『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト『小説家になろう』に投稿された作品を原作とした作品。
架空の中華風帝国にある後宮を舞台に、薬師の主人公・猫猫(マオマオ)が薬学の知識を用いて事件を解決していく、ミステリー要素のあるラブコメファンタジー。
書籍化、漫画化、そして2023年10月からはアニメも始まる人気作品ですが…この作品、何故か漫画が2種類あるんですよね。
この記事では、そんな同タイトルの漫画2つの違いを解説していきます。
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漫画『薬屋のひとりごと』2種類の違いは何?

出版社と作画担当が違う、ほぼそれだけ。
出版社が『小学館』か『スクエニ』か
『薬屋のひとりごと(漫画)』は小学館(サンデーGX)とスクエア・エニックス(ビッグガンガン)から、ほぼ同じ内容の漫画が、ほぼ同時期に出版されています。
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初版発行年月
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スクエア・エニックス版
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2017年9月
(雑誌:2017年6月号)
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小学館版
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2018年2月
(雑誌:2017年9月号)
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ちなみに、『次にくるマンガ大賞2019』受賞し話題となったのは『スクエア・エニックス(ビックガンガン)』の方の漫画です。
ピックアップの違いだけで内容に大きな差はない
内容の大きな流れに違いはないのですが、それぞれ原作の拾った部分と捨てた部分があり、構成も異なるので、見え方が若干異なってきます。
ざっくり分けると『スクエニ版(ビッグガンガン)』がミステリー要素を薄めたラブコメ主軸の万人受けしそうな作品、『小学館版(サンデーGX)』がミステリー要素主軸(原作イメージに近い)な作品、といった若干の違いがあります。
それぞれの特徴については次の項目で詳しく解説します。
ビッグガンガンの『薬屋のひとりごと』の特徴・オススメ

原作
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日向夏
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作画
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ねこクラゲ
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構成
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七緒一綺
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出版社
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スクエア・エニックス
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掲載誌
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月刊ビッグガンガン
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キレイ系でビジュアル美重視の人向け
少女漫画のようなキラキラとした美麗イラスト。
ストーリーはミステリーとして大事な部分が端折られ、そこまで謎解きに重きをおいていないだろうストーリー構成の仕方になっており、ミステリー要素は薄れ、ラブコメ要素が強めになっています。
原作そのままの雰囲気を楽しみたいという人には向きませんが、『絵を見て中華ファンタジーを楽しむ』という人にはこちらの方がオススメです。
『次にくるマンガ大賞2019』受賞作品

話題になっている方といえば、おそらくこちらの漫画版『薬屋のひとりごと』でしょう。
原作未履修で、話題作を読みたいという人は、こちらの作品がオススメです。
アニメの方も、デザインの大本は小説デザイン遵守ですが、キラキラ感はこの漫画の雰囲気を採用している感じがしますね。
サンデーGXの『薬屋のひとりごと』の特徴・オススメ

原作
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日向夏
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作画
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倉田三ノ路
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出版社
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小学館
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掲載誌
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月刊サンデーGX
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原作そのままの雰囲気を楽しみたい人向け
絵はスクエニ版と比べると結構シンプルです。
こちらはストーリーで魅せていくスタイルで、原作から改変されてはいるものの、しっかりと原作を読んだ上で、必要な改変をしていると感じられる良い再構成です。
ストーリーが原作のイメージに近いので、原作履修の方にも違和感なく読めるのはこちらではないでしょうか。
私は中国史に詳しくはないのですが、こちらの方が『スクエニ版』より「時代考証してるんだろうなぁ」という雰囲気があるのも好感が持てますね。
若干サンデーGXの方が出版ペースは早い
小説・漫画とそれぞれ構成が異なるので正確ではないですが、おおよその進みはこんな感じです。
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単行本
(2023年8月時点最新巻)
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ストーリー
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スクエニ(ビッグガンガン)版
『薬屋のひとりごと』
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11巻
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Web版宮廷編2-5話あたり
(小説3巻あたり)
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小学館(サンデーGX)版
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』
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16巻
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Web版宮廷編2-31話あたり
(小説4巻あたり)
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初版発行はサンデーGX版の方が数ヶ月遅れでしたが、既に巻数がスクエニ版を追い越していますね。
スクエニ版は作画担当とは別に構成担当がついているので、その分サンデーGX版よりも進みは遅いのでしょうか。
売上部数で見るならビッグガンガン版が人気?
現在確認できるそれぞれの売上部数はご覧の通り。
※公式からの情報が確認できなかったため正確ではない可能性あり
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各漫画累計
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2023年2月時点
全シリーズ累計部数2100万部
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スクエニ(ビッグガンガン)版
『薬屋のひとりごと』
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2021年11月:700万部
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小学館(サンデーGX)版
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』
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2023年6月:850万部
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現在の売上部数は「シリーズ累計部数」しか公式発表されていないので、それぞれの漫画が現在どれくらい売れているのかまでは調べるが出来ませんでした。
単純に考えて、この売上ペースであればスクエニ版が小学館版を超えている可能性が高そうですね。
なんで同じの2つ出してるの?→原作者「わかんない…」
作者の何らかの意図かなと思えば、まさかの原作者も困惑。
となれば、2つの出版社に許可を出したのは、小説の出版社『主婦の友社』の方なのか…?
スクエニの3ヶ月後に小学館、オファーはほぼ同時期
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初版発行年月
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スクエニ(ビッグガンガン)版
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2017年9月
(雑誌掲載:2017年6月号)
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小学館(サンデーGX)版
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2018年2月
(雑誌掲載:2017年9月号)
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雑誌の掲載時期を見れば、小学館版が3ヶ月ほど後に出ています。
たった3ヶ月のラグですから、コミカライズのオファーはほぼ同時期に行われていたと見ていいでしょう。(そしてどういう意図か両方ともOK出したと…)
ヒーロー文庫さん何考えてるの?
原作者が何も知らないとなると…株式会社ヒナプロジェクト(小説家になろう)が介入するとは思えませんし、許可を出したのは小説の出版社でしょうか?
●読者層が違う雑誌での掲載で新規獲得狙った?
これは素人目の憶測になりますが、
・内容も一緒
・絵柄も小説遵守でほぼ同じ
…と、漫画の中身に違いがほぼなく、そこからメリットを汲み取れないとなると、2つの雑誌の読者層の違いに着目するしかなさそうです。
『ビッグガンガン(スクエニ)』は青年向け雑誌で、『薬屋のひとりごと』は後宮ラブコメ(女性向け傾向)が主軸に見える構成。
対して『サンデーGX(小学館)』も青年誌ですがまぁどちらかといえば少年(心)向けで、『薬屋のひとりごと』も恋愛よりも後宮ミステリーが主軸に見える構成。
そうした読者層の違いと、若干の構成の変化で、幅広い読者の獲得を狙ったのではないかなー…と、思うのです。真実は闇。
アニメ化した『薬屋のひとりごと』のデザインはどっち?
漫画の読者としてはアニメのデザインは気になるところですが、そもそも小説版のキャラクターデザインが元となってますからね。どっちとかありません。
キャラクター原案しのとうこさん描く小説のデザインが元になる

アニメ版のデザインも、漫画版デザインも、キャラクター原案担当のしのとうこさんが描いたデザインが採用されているので、どちらの漫画を読んだ読者にも、違和感のないデザインに仕上がってますね。
キラキラした感じはスクエニ版を思わせますが、どちらの読者も違和感なく見れるビジュアルではないでしょうか。
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まとめ
「薬屋のひとりごとって漫画2種類あるんですよ。」
って聞いた時、まさか普通に両方とも本編とは思わないですよ。どっちかスピンオフか番外編だと思うじゃないですか。
案の定、レビュー見てたら「続き買ったらなんか内容違っておかしいなって思った。」という人が一定数いて…そらそうよ。みんな、気をつけようね!