ユージュアル・サスペクツとは|作品紹介・ネタバレなし
「ユージュアル・サスペクツ」は、1995年にアメリカで公開されたクライム・サスペンス映画です。
綿密に張り巡らされた伏線と嘘、予想を超えるどんでん返しの結末!
アカデミー賞脚本賞を受賞した珠玉のクライム・サスペンスは、今もなお人気の高い作品です。
画像引用元:Hulu
コカインの取引現場が襲撃され、密輸船が爆破して大量のコカインと金が消え、警察は唯一の生存者キントの尋問を始める。キントは、事件の黒幕は誰も顔を知らない大物ギャング・ソゼだと語るが…!?
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曲者ぞろい!5人の「ユージュアル・サスペクツ」|登場人物・ネタバレあり
画像引用元:Amazon
①トッド・ホックニー(左端)
5人が集められたきっかけの事件「銃を積んだトラック強奪」の犯人。
爆薬の扱いに長けており、船襲撃の際は時限爆弾を担当した。
②マイケル・マクマナス(左から2番目)
フェンスターと組み数々の犯罪をこなしてきた。
銃の扱いに長けており、コバヤシ襲撃・船襲撃の際は狙撃手の様な役割だった。
③ディーン・キートン(真ん中)
元刑事でありながら多くの悪事を働き、悪い噂しかない。
現在は、弁護士の恋人(イーディ)のため犯罪から足を洗おうとしている。黒幕と思われていた人物。
④フレッド・フェンスター(右から2番目)
マクマナスの相棒。5人の中では1番まともに見えるが、ソゼによって1番最初に殺される。
英語に訛りがあるのが特徴。
⑤ヴァーバル・キント(右端)
カイザー・ソゼの正体であり、裏社会の悪魔。
正体が明かされるまでは、気が弱く物静かな詐欺師。手足に障害のあるフリをしていた。
ユージュアル・サスペクツの関係者|主要人物・ネタバレ
①コバヤシ(と呼ばれていた男)
カイザー・ソゼの右腕であり、弁護士。
ユージュアルサスペクツ5人に接触、船襲撃の命令を伝えに来た人物。“コバヤシ”という名はキントの嘘で、本当の名前は不明だが存在していることは事実である。
②デイヴ・クイヤン
キントを尋問した捜査官。
キートンを長年捜査しており、情報を聞き出すためにキントを尋問していた。
③アーカッシュ・コーバッシュ
船襲撃の生存者。ハンガリー人の密告屋で、ソゼの顔を見てしまった人物。
全身やけどをしており、「カイザー・ソゼ」と叫び怯えていた。ソゼの情報や、似顔絵制作など警察に協力している。
④レッド・フット
ユージュアルサスペクツの取引相手。宝石商。コバヤシと引き合わせた人物。
“レッド・フット”という名は、コバヤシ同様にキントの嘘。存在自体の真相も不明。
⑤イーディ・フィネラン
キートンの恋人であり、弁護士。何者かに殺害される。(キントの指示だと思われる)
⑥ジャック・ベア
FBI捜査官。
船襲撃の事件を捜査しており、生存者アーカッシュ・コーバッシュから話を聞き出していた。
⑦ジェフ・レイビン
巡査部長。クイヤンの尋問に協力、部屋を貸してあげた人物。
黒幕「カイザー・ソゼ」は何者?|登場人物・ネタバレ解説
「カイザー・ソゼ」とは、謎が多く都市伝説的な存在。裏社会で名を馳せていてるギャングです。
また、ソゼの正体は「キント」でした。
■ カイザー・ソゼについて判明している事
・正体はヴァーバル・キント
・姿や顔を見たものがいない伝説の存在
・コバヤシ(と呼ばれている)弁護士の右腕がいる
・検事・知事などのツテもある大物
・麻薬ビジネスをしている
・ユージュアルサスペクツの5人に仕事を邪魔された事実がある
犯人は誰?「ユージュアル・サスペクツ」あらすじ|ネタバレ解説
「ユージュアル・サスペクツ」
は、主に以下の視点で構成されています。
・6週間前から現在まで(キントの視点 / 証言)
・キントの回想ではないシーン(現在 / 事実)
ストーリーの流れを把握しやすいように、2つの視点は色分けしています。
特に、キント視点の証言は真相不明な箇所が多い…。
「ここは嘘?本当?」など、視点に気を付けながら考察すると更に楽しめますよ!
6週間前にNYで起こった事件と「5人の犯罪者」
キントの回想ではないシーン(現在 / 事実)
カリフォルニア州・サンペドロ、港に停泊中だった船が爆発。浅瀬で27人が死亡し、焼死体は15体にも上りました。
警察は麻薬と9100万ドルが同時に消えたため、マフィア同士の抗争だと判断。
捜査のため、2人の生存者に話を聞くことにしました。
1人目が、病院に運び込まれた全身やけどのハンガリー人の男性。
2人目が、ユージュアルサスペクツの1人であるキントでした。
ハンガリー語で話す男性の言葉は通訳なしでは理解できませんでしたが、“カイザー・ソゼ” と叫び怯えています。
また、キントは
一連の事件は「6週間前のNYの出来事」が発端と証言するのでした。
6週間前(キントの視点 / 証言)
銃を積んだトラックをハイジャックした容疑で、前科者5人が集められました。
面通しを行い拘置所に集められたのは、ホックニー / マクマナス / キートン / フェンスター / キントの5人。
そのうちマクマナスとフェンスターが“面白い話がある”と、3人を誘います。
マクマナスが持ってきた“デカいヤマ”とは、密輸されたエメラルド+取引金を強奪すること。
作戦実行には、最低5人の共犯者が必要でした。
キートンは恋人のために犯罪からは足を洗ったと、かたくなに拒みます。
しかし、犯罪から離れるには金が必要だと身をもって感じたため、仕方なく作戦に協力するのでした。
面通しで出会った犯罪者5人と「デカいヤマ」
6週間前からの回想(キントの視点 / 証言)
マクマナスとフェンスターが3人を誘った “デカいヤマ” は、報酬300万ドル以上。
密輸されたエメラルド+報酬金だけでも充分でしたが、“警察への仕返し” を計画します。
実は密輸者を目的地まで運んでいるのは、警察官でした。
密輸者を見逃し報酬を受け取っていると知った5人は、エメラルドを強奪し車に火を放ちます。
早めに通報していたため、マスコミが殺到。怪我人を出さずに、警察官の悪事だけが公になりました。
①密輸エメラルド+報酬金を強奪。
↓
②密輸者が乗っているパトカーに放火。マスコミを誘きだし、警察官の悪事を公に。
↓
③奪った密輸エメラルドを宝石仲介商のレッド・フットに受け渡す。
レッドフットからの依頼「宝石商殺害とヘロイン」
6週間前からの回想(キントの視点 / 証言)
取引相手で宝石商のレッド・フットに会うため、5人はロスへ向かいます。強奪した密輸エメラルドを、受け渡して報酬を貰えば仕事は完了。
ロスへ到着し、レッド・フットにエメラルドを受け渡すと新しい仕事を紹介されます。
依頼内容は、「宝石商から宝石を強奪してくれないか」というもの。
5人はこの仕事を引き受けますが、手こずってしまい宝石商やボディーガード計3人を殺害してしまいます。
殺人を犯してまで奪ったブリーフケースの中身は、宝石ではなくヘロインでした。
話が違う!とレッド・フットを問い詰めると、「仕事を振ってきたのは弁護士だ。自分はただ、仲介しただけ」と5人に弁明。
5人は仕事を振ってきた意図を探るため、弁護士と会うことにしまいました。
弁護士コバヤシと裏社会の悪魔「カイザー・ソゼ」
6週間前からの回想(キントの視点 / 証言)
レッド・フットを通して仕事を振ってきたのは、“コバヤシ” という弁護士でした。
ボスの命令で動いているというコバヤシが、5人に新たな仕事を依頼します。
報酬は9100万ドル、1日で終わるが死者が出てもおかしくない危険な案件でした。
そこで、「(仕事を依頼してきた)ボスは誰なんだ?」と聞くとコバヤシは「カイザー・ソゼ」と返答。キント以外の4人は、表情を曇らせ狼狽えます。
そしてコバヤシは「今回は提案ではなく、カイザー・ソゼからの命令だ」と発言。
5人は過去の犯罪で、カイザー・ソゼの邪魔をし所有物を盗んでいたのです。
知らず知らずのうちに犯した過ちでしたが、借りを返すために“命令を断るな”というのがソゼの言い分。
また「やっと諸君を一堂に集めた」というコバヤシの発言から、5人が集結するように面通しから仕組まれていたことが分かります。
●トッド・ホックニー
2か月前 / NYで銃を積んだトラックを強奪。銃の持ち主が、カイザー・ソゼ。
●マイケル・マクマナス &フレッド・フェンスター
ニューアーク空港発の貨物便をハイジャック。積み荷の持ち主が、カイザー・ソゼ。
●ディーン・キートン
1981年 / NYでトラック強奪事件に関与。積み荷の持ち主が、カイザー・ソゼ。
●ヴァーバル・キント
9か月前 / 運び屋を騙し、6万2000ドルを奪う。運び屋は、カイザー・ソゼに雇われた人物だった。
事の発端にも思われたトラックの強奪事件の犯人が、ホックニーだったと言う事も判明します。
カイザー・ソゼの命令とフェンスター「見せしめ殺害」
6週間前からの回想(キントの視点 / 証言)
カイザー・ソゼの命令は、「商売敵が行う麻薬取引を邪魔してほしい」というものでした。
ソゼの主な収入源は、麻薬。
商売敵のアルゼンチン組織が港で取引を行うため、“船を焼き麻薬ごと処分” することが目的でした。
この仕事を終えれば、ソゼへの借りはチャラ。麻薬以外は、全て5人のものにしていいという条件を言い渡されます。
5人に命令を伝達すると、カイザー・ソゼの贈り物を置いて出ていくコバヤシ。
中身は、5人の犯罪経歴・盗撮写真など “逃げることができない” と念押しするような品々でした。
カイザー・ソゼについて恐ろしい噂は耳にするものの、誰一人姿を見たことがなく半信半疑。
命令を受けるか決めかねていた翌朝、フェンスターは “幸運を” とメモを残し金と共に消えてしまいます。
その日の夜、コバヤシから言われた場所に向かうとフェンスターの死体が…。
フェンスターの遺体を埋めながら、キートンは “コバヤシの言いなりにはならない。片をつける ”と決意します。
出入りしているオフィスに向かい、コバヤシに銃を向けると「撃たれる前に、イーディと話がしたい」とキートンの恋人の名前を口にします。
コバヤシに先手を打たれ、5人の親族や恋人が人質に取られていたのです。
生かすも殺すも自分たちの動きにかかっていると悟った5人。コバヤシ殺害を諦め、カイザー・ソゼの命令を受けるのでした。
商売敵を襲撃「燃える密輸船と見つからないコカイン」
6週間前からの回想(キントの視点 / 証言)
襲撃当日、カリフォルニア州・サンペドロの港。
5人はカイザー・ソゼの「船を焼き麻薬ごと葬る」命令ではなく「コカインも金も奪う」作戦に変更します。
夜が来るのを待ち、船襲撃のため定位置につく5人。金が運び込まれてきたことを確認し、作戦を開始します。
キートンは襲撃が始まると「ここに隠れていろ。
生き残ったら金を持って逃げるんだ。イーディにすべて話せば、何とかしてくれるはずだ」とキントに伝えます。
仕掛けておいた時限爆弾をホックニーが起動。爆発に乗じて、見張りをキートン・マクマナスが射殺します。
騒動の中、キント以外のメンバーが次々に乗船。一足先にホックニーが金を積んだ車に向かうと、何者かに射殺されてしまうのでした。
キートン・マクマナスも船の乗組員をドンドン殺し船内を探し回りますが、肝心のコカインがありません。
作戦が長引くのを避けたい2人は、ズラかろうとします。船を出る直前に、マクマナスは後ろ首をナイフで刺され死亡。
同じ頃、キントは金が乗った車に向かい、ホックニーの死体を見つけます。
金を持って逃げるために車の鍵を探している最中に、辺りに鳴り響く銃声。
音がした方に目を向けると、キートンがカイザー・ソゼらしき人物に撃たれ倒れていました。
とどめを刺したソゼらしき人物は、船に火を放ち消えたのでした。
●トッド・ホックニー
金が運ばれてきたことを確認 → 時限爆弾で船を爆破 → 金の元に向かうが何者かに射殺。死亡。
●マイケル・マクマナス
船の見張りを射殺 → 船に乗り込みコカインを探す → コカインが無い → 逃げようとするが何者かに刺殺。死亡。
●ディーン・キートン
船の見張りを射殺 → 船に乗り込みコカインを探す → コカインが無い → 逃げようとするがカイザー・ソゼ風の男に射殺。死亡。
●ヴァーバル・キント
キートンに金を持って逃げろと指示される → 金の元に向かう → カイザー・ソゼ風に男がキートンを射殺・船に放火した現場を目撃。唯一の生存者。
犯人は警察?カイザー・ソゼの正体と「キントの釈放」
キントの回想ではないシーン(現在 / 事実)
クイヤンに捜査報告があり、「船にコカインが無かった事」「カイザー・ソゼを知らない」とキントが嘘をついたことがバレてしまいます。
捜査から、今回の船襲撃の目的は「コカインではなく証人殺し」であることが判明。
一連の犯罪は、「ソゼの顔を見てしまった人物を殺害し、口封じをするために仕組まれた計画」でした。
キントはカイザー・ソゼについて、知っている限りを話ました。そして、キートンはソゼらしき人物に射殺されたと証言します。
今回の目的が “証人殺し” そして “キートンが死んだ” というキントの証言から、クイヤンはキートンこそが黒幕だと確信しました。
元警察・キートンが「カイザー・ソゼ」と疑われる理由
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①元警察のコネで5人を集結させ、面通しを行うことができた
②過去に犯した犯罪
警察を辞める前に、3件の殺人。7件の罪で告訴。裁判の証人が殺されることが、複数回あった。
③以前、偽装死をしていた
キートンは殺人事件の裁判になった際、不利になったため偽装死。証人は“不慮の事故”で無くなった。
④キントを生かしていること
仲間であるキントに、“キートンは死んだ“と証言させることが狙い。
カイザー・ソゼの目的「真の黒幕と驚愕のラスト」
キントの回想ではないシーン(現在 / 事実)
「カイザー・ソゼ」はキートンだと確信したクイヤンは、キントを釈放。
部屋に残ったクイヤンは、壁を見て唖然とします。
壁に貼られていた新聞の切り抜きや資料には、「レッド・フット」「カルテット」「グアテマラ」などのキーワードが…。
クイヤンは衝撃のあまり飲んでいたマグカップを落とすと、底には「コバヤシ陶器」の文字が書かれていました。
今までキントは、即興でこれらのワードを繋ぎ合わせた“お話”を話していたのでした。
クイヤンは急いでキントの後を追いますが、既に姿はありません。
時同じくして、もう一人の生存者の証言で制作したカイザー・ソゼの似顔絵が届きます。
そこに描かれていたのは、キントそっくりの顔でした。
足を引きずりながら署を出るキント。
次第に普通に歩き煙草に火をつけ、「コバヤシ」と呼んでいた男の車に乗り消えていくのでした。
黒幕は警察?どこまでが本当?「ユージュアルサスぺクツ」を整理|ネタバレ解説・考察
綿密な伏線と嘘が張り巡らされた、「ユージュアル・サスペクツ」
どこまでが真実で、何が嘘なのか…。作中で判明している箇所をまとめました!
■ 判明している「事実」
① 5人が面通しで出会った事
② 密輸エメラルドを運んでいた車が襲撃された事件(警察官の悪事が暴かれた事)
③ ロスで宝石商が殺害された事件
④ 麻薬密輸船が爆発・炎上した事件
⑤ アーカッシュ・コバッシュ(全身やけどの男)に姿を見られてしまった事
⑥ カイザー・ソゼの右腕(コバヤシと呼ばれていた人物)がいる事
⑦ キントは足・手に障害がない事
■ 判明している「嘘」
① 右腕の名前が「コバヤシ」である事
② カルテットを組んでいた話
③ グアテマラのコーヒー園で働いていた話
④ 「レッド・フット」という名の取引相手
各見出しで、ストーリーとともに詳しく解説しています。ぜひ、チェックしてみてください。
真実だと判明している「7つの真実」
作中で真実だと推定できる箇所は、7つです。
キントの回想シーンではなく、「キントが証言する前後の出来事」「クイヤンも知っている事柄」に焦点をあてて判断しました。
① 5人が面通しで出会った事
② 密輸エメラルドを運んでいた車が襲撃された事件(警察官の悪事が暴かれた事)
③ ロスで宝石商が殺害された事件
④ 麻薬密輸船が爆発・炎上した事件
⑤ アーカッシュ・コバッシュ(全身やけどの男)に姿を見られてしまった事
⑥ カイザー・ソゼの右腕(コバヤシと呼ばれていた人物)がいる事
⑦ キントは足・手に障害がない事
①~⑤までは警察が関わっており、嘘が付けない事柄です。
⑥と⑦は、キントが釈放後に明かされます。このシーンでは、もう人をあざむく必要がないので事実と判断しました。
キントが作り上げた「数えきれない嘘と詐欺テクニック」
作中で嘘だと判断できる箇所は、4つ。黒幕をミスリードする詐欺テクニックは、3つあります。
① 右腕の名前が「コバヤシ」である事
② カルテットを組んでいた話
③ グアテマラのコーヒー園で働いていた話
④ 「レッド・フット」という名の取引相手
以上の事柄は、キントが尋問を受けた部屋の壁に貼ってあった新聞の切り抜き・資料から。記事などから抜粋したワードを使い、クイヤンに嘘を話していました。
残念ながら嘘だと言い切れる箇所は、クイヤンが気が付いた事柄しかありません…。
■ 黒幕を「元警察・キートン」だと思わせるミスリード
①キントの回想でキートンの腕時計が強調されている
②元警察、恋人が弁護士のためコネがあると推定できた(面通しなど)
③キートンが過去に犯した罪を模した展開
・偽装死
・証人殺し
カイザー・ソゼがキートンに銃を向ける際、金色の腕時計が印象的でした。また、キントの回想に登場するキントも腕時計をしています。
コバヤシの発言から、面通しは計画的だった事は判明済み。
警察にコネがあるのは、元警察のキートンなのでは?と考えてしまうのも無理は無いですよね…。
③は、「キートンが過去に犯した罪(クイヤンの情報)」と「キントが話すキートンの情報」の合わせ技。
自分が知っている情報と合致が行くような事実を、他人から聞けば更に疑惑は深まります。
「キートンは死んだと証言し、“偽装死”」「証人が載った船襲撃・恋人のイーディを殺し、“証人殺し”」を裏付けしていました。
分かっているだけでも7つの嘘、そして3つの黒幕をミスリードするテクニックが隠れていました。
まんまと騙されてしまいましたが、綿密すぎる計画・根回!キント(カイザー・ソゼ)が、伝説の存在というのも納得です。
もう一度見返したくなる!「ユージュアル・サスぺクツ」の伏線|ネタバレ解説・考察
今回は「カイザー・ソゼの正体はキント」と考察し、ソゼの正体に繋がっている伏線と解説を紹介します。
伏線 ①キートンの発言「足の感覚がないよ」
伏線 ②キントだけ逮捕シーンがない
伏線 ③キントの弁護士と話した刑事の態度
伏線 ④尋問を受けるキントの目線
伏線 ⑤咄嗟に使ってしまう左手と金のライター
伏線 ⑥散りばめられたキーワード「トルコ」
伏線 ⑦ソゼに詳しすぎるキントの発言
キントもソゼの手下なのでは?証人が見たのはソゼの影武者(キント)では?など、考察は尽きません。
が、今回は「黒幕=キント説」を推していきます!各見出しで、深堀していきますよ。
ユージュアル・サスぺクツ伏線①|キートンの発言「足の感覚がないよ」
キートンが殺される前に発した「足の感覚がないよ」というセリフは、キントへの皮肉でした。
黒幕がキントだと知ったキートン。
1番印象的だったキントの “足の障害”と、“キントに足を撃たれ麻痺した自分”への嘲笑だったと結末から分かります。
物語の冒頭を見返してみると、なるほど!としっくりくる伏線です。
この他にも、このシーンでは「カイザー・ソゼ(キント)の声」「金の腕時計・金のライター」などキントに繋がる伏線が散らばっています。
ユージュアル・サスぺクツ伏線②|キントだけ逮捕シーンがない
物語の冒頭で、人物紹介を兼ねて次々とユージュアルサスペクツが逮捕されます。しかし、キントだけが逮捕シーンはなく面通しに向かう廊下から登場。
■ 人物紹介を兼ねた登場シーン
・マクマナス:ベットで就寝中に連行 / 逮捕。
・ホックニー:車の整備中に連行 / 逮捕。
・フェンスター:町を徘徊中に連行 / 逮捕。
・キートン:会食中に連行 / 逮捕。
・キント:脚を引きずりながら面通しに向かう廊下。
「キント1人だけが、他4人と違う」という違和感が、黒幕の伏線になっていたのではないでしょうか!
また、他4人はハイジャックを疑われるような前科があります。
しかし、キントだけが “詐欺罪”。他とは毛色が異なる罪状も、違和感を感じますね…。
ユージュアル・サスぺクツ伏線③|キントの弁護士と話した刑事の態度
「弁護士がただ者ではない」「今から会う人物(キント)が大物で、検事・知事にツテがある」という情報が伏線になっています。
レイビン刑事がクイヤンに、キントが釈放・軽い罪状になった経緯を話します。
地方検事は罪を問う準備をしていたにも関わらず、その人物の弁護士と話すと豹変。
レイビン刑事の話しぶりから、ただ腕がいいだけの弁護士では無いと分かります。
この部分が「コバヤシ(と呼ばれていた男)」に繋がる伏線になっています。
加えて、今からクイヤンと話す人物は「市長・知事が警察に圧力をかけるほどの大物」だと判明。
コバヤシを右腕とする大物は、カイザー・ソゼしかいません。なので、この部分が「カイザー・ソゼ=キント」という伏線になっています。
ユージュアル・サスぺクツ伏線④|尋問を受けるキントの目線
キントの目線が、クイヤンに証言する出来事(嘘)に繋がっています。クイヤンが壁を眺めるシーンで、伏線が回収されていますよ。
■ レイビン刑事の部屋に入ったキントの目線
①タバコが入った箱
②壁に貼られた新聞の切り抜きや資料
③クイヤンのマグカップ(底)
②壁に貼られた新聞の切り抜きや資料
キントが話した世間話「イリノイ州でカルテットを組んでいた話」「グアテマラのコーヒー園で働いていた話」は切り抜き等から抜粋して、作られた嘘でした。
また、宝石商で取引相手・コバヤシと引き合わせた人物「レッド・フット」の名前もここからです。
レイビン刑事の部屋に入ってすぐ、辺りを見回すキントの目線が伏線となっていました。
このシーンでは文字は読み取れませんが、しっかり壁の切り抜きや資料が映されています。
③クイヤンのマグカップ(底)
クイヤンのマグカップの底に書かれていた「コバヤシ陶器」というロゴ。
この文字から、キントの右腕であり弁護士の名が「コバヤシ」になりました。
コーヒーを片手に、クイヤンを上目遣いのような目線でじっと見つめるキント。
不自然ではない演出ですが、見返すと “キントには底の文字が見えているんだろうな…” と分かるように、マグカップが映されています。
①タバコが入った箱 → 箱はトルコ製。カイザー・ソゼはトルコ人。
という点は、嘘か本当か分かっていません。
クイヤンは資料が貼ってある壁を背にして、キントを尋問。そのため、キントを釈放した後にやっと気がつきました。
ユージュアル・サスぺクツ伏線⑤|咄嗟に使ってしまう左手と金のライター
キントは「足・左手に障害がある “フリ” 」をしていましたが、クイヤンに掴みかかられた際に左手を使ってしまいます。
話の腰を折ったキントに、クイヤンが掴みかかった場面。(該当シーン:42分頃)
実はこのシーンの数秒前、クイヤンに見えない所でキントは薄く笑っているんです!
そしてすぐに左手を使って、クイヤンを払いのける…。
キントの性格からして “咄嗟” というより “わざと使った” のではないでしょうか。
バレないギリギリを楽しんでいるような表情と、言動が伏線となっています。
また、冒頭でカイザー・ソゼは金のライターを使用。キントが釈放時に引き取った荷物にも金のライターがあり、同一人物である事を示唆していました。
「該当シーン:〇〇分頃」と指定している部分は、Huluで配信されている「ユージュアルサスペクツ(字幕版)」を参考にしています。
※ 無料トライアルはすでに終了しています。
ユージュアル・サスぺクツ伏線⑥|散りばめられたキーワード「トルコ」
キントがクイヤンに話した内容が真実であれば、カイザー・ソゼはトルコ人。
そして、嘘にしては細かすぎる「トルコ」に関する設定が伏線になっています。
■ 伏線に繋がる「2つのヒント」
①タバコケースがトルコ製
②「ソゼ」はトルコ語で「お喋り」という意味
①タバコケースがトルコ製
短時間に2回もアップで映し出されるタバコケース。壁の切り抜きや資料と異なり、嘘の材料ではありません。
・クイヤンがレイビン刑事の部屋に入ってすぐ(該当シーン:19分頃)
・キントがレイビン刑事の部屋に入ってすぐ(該当シーン:22分頃)
もう一人の生存者が「カイザー・ソゼ」と発しているため、キントが即興で作り出した人物ではありません。
現時点ではレイビン刑事の部屋に入るより前に「カイザー・ソゼが存在していた」点だけが、ソゼについて唯一の事実になります。
②「ソゼ」はトルコ語で「お喋り」という意味
●カイザー・ソゼ
カイザーはドイツ語で帝王。「ソゼ」は「お喋り」の意味。繋げると「お喋りの帝王」
ソゼは、ドイツ人の血を引きトルコ人と言われています。
●ヴァーバル・キント
「ヴァーバル」は英語で「(行動を伴わない)言葉だけの / 口先だけの」という意味。
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「カイザー・ソゼ = お喋りの帝王」「ヴァーバル・キント = 口先だけ」と2つの名は、実は1人の人物だったと察せます。
作中でも名前の意味に触れており、5人が収容所に集まるシーンで「本当にお喋り(ヴァーバル)でね」と発言。
このことから、カイザー・ソゼの正体がキントだったという伏線になっています。
作り出されたカイザー・ソゼ像ではなく、ソゼの事実を並べてみると「トルコ」が伏線に繋がっていることが分かります。
こうなるとキントが話したカイザー・ソゼの過去は、でっち上げ話では無いかもしれませんね…。
「該当シーン:〇〇分頃」と指定している部分は、Huluで配信されている「ユージュアルサスペクツ(字幕版)」を参考にしています。
※ 無料トライアルはすでに終了しています。
ユージュアル・サスペクツ伏線⑦|ソゼに詳しすぎるキントの発言
カイザー・ソゼを知らなかったはずのキントが、饒舌にソゼの武勇伝を語るシーンが伏線になっています。
キントはトルコ時代の伝説話だけでなく、ソゼの凄さを熱弁しています。
自分自身の話だった、そして絶対にバレない自信あっての言動です。
4人の前では “知らないフリ” に徹しましたが、このシーンではベラベラ話しても違和感なし。
クイヤンに詰められても、誤魔化せるのでキントは饒舌になってしまったのではないでしょうか。
警察を煽って楽しんでいた?「ユージュアル・サスペクツ」その後を考察|ネタバレ
“わざと”カイザー・ソゼの正体をバラした、キントの意図。
「ユージュアルサスペクツ」で主軸だった人物達のその後を、ストーリーから考察していきます。
■ 考えられるその後
①アーコシュ・コバッシュ(全身火傷・唯一の生存者)を消す
②キントは顔を変え、国を変え、新たな伝説となる
2つの展開が、1番あり得るのではないでしょうか。
②キントは顔を変え、国を変え、新たな伝説となる
検事や知事など大物とのコネがあるので、顔を変える必要はないかもしれません。
しかし、キントは「人をあざむいている瞬間」を好んでわざわざ自分で実行しています。
そう考えると、整形してプレイヤーとしての犯罪を続けていくのかなと思いました。
キントほどの犯罪者であれば、クイヤンを誤魔化すことは容易いはず…。
すぐに気が付くような方法であざむき、煽って楽しんでいるとしか思えない言動ばかりでした。
そして、カイザー・ソゼのトルコ時代の話「正体を知っている人間を1人だけ生かし、噂を広めさせ伝説となる」という流れ。
キントはもう一度、その状況を作り出そうとしているのかもしれません。
実はアドリブ!「ユージュアル・サスペクツ」の豆知識|ネタバレ解説
「ユージュアル・サスペクツ」が、更に好きになる2つの豆知識をご紹介します。
①ユージュアル・サスペクツの意味
②5人が並ぶ面通しシーンはアドリブ+NGシーン
アドリブシーンは、俳優陣の可愛らしさが垣間見えるお話です。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
ユージュアルサスペクツの意味
「ユージュアルサスペクツ」の意味は「常連の容疑者 / いつもの容疑者」という意味があります。
「常連の容疑者」という点がキントを含む5人の共通点であり、この計画の原点。
コバヤシが「やっと諸君を一堂に集めた」と、発言したのを覚えていますか?
警察に圧力をかけ罪を免れることができるキントが、わざわざ面通し…。
キントは、面通しのために前科を作ったのでは?と勘ぐってしまいました。
5人が並ぶ面通しシーンはアドリブ+NGシーン
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「ユージュアルサスペクツ」と言えば、面通しのシーン。実は、アドリブ+NGシーンだったんです!
5人が横に並び、紙に書いてあるセリフを順に言っていくシーンがアドリブです。
マクマナス が「キーをよこせ!…ァアアアア」とふざけだし、全員がこらえきれずに笑い出してしまします。
直ぐにセリフを言えない程、フェンスターは笑いが引かず「英語で言え(ちゃんと言え)」と注意される始末!実はここが、NGシーンでした。
下を向き必死に笑いをこらえる5人と、シリアスに撮りたかった監督の対比が面白い…。
結局アドリブ+NGシーンが使われ、作品を代表する有名なシーンになりました。
続編はある?「ユージュアル・サスぺクツ」ネタバレまとめ|配信一覧
キントのその後が気になりますが、「ユージュアル・サスペクツ」には続編がありません。
2はありませんが、どんでん返しのラストを見た後でも再度楽しめる作品です。
綿密に張り巡らされた伏線、カイザー・ソゼの正体が「キントじゃない説」…。
たくさんの伏線・考察が、まだまだ隠れています。どんでん返しのラストだけじゃない、至極のクライム・サスペンスを何度も楽しんでくださいね。
■■ ユージュアルサスペクツを視聴できる動画配信サービス
※ 2021年7月19日 現在
※ Huluの無料トライアルは2023年8月30日をもって終了いたしました。
※dTVは2022年3月31日をもってサービスを終了しました。
この記事で「〇〇分頃」とシーン指定している部分は、Huluで配信されている「ユージュアルサスペクツ(字幕版)」を参考にしています。