「オードリー・ヘプバーン主演の不朽の名作」などと、もてはやされる『ティファニーで朝食を』。今回は、オードリー・ヘプバーンの美貌やファッションによって忘れ去られがちな、本作のストーリーに注目して解説していきます。
知られていない制作秘話や、小説版とのラストシーンの違いについても触れているので『ティファニーで朝食を』についての理解を深めたい方は、是非この記事を読んでみてください。
更新日:2021-7-28
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「オードリー・ヘプバーン主演の不朽の名作」などと、もてはやされる『ティファニーで朝食を』。今回は、オードリー・ヘプバーンの美貌やファッションによって忘れ去られがちな、本作のストーリーに注目して解説していきます。
知られていない制作秘話や、小説版とのラストシーンの違いについても触れているので『ティファニーで朝食を』についての理解を深めたい方は、是非この記事を読んでみてください。
2021年7月現在、『ティファニーで朝食を』を視聴できる動画配信サービスは以下の通り。
VODサービス | 配信状況 | |
U-NEXT | ◎ (無料トライアルあり) | |
Lemino | △ レンタル | |
Prime Video | △ レンタル | |
Netflix | ✖ |
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どこまでも魅力的なオードリー・ヘプバーンとジョージ・ペパードの都会派センスが溢れる洒落たラブ・ストーリー。
ニューヨークの安アパートに暮らすホリーの日課は、一流宝石店ティファニーのショー・ウィンドウを見ながら、朝食のクロワッサンを食べることだった。ある日彼女のアパートの隣室に、作家志望の青年ポールが越してきた。ポールはたちまち、自由気ままで、どこか謎めいたホリーに惹かれていく……。
題名 | ティファニーで朝食を (原題:Breakfast at Tiffany’s) |
作者 | トルーマン・カポーティ |
監督 | ブレイク・エドワーズ |
主演 | オードリー・ヘプバーン ジョージ・ペパード |
発表日 | 1961年 |
原作は、作者トルーマン・カポーティによって執筆され、1958年に『エスクァイア』という、アメリカで創刊された世界初の男性誌にて発表されました。
アカデミー賞の5部門受賞。
オードリー・ヘプバーンは、見事主演女優賞にノミネート。そして彼女が歌う主題歌『ムーンリバー』は主題歌賞を受賞しました。
ゴールデングローブ賞では2部門を受賞。
作品賞と主演女優賞(オードリー・ヘプバーン)にノミネートされました。
主人公のホリー・ゴライトリーは、自由奔放に、周囲に迷惑をかけながら、享楽的な生活を送る女性。かつて、テキサスの牧場を持つ年配の獣医と結婚していたが、家出をし、カリフォルニアで女優としてスカウトされる。また、そこからも逃げ出し、ニューヨークでお金持ちの男性とデートをして暮らしている。
オードリー・ヘプバーンについて
オードリーはこの時32歳で、一歳児の母でした。でも、そんなことは微塵も感じさせない、可憐で大胆な演技を見せてくれました。このホリーのキャラクターは、今までのオードリーのイメージとはかけ離れた役柄でしたが、まさにこの作品により、彼女の新しい魅力がハリウッドに影響を与え、オードリーの60年代がはじまったのです。 |
ポール・バージャックは、ホリーと同じマンションに住む作家である。短編集を刊行し、将来有望な新人とタイムズ紙で評価されるも、その後は1冊の本も出せずにいる。既婚のデザイナーである女性”2E”に養ってもらっており、ローマから戻った2Eからマンションの部屋を用意してもらう。そこは、2人の密会の場所にもなっている。ホリーの兄フレッドに似ているそう。
ジョージ・ペパードについて
ペパードはその容貌とエレガントなマナー、優れた演技能力によってオードリー・ヘプバーンと共演しました。そして、本作が、ペパードが出演した作品の中で最も有名な映画となり、彼をメジャーな映画スターに押し上げました。 |
ここからは『ティファニーで朝食を』のあらすじを5つに分けて説明します。
舞台は1960年のニューヨーク。夜明けの五番街。ジバンシィのブラックドレスに身を包んだホリー・ゴライトリーは宝石店ティファニーのショーウィンドウの前で、コーヒーを片手にクロワッサンを食べます。玉の輿を狙いながら、ティファニーのような静かな気分になれる場所に住むことを目標にしているホリー。そんなある日、ホリーの部屋の上に売れない作家ポール・バージャックが引っ越して来ます。彼はパトロンであるデザイナーの女性”2E”と不倫関係にありました。ある晩、ホリーはパーティーで出会った男性に押しかけられ、部屋の窓から逃げ出して、ポールの部屋にかくまってもらいます。お互いについて話すうちに、2人は意気投合。ホリーは兄のフレッドに似ているポールに親近感を抱きます。ホリーはお金を貯めて軍隊にいる兄フレッドとニューヨークで暮らすことを夢見ていることをポールに話しました。2人の会話が尽きると「私たちは友達ね」と言ってホリーはポールの腕の中で眠りにつくのでした。ですが、朝方、兄フレッドの夢を見たホリーはうなされて起きます。ポールが「どうしたの?」と聞くと、さっきまで親しげだった彼女一転して「お節介はやめて」と怒って部屋を出ていってしまいます。
次の日、ホリーは昨晩怒ってしまった謝罪をかねて、ポールをホームパーティーに招待します。ポールが訪ねると、既に大勢の人が集まっていました。ホリーはポールが小説家として売れたいということを知って、「芸能プロの親玉」というO・J・バーマンを紹介します。ですが、ポールはそんなことより天真爛漫でチャーミングなホリーに釘付けでした。そこへ、モデルのメグ・ワイルドウッドが男性を2人連れて現れました。ホリーは2人のうち、美男のホセには目もくれず、『50代のうち世界で9番目にお金持ち』という大富豪ラスティに近付き、2人で部屋を抜け出します。ポールはそんなホリーを複雑な眼差しで見送ることしかできませんでした。
ある日、ポールが不倫している女性2Eからアパートの近くに怪しい男がいると言われ、外に出ます。ポールはわざと男の目に付くように行動し、怪しい男は合図を受け取りました。そしてポールの後を追う彼。しばらく歩いた2人はベンチに座り、会話が始まりました。男が胸ポケットから取り出したのは、ホリーが写っている古い家族写真でした。その男はホリーの本名をルラメー・ゴライトリーだと主張し、自分は夫のゴライトリーだといいます。なんと、ホリーは14歳で結婚していたのです。ですがある時、ホリーが突然家出をし、帰らなくなったそう。夫ゴライトリーは、ホリーの兄フレッドがもうすぐ除隊するので、また一緒に暮らすつもりで彼女を迎えに来たのでした。ゴライトリーにどうしてもと頼まれ、アパートで2人を再会させたポール。しかしホリーは既に過去とは決別していて、一緒に帰る気は無いと言います。ホリーの覚悟を知ったゴライトリーはホリーと別れを告げます。ホリーは涙を浮かべながら彼が乗ったバスを見送るのでした。
その翌日、書き上げた短編小説が売れたポールはホリーの部屋へ報告に行きます。そこでホリーが狙っていた大富豪ラスティが他の女性と結婚した事を知りました。すでにラスティを諦めたホリーは、ポールの小説が売れたお祝いを兼ねて、ポールとニューヨーク五番街でデートすることに。さっそくホリーのお気に入りの店、ティファニーに入った2人。ポールは持っている10$でホリーに何かをプレゼントしたいといいますが、ティファニーでは10$で買えるものなどありません。そこで、ポールが「コーン・キャンディの景品の指輪に字を刻むことは出来ないか」と尋ねると、店員はコーン・キャンディの景品の指輪を知っていたようで「歴史あるものは素晴らしい」と言い、快く引き受けてくれました。その後もデートを楽しんだ2人は上機嫌でアパートへ帰り、微笑み合ってキスをします。その翌日、ポールはホリーと真剣に向き合うため、パトロンの2Eに別れを告げ、ティファニーで指輪を受け取ります。その後、ホリーに指輪を渡すため彼女を探すと、意外なことに彼女は図書館で勉強していました。ホリーはパーティーで会った南米の富豪ホセと結婚することを決め、ポルトガルを勉強していたのでした。やっと距離が近づいたと思ったのに、別の男性に夢中なホリーを見てショックを受けたポールは怒ってその場から立ち去ります。その夜、ホセを連れてアパートに帰ったホリーは元夫ゴライトリーからの手紙を見つけました。それは、兄フレッドの事故死を告げるもので、読み終わった途端彼女は絶叫し取り乱してしまいます。そこに駆けつけたポールがホリーを何とかなだめ、後はホリーをホセに頼んで部屋を出ていきます。
数ヶ月が経ち、アパートを出ていたポールがホリーの部屋を訪ねました。ホリーはホセとの結婚を前に、不安を隠すように「私は幸せだわ」と何度も口にしていました。明日ホセと一緒にリオデジャネイロへ行くというホリーは、ポールを最後の食事に誘います。夜、食事を終えた2人がアパートに帰って来ると、待ち受けていた麻薬科の警官数人に2人は連行されてしまいます。どうやらホリーが毎週会って、暗号を伝えていたギャングのトマト・サリーは麻薬の密輸をしていたのです。何も知らないと話すホリーでしたが、マスコミによってホリーは新聞の一面を飾ることに。騒動を知ったO・Jバーマンが彼女の保釈金を用意し、明朝迎えに行くようポールに指示します。ポールはホリーのアパートを引き払い、彼女の飼い猫と共にタクシーで迎えに行きました。保釈されたホリーはリオへ向かうと言い出します。しかしポールの元には、今回の騒動を受けてホリーとの別れを決意したホセからの手紙が届けられていました。ショックを受けるホリーに対し、自分の変わらぬ愛を伝えるポール。けれどホリーは自分は檻に入れられるのは嫌だとポールを拒絶します。そして、ホリーが飼っていた猫も「自由に生きて行くべきだ」と言い出し、タクシーを止めて、土砂降りの雨の中へ猫を追い出してしまいます。そんなホリーの姿を見たポールは、「君は根性なしだ。君は自由なつもりかもしれないけれど、ずっと自分で作った檻に入っている、そしてその檻はどこへ行こうと君に着いて回る。自分は自分から逃げられないからだ。」と言い残し、ティファニーで受け取った指輪を投げ捨て去っていきます。ポールの言葉に自分が間違っていたことを気づいたホリーは指輪をはめ、泣きながら雨の中に飛び出します。ポールを見つけると、ホリーは猫がいないことに気づきます。裏路地で猫を見つけ出し、ホリーはポールに笑顔を向けます。雨の中2人は猫を挟んで抱き合ってキスを交わし、終わります。
ここでは、本作を見ている時に多くの人が疑問に思う部分、3つをピックアップして考察します。
ホリーはポールに「化粧室に行くたびに50$貰える」と話していました。
アメリカでは、化粧室(特に高級レストランなど)を利用するにはチップ(=サービスを受けたことに対して、心づけとして支払うお金)を支払うシステムがあります。
そして、大富豪の男性とデートした際、女性が「お手洗いに行ってくるわ」と言ったら、男性はチップを渡してくれるのです。
そのチップの額は、平均的な1,2$(映画上映当時で300-600円)などではなく、50$(映画上映当時で2万円ほど)を貰えようですね。
ホリーがどんな男性たちと、どのようなお付き合いをしていたのかよく分かるシーンです。
ホリーはいつもおしゃれな服を着て、お金持ちなおじさんたちとデートしていました。
全ては、玉の輿に乗って「自由」を手に入れるために。
こう聞くと単にお金が全ての、自由奔放でわがままな女性に見えますが、実はホリーには彼女をそうさせる過去がありました。
あらすじで話した通り、ホリーは14歳の時にかなり年上の獣医のゴライトリーと結婚しています。
結婚の経緯は語られていませんが、ホリーとその兄フレッドが「家出をし、ゴライトリーの家の食料を盗んでいた」ということから、ゴライトリーは2人を不憫に思い、結婚という形で家族になったのだと思います。
さらにゴライトリーには、亡くなった妻との子供が4人いました。なので、ゴライトリーが獣医で農家を営んでいたとしても、1人の稼ぎで7人で生活するのは、決して豊かとはいえなかったでしょう。
このような過去を抱えた19歳の少女が、都会を夢見て、大富豪の男性とお付き合いしたい、豊かになって唯一の肉親の兄と暮らしたい、と思うのは無理もないように思えます。
そして、また貧乏な生活に戻りたくない、誰かに拾われて貧しく暮らすなんてもう嫌だ、という強烈な不安が彼女のいう「いやな赤」でしょう。
そんな気持ちを抱えながら、ルラメーという本名を捨ててホリーとなった彼女は、お金の中に人生の価値を見出そうとしました。
ですが、ホリーは元夫の姓である”ゴライトリー”という名前は捨てていません。
そういった部分から、彼女が実は本当は「自由」や「お金」なんかより、「愛」や「つながり」を必要としている気持ちが伺えます。
芸能の親玉であるO・J・バーマンは、パーティーで初めてポールに出会った時と、ホリーが逮捕された時の電話で「彼女は本物のニセ物だ。」とポールに話していました。
その言葉は、ホリーが「自分の気持ちを無視して、嘘ばかりをつき、しかもその嘘を本物だと思って生きている」ことを示唆しています。
先ほど説明したように、ホリーはいつも「お金」と「自由」をつかもうと必死でしたが、心の底では「愛」や「つながり」を求めていました。そんな彼女の本質を上手に表現したセリフです。
1度目にバーマンがそのことについて話した時は、理解できなかったポールでしたが、しばらくの付き合いでホリーの性格を知り、2度目のバーマンの質問に対して「分かります。」と答えるのでした。
本作を語るうえで欠かせない、小説版との違いについてここでは説明します。
原作の作者トルーマン・カポーティは、ホリー役をマリリン・モンローに演じてもらうつもりでいたそう。でもその時期にマリリン・モンローは長く続いたセックスシンボルのイメージからの脱却を考えていたことから、オファーは断られてしまいました。
そんな時、名前が挙がったのが、『ローマの休日』や『麗しのサブリナ』の主演を務めたことで、当時ハリウッドで人気を集めていたオードリー・ヘプバーンです。
オファーが来た際、オードリー・ヘプバーンは30歳を迎え、第一子を身ごもっている時でした。
そんな彼女は、今まで、純粋で少女のようなあどけなさのあるキャラクターばかりを演じていたので、自分の年に相応しく、新しい役柄に挑戦してみたいと考えていたそうです。
そして、ホリーという、天真爛漫かつ、複雑な内面を持った女性は、オードリー・ヘプバーンがちょうど探し求めていた役柄でした。
小説版の『ティファニーで朝食を』のホリーの設定はコールガール(娼婦)でした。
しかし、オードリー・ヘプバーンの事務所から、脚本からそういうニュアンスは省くよう要請があったようです。
よって、映画の中でのホリーはいつもお金持ちの男性といるように描かれますが、彼女がコールガールであると決定づけるようなシーンはありません。
また、小説版にはあの有名なホリーがティファニーの前でクロワッサンを食べるシーンや、ティファニーでお菓子の景品の指輪に名前を彫ってもらうロマンティックなシーンもありません。
それらのシーンはどれもオードリー・ヘプバーンのために付け加えられたシーンでした。
自身が書いた小説と全く違う映画を観た作者トルーマン・カポーティは、オードリー・ヘプバーンがアカデミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされてもなお、ホリー役を彼女が演じたことを悔いていたそうです。
そして、映画版『ティファニーで朝食を』が放送された15年後に発表された映画『タクシードライバー (1976年)』で売春婦役として出演していたジョディ・フォスターを見て、「彼女にホリー役を演じてもらいたかった。」とあるインタビューで答えていました。
▽ジョディ・フォスターが登場した映画『タクシードライバー』の解説記事はこちら▽
映画版と小説版の違いがよく分かるのはラストシーンです。
映画では、ポールの情熱的な言葉によって、『自分に必要なのはお金より「愛」だった』とホリーが気づいて、2人は結ばれるという結末が描かれます。
でも、小説版ではホリーはポールとは結ばれません。
▽以下、小説のラストシーンのまとめです▽
ホリーは刑務所からでると空港に向かい、どこかの国へ旅立っていきます。そして、名無しの猫は空港へ向かう途中で捨てられてしまいます。 その後、春になってホリーからポールの元に手紙が届きます。その手紙には、彼女がアルゼンチンのブエノスアイレスにいること、住所が決まったらまた手紙を送る、という内容が書いてありました。でも、新たな知らせはなかなか来ることはありませんでした。 最後に一つだけ、ポールが伝えたかったことは、ホリーが捨ててしまった猫のこと。その猫はポールの向かいの家の人に拾われ、温かそうな窓際で幸せそうに過ごしているということでした。ポールは、猫が安息の地を見つけたように、ホリーもティファニーのような落ち着ける場所を見つけたのだろうか、と思い馳せるのでした。 |
小説版のホリーが手に入れたのは、誰にも所有されない「自由」でした。
それに対し、映画版のホリーは所有されることで「愛」を手に入れました。
しかし、小説でも映画でも、ホリーのその後は明かされていません。
さて、「自由」を手に入れたホリーと「愛」を手に入れたホリー。2つの世界線に存在する彼女たちは果たして幸せになったのでしょうか?
映画版の『ティファニーで朝食を』がなぜ名作と言われたのか、それは他ならぬオードリー・ヘプバーンの魅力です。
当時、世界中で美しいといわれる女性の基準は、グラマーでセクシーなマリリン・モンローやブリジット・バルドーのような女優達でした。
そんな中、華奢な身体でジバンシィのドレスをシックに着こなしつつも、どこか少女のような可憐を持つオードリー・ヘプバーンがハリウッドに新たなインパクトを与えたのです。
そして、もう一つ、この映画にオーディエンスが惹きつけられるのは、オードリー・ヘプバーンへの共感でしょう。
いつも明るくお洒落な彼女だけれど、ときおり「いやな赤」と呼ぶ不安感におそわれ、バランスをくずしたりもする。自由を求めながらも、心のどこかで愛やつながりを探している。そして、ラストシーンで自分が探していたものを見つける。
おそらく、多くの方が人生で彼女と同じような「いやな赤」を経験し、自由も欲しいけど、本物の愛も欲しいと願うと思うのです。
さて、これをマリリン・モンローが小説版通りに演じていたらどうでしょう?
セックスシンボルとして世界を魅了した彼女がこの役を演じていたら、ホリーの辛い過去や不安に私たちが共感することはなく、マリリン・モンローのセクシーさを味わう映画として、また異なった人気を集めていたのではないかと、私は考えます。
作者トルーマン・カポーティの描いた原作とはだいぶ変わりましたが、オードリー・ヘプバーンの持つ「純粋さ」と、ホリーというキャラクターが持つ「複雑な内面」が映画版の『ティファニーで朝食を』に新しい世界観を生みだし、不朽の名作として今も人気を誇っているのです。
最後に、今回解説した映画『ティファニーで朝食を』の舞台を紹介します。
ジバンシィのカクテルドレスに、パールネックレスを身につけたオードリーがティファニーの前でコーヒー片手にクロワッサンを食べるオープニングシーン。
それは、ニューヨーク五番街にある「Tiffany & Co.(ティファニー)」で撮影されました。
しかし、2021年にニューヨーク5番街のティファニーは大改造をしたので、現在は映画と同じようなショーウィンドウはもう見ることができません。
ですが、2017年11月にカフェ「Blue Box Cafe」が同じビルの4階にオープンし、”ティファニーで朝食を”を実際に体験することができます。
2つ目に紹介するのは、物語にもよく登場する主人公ホリーのアパート「Holly Golightly Apartment(ホリーゴライトリーアパートメント)」です。
そこからティファニーへは、車で5分、歩いて20分ほどの距離です。
ちなみに、そのアパートはCostalea Holdings Limitedに597万ドル(約4億8000万円)で購入されたそう。
ホリーが14歳の時に結婚した夫に別れを告げるシーンの舞台となった「パークアベニュー(Park Avenue)」。
マンハッタン区を南北に縦断する幅員43mの大通りで、沢山の車やバス、タクシーが行きかい、とてもにぎやかで忙しい場所です。
バスに乗った夫ゴライトリーを、なんとも辛そうな表情で見るホリーが印象的でした。
以上、映画『ティファニーで朝食を』の解説でした。
今回の記事を読んで、もう一度オードリー・ヘプバーンの魅力を体験したいという方、小説は見たことあるけど、映画版も見てみたいと思った方は、ぜひ視聴してみてくださいね。
2021年7月現在、『ティファニーで朝食を』を視聴できる動画配信サービスは以下の通り。
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筋トレ、ダンス、散歩、猫が好き。よく言語を映画やドラマから勉強していて、最近はフランス語にハマっています。皆さんの疑問がスッと解決する記事づくりを心がけています!