『永遠に僕のもの』作品概要|犯罪を繰り返す美青年に注目「原題:El Ángel」
原題「El Ángel」は、実際にアルゼンチンで起こった連続殺人事件が題材。
犯人は容姿の美しさから、“死の天使” や“ブラックエンジェル”と呼ばれていました。
原題:El Ángel |日本公開:2019年|評価:3.3 ★★★☆☆(Yahoo!映画参照)
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ブロンドの巻き毛に透き通る瞳、艶やかに濡れた瞳、磁器のように滑らかな白い肌。神様が愛をこめて創ったとしか思えない美しすぎる17歳の少年、カルリートス。彼は欲しい物は何でも手に入れ、目障りな者は誰でも殺す。息をするように、ダンスを踊るように、ナチュラルに優雅に。やがて新しい学校で会った、荒々しい魅力を放つラモンと意気投合したカルリートスは、二人で様々な犯罪に手を染めていく。だが、カルリートスは、どんなに悪事を重ねても満たされない想いに気付き始める―。(C)2018 CAPITAL INTELECTUAL S.A / UNDERGROUND PRODUCCIONES / EL DESEO
凶悪な実話を基にしながら、バイオレンスさやグロテスクな表現は控え目。
カルリートスの、異常な日常が描かれています。
■ 『永遠に僕のもの』が見られるVOD一覧
※2021年11月15日 現在
※ Huluの無料トライアルは2023年8月30日をもって終了いたしました。
※dTVは2022年3月31日をもってサービスを終了しました。
アルゼンチンの連続殺人事件がモデル|物語より酷い…。“死の天使”が犯した罪
https://twitter.com/KIT4KUBU/status/1459867370562875394?s=20
映画『永遠に僕のもの』は、約50年前の連続殺人事件が題材。
11件の殺人を含む、計33もの犯罪を犯した19歳の殺人鬼 “カルロス・エドゥアルド・ロブレド・プッチ” がモデルです。
アルゼンチン犯罪史上もっとも凶悪でありながら、美しい容姿が人々を魅了。
“死の天使” や “ブラックエンジェル” と呼ばれました。
■ カルロスが犯した犯罪(判明している事件のみ)
・殺人 11件
・殺人未遂 1件
・強盗 17件
・強姦 1件
・性的暴行 1件
・誘拐 2件
カルロスは、ロンブローゾ理論を覆したとも言われています。
ロンブローゾ理論とは、「生まれつきの犯罪者は、貧しく耳はとがり酷い顔をしている。知能が低い。」というもの。
この理論から「犯罪者は見た目で分かる。」とされていました。
しかし、カルロスは労働階級に生まれますが決して貧しくありませんでした。
そして、両親の愛情を受けて美しく育ちます。
学校では「乱暴だが賢い。」と言う意味で“ボイルドミルク”と呼ばれており、知能も低くないのです。
また、カルロスは物語同様に2人の相棒を殺害。
動機は明らかになっていませんが、逮捕されるきっかけになっています。
2人目の相棒を殺害後に証拠隠滅のため顔を焼きましたが、ポケットに身分証が入ったままでした。
カルロスは事件との接点を疑われ、 20歳になったばかりの頃に逮捕 されます。
終身刑を言い渡され、 約50年たった今も刑務所生活 をしています。
そして、カルロスはアルゼンチンで最も長く服役している囚人 となりました。
本作の主人公はカルロスの影響を受けたキャラクターですが、本質を変えた設定。
実際は、1人目の相棒(ラモンにあたる人物)に特別な感情は無かった ようです。
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ネタバレ『永遠に僕のもの』解説|ダンスと挿入歌が魅力!見どころを紹介
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感情の起伏が薄いカルリートスの心情を、挿入歌やダンスが代弁。歌詞とシーンがシンクロする、スタイリッシュさが見どころです。
おすすめのシーンとBGMは、3つ。
「ラモン親子と行う初窃盗」「宝石店での窃盗」「ラモンのテレビ出演」です。
● ラモン親子と行う初窃盗
カルリートスは「そこを歩いているモンスター 未来がないことにも気が付かずに」という歌詞とともに窃盗。
また、計画を無視して銃をしこたま盗むシーンでは「ほとばしる才能 危ういほどの熱狂」という歌詞がピッタリとマッチしています。
カルリートスは天才的な犯罪者でありながら、自分の世界に入ってしまう危うさを常に持っていました。
このシーンから異様な速さで綻びが生じ、歯止めが利かなくなっていく姿に注目です。
● 宝石店の窃盗シーン
宝石店で流れる挿入曲は、まるで遊園地。
弾むような音楽からもカルリートスに罪の意識はなく、好奇心のまま窃盗を繰り返している ことが伺えます。
また、ラモンへのプレゼントを選ぶシーンも可愛らしいBGMが流れています。
子ども部屋で流れるような穏やかなメロディを背景に、盗品が入った箱を開ける姿は無邪気そのもの。
凶悪な一面と純朴な素顔。ちぐはぐだけれど違和感のない展開は、カルリートスが送っている人生そのもののように感じます。
● ラモンのテレビ出演
ラモンがテレビ出演を果たし「僕の心は幸せでいっぱい 君と出会った瞬間から」と歌ったシーン。
この時の柔らかな笑顔と、楽しそうに踊るカルリートスが印象的です。ラモンへ抱く想いが純粋に描かれており、片思いする様子が伺えます。
幼さや残忍な一面が目立つカルリートスの、少年らしい言動にグッと来ること間違いなし!
また、OPとEDは同じ曲なのも注目です。
物語が進むにつれて訴えかけるような挿入歌に移行していますが、EDはOPに流れた軽やかなメロディとダンスで迎えます。
カルリートスが求めた“自由”の始まりと終わりを意味するのか、はたまた日常に過ぎないという意味なのか…。
緊迫感漂うシーンにポップなBGMを流すことで、カルリートスと世間のズレ を表現しているのではないでしょうか。
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『永遠に僕のもの』キャスト|カルリートス( ロレンソ・フェロ)
美しすぎる殺人鬼・カルリートスを演じたのは、ロレンソ・フェロ。
1998年生まれの23歳(公開当時:20歳)です。ラッパー「Kiddo Toto」としても活躍しています。
名前 :Lorenzo Ferro (ロレンソ・フェロ)
生年月日 :1998年11月9日
出生地 :アルゼンチン
身長 :163センチ (公開当時)
著名な家族 :(父) ラファエロ・フェロ
ほか活動情報:ラッパー「Kiddo Toto」
SNS :Instagram → ferrototo / YouTube → Kiddo Toto
子役の経験はありましたが、主演は『永遠に僕のもの』が初でした。
ラモンに煙草の煙るを吐くアドリブなど、カルリートスの美しさを最大限に表現。
ルイス・オルテガ監督は「オーディションで監督である自分を、まるで無視するかのようなロレンソに究極に惹かれた。」と語っています。
ロレンソ自身はとってもお茶目な性格で、来日時のインタビューでは隙間時間に落書き。
浮世離れした演技とは裏腹に、やんちゃで可愛らしい一面が魅力的です。
また、ロレンソは日本のゲームが大好きで「スーパーマリオ」や「ポケットモンスター」が特にお気に入りなんだとか!
『永遠に僕のもの』が公開され3年が経っていますが、映画出演はしていないようです。
ラッパー・Kiddo Totoとしての活躍は、YouTubeから見ることができますよ!
『永遠に僕のもの』キャスト|ラモン・ペラルタ( チノ・ダリン)
荒々しい美しさが魅力のラモンを演じたのは、チノ・ダリン。
1989年生まれの32歳(公開当時:29歳)です。二世俳優として親子で活躍しています。
名前:Chino Darin (チノ・ダリン)
生年月日 :1989年1月14日
出生地 :アルゼンチン
身長 :推定180センチ
著名な家族 :(父) リカルド・ダリン / (妻)
ウルスラ・コルベロ
SNS :Instagram → chinodarin
ほか出演作品:映画「明日に向かって笑え!」 / Netflix配信映画「嵐の中で」/Netflix配信ドラマ「彼の王国」
ロレンソとは9歳差があるチノ・ダリンですが、2人は撮影を通して意気投合。
よくご飯を食べに行く仲だと語っています。
2021年日本公開の「明日に向かって笑え!」では親子共演を果たし、アルゼンチン映画動員No.1の大ヒットを記録。痛快なリベンジ劇が話題となりました。
チノ・ダリンは映画だけでなく、ドラマにも出演。Netflix配信ドラマ「彼の王国」では、彼の最新演技が堪能できます。
また、妻はNetflix配信「ペーパー・ハウス」で人気を博したウルスラ・コルベロ。
日本では資生堂のCMに出演するなど、家族で活躍しています。
ネタバレ『永遠に僕のもの』あらすじ①|バーナーで告白?ラモンとカルリートスの出会い
1971年、ブエノスアイレス。天使のように美しい少年カルリートスは、豪邸で盗みを働いていた。
真面目で善良な父と愛情溢れる母に育てられ、家庭環境も良好。
素直に成長したカルリートスだったが、犯罪を繰り返し少年院から出てきたばかりであった。
両親は見覚えのないものが家にあれば「これはどうしたの?」と、カルリートスに優しく問う。
カルリートスは盗品を前に「友達に借りたんだよ。」と微笑み、平然と嘘をつくのであった。
少年院に入ったことが原因で、工業学校に転校したカルリートス。
ある日、荒々しい魅力を放つラモンと出会う。
ラモンに惹かれたカルリートスは、「君も吸うか?」と煙草を差し出し声をかける。
しかし、ラモンは無視。
どうしても気を引きたいカルリートスは、ラモンの首元にバーナーをあてながら「君も吸うか?」と再度問うのであった。
それに激怒したラモンはカルリートスを殴るが、カルリートスは反撃することなく「いいパンチだった。」と発言。
ラモンもまたカルリートスの掴みどころのない魅力に惹かれ、親交を深めるのであった。
ネタバレ『永遠に僕のもの』あらすじ②|銃に魅了され狂う ラモン親子との罪
ラモンはカルリートスに犯罪者としての才能を感じ、両親に紹介する。
ラモンの父親・ホセは前科者で、母親も犯罪に否定的ではなかった。
そこで、はじめて銃に触れたカルリートス。
撃った瞬間の快感に魅了され「また撃ってもいい?」とホセに頼むが、銃弾は高額だから…と断られてしまう。
しかし、カルリートスは「警備が手薄な銃砲店から奪おう!」と窃盗を持ちかけるのであった。
そうして、カルリートス・ラモン・ホセの3人はチームとなり犯罪を企てることに。
チームで行った初めての窃盗は大成功に終わったが、ホセは計画に従わないカルリートスに懸念を示す。
同時にカルリートスの窃盗技術や度胸を認めており、上手く教育し大儲けをしようと企むのであった。
残念なことにホセの懸念は的中し、カルリートスのマイペースさが綻びとなっていく。
窃盗に入った豪邸で老人を殺害。持ち帰った絵画や銃を母親に見られ、怪しまれてしまうのであった。
宝石店に窃盗に入った際は、焦るラモンに「生きてるんだ 楽しまなきゃ」と発言。
店内をじっくり見回し宝石店の奥にある金庫を見つけると、開けてみよう!とラモンに提案する。
しかし、そんな時間はないとラモンに却下されるとカルリートスは天井に発砲。
後先を考えず、感情のまま動く危うさが目立ち始める。
ネタバレ『永遠に僕のもの』あらすじ③|ラモンの夢と死 すれ違う2人
カルリートスとラモンは、盗んだ絵画を売るためゲイの美術収集家・フェデリカがいるバーを訪れる。
交渉のためにフェデリカに近づいたラモンだったが、バーのオーナーにゲイと勘違いされ激怒。
オーナーを殴ってしまい騒動になるも、カルリートスの手助けを借りてその場を切り抜けるのであった。
2人はフェデリカの自宅に訪れ、絵画の交渉をするが拒否されてしまう。
しかし、ラモンはフェデリカを脅迫。
意を決したフェデリカは、ラモンだけを連れて奥の部屋へと姿を消すのであった。
取り残されたカルリートスが屋敷を散策していると、情事に及んでいる2人を目撃してしまう。
フェデリカと取引をするには、性的関係が必須であった。
それから何事もなかったように、ラモンとカルリートスは閉店した例のバーへと復讐に向かう。
ラモンはバーでゲイ扱いされたことを根に持ち、完璧な復讐を誓っていたのだ。
そこで、カルリートスはバーの関係者2人をあっという間に殺害。ラ
モンの思惑とは異なる形で、復讐を遂行してしまうのであった。
フェデリカのお気に入りとなったラモンは、演技の勉強を勧められテレビ出演を果たす。
ラモンは有名になったら犯罪から足を洗うと心躍らせていたが、カルリートスは拗ねてしまうのであった。
ある日、いつものように車を盗んだカルリートスとラモン。
運悪く検問に引っかかった上、ラモンは身分証を忘れてきてしまう。
2人は反政府ゲリラや車泥棒の疑いで、警察に連行。
カルリートスは機転を利かせ署長を買収し、ラモンの身分証を取りに帰宅することが許される。
保釈金を持って警察署前に戻るも、怖気づいてラモンを見捨ててしまうのであった。
数日後、保釈されたラモンに会いにいくカルリートス。
しかし、既に見知らぬ男がラモンの相棒になっていた。
新しい相棒の名前はミゲルといい、ラモンとは留置場で意気投合。裏切り者の登場に驚く2人だったが、ミゲルと3人で組むこととなる。
そして、カルリートスはミゲルからある話を聞く。
ゲイの美術収集家・フェデリカが保釈金を支払い、その代わりに犯罪から足を洗うとラモンに誓わせたという。
まるで映画のラブシーンみたいだったとからかいながら、ラモンとフェデリカはパリに行くようだとミゲルが話す。
3人が組んで初めてトラックを襲った際、カルリートスは運転手を銃殺してしまう。
息子を裏切り次々と厄介事を起こす存在に、ラモンの父や母はそっけなくなっていった。
加えて、犯行に使用した車の後始末をカルリートス1人に押し付ける冷たい仕打ち。
命令通り車を燃やしたカルリートスだったが、ラモンの元へ戻っても強い孤独を感じていた。
助手席で眠るラモン、見つめるカルリートス。
意を決したように前方を見定めると、カルリートスは勢いよくハンドルを切り走行車に突っ込む。
故意の事故によって、ラモンは死亡。
カルリートスは大けがを負いながらも、生き延びてしまうのだった。
ネタバレ『永遠に僕のもの』あらすじ④|逮捕そして逃走 カルリートスが見せた涙
ミゲルに2人だけで組もうと誘われるが、カルリートスは「俺はもういいよ。」と返答。
1度は断ったものの、ラモンとは開けられなかった金庫が気がかりだっだカルリートス。
ミゲルとともに、再び宝石店に侵入してしまう。
しかし、予想に反して金庫の中身は空。
居眠りをしていたミゲルは「そんな嘘を信じると思うか?」と喚きだし、2人は口論になってしまう。
ついに、カルリートスはミゲルを銃殺。
証拠隠滅のため、ミゲルの顔をバーナーで焼くのであった。
自宅に帰宅したカルリートスは、ミゲル殺害の容疑で警察に連行。世間はその美しさに魅了され、”ブロンドの天使”と称された。
捕まっても悪びれる様子がないカルリートスは、刑務所からの脱出を試みる。
わざとスプーンを飲み込み、警備の甘い医務室から脱獄に成功。
颯爽と町へ溶け込み、電車に乗るカルリートスの瞳には大粒の涙が溢れていた。
潜伏先に選んだのは、空き家になったラモンの家であった。ラモンのベットで眠り、起床すると母親に電話をかけるカルリートス。
「逃げ続けるのは無理よ。」という母の声に違和感を感じながらも、カルリートスは「会いたい。」と自身の居場所を伝えるのであった。
ラジオをひねるといつしか聞いた子気味のいい音楽が流れ、カルリートスはいつも通りダンスを踊る。
穏やかな日常とは裏腹に、家は機動隊に包囲されていた。
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ネタバレ『永遠に僕のもの』考察|ラモンの事故死とタイトルの意味
『永遠に僕のもの』という題は、「ラモンへの執着心」を表現していると考察します。
『El Ángel(天使)』が原題であり、『永遠に僕のもの』は日本でのタイトル。
カルリートスが故意に事故を起こした理由は「ラモンを独占するため」という意味で、『永遠に僕のもの』というタイトルになったのではないでしょうか。
洋題ではカルリートスの美しさにフォーカスし、邦題では心情に焦点を当てたのかなと思います。
では、なぜ「ラモンを僕のもの」にしたかったのか…。
カルリートスが自覚しているかはさておき、ラモンへの想いは恋に近かったと思います。
ラモンの恋人の有無を固唾をのんで見守ったり、「マリリン・モンローみたい」という言葉を大切に繰り返したり…。
何よりラモンがテレビ出演で歌った「僕の心は幸せでいっぱい 君と出会った瞬間から」という歌詞に、うっとり柔らかく微笑む表情が物語っていますよね。
しかし、宝石店でポージングしながらラモンは「ゲバラとカストロ」
カルリートスは「エビータとペロン」と発言。
ゲバラとカストロは男性革命家と政治家ですが、エビータとペロンはアルゼンチンの大統領夫妻です。
ふとした表現からも、2人が見ていた関係性が異なることが分かります。
加えて、ラモンは疑われただけで復讐を誓うほどゲイに否定的でした。
にも関わらず、俳優としてのし上がるためフェデリカと懇意に…。
フェデリカもまた、ラモンを気に入っていることは明らかでした。
犯罪でしか繋がれなかった2人。
そして、「この世の欲しいものは全て、自分のもの」という生き方をしてきたカルリートス。
「他人のものはない(欲しいものはすべて手に入れる)」と語っているカルリートスにとって、唯一手に入らなかったのがラモンでした。
永遠にラモンを自分のものにするために無理心中を図り、宝箱にしまったのではないでしょうか。
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ネタバレ『永遠に僕のもの』考察|ミゲルの顔を焼いた理由は “証拠隠滅”?
相棒の顔をバーナーで焼く行為は、実話が基になっています。特別な感情はなく”証拠隠滅”が目的でした。
相棒の顔をバーナーで焼いた事件は、実話でもカルロスが逮捕されるきっかけになっています。
■ 実際の事件の流れ
① 前の相棒・イバニェスと逃走中に衝突事故を起こし、イバニェスが死亡。
② 新しい相棒のソモザと金物店に侵入、プッチはソモザを銃殺。
③ 身元が割れないようにソモザの顔を焼くが、ポケットに身分証が入っていた。
④ 身分証から、ソモザ事件とカルロスの関連が疑われ逮捕される。
ソモザを撃ち殺した理由は定かではありませんが、「気に食わなかったから」が妥当だと感じます。
このシーンは実話と作品がリンクしており、「ミゲルに濡れ衣を着せられ激怒→射殺→証拠隠滅」という流れに。
カルリートスに特別な感情はなく、ただ捕まらないように顔を焼いたのです…。
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ネタバレ『永遠に僕のもの』考察|なぜ、カルリートスは犯罪を繰り返すのか
カルリートスが犯罪を繰り返す理由は2つ。
「自由を求める生き方」と「孤独」 が、犯罪から足を洗えない原因だと考察します。
物語の冒頭「心が望むまま 行きたいところに行く」と語り、窃盗を行うカルリートス。
そして、宝石店を襲った際は作業のように盗みを働くラモンに「生きてるんだ 楽しまなきゃ」と発言しています。
カルリートスにとって、「自由に生きること」は人生のテーマです。
単独で窃盗を犯していた際は、レコードやバイクなど欲しいものを窃盗。
欲しいものが何でも手に入る生活を「自由」だと感じて、心が望むままに生きてきた のです。
2つめの理由は「孤独」です。
楽しみながら犯していた犯罪は、ラモンと組んだことで “認められるための手段” になってしまったのではないでしょうか。
もともとカルリートスは「仲良くなれるから」という理由で、盗品をプレゼントする癖があります。
喜んでくれれば嬉しいなという純粋な気持ちと、気を引きたいという2つの気持ちが伺えますよね。
興味のない金品の犯罪を繰り返すのは、プレゼント同様にラモンを含む一家が喜ぶから。
仲間意識も強く、老人を単独で銃殺したにも関わらず「僕たちが殺した」と発言。ホセを困惑させます。
両親に愛されていながらも孤独を感じ、埋めようと模索した末にラモンと出会ってしまったのです。
また、挿入曲から読み取れるカルロスの孤独にも注目。
初めてラモンとホセと窃盗したシーンの「心が一つになったとき 争いは終わる」という歌詞。
そして、犯行に使った車を燃やすシーンでは「なぜ置き去りにされたのか この深い孤独の果てに」という歌詞の挿入曲が流れます。
孤独を感じていたカルリートスが必死に心を通わせ、一つになる手段として辿り着いたのが共犯だった のではないでしょうか。
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ネタバレ『永遠に僕のもの』考察|カルリートスが見せた涙の理由は?
両親、そしてラモンを失って初めて感じた「喪失感」が涙の理由だと考察します。
カルリートスの心情や言動は浮世離れし、心の動きを感じません。
息を吸うように嘘を吐き、反射のように殺人を繰り返します。
楽しむことを優先した結果、犯罪を犯しているカルリートス。それでも、喜びや快楽など感情の起伏が伝わってこないのです。
しかし、自由を失い逃げる身になったカルリートス。そこでやっと「悲しい」というごく一般的な気持ちが芽生え、涙を流します。
両親の“普通じゃない”という発言で絶対的だった愛を失い、自分の物にしたラモンも何処にも居ません。
心が望むまま手に入れる事ばかりを考えて、失うことを知らなかったカルリートス。
本当の意味で1人になってしまったカルリートスは、やっと “普通の人間” としての感情を知ることができた のだと思います。
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『永遠に僕のもの』まとめ|無料で見られるVOD一覧
映画『永遠に僕のもの』の無料で見られるVODを一覧にまとめました。
カルリートスの美しさはもちろん、服装や小物の色使いが可愛らしい点も見どころ。
果実のように瑞々しい唇、天使のようなブロンド、70年代の服装や小物、インテリアがとにかく魅力的です。
カルリートスやラモンの服装は、当時人気だった俳優・マーロンブランド等の影響を受けているのだとか!
また、「挿入歌から読み取れる心情」や「実際の事件と比較」しながら視聴するとより楽しめる作品になっています。
ぜひ、視聴の際は注目してみてくださいね!
■ 『永遠に僕のもの』が見られるVOD一覧
※2021年11月15日 現在
※ Huluの無料トライアルは2023年8月30日をもって終了いたしました。
※dTVは2022年3月31日をもってサービスを終了しました。