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【ネタバレあり】映画「天空の蜂」ってどんな映画?あらすじと内容を解説!

エンタミート編集部

更新日:2021-11-8

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2015年に公開された映画「天空の蜂」は、小説家東野圭吾の書下ろし長編サスペンス小説の映画化作品です。原発をテーマに取り入れた今作は、スケールの大きさやテーマの重さから映像化は無理と言われていましたが、堤幸彦監督が映画化しました。


この記事では、映画「天空の蜂」をネタバレも含めて詳しく解説しています。


映画「天空の蜂」ってどんな映画?あらすじをご紹介!



ある日錦重工業が製造した新型の無人操縦軍用ヘリ「ビッグB」が「天空の蜂」と名乗るテロリスト組織に奪われました。彼らの要求は、日本国内にある新陽以外の全ての原子炉を破棄することで、もし新陽を停止することがあればその時点でビッグBを墜落させるといった恐ろしいものでした。


もし新陽にビッグBが墜落すれば福井県の半径250km圏内は全て放射能汚染される事態となってしまいます。最悪の事態を避けるため手に汗握る激しい心理戦が繰り広げられます。


映画「天空の蜂」のキャスト・相関図



まずは、映画「天空の蜂」に登場するキャストについて詳しく解説していきます。


湯原 一彰(江口洋介)


物語の主人公で新型の無人操縦軍用ヘリ「ビッグB」の開発責任者です。錦重工業航空機事業部に所属しています。


赤嶺 淳子(仲間由紀恵)


錦重工業の航空機事業第一開発部の社員で、三島幸一の恋人です。


三島 幸一(本木雅弘)


湯原と同期の錦重工業の原子力技術者です。原発「新陽」に設計士として携わっていました。


雑賀 勲(綾野剛)


元自衛隊員で、「ビッグB]を奪った犯人です。


湯原 高彦(田口翔太/向井理)


湯原一彰の息子です。ビッグBの見学中に突如エンジンかかったことで、一人機内に取り残されたまま上空へ連れていかれてしまいます。


中塚 一実(国村準)


高速増殖炉「新陽」の発電所所長です。


室伏 周吉(柄本明)


福井県のベテラン刑事です。犯人の聞き込み捜査で雑賀を追い詰めます。



【ネタバレあり】映画「天空の蜂」のストーリー詳しく解説!



映画「天空の蜂」のストーリーをネタバレ含めて詳しく解説してきます。


大型無人操縦軍用ヘリ「ビッグB」が狙われる!?


1995年、愛知県小牧市で新しく開発された「ビッグB」こと大型無人操縦軍用ヘリの納入式が行われる予定でした。開発責任者である湯原一彰も式に参加するため、妻篤子と息子高彦と共に向かます。


式には湯原の同僚である山下も息子の恵太を連れてきており、忙しい父をよそに子どもたちは意気投合していました。そして、ビッグBを生で見ようとこっそり倉庫に忍び込み、興奮した二人はハッチから乗り込みます。


しかし、突如ビッグBは動き出し、驚いた高彦は何とか恵太を降ろしたものの自分は間に合わず、そのまま機内に取り残されてしまうのです。ビッグBはそのまま福井県にある稼働中の高速増殖炉原型炉「新陽」の上空に向かいホバリングを始めます。


ビッグBを遠隔操作で奪ったテロリストの要求は、全国にある原子力発電所を止めることでした。それも、ヘリの燃料がなくなる8時間以内です。


時間内に止めらければ、爆発物を乗せたビッグBを「新陽」に墜落させると記した犯行声明をマスコミにも送っていたため、事件は白日の下に晒されたのです。


テロリストの正体は?


新陽はTNT火薬100kgでも壊れないと言われていましたが、重さ数十トンもあるビッグBを上空から落とされればひとたまりもありません。もし、放射能漏れが起きてしまえば福井圏内250kmまで被害が及び、近畿地方や中部地方に加えて東京の西側まで人の住むことができなくなるのです。


しかし、このような事件を起こしたテロリストにとっても高彦がヘリに乗っていることは予想外の出来事だったため、新陽以外の原発を全て一時停止させることと、ヘリの内部に入らないことを条件に救出を認めます。さらに、テロリストの要求により、原発停止の手順はテレビで生中継され、高彦の救出活動が進められる中、警察によってテロリスト特定のための捜査が続けられていました。


そこで、原発に恨みを持つ人物を調べていた室伏刑事と関根刑事は27歳という若さで亡くなった新陽の元職員である田辺という男に辿り着きます。田辺には仲の良かった友人がおり、その友人こそが脱原発運動を行っていた雑賀勲という人物でした。


テロリスト雑賀が死亡!?事件の黒幕はいったい誰?


新陽以外の全ての原発が停止され始まった高彦の救出劇ですが、テロリストの提示した条件であるヘリの内部に入らずヘリ1機のみを使った救出は難航を極めます。なかなか思うように進まずヘリから投げだされてしまう高彦でしたが、自衛隊の決死の救出のおかげでなんとか無事に地上に戻ることができたのです。


ほっとしたのもつかの間、テロリストの新たな要求により、湯原たちは新陽の停止を余儀なくされます。このまま、全てテロリストの望むように進むのかと思いきや、地道な捜査によって雑賀を犯人だと断定した室伏刑事らは雑賀の部屋を訪ねると、部屋を爆破し逃走します。


それでも手錠を掛けるまで雑賀を追い詰めますが、もう逃げられないと悟った彼は、走行中のトラックに飛び込みます。その際にビッグBの遠隔操作に使用していたリモコンも所持していたため、壊れてしまったのです。


その後の捜査で、ビッグBに爆発物を詰め込んだ共犯者は赤嶺淳子と判明します。そして、取り調べによりこの一連の事件の首謀者を自供しますが、事件の黒幕ともいえるのが湯原と親交があり、高彦の救出にも協力してくれた原発設計士である三島幸一だったのです。


犯人の動機は何だったのか


三島の事件の動機、それは三島が原発の仕事をしていることで息子がクラスでいじめを受け、それを苦に自殺してしまったことでした。そこから本当に原発が必要なのか疑問に考えるようになり、政府に恨みを持つ雑賀と恋人の赤嶺と共謀し、今回の事件を計画したのです。


原発は一時停止したかのように見せかけた政府によるダミー映像で、政府はテロリストに屈さずにすむ作戦を講じていましたが、三島はそもそも自分たちの要求が通るとは考えておらず、最初から新陽にビッグBを落とすことを決めていました。そのため、警察に連行されても最後までビッグBの制御方法を明かすことはありませんでした。


そして、タイムリミットまで10分となったとき、湯原は自らヘリに乗り込み作戦を決行し、ビッグBを新陽ではなく海上に落下させることに成功したのです。事件も全て収束した後調べた三島のパソコンには、「子どもは差されて初めて蜂の恐ろしさを知る。今度のことが教訓になることを祈る。」という文章が残されおり、三島の言った「本当に狂っているのは誰か、いつかお前は知ることになる」という言葉が頭をよぎります。


今回の事件の首謀者である三島の本当の目的は、原発が本当に必要なのか深く考えない群衆にわからせることだったのです。それから時を経て2011年、未曾有の大災害3.11の現場に自衛隊員として成長した高彦の姿があります。



映画「天空の蜂」気になる部分を徹底解明!



何とも重いテーマを題材とした映画「天空の蜂」を見ていて気になった部分について、徹底解明していきます。


なぜ高彦はビッグBに乗っていたのか


高彦はビッグBに非常に強い興味を持っており、生で見たいと考えていました。そこで、意気投合した恵太と共に暗い倉庫に侵入し、こともあろうに機内に乗り込んでしまったのです。


謎の多い登場人物、雑賀の動機は?


雑賀は3年前までビッグBの開発に携わっており、本名は佐竹恭平という元航空自衛隊員でした。航空自衛隊時代にクーデターを計画し国から使い捨てられたことを恨んでおり、その後は雑賀勲として原子力発電所で働いていました。


また、原発の従業員として働いていた友人の田辺が白血病で亡くなりましたが、労災が下りなかったことで被害者の会が設立されます。そして、その集会で三島と出会ったことなどが複合的に重なり、結果として今回の事件を実行するに至ったのです。


鍵を握るのは赤嶺淳子!?


三島の恋人である赤嶺淳子は、事件の全容を知り積極的に関与していたわけではありません。しかし、出勤表の書き換えを行ったり、ビッグBに爆発物を詰め込んだりと自分でも知らないうちに三島によって事件に巻き込まれていたのです。


三島の不審な行動により、浮気を疑っていた赤嶺ですが、新陽の事件を知り、警察に職務質問されたことで、最終的には自供することになったのです。


なぜビッグBは盗むことができたのか


ビッグBには自動航空制御システムなるものが導入されているため、電気信号でプログラムさえ指示することができれば、誰でも無人で操作が可能だったのです。そのため、ビッグBは遠隔操作されハイジャックされてしまいました。


原作との違いはある?変更点を解説!



ここでは原作である小説「天空の蜂」と映画との変更点について解説しています。


原作ではビッグBに乗る人物が違う


原作ではビッグBに乗るのは湯原の息子である高彦ではなく、同僚山下の息子恵太です。さらに、映画では湯原が「結婚を間違えた」旨の発言をしていますが、ここも原作では山下の抱える迷いでした。


他にも原作では救出のアイディアを出したのは自衛隊でしたが、映画では三島に変更されています。


原作では雑賀と関根は死なない。なぜ関根は殉職したのか


映画では雑賀を追い詰めた際に関根はお腹を包丁で刺されます。しかし、それでも諦めず力を振り絞り雑賀と自分の手に手錠を掛けた関根に対し、雑賀はさらに複数回刺し殺してしまいます。


その後亡くなった関根と手錠でつながれているせいで、追手から逃げ切れないと判断した雑賀もトラックに飛び込み無くなります。しかし、原作ではビッグBが新陽に墜落するのを見届けるため立石岬を訪れた雑賀を、室伏と関根が追い詰めて終わります。


原作にはないその後のエピソード


原作が出版されたのは1995年、そして映画化された2015年です。脚本を担当した楠野一郎氏曰く、この物語を作るうえで東日本大震災は避けて通れないと考えていました。


原作の出版時は国民の原発に対する危機意識が低いという状況だったため、現在とは状況が違います。そこで、基本的な設定をそのまま使うためにも、映画では震災後の視点として成長した高彦が自衛隊員となりヘリで被災地を回るエピソードが追加されています。


キャストの子役は田口翔大


鬼気迫る熱演が話題になった高彦の子ども時代を演じたのは、子役の田口翔大君です。今作が映画初出演作品で、撮影当時は11歳で、高彦役はオーディションによって勝ち取りました。


残念ながら2020年3月31日をもって所属事務所との契約を終了しており、実質的な引退をしています。


「天空の蜂」のロケ地は小牧市?



物語の中で、要となる大型無人操縦軍用ヘリ「ビッグB」は、愛知県小牧市で開発され納入式が行われる予定だったことから、ロケも小牧市で行われました。冒頭から小牧市が登場するため、湯原役の江口洋介さんと三原役の本木雅弘さんが小牧市を訪れ映画のPRをしています。


さらに当時の市長も「全国ロードショーの映画の中で小牧市が登場することはなかなかない」としたうえでお互いのPRになればと話していました。


気になる地上波での放送は?



映画「天空の蜂」は2021年10月現在で地上波での放送予定はありません。しかし、有料動画配信サービスでは、配信しているところが多いため、視聴するにはそれらのサービスを利用するか、DVDレンタルすることで視聴可能です。


U-NEXTで配信されているので、スリリングな結末を知りたい方は視聴してみましょう。



まとめ



ここまで映画「天空の蜂」について、ネタバレも含めて詳しく内容を解説しました。ベストセラー作家東野圭吾原作の小説は500ページ近い長編だったこと、そして大型無人操縦軍用ヘリや原発施設など規模の大きい撮影が必要だったことから、絶対に映像は不可能だと言われていました。


しかし、監督を務めた堤幸彦氏と脚本を担当した楠野一郎氏の情熱と実力により、「原作を超える映画は存在しないと思っていた」という東野圭吾ファンすらうならせる圧倒的な映像美を誇る完成度の高い映画に仕上がっています。原作が発売されてから映画化するまでの20年の間に、人々の原発に対する意識が変化したことで、映画の内容も小説とは少し異なるラストになっています。


原作を読んだ方もまだ読まれていない方もどちらも楽しめる映画です。よりリアルなストーリーを感じたいならU-NEXTの配信でお楽しみください。



※本ページの情報は2021年11月時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サービスサイトにてご確認ください。

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