ演じる怜花が圭介は生きているのか問いかけたシーンの後、怜花の目が白く濁ります。これはいったい何を意味しているのでしょうか。

 

蓮実は自分の家に来ていたカラスをフギンとムニンと名付けていました。この名前は北欧神話に出てくる神オーディンの僕が由来と考えられます。

 

カラスのフギンは蓮実に殺されましたが、フニンは罠に引っかかりませんでした。このフニンの目が白く濁っていたことから、自分の罠に引っかからなかった怜花を重ねたのでしょう。

 

実際に怜花の目が白くなったのではなく、フニンを思い出した蓮実の妄想でそのように見えたのです。

 

ハスミンの最後はどうなった?次のゲームの意味

 

蓮実は警察に連行される際、「みんな悪魔に取りつかれていた」「皆の魂を救うためだった」など、奇妙なことを言い始めます。それを見た怜花は、「あいつはもう次のゲームを始めてるんだ」と叫び終わります。

 

この次のゲームとは、無罪を勝ち取ることだと考えられます。心神喪失者として振る舞い、責任能力がないと判断され極刑を免れることが蓮実の次のゲームであり、既に彼の中でスタートしているのでしょう。

 

最後まで生き残ったのは結局誰?リストカットの子は?

 

最後まで生き残ったのは、怜花と雄一郎、そして美彌です。美彌は蓮実に殺されかけましたが、物語の終盤で生きていたとわかる描写があります。

 

そしてリストカットの子も生きていたのではないでしょうか。実際にリストカットで死ぬのは難しいうえ、近くに美術部の前島がいました。

 

前島が特殊メイクのように偽装し、死んだように見せ掛けていただけで、実は生き延びていたのではないでしょうか。

 

ハスミンが口ずさんでいた「チッチチー」の謎

 

蓮実が屋上へ向かう際に口ずさんでいた「チッチチー、チッチチー」は、「モリタート=マックザナイフ」です。映画の所々でこの曲が流れているのは、かつて一緒に殺人をする仲間で、最終的には蓮実によって殺されたクレイが自分のテーマソングと語っていたことに影響を受けているのではと考えられます。

 

なぜハチの巣のように?圭介の陰惨な最後

 

蓮実に疑念を持ち調べていた圭介は、蓮実の過去を知ってしまいます。そして、そのことを蓮実にバレてしまったため、他にも知っている人がいるのか吐かせるために拷問を受けます。

 

最後まで圭介が話すことはありませんでしたが、ハンダごてでじわじわ殺されたため、最後にはハチの巣のようにボコボコになってしまったようです。

 

 

「悪の教典」には続編がある?ラストの「TO BE CONTINUE」の意味

 

映画のラストはなんと「TO BE CONTINUE」と続きがあるのかと思わせる文字が浮かびます。まだ、正式に発表はされていないものの、原作者である小説家貴志祐介氏には続編が思い浮かんでいるとのことです。

 

そのため、いつかまた映画で蓮実聖司のその後を見られる日が来るかもしれません。

 

ドラマ「悪の教典 -序章-」は映画のスピンオフ!

 

ドラマ「悪の教典 -序章-」は映画「悪の教典」のスピンオフで、映画の前の蓮実が描かれています。なぜアメリカから帰国したのか、高校教師としてどのように過ごしていたのかがわかる内容となっており、映画ではなぜ釣井は蓮実に疑念を持っていたのかなど、映画だけではわからなかった蓮実を取り巻く状況が丁寧に描かれています。

 

「悪の教典」には豪華キャストが勢ぞろい

 

映画「悪の教典」には、教師役にも生徒役にも主役級の豪華なメンバーが勢ぞろいしています。

 

主要キャストには豪華俳優が勢ぞろい

 

主要キャストの伊藤英明、二階堂ふみの他、クセのある体育教師には山田孝之、蓮実を疑っている教師は吹越満、生徒役には浅香航大や林遣都、伊藤沙莉や染谷将太など豪華俳優陣が勢ぞろいし脇を固めています。

 

みやこと安原美彌役の水野絵梨奈はどんな人物?

 

体育教師に言い寄られ、助けてくれた蓮実に好意を寄せ、肉体関係まで持ってしまう女子高生安原美彌役を演じたのは、E-girls、Flowerの元メンバーで、現在女優やダンサーとして活躍している水野絵梨奈さんです。気が強いけれども、実は繊細な一面も持つ難しい役柄である美彌を見事演じ切っています。

 

松岡茉優や工藤阿須加も出演している

 

あまり注目されていないものの、この映画には主役級俳優松岡茉優や工藤阿須加も生徒役として出演しています。松岡茉優は蓮実が大好きな女子高生、工藤阿須加はカンニング実行メンバーとしてそれぞれ映画に登場しています。

 

まとめ

 

映画「悪の教典」は、自分の邪魔となる人物は躊躇なく殺していくサイコパスな蓮実聖司による残酷でショッキングなシーンの連続です。蓮実の怖いところは、殺人に快楽を感じているわけではなく、ただ自分にとって不都合だからという理由で簡単に人を殺してしまうところです。

 

いい人だと思っていた人の裏にはこんな一面があるかもしれないと言う恐怖こそが、この映画の本当の怖さかもしれません。当たり前に続くと思っていた日常が、たった一人の人間によってあっけなく壊されてしまったらなど、「もしかしたら」を考えさせられる映画です。

 

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※本ページの情報は2021年12月時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サービスサイトにてご確認ください。

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