ネタバレ『トランス・ワールド』作品概要|怖い?どんでん返しのラスト
映画『トランス・ワールド』は、SF・スリラー作品。ホラー要素はありません。
「ハッピーエンドなのか」「犠牲なのか」余韻が残るどんでん返しのラスト。予備知識なしで見てほしい映画です。
■ トランス・ワールド |公開:2011年 ★: 3.59 点 ( Yahoo!映画から)
予告動画には、物語の核心をつくネタバレが含まれています。
森の中の小屋に迷い込んだサマンサは、同じように迷い込んできたトム、ジョディと出会う。3人は次第に打ち解け、協力して助けを呼びに行くが、なぜかキャビンに戻ってきてしまう。さらに、3人それぞれが認識している現在地や時代が異なることがわかり…。
■ 「トランス・ワールド」が視聴できるVOD一覧
ネタバレ『トランス・ワールド』あらすじ|謎の山小屋・突如迷い込んだ3人
商店に強盗に入ったカップルは、店主に銃を向け「金を出せ」と脅す。
銃を突きつけられた店主は、素直にレジを開けるのだった。
カップルの女・ジュディは「金庫もあけて」と店主に命令するが、「中身はお気に召さんよ」と挑発されてしまう。
挑発にのってしまったジュディは、店主を撃ってしまうのだった。
一方、森では1人の女性・サマンサが迷子になっていた。
さまよい歩いていると、謎の山小屋にたどり着く。山小屋には、簡素なベッドと机、年代物の無線機しかなかった。
怪しい人間の気配を感じ、山小屋を後にするサマンサ。必死に逃げようと足を速めるが、つまづいて転んでしまうのであった。
そこにトムという男が現れ、先ほどの山小屋でサマンサの傷の手当をしてくれる。
トムは車が溝に突っ込んでしまい、3日前からこの森に迷い込んでいた。
サマンサの車がガス欠になってしまい、夫は助けを呼びに行ったが帰ってこない。
そのため、森をさまよい歩いていたのだった。
お互いの事情を知った2人は、森から脱出するべく協力しあう。
トムの車のガソリンをサマンサの車に移そうとするが、ガソリンをこぼしてしまい車での脱出は不可能に。
そんな時、山小屋の前に一人の女が倒れこんでいた。サマンサはその女を小屋の中に保護する。
ジョディと名乗る保護した女は失礼で反発的、トムとの相性は最悪だった。
しかし、サマンサとは次第に打ち解ける。
サマンサが11月初めに出産を予定していると知ると、ジョディは「私と同じだ。さそり座で暴れん坊になる。私は11月11日生まれ、子どもに興味なし。」と身の上を話すのだった。
2人は森に迷い込んだ経緯を話しているうちに、認識している場所がお互いに違うことを知る。
サマンサはこの森を「ニューハンプシャー州の郊外」だと思い、ジョディは「ウィスコンシン州」だと思っていた。
同じ頃。トムは道路を探しに森を散策するが、なぜか山小屋に戻ってきてしまう。
ジョディは戻ってきたトムに「サマンサが妙なことを言う。ここがニューハンプシャー州だって!」と、告げ口をするのだった。
それを聞いたトムはサマンサに「ここはニューハンプシャー州じゃない。」と、言い聞かせるように発言。
しかし、トムは「サウスダコタ州」だと思っており、3人とも違う場所を認識していた。
サマンサは妊娠報告をするため「ニューハンプシャー州」を通り、義理の両親が住む町へ。
ジョディはデトロイトからシアトルに向かう途中の「ウィスコンシン州」だと思い、トムは「サウスダコタ州」へ向かっていたのだ。
「ニューハンプシャー州」「ウィスコンシン州」「サウスダコタ州」は間違うような距離、場所ではなく、明らかに何かがおかしい。
加えてこの山小屋に来てから悪夢にうなされるなど、3人は不可解な現象に悩まされていた。
一刻も早く奇妙な森を出るため、3人は少しずつ歩くことを決める。
森をさまよっているとジョディが何かに躓く。
転んでしまった拍子に、ポケットから盗んだ大金を落っことしてしまうのであった。
怪しんだトムが大金を手に入れた経緯を聞くが、ジョディははぐらかして直ぐにポケットにしまう。
ジョディが躓いた“何か”が、ドアの取っ手だと気が付いたサマンサ。
開けてみると、中は防空壕になっていた。
壁に貼られた地図やワインにはドイツ語が書いてあり、ドイツ軍が基地にしていた場所であると判明。
サマンサは父親がドイツ人であったため、少しだけドイツ語が読めたのだ。
そこで語った昔話から、サマンサとジョディは「父親が戦死した」という共通点を知る。
またトムは「母親が死刑」になり、サウスダコタ州の施設で育ったと語るのであった。
ネタバレ『トランス・ワールド』あらすじ|不幸の連鎖を断ち切る・鍵は祖父“ハンス”
トムが用を足しに外へ出ていくと、サマンサは好奇心にあふれた目で「大金を見せて欲しい」とジョディに頼む。
ジョディは大金を手に入れた経緯を語るが、サマンサは「1984年発行の紙幣なんて冗談でしょ。未来のお金を発行するなんて。」と笑うのであった。
そこでジョディは「父親の行った戦争は?変な質問だけど、今は何年?」と、恐る恐るサマンサに聞く。
「第二次世界大戦よ。大規模な空爆で亡くなったの。今は1962年よ。」と返答するが、不安になったサマンサは「何年だと思っているの?」と聞き返す。
ジョディは答えるように「1984年製」と書かれたベストのタグを見せるのであった。
トムが帰宅すると、ジョディはすかさず「今何年?」と聞く。
トムは困惑しながらも「2011年だ。」と答えると、3人全員違う時代から奇妙な森に迷い込んでしまったと理解するのであった。
その時、突如銃声が聞こえる。
外を見ると1人の軍人が歩いていた。助けをもとめ声をかけるが、3人は捕えられてしまう。
男はドイツ語を話すため、父親がドイツ人だったサマンサしか意思疎通ができなかった。
「ドイツ人」「防空壕」「年代物のワイン」「無線機」などの共通点から、第二次世界大戦中に迷い込んでしまったと勘ずく3人。
また、サマンサ・ジョディ・ドイツ人は同じロケットを持っていた。
ドイツ人のロケットには、「サマンサの母親」の写真。
そして、サマンサの母親の写真を見て「私の祖母よ。」とジョディは言う。
ドイツ人の名は“ハンス・ノイマン”「サマンサの父親」であった。
ある事に気が付いたサマンサがジョディに誕生日を聞く、ジョディは「1962年11月11日生まれ。」と返答。その日は、サマンサの出産予定日であった。
トムは「皆、血縁者だ。」と、3人の共通点を理解する。
ドイツの軍人・ハンスは、サマンサの父親。
サマンサのお腹にいる子が、ジョディ。
ジョディが産む子が、トム。
ジョディは「子どもは産まないと誓ったし、産みたくもないの!」と息子であるトムを否定する。
しかし、トムも身に着けていないだけでロケットを持っていた。
母親(ジョディ)は強盗の末、店員とトムの父親を殺し死刑。
トムは1985年12月12日・女子刑務所で生まれ、生後4日で養子に出されていた。
そして3人は、山小屋に来てから見る悪夢が「自分が死ぬ直前の様子」だと気が付くのであった。
サマンサは、夫不在宙に陣痛。救急車が間に合わず母体死亡。
トムは、虐待した神父を撃ち自殺。ジョディは、死刑。全員が、死ぬ未来を夢に見ていた。
しかし、未来を変えることで不幸の連鎖が断ち切れるかもしれないと3人は考える。
そのためには、サマンサの父親「ハンスに生き延びてもらう」ことが最重要であった。
ハンスが生きる → サマンサの母親が再婚しない → 再婚しなければサマンサの出産間際に事故死しない → サマンサのお産に母親が付き添えるため母体健康 → ジョディは実の母と幸せに暮らせる |
飛躍しすぎた考えではあるが、ジョディが祖父に虐待されてできた傷が消え、「未来に変化」が生まれていることを実感する。
空爆で死亡する予定のハンスを「あなたが死ぬと私たちも死んでしまうの。」と、防空壕へ避難させようとする。
だが、ハンスは聞く耳をもたない。
トムは説得しようと試みるが、次第にハンスと取っ組み合いになってしまう。
ヒートアップする争いを止めようと、間に入ったジョディ。しかし、ハンスは誤ってジョディを撃ってしまう。
生死の境を彷徨うジョディの腕に、先ほど消えたはずの傷が再生。
未来が戻ってしまったのだ。
ここで、サマンサは「ハンスを助けてしまうと、ジョディやトムは生まれないかも知れない」と気が付き、トムに話す。
トムは「いいんだ。」と言い残し、ハンスを救いに向かうのであった。
ハンスは追いかけてくるトムを銃で撃とうとするが、トムは靄になって消えてしまう。
時同じくして、ジョディが息を引き取るのであった。
ハンスはトムが目の前で消えたのを目撃し、サマンサの必死の訴えかけでやっと状況を理解。防空壕へ避難する。
現 在
商店の店員に、お嬢さんお嬢さんと声をかけられるレディはジョディであった。
ジョディは「ここに来たことがある気がして。」と店員に話す。
ジョディが商店を出るとカップルが入店し、店主に銃を向け「金を出せ」と脅す。
銃を突きつけられた店主は、素直にレジを開けるのだった。
女は「金庫もあけて」と店主に命令するが、「中身はお気に召さんよ」と挑発されてしまう。
挑発にのってしまった女は引き金を引き、店内には銃声が鳴り響くのであった。
その頃。ジュディは大きな家に帰宅していた。ハンスは慈善家として寿命を全う。
サマンサとハンス。そしてジョディは、不幸の連鎖を断ち切り幸せに暮らしたのだった。
ネタバレ『トランス・ワールド』|登場人物の生い立ち・死因
「サマンサ」「ジョディ」「トム」の3人が、いつの時代から来たのか・生い立ち・死因をまとめました。
・サマンサ|時代:1962年 死因:出産時に死亡
・ジョディ|時代:1985年 死因:死刑
・トム |時代:2011年 死因:自殺
3人が見る悪夢は「死ぬ直前の様子」です。なぜ3人は死んでしまったのか、どのような人生を送ったのか、どうして未来を変えたいのか…。
①サマンサ|時代:1962年 死因:出産時に死亡
陣痛の末、救急車が間に合わずに母体死亡。
サマンサが陣痛と闘っているとき、夫は軍に入っており海外に赴任中でした。
また、サマンサの父親・ハンスは空爆で死亡。母親はアメリカ人と再婚したが、サマンサが妊娠する年前に事故死しています。
父方の家族には宗教の違いで嫌われており、サマンサには頼れる人間がいませんでした。
そのため自宅に1人だったサマンサは、陣痛が酷く救急車を呼ぶも間に合わずに死亡。
奇跡的にお腹の子(ジョディ)だけが、助かります。
②ジョディ|時代:1985年代 死因:死刑
1962年11月11日生まれ。強盗殺人罪で死刑。
中西部一帯で強盗を働き、店員と付き合っていた男(ケヴィン)を殺害してしまいます。
幼くして母親(サマンサ)と父親を亡くしてしまったため、父方の家族に引き取られたジョディ。
父方の家族がサマンサを嫌っていたため1枚も写真がなく、サマンサと会っても母親だと分かりませんでした。
唯一の形見であるロケットは、誰の写真かも分からずに大切にしていたもの。
祖父に虐待されていたため「子どもは産まない」と誓っていましたが、死刑の8か月前にトムを出産しました。
③トム|時代:2011年 死因:自殺
1985年12月12日・女子刑務所で誕生。虐待した神父を撃ち、自殺。
母親(ジョディ)が死刑囚のため、女子刑務所で産まれます。刑執行の8か月前でした。
そのため、生後4日で養子に出され施設育ちのトム。
神父に虐待され、辛い幼少期を過ごします。
ガラクタばかりの形見の中にロケットがありましたが、トムはつけませんでした。
ネタバレ『トランス・ワールド』|伏線が語る「それぞれの時代」
「3人が別々の時代から来た」と示唆している、伏線が数多く存在します。それぞれの時代の流行りや、品物がヒントになっていました!
・火をつける際に使った「新聞紙の日付」
・サマンサの謙遜?「クラシックカー」
・サマンサは「マッチ」ジョディは「ライター」
・ダサいわけじゃない「ジュディのベスト」
・当時のエンタメ「パックマン」「映画・脱出」「ブギーマン」
このほかにも、防空壕で「20年前の地図」とサマンサの発言し「50年前かも。」とジョディが返答するシーンも伏線に!
2人が生きた時代からそれぞれの数字を引くと、第二次世界大戦頃になります。
同じ戦争の事を言っていたのに、30年も誤差があったのです。
ちなみにトムから見た、第二次世界大戦は約70年前!
具体的な戦争名を言わずに話が進んだので、違和感を感じませんでしたね。
火をつける際に使った「新聞紙の日付」
サマンサとトムが出会った頃、山小屋の暖炉に火をつけるシーン。
その際に使った新聞紙の日付が、「2011年11月21日」でした。
最初から山小屋にあったものではなく、トムの持ち物と推定できます。
サマンサは日付が見えてなかったため、年代の違う新聞に気が付きませんでした。
サマンサの謙遜?「クラシックカー」
サマンサの車を確認しに行った際、「クラシック」の意味が食い違っています。
トム「いい車だね。クラシックだ。」
サマンサ「スピードの出ないポンコツよ。」
サマンサの所持品である車は、1962年から来た品です。そのため、2011年から来たトムには、「年代物の車(クラシックカー)」に見えました。
一方、「クラシック」には「最高ランク」「一流品」等の意味があります。
サマンサは「(そんな高級車じゃないよ)」という意味の返答をしていました。
サマンサは「マッチ」ジョディは「ライター」
サマンサ「いいライターね。」
ジョディ「どこが? どこのガソリンスタンドにもあるよ。小屋暮らしで、外を知らないのね。」
ジョディと打ち解けるためのきっかけ作りかな?と思わせるセリフですが、サマンサは本当に使い捨てライターを知りません。
世界初の使い捨てライターが1965年に発売され、サマンサがいた1962年にはまだ存在していません。
1960年前半では、繰り返し使えるガスライターが主流でした。
マッチでタバコを吸うサマンサには、魅力的に映ったのかもしれませんね。
ダサいわけじゃない「ジョディのベスト」
ジョディが着ていたダウンベストは、1980年代中頃に流行したものです。
2011年からきたトムからすれば、親世代のファッション。
しかも、ダウンベストは当時の流行を象徴するファッションなので「古く臭く」感じるのも納得です。
また、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主人公・マーティも朱色のダウンベストを着用。
同じく80年代が舞台ですが、過去にタイムスリップした際「救命胴衣」と間違われています。
もしかすると、サマンサもジョディのベストを同じように見ていたかもしれませんね。
当時のエンタメ「パックマン」「映画・脱出」「ブギーマン」
1980年に発表されたアーケードゲーム「パックマン」、1972年公開のサスペンス映画「脱出」と、ジョディがいた時代を表すようなエンタメ。
2011年から来たトムには古く、1862年から来たサマンサは存在を知らない作品です。
ジョディ「襲われるから、地元の人間と関わりたくない。」
サマンサ「襲われる?」
ジョディ「脱出しらない? 怖い映画よ。」
という何の変哲もない会話ですが、映画「脱出」は1972年公開。
アカデミー賞ノミネート作品なので、有名どころの映画です。
しかし、サマンサがいた時代では公開前。ジョディのたとえが通じないのも、無理はありません。
また、ジョディはドイツの軍人が現れた際に「マイケル・マイヤーズだわ。」と発言。
ブギーマンという殺人鬼の本名が、マイケル・マイヤーズでした。
ブギーマンは、1978年公開の映画「ハロウィン」シリーズに出てくる殺人鬼。
2作品とも、サマンサが経験していない時代の映画です。
そしてジョディは、何度も山小屋に戻ってきてしまう事を「ゲームの世界にいる気分よ。パックマンみたい。」と表現していました。
2011年からきたトムにとっては30年以上も前のゲーム。「パックマン?」と聞き返してしまうのも、不思議ではありませんね。
ネタバレ・考察『トランス・ワールド』|人生をやり直せる「金庫」は、お気に召さない?
金庫は「人生をやり直す装置」、店員は「番人」のような存在だと思います。
人生に行き詰っているジョディにとって、素晴らしい装置のはず…。
では、なぜ店員は「お気に召さない」と発言したのか? 合わせて考察します。
あの商店では同じシチュエーションが繰り返されており、店員が金庫を開けることで人生の修正ポイントに転送。
ジョディは「ハンスを生かすことが、人生を修正する最重要ポイント」だった。
そのため、第二次世界大戦中の森に送られました。
転送先では修正に必要な情報は与えられますが、それ以外の動きは許されない状態。
まさにジョディの言う通り、ゲームのようです。
また、「昨日は存在したのに今日は消えてしまった川」や「防空壕にある缶詰」などから、必要な時に最小限の食事と水分は故意に与えられているのでは?と考えました。
心身ともに極限状態に追い込み、そしてどこまで歩いても山小屋に戻ってきてしまう不気味さ。
修正が上手くいかなかった場合、「生き地獄」を死ぬまで繰り返すのではないでしょうか…。
加えて、「死ぬ可能」と「生まれてこない可能」があります。
ジョディのように転送先で死ぬパターンと、ジョディの死によってトムが消えてしまうパターンです。
生き地獄+リスクの大きすぎる挑戦なので、店員は「お気に召さない」と発言したのではないでしょうか。
だからといって、店員は強く引き止めません。
むしろ、挑発するような発言で銃を撃たせ、賭けに参加させようとしています。
「苦しい状態に追いやられるが、試す価値はある(やってみな!)」という意味に感じました。
更生したジョディが商店に訪れた後、ケヴィンと女が強盗に入ります。
ジョディが強盗として訪れた際と、同じシチュエーション。店主の「お気に召さない」というセリフや銃声までも同じです。
金庫を開けた際にケヴィンは店内にいなかったので、ジョディやラストシーンの彼女だけが“人生を修正する権利”を与えられたのだと思います。
ネタバレ・考察『トランス・ワールド』|トムが生まれ変われない理由
トムが生まれ変われない理由に、「ジョディが更生したこと」と「自殺」が関係していると考察します。
ラストシーンでは「トムは生まれない」と感じさせる決定的な描写があります。
未来を変えることができたジョディが大きな家に帰宅後、新聞紙がアップに。
そこには「慈善家 ハンス・ノイマン 1916年~1985年」左上には「1985年10月10日」と、発行日が書かれています。
トムの誕生日は「1985年12月12日」
約2か月後に生まれる予定のトムですが、ジョディのお腹は膨らんでいません。
妊娠している可能性は極めて低く、トムは生まれてこないと推定できます。
そして、「トムが生まれ変われない理由」には2つの理由が考えられます。
・「ジョディの更生」
・未来を変える前の死因が「自殺」
トムがハンスを助け、未来を変えようと描いた構図は以下です。
ハンスが生きる → サマンサの母親が再婚しない → 再婚しなければサマンサの出産間際に事故死しない → サマンサのお産に母親が付き添えるため母体健康 → ジョディは実の母と幸せに暮らせる →(願わくば自分も幸せに…。) |
大きく変化した未来で、ジョディが生まれる保証はありません。
万が一ジョディが生まれても、この流れでは強盗を一緒に働いた彼氏・ケヴィンに出会えず「トムは誕生しない」のです。
そして、「トムだけ生まれ変われない」もう一つの理由。それは、未来を変える前の死因が「自殺」だったからです。
サマンサやジョディ、そして彼氏だったケヴィンでさえ再び生を受けています。
3人の共通点は、「母体死亡・死刑・銃殺」と自ら命を絶った者がいないこと。
「再び生を受けること」にルールがあるとすれば、「自殺」は重い罪。生まれ変わる基準から、外れてしまったのではないでしょうか。
また、「人生をやり直す」際のテーマとして、家族の再生も重要なポイントでした。
そんな中で「父親代わりの神父」を撃ってしまった点も、再び生を受けられなかった要因だと考えます。
未来を変えようと、ハンスを生かす計画を思いついたトム。
母親であるジョディが幸せになれば、ケヴィンと出会わず「自分は生まれない」と想像できたはずです。
そして、サマンサはハンスを助けてしまうと「トムは生まれないかもしれない」と本人に伝えています。
しかし、トムは「いいんだ」と承諾しています。
トムだけ幸せになれないなんて…。と悲しくなってしまいますが、本人は覚悟していたのかもしれません。
また、「自ら命を絶つと、すぐに生まれ変われない」という考えもあるそう。
1985年では、トムはジョディの元へ生まれ変われなかっただけかもしれません。
すぐには難しくても、サマンサやジョディと一緒にトムも幸せに暮らしてほしいですね…!
ネタバレ・まとめ『トランス・ワールド』|「ハッピーエンド派」と「トムかわいそう派」
映画『トランス・ワールド』を見た後、あなたはどの様に感じましたか?
視聴後の感想を「ハッピーエンド派」と「トムかわいそう派」に分けて、まとめました。
●「ハッピーエンド派」の感想
●「トムかわいそう派」の感想
トムの行方も気になりますが、強盗を永遠に繰り返しているジョディの元カレ・ケヴィンも気になりますね…。