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『オリエント急行殺人事件』ネタバレ|映画と原作の違いは?あらすじを解説

やぐち

更新日:2023-3-24

<プロモーション>

2017年に公開された映画『オリエント急行殺人事件』のあらすじをネタバレ解説。

映画と原作の違い、登場人物の真相・接点をまとめました。

 

▼ ざっくりした記事の内容

・原作と映画の違い

・ネタバレあらすじ

・登場人物の真相と接点

・事件の疑問 / 解決のヒント

・最後の晩餐シーンを考察

・犯人は何人?実話?等 よくある疑問まとめ

 

ネタバレあらすじは「15行程度にまとめた簡単あらすじ」と「要点をギュッと詰め込んだあらすじ」の2パターンを用意。

 

また「登場人物の真相」や「実行犯」は表で一覧に!キーポイントである事件の概要とあわせて紹介しています。

 

加えて「事件の整理すべき点」「虚偽の証拠」「ヒント」を各見出しで詳しく解説。エンディングを知っていても、見返したくなる情報が満載です!

 

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『オリエント急行殺人事件』作品概要|原作・映画・ドラマ

2017年に公開された映画『オリエント急行殺人事件』は、イギリスの推理作家アガサ・クリスティの小説を映像化した作品です。


映画『オリエント急行殺人事件』概要

原作

『オリエント急行の殺人』

著:アガサ・クリスティ

公開年

2017年

上映時間

1時間54分

キャスト

● エルキュール・ポアロ役:ケネス・ブラナー

● エドワード・ラチェット役:ジョニー・デップ

● ゲアハルト・ハードマン役:ウィレム・デフォー

など

評価

★★★☆☆ 3.4(Yahoo!映画 参照)

見放題配信

「Disney+」

 


『オリエント急行殺人事件』作品一覧

公開年

ジャンル

作品タイトル

原作と異なる点

1934年

原作小説

オリエント急行の殺人

__

1974年

映画

オリエント急行殺人事件

● 登場人物の名前

● 殺人事件発生前に解決した事件

2001年

スペシャルドラマ

(アメリカ)

オリエント急行殺人事件

〜死の片道切符〜

● 舞台 / 登場人物の設定等を現代にアレンジ

2010年

シリーズドラマ

名探偵ポワロシリーズ

「オリエント急行の殺人」

第12シリーズ第3話

● 登場人物

探偵ハードマンが登場しない

● 原作より暗い内容

● ポアロの苦悩に焦点をあてた展開

2015年

スペシャルドラマ

(日本)

オリエント急行殺人事件

● 舞台 / 登場人物を日本版にアレンジ

昭和初期の日本「特急東洋」に置き換えた翻案作品

2017年

映画

オリエント急行殺人事件

● 殺人事件発生前に解決した事件

● 登場人物

医師コンスタンティンが登場しない

● 登場人物の職業

映画やドラマでは、ストーリーの大筋や展開は原作のまま、登場人物・設定がアレンジされる事が多いです。

結末を知っていても楽しめるミステリーなので、ぜひ見比べてみてくださいね。

 

 

『オリエント急行殺人事件』ネタバレ|映画と原作の違いは「登場人物」

オリエント急行殺人事件_原作_引用画像

 

2017年に公開された映画『オリエント急行殺人事件』と原作を比較しました。

主に「登場人物」「登場人物の設定・職業」がアレンジされています。

 

原作と異なる点

● オリエント急行に乗車する前の事件が異なる

(原作「シリア:現地フランス陸軍の事件」映画「エルサレム:窃盗事件」)

「コンスタンティン医師」が登場しない

(原作ではラチェットの検死 / ポアロと共に捜査を進めた人物)

●「大佐」だったアーバスノットが映画では「医師」

●「私立探偵サイラス・ハードマン」が登場しない

映画では「ゲアハルト・ハードマン」という名前で「教授」として登場する

●「外交官」だったアンドレニ伯爵が映画では「ダンサー」

ラチェットの秘書マックイーンは酒浸りではなく、金も使い込まない

● 真相を突き止める場所が異なる

(原作「オリエント急行内の食堂」映画「トンネル」)

真相を突き止めた後の行動が異なる

(原作「医師コンスタンティンと口裏を合わせて隠ぺい」映画「ポアロ1人で葛藤し隠ぺい」)

● ポアロのアクションシーンは映画のみ

映画では、ポアロと捜査を進めていくコンスタンティン医師が未登場。

代わりに、原作ではイギリス軍の大佐であったアーバスノットが「医師」にアレンジされています。

 

また、外交官であったアンドレニ伯爵が映画では「ダンサー」に!

演じたセルゲイ・ポルーニンがバレエダンサーだったため、職業が変更されました。

 

 

『オリエント急行殺人事件』あらすじ|結末・犯人をネタバレ

2017年公開映画『オリエント急行殺人事件』のあらすじを、簡単にネタバレ

真犯人の情報を含むので、未視聴の方は注意してくださいね。

 

 

① 名探偵ポアロはイギリスでおきた事件の捜査のため、オリエント急行に乗車。

② 季節外れであったが車内は満員。一等車にはポアロ以外に、13人が乗車した。

③ ポアロは、車内でラチェットという男に護衛を依頼される。何者かに脅迫されていると言うが、ラチェットが根っからの悪人だと見抜き依頼を断る。

④ その晩、雪崩によってオリエント急行は脱線。ラチェットの遺体が発見される。

⑤ 死亡推定時刻は深夜0〜2時頃。遺体には、一貫性のない刺し傷が12箇所あった。

⑥ ポアロが捜査を進めると、ラチェットは「アームストロング事件(幼い娘が誘拐・殺害された事件)」の犯人だと判明

⑦ ラチェット殺害犯は、この事件に関係する者だと確信したポアロ。追及すると、車掌をあわせた13人全員が由縁ある人物であった。

⑧ ポアロは、12人全員がラチェットを殺害したと推理。1人1人が刺したため、一貫性のない12箇所の刺し傷が残されたのだ。

⑨ 真相は解明されたものの、葛藤の末「私には裁けない」という決断を下したポアロ。

「ラチェット殺害事件」は、彼に恨みをもったギャングの仕業と処理されるのであった。

 

「13人全員が犯人なのに刺し傷はなぜ12箇所?」等の疑問は、見出し『疑問を解消』で詳しく解説。

また「アームストロング事件」と乗客の接点や真相は、見出し『登場人物|真相・接点をネタバレ』にまとめています。

 

 

オリエント急行の乗客たち

 

名探偵と謳われる私立探偵エルキュール・ポアロは、物の見事にエルサレムで発生した窃盗事件を解決。

 

休暇を楽しもうとした矢先、イギリスでおきた事件の捜査を依頼されてしまう。

ポアロは、友人の計らいで無事オリエント急行に乗車。観光に適さない真冬にしては珍しく、満員であった。

 

オリエント急行は「様々な身分・国籍・職業の人物」が利用しており、一等車にはポアロの他に車掌と13人が乗車していた。

 

オリエント急行の車掌:ピエール・ミシェル


ギャングであり富豪 :エドワード・ラチェット

ラチェットの秘書  :ヘクター・マックイーン

ラチェットの執事  :エドワード・ヘンリー・マスターマン

宣教師       :ピラール・エストラバドス

教授        :ゲアハルト・ハードマン

侯爵夫人      :ドラゴミロフ公爵夫人

医師        :アーバスノット

未亡人       :キャロライン・ハバード夫人

家庭教師      :メアリ・デブナム

ドラゴミロフのメイド:ヒルデガルデ・シュミット

侯爵夫人      :エレナ・アンドレニ伯爵夫人

ダンサー      :ルドルフ・アンドレニ伯爵

自動車の営業マン  :ビニアミノ・マルケス

 

動く密室で起きた殺人事件

目的地へと向かう車内で、ポアロはエドワード・ラチェットという富豪の男に声をかけられる。

彼は「何者かに脅迫を受けているため、身辺警護をしてほしい。」と依頼。大金を払うというが、根っからの悪人であると見抜いたポアロはあっさりと断ってしまう。

 

その晩。

ラチェットの部屋から物音が聞こえたため、周囲を確認するポアロ。

 

問題ないようであったが、2度目の物音と共に”赤いガウンを着た女性”が部屋から出ていくのを目撃する。

 

程なくして、雪崩によってオリエント急行は脱線。高架線の上で立ち往生してしまうのであった。

 

翌朝、ラチェットが遺体で発見される。

様々な深さの刺し傷が12箇所ほどあり、検死によると死亡時刻は深夜0〜2時頃であった。

 

オリエント急行の重役であり友人であるブークの頼みにより、ポアロは捜査を開始。

 

捜査を進めていくとラチェットの部屋から「”H”と書かれたハンカチ」「睡眠薬」「燃えそこなった紙切れ」「パイプクリーナー」など、様々な手がかりを発見する。

 

あまりに多い証拠品を精査するのは、名探偵ポアロであっても至難の業であった。

 

謎を解く鍵「アームストロング事件」

数多くの証拠品の中から「燃えそこなった紙切れ」を炙ると、新たなヒントが浮かび上がる。

 

紙切れには「アームストロング事件」について書かれており、そしてラチェットの正体が”カセッティ”という人物であることが判明したのだ。

 

2年前におきた「アームストロング事件」は、アームストロング夫妻の娘が誘拐・殺害された出来事である。

事件のショックから夫婦は死亡し、担当検事やメイド…関わった者たちは次々と自死。犯人は未だ逮捕されていない。

 

そして、この酷い事件の犯人こそが”カセッティ”もといラチェットであった。

 

「アームストロング事件」と「ラチェット殺害」には関連があると考えたポアロ。

 

しかし、一等車は万全のセキュリティーで他の車両からの犯行は困難。その上、車掌と乗客全員には見事なアリバイがあったのだ。

 

覆されるアリバイと乗客たちの真実

乗客全員に完璧なアリバイがあるものの、ハバード夫人は「事件当時、部屋に男が侵入してきた」と証言する。

 

夫人の言葉を念頭に置きつつ、聞き込みを続けるポアロ。

「初対面にしては親しいアーバスノット医師と家庭教師」や「横領を繰り返すラチェットの秘書マックイーン」等、彼らの真の姿がやっと見えてきたのだ。

 

そして、秘書マックイーンの父親が「アームストロング事件」の担当検事だった事実に行きつく。

 

そんな時、ハバード夫人が何者かに肩を刺される事件が発生。

早く犯人を捕まえて!と苛立つ夫人をよそに、ポアロはアームストロング家に関わりの深い人物が乗車している事に気が付く。

 

1人1人追及していくと「誘拐された娘の名付け親」「アームストロングの妻ソニアの妹」と、アームストロング家との関係が次々に明らかとなった。

 

翌朝。

 

オリエント急行の復旧作業が続く中で、家庭教師であるメアリはアームストロング家も受け持っていたのでは?と見抜くポアロ。

 

すると、アーバスノット医師が現れ銃を発砲。ポアロは右腕を負傷してしまう。

 

医師はメアリに逃げろと指示し、全て自分がしたことだと自供。

「アームストロングは戦友であり、恩人だった。同じくラチェットを憎むメアリと共謀した。」と語るのであった。

 

真犯人と名探偵ポアロの決断

 

時同じくして、オリエント急行の復旧作業も完了。

 

しかし、ポアロは一等車の乗客をトンネル内に集め、ラチェット殺害の真相を語り始めるのであった。

 

車掌を含む乗客全員が「アームストロング事件」の関係者であり、全員がラチェットの殺害に関与したこと。

ハバード夫人はソニアの母であり、デイジーの祖母であることを推理したポアロ。

 

すると、ハバード夫人は言い訳することなく犯行を認めたのだ。

「アームストロング事件」で人生を狂わされた人間を集め、1人1人がラチェットを刺殺。

ラチェットの遺体にあった深さがバラバラな12の刺し傷は、皆によるものであった。

 

“赤いガウンを着た女”や”夫人が刺された事件”も、捜査撹乱目的の自作自演。

「罪は自分が償う。」と懇願するハバード夫人に、ポアロは「私には裁けない。」と一丁の拳銃を手渡す。

 

一度はポアロに銃口を向けたが、夫人は自分自身に発砲。カチッと音はなったものの、弾が入っていない空砲であった。

 

泣き崩れるハバード夫人を背に、ポアロは次の目的地へと向う。

 

ラチェット殺害事件は彼に恨みをもったギャングの仕業と処理され、オリエント急行は何事もなかったかのように動きだすのであった。

 

『オリエント急行殺人事件』登場人物|真相・接点をネタバレ

物語のキーポイントである「アームストロング事件」に関わっていた、13人の乗客たち。

どのような関係だったのか、事件の概要とあわせて真相・接点を解説します。

 

「アームストロング事件」概要とその後

【事件内容】

アームストロング夫妻の娘が誘拐され、身代金を支払ったが殺害された事件。

犯人は「カセッティ(オリエント急行内で殺害されたラチェットの本名)」


【その後】

● アームストロングの妻ソニア:妊娠中だったが母子ともにショック死

● アームストロング     :妻を追うように拳銃自殺

● アームストロング家のメイド:冤罪をかけられ自殺

● 事件を担当した検事    :メイドを死に追いやった責任から自殺

 

 

オリエント急行乗車時

名前

真相・接点

未亡人キャロライン・ハバード夫人ソニアの母 / デイジーの祖母
侯爵夫人エレナ・アンドレニ伯爵夫人ソニアの妹
ダンサールドルフ・アンドレニ伯爵(ソニアの妹)エレナの夫
侯爵夫人ドラゴミロフ公爵夫人ソニアの名付け親 / ソニアの母と友人
医師アーバスノットアームストロングの戦友
ラチェットの執事エドワード・ヘンリー・マスターマンアームストロング家の執事
宣教師ピラール・エストラバドスアームストロング家の乳母
家庭教師メアリ・デブナムアームストロング家の家庭教師

ドラゴミロフ公爵夫人の

メイド

ヒルデガルデ・シュミットアームストロング家の専属料理人
自動車の営業マンビニアミノ・マルケスアームストロング家の専属運転手
教授ゲアハルト・ハードマンアームストロング家に仕えたメイドの恋人
オリエント急行の車掌ピエール・ミシェルアームストロング家に仕えたメイドの兄
ラチェットの秘書ヘクター・マックイーンアームストロング事件を担当した検事の息子

 

一等車の乗客は全員「アームストロング事件」の関係者であり、深い悲しみを背負った人々でした。

亡き夫婦の家族・友人、一家の使用人やその家族、そして裁判を担当した検事の息子までがラチェット殺害のために乗車。

結果、全員が復讐殺人を成し遂げました。

 

 

『オリエント急行殺人事件』重要な点|物語のポイントを整理

オリエント急行殺人事件_ネタバレ_物語のポイント整理

 

乗客全員が犯人だった「ラチェット殺害」を暴くポイントをまとめました。

固定概念をほぐすと”疑いようもない事実”と判断していた点が、ヒントへと変化していきますよ!

 

▶「ラチェット殺害」で整理すべき点

● 観光に適さない真冬にも関わらず、満員の急行列車

● 職業 / 階級 / 国籍 / 年齢がバラバラの12人の乗客(+車掌)

● 深さや傷の大きさ、利き手がバラバラの12箇所の刺し傷

● 捜査撹乱目的の証拠品や完璧なアリバイ

「アームストロング事件」との関連を紐解く手がかりに

 

犯人を想定し辛くした「満員の車内」「持ち主がバラバラの証拠品」「一貫性のない刺し傷」という要因は、全員の関与を匂わせる描写でもありました。

 

加えて、ポアロを悩ませた「13人の見事なアリバイ」は「乗客の職業 / 階級 / 国籍 / 年齢がバラバラ」と言う設定が鍵。

 

接点のない人々が協力し合っているとは考え難く、車掌が証言したことで更に信憑性が増すミスリードでした。

 

また、刺し傷が12箇所に対して乗客が12人という点が事件を複雑に…。

実行犯は車掌を含めた12人。

ソニアの妹エレナ・アンドレニ伯爵夫人は手を下していないので「一貫性のない12の刺し傷」にこだわり過ぎると、真相を見落とすことになります。

 

ラチェットの秘書や執事に、明確な殺害動機があった点も混乱ポイントでしたね。

 

 

● 事件の疑問点とポアロの推理まとめ

ポアロが疑問に思っていた数々の点は、真犯人たちによる偽装工作でした。

ですが、この疑問を一つ一つ解いていく事で「アームストロング事件」との関連や真犯人に辿り着く大きなヒントとなります。

 

▶ 事件の疑問点は「捜査撹乱目的の証拠・証言」であった

● 赤いガウンを着た女   (乗客の自演)

● 一貫性のない12箇所の刺し傷(特定の犯人を回避)

● 睡眠薬         (エレナ侯爵夫人の私物:完璧なアリバイ)

● “H”と書かれたハンカチ(高齢な侯爵夫人の私物:犯人の可能性は低い)

● パイプクリーナー    (アーバスノット医師の私物:完璧なアリバイ)

● ハバード夫人の部屋に侵入した男(ハバード夫人の虚偽証言)

● ハバード夫人を刺した人物(ハバード夫人の自作自演)

 

証拠品は乗客たちの私物ですが、彼らを「犯人」と断定させない完璧なアリバイがポイントです。

 

例えば「パイプクリーナー」はアーバスノット医師の物ですが、事件があった時刻はラチェットの秘書と酒を酌み交わしています。

 

また、犯人に繋がる強力な手がかりに思えた「”H”と書かれたハンカチ」

ロシア語でのH表記が英語のNに相当するため「ナタリア・ドラゴミノフ公爵夫人」の私物であると、判明。

しかし、高齢の彼女が12箇所も刺して殺害できるとは思えませんよね…。

 

このようにミスリードさせ、時間を稼ぐための偽装が満載。

ポアロが疑問に思わなければ見事でしたが、結果的に全員を結びつける証拠になってしまいました。

 

● 注目したい!ラチェット殺害事件、解決のヒント

オリエント急行殺人事件_ネタバレ_重要な点

 

ラチェット殺害後に注目しがちですが、物語序盤から緻密な計画がスタートしています!

視聴の際は、乗車時の雰囲気やラチェットへの接し方に着目してみてください。

 

▶ 全員が犯人であるヒント

● 観光に適さない真冬にも関わらず、満員の急行列車

● 深さや傷の大きさ、利き手がバラバラの12箇所の刺し傷

 

物語序盤の「観光に適さない真冬にも関わらず、満員」という情報は「全員が犯人」という結末を示唆していました。

 

季節外れの満員は、完璧な計画のため。車内を関係者で埋めてしまえば、ラチェット殺害を邪魔する者はいません。

加えて、一等車は特別なセキュリティーで守られています。

 

外部からの侵入が困難なうえに、車内は「アームストロング事件」の関係者のみ。

絶対にラチェットを生かしておかないと言う、13人の強い憎しみを感じます。

 

“動く密室”や”見事なアリバイ”を結託して作り上げた背景を想像すると、ポアロが「私には裁けない」と葛藤した理由も納得です。

 

『オリエント急行殺人事件』結末を考察|「最後の晩餐」シーンは何を意味する?

 

ポアロが容疑者たちを横並びにさせ、真相を語りだすシーンを考察。

レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「最後の晩餐」をオマージュした場面は、絵画同様「導く者と導かれる者たち」であると感じました。

そして”正しき者の守護者ポアロ”も1人の鑑賞者にすぎなかったため、裁けなかったのだと思います。

 

オリエント急行殺人事件_最後の晩餐

「最後の晩餐」とは?

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品の1つ

イエス・キリストが処刑される前日、12人の弟子と食事をとっている場面が描かれている。

また「12使徒の中の一人が私を裏切る」とキリストが予言した際の情景。

「最後の晩餐」と『オリエント急行殺人事件』の類似点

● 中央の人物(絵画:キリスト 映画:ハバード夫人)が”裁かれる者”である

● 中央の人物に賛同したものが両端に並んでいる

● 弟子が12 / 実行犯が12人

● 中央の人物が最後まで集った者を愛す

 

中央に座っているのがイエス・キリスト、映画ではハバード夫人。そして、どちらも中央の人物の考えに賛同した者が両端に並んでいます。

 

「最後の晩餐」は処刑前日のキリストを描いているので、同じ位置に座るハバード夫人も”裁きを受ける者”として座っているのでしょう。

 

また「最後の晩餐」はヨハネによる福音書第13章を題材とした作品。

そこには「キリストが弟子の足を洗った」と記されており「(裏切りを知っても)最後まで愛し面倒をみる」と言った意味があるようです。

 

この背景は映画にも通じる面があり、自供してしまった人々の「裏切ってしまった」と言う気持ちをハバード夫人が汲み取ったのかなと。

 

その上で皆を庇って自首を決意したことは「(裏切りを知っても)最後まで愛し面倒をみる」という、キリストの考えを模しているのではと考えました。

 

 

『オリエント急行殺人事件』疑問を解消|犯人の数は?実話って本当?

『オリエント急行殺人事件』のよくある疑問を解消!詳しくは、各見出しで解説しています。

 

● 犯人の数は?

A.「乗客全員の13人(内、実行犯が12人)」

● オリエント急行は実在する?

A.実在する!1883年に運行された長距離夜行列車。

現在は「ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス」として3月~12月の限定日に観光列車として運行

● オリエント急行の価格は?

A.現在はロンドン – ベネチア間1泊2日で34万1400円~

●『オリエント急行殺人事件』は実話?

A.実話が題材なのは「アームストロング事件」

● 原作と映画で結末が違うって本当?

A.本当!原作と映画は「結末までの過程」が異なる

 

オリエント急行自体は、実在する列車です。

実際に作者アガサ・クリスティも乗車しており、その時に起きたトラブルが『オリエント急行殺人事件』のベースになっていると言われています。

 

 

 ● 犯人は「乗客全員の13人(内、実行犯が12人)」

オリエント急行殺人事件_ネタバレ_犯人

 

ラチェット殺害の容疑者は、車掌と乗客全員をあわせた13人。実行犯は、ソニアの妹エレナ・アンドレニ伯爵夫人を除いた12人です。

 

オリエント急行 一等車乗客の一覧

実行犯

名前

アームストロング家

関係者

1

キャロライン・ハバード夫人被害者家族ソニアの母 / 被害者デイジーの祖母
 エレナ・アンドレニ伯爵夫人ソニアの妹

2

ルドルフ・アンドレニ伯爵(ソニアの妹)エレナの夫

3

ドラゴミロフ公爵夫人ソニアの名付け親 / ソニアの母と友人

4

アーバスノットアームストロングの戦友

5

エドワード・ヘンリー・マスターマンアームストロング家の執事

6

ピラール・エストラバドスアームストロング家の乳母

7

メアリ・デブナムアームストロング家の家庭教師

8

ヒルデガルデ・シュミットアームストロング家の専属料理人

9

ビニアミノ・マルケスアームストロング家の専属運転手

10

ゲアハルト・ハードマンアームストロング家に仕えたメイドの恋人

11

ピエール・ミシェルアームストロング家に仕えたメイドの兄

12

ヘクター・マックイーンアームストロング事件を担当した検事の息子

※ 1〜12の数字は刺した順番ではありません。

 

エレナは精神的に参っていたことや「これ以上事件に関わらせたくない」という夫アンドレニ伯爵の思いから、殺傷に加わっていません。

 

その代わりに、夫アンドレニ伯爵がラチェットを刺しました。

 

エレナは直接手を下していないので実行犯には含まれていませんが、証拠・アリバイの偽装等から容疑者なのは間違いありません。

 

 ● 実話が題材なのは「アームストロング事件」

『オリエント急行殺人事件』自体は実話ではなく、作者アガサ・クリスティの実体験が構想のヒントになったようです。

 

しかし、作中に登場する「アームストロング事件」は実際におきた「リンドバーグ愛児誘拐事件」を題材にしています。

 

「アームストロング事件」

「リンドバーグ愛児誘拐事件」

被害者:娘(3歳)被害者:息子(1歳8か月)

被害者家族:裕福

夫はパイロット / 妻は女優

被害者家族:裕福

夫は飛行家 / 妻は大使の娘であり飛行家・文筆家

多額の身代金を支払うも遺体で発見10週間の捜索・身代金交渉の末に遺体で発見
被害者家族のその後:自決被害者家族のその後:天寿を全う
犯人:被害者の関係者たちが殺害犯人:死刑(冤罪の可能性あり)

 

少々脚色されてはいますが、どちらも幼い子どもが犠牲となった痛ましい事件。

また「リンドバーグ愛児誘拐事件」は冤罪説なども囁かれており、未だ多くの謎が残されています。

 

 ● 原作と映画は「結末までの過程」が違う

2017年公開の映画『オリエント急行殺人事件』には、ポアロと捜査を進めていく「コンスタンティン医師」が未登場。

 

そのため「コンスタンティンと口裏をあわせたうえで真相を隠ぺい」した展開から「ポアロが葛藤の末に真相を隠ぺい」した流れに変わっています。

 

原作での「コンスタンティン医師」

● ラチェットの検死を担当

● ポアロと共に捜査を進める

● ポアロと口裏をあわせて真犯人を隠ぺい

医師は、ポアロと知恵を出し合う唯一の存在。

登場させないことで「正しき者の守護者」であるポアロの葛藤を、より強調したエンディングになっています。

 

『オリエント急行殺人事件』見るなら|配信情報まとめ

 

オリエント急行殺人事件_引用画像

 

2017年公開の映画『オリエント急行殺人事件』は「Disney+」でのみ、見放題。

また、続編である『ナイル殺人事件』も見れちゃいます!

 

ほか配信サービスでは、両作品ともレンタルや購入が可能です。

配信サービス名

配信状況

月額

Disney+

見放題

990円(税込)

Amazon

Prime Video

レンタル:300円(税込)

購入  :1,528円(税込)

600円(税込)

※ 初回30日間基本料無料

TELASA

レンタル:220円(税込)

618円(税込)~

※ 初回14日間基本料無料

YouTube

レンタル:300円(税込)~

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初回登録時に無料期間があるサービスを利用すれば、レンタル料金のみで視聴可能!

 

お得に見たい方に、最適ですよ。

 

また、作品を借りる際は「料金」「視聴期限」「レンタル期間」を確認しましょう。

各配信サービスによって異なるので、要チェックです。

 

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※本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況は各動画配信サービスサイトにてご確認ください。

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やぐち

チョコパンと大きい犬、映画が好き~!お気に入りは、土曜の朝にハッピーな映画を見ること。 皆さんのお役に立てるよう、分かりやすく温かい記事を目指して毎日頑張ります!

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