ガンダム新作映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」とは
ここからは「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のあらすじ(ネタバレなし)・登場人物を紹介していきます。
また、ガンダムシリーズをあまり詳しくない人に向けた簡単なガンダム作品の解説もあります。
ネタバレや解説が気になる方はこの見出しはスキップしてもらって大丈夫です!
映画のあらすじ(ネタバレなし)
◆あらすじ
第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。
U.C.0105——。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。
そんな連邦政府高官を暗殺するという苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府運動「マフティー」だ。リーダーの名は「マフティー・ナビーユ・エリン」。その正体は、一年戦争も戦った連邦軍大佐ブライト・ノアの息子「ハサウェイ」であった。
アムロ・レイとシャア・アズナブルの理念と理想、意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。
引用元:機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ
「機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ」とは、本作は30年前に富野監督に執筆された同名の小説が原作。
また「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」の続編となっており、原作の富野監督曰く「アムロとシャアから始まったガンダムの物語にピリオドを打つ作品」となっています。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
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監督 |
村瀬修功
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脚本 |
むとうやすゆき
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音楽 |
澤野弘之
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制作 |
サンライズ
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公開年 |
2021年
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主要な登場人物:ハサウェイ・ノア (CV:小野賢章)
ハサウェイ・ノアは本作の主人公。
父親はアムロ・レイとともに多くの戦場を共にしたブライト・ノアという伝説的な軍人である。
そんな、宇宙世紀のレジェンド達を見て育った彼であるが、本作の約10年前に起きたシャアの反乱(逆襲のシャア)を経験したことにより、反地球連邦政府運動を掲げるマフティーのリーダー、「マフティー・ナビーユ・エリン」を名乗ることになった。
偶然であるが少年時代にMS(モビルスーツ)を操り、敵機を撃墜したことや短い期間ではあるが軍属に身を置いたこともあり、身体性やMSの操縦技術が優れている。
ハウンゼン356便に搭乗し「ケネス・スレッグ」「ギギ・アンダルシア」と出会ったことが、彼の運命を大きく変えていく。
主要な登場人物:ケネス・スレッグ(CV:諏訪部順一)
マフティー殲滅部隊(キルケー部隊)の指揮官として新しく赴任した地球連邦軍大佐。
連邦軍MSパイロットとして第一線で活躍したという経歴を持っている。
ハウンゼン356便ハイジャック事件の際に出会った「ハサウェイ・ノア」「ギギ・アンダルシア」に興味を持っている。
また、彼らの前では気さく一面を見せるが、マフティー殲滅や不穏分子に関しては非情な一面を見せることも。
そのため、新任早々ながらも、マフティー襲撃に対応出来ている。
ハサウェイには自分が求めるパイロット像を、ギギには対マフティー勝利の女神を求めているが、彼の面白いところでもあるだろう。
主要な登場人物:ギギ・アンダルシア(CV:上田麗奈)
月から香港に向かうためにハウンゼン356便に乗り込んだ少女。
周りから羨望の眼差しが向けられるほど容姿に優れているが、その正体は謎に包まれている。
子どものように素直さと大人ような洞察力を兼ね備えており、彼女の発した言葉が多くの人物を突き動かしていく。
ハイジャック事件後も機内で出会った「ハサウェイ・ノア」や「ケネス・スレッグ」と行動をともにしている。
主要な登場人物:レーン・エイム(CV:斉藤壮馬)
地球連邦軍中尉で、キルケー部隊のフラッグシップ機である「ペーネロペー」のパイロット。
ガンダムの開発パイロットでありテストでは優秀な成績をおさめているが、実戦経験は少なく冷静な判断が下せないところがある。
また、ガンダムの性能や自分の腕前を過信しているところもある。
愛機であるペーネロペーを親しみを込めて「ペネロペー」と呼ぶ。
主要な登場人物:ガウマン・ノビル(CV:津田健次郎)
マフティーMS部隊のパイロットで、数々の戦場を渡り歩いてきたベテラン。
単独では自由に飛行できないメッサー(マフティー側の量産型MS)を巧みに操り、空中戦をやってのける。
音楽:[ALEXANDROS]、澤野弘之
ガンダムシリーズの楽曲は、OP・ED曲や主題歌、そしてBGMに至るまで人気な音楽が多いですよね?
とういうことで、本作はどうかというと本作も熱いBGMから心に響く音楽がバッチリありました。
まず主題歌に[ALEXANDROS]を起用!
[ALEXANDROS]といえば、2015年にリリースされた「ワタリドリ」を始めたとした魅力的な楽曲が多いバンド。
車のCMでも採用されているので、バンド名を聞いた事がない人でも、何処かで耳にしたことがあるかもしれません。
本作の為に描き下ろされた主題歌「閃光」はマフティーという仮面の下にあるハサウェイの心情が表現した曲となっています。
ちなみに劇中の登場人物の声をゲストとして、[ALEXANDROS]のメンバーが務めていますので、気になる方は探してみてください。
また、本作の音楽は「機動戦士ガンダムUC・機動戦士ガンダムNT」を担当している「澤野弘之」を起用しています。
澤野氏といえば、「Unicorn」や「On Your Mark」を代表曲に、壮大な宇宙世紀の世界観を表現したオーケストラ楽曲が人気です。
さらに「機動戦士ガンダム NT」では、アップテンポな「Vigilante」とバトルシーンと組み合わせるといった新たな試みも垣間見ました。
本作では、「TRACER」という楽曲が序盤のダンスフロアから海上のMS部隊に繋がるシーンで体験できます!
一度聴いたら、体が勝手にリズムを刻んでしまうかも(笑)。
▶TRACER
映画を見る前に知っておきたいガンダム作品
「閃光のハサウェイ」を視聴するにあたって、知っておきたいのがこの3作品です。
いずれの作品も、本作に登場する重要なワードや設定が登場してくるので、予習しておくとよいでしょう。
ちなみに、1・2作品目はテレビ版をカット+新規アニメを追加した総集編映画がありますので、時間がない方はそちらを視聴しておくと時短になります!
また特に「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」は本作の前作に当たりますので、ぜひとも見ておきましょう。
▶「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のダイジェスト
結末は○○エンド 小説「機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ」
いきなりのネタバレになるのですが、原作小説ではいわゆるバッドエンド(ドラッグすると読めます)として幕を閉じます。
しかし、映像化に当たってその運命を回避したり、また別のエンディングが展開したりすることも期待出来そうです!
というのも、本作をはじめ人気のガンダム作品を多く手がける小形プロデューサーによると映画第2作・3作にオリジナル要素を加える方向だそう。
これは小形プロデューサーと原作者でありガンダムの生みの親である「富野監督」が対談した際に「原作小説のままやったら持たない」という忠告を受けて決めた経緯があるそうです。
そのため、映画3作目は原作小説と一番変更点が多くなり期待できそうですね。
▶詳細はこちら
映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のネタバレ
お待たせしました。それでは、映画のストーリーを起承転結で解説していきます。
▲ネタバレをたぶんに含みます▲
【起】マフティーによるハイジャック
月と地球の往復便シャトル「ハウンゼン356便」は一部の特権階級の人間でしか搭乗を許されない特別便であった。
今回も地球連邦政府の閣僚やその家族・関係者を乗せて、地球に向けてフライトしている。
機内では要人に混じり、少し浮いた3人の男女の姿があった。
1人は、端麗な容姿から周りの男性を魅了し、子供のような直感と大人のような洞察力を兼ね備えた少女「ギギ・アンダルシア」。
その少女の隣の座席に座っているのは、地球連邦軍の大佐「ケネス・スレッグ」。
前任のキンバレー司令官に変わり、マフティー討伐の就いたばかりだった。
最後の1人は、通路を挟んだ隣の席で植物学の本を読む青年であった。
シャトルが地球の大気圏内に降下してしばらく、ケネスはエントランスで客室乗務員と談笑していた。
彼が窓の外に黒い影を目視し、機内が揺れるのを感じた直後、シャトル上部のハッチが開らいた。
そしてカボチャや骸骨、ピエロのマスクを被った男たちが小銃を構えてが機内に押し寄せてくる。
あっという間に機内を制圧したカボチャマスクのハイジャック犯は、❝マフティー・エリン❞を名乗り、機内の安全を保証する代わりに身代金を要求してくるのだった。
しかし、一部の要人は彼の言動に反発し、射殺されてしまう。
その光景を見たギギが「やっちゃいなよ、そんな偽物なんか」という言葉を放つと、遺体を片付けていた青年は、テロリストの銃を奪い、反撃に出る。
ケネスの機転の効いた行動もあり、青年とケネスは全てのハイジャック犯が取り押さえることに成功する。
安全となったシャトルは当初の目的地ホンコンではなく、フィリピンの都市ダバオに緊急着陸していく。
ケネスは空港内の自分の部下にハイジャック犯の尋問を指示していると、横目に機内から降りる先ほどの青年が映った。
彼は青年に名前を尋ねると、「ハサウェイ・ノア」と名乗るのだった。
空港では事件について刑事警察機構(解説は後述)から聴取を受ける乗客たち。彼はハサウェイとギギの調書を取るために、2人を空港近くのタサダイホテルに宿泊させる。
ギギの計らいで同室になったハサウェイ。
ハサウェイは、度重なる会話から「彼女が自分がマフティーであると気づいた」と確信するが、その対処に悩む。
しばらくして、彼女の突発的な行動にハサウェイは叱責する。拗ねたギギは自室に閉じこもってしまう。
【承】ハサウェイ救出とホテル爆撃
ハサウェイは観光という目的でホテルを抜け出し、植物園に向かう。
そこでマフティーの仲間と落ち合い、今後の本隊合流ルートについて相談する。
逃走プランとしては粛清と陽動を兼ねてホテルを空爆し、どさくさに紛れて逃走するというものだった。
その途中、マンハンターによる不法移民摘発の現場を目撃する。危険を感じたハサウェイはタクシーを拾いホテルに引き返す。
車内では、タクシードライバーからマフティーの活動の現実味のなさを嘲笑われる。
ホテルに戻ったハサウェイは他人と接触を避け、ひっそりと過ごす。
別室にいたギギは自分に構わないハサウェイに当てつけるかのように、ケネスを呼び出しディナーに向かう。
ギギとケネスがホテル最上階のダンスフロアで踊る中、一人残ったハサウェイは暗い部屋の天井を眺めながら、マフティーの理想と先ほどのタクシー内での会話を反芻するのだった。
場面は変わり洋上ではマフティーの実行部隊がミッションを展開していた。
先発したMS部隊がダバオ空港を空爆すると、閣僚が宿泊するホテルを狙撃し、ハサウェイに逃走の合図を送る。
轟音に起きたハサウェイはギギを叩き起こし、炎上するホテルから抜け出す。
ホテルから抜け出したハサウェイは、マフティーのメンバーと接触するものの、爆撃の恐怖に怯えるギギを捨てきれずにいた。
結局、合流を断念したハサウェイは市中をただ逃げ惑う。
一方で、ハサウェイを回収する予定だったガウマン(マフティーMS部隊のパイロット)は、迎撃部隊の予想外の展開の速さと新機体ペーネロペーに翻弄され、近くの公園に墜落。
機体は胸部をビームサーベルで貫かれて中破する。
目の前で光と熱線をまき散らしながら崩れ落ちる鋼の巨人に、呆気にとられるハサウェイとギギ。
連邦軍迎撃部隊はメッサー(マフティー製MS)とパイロットの確保に成功し、事態を鎮圧する。
その後、ケネスは現場検証のために公園を訪れる。
ケネスを見たギギはハサウェイの元から離れ、大佐の元に駆け寄ってしまう。
かつて、シャア・アズナブルの元に走り去った「クェス・パラヤ」のように。
しばらくして、1人佇むハサウェイはペーネロペーのパイロット「レーン・エイム」をケネスから紹介される。
ハサウェイは彼の立ち振る舞いにかつての青かった自分を重ね合わせるのだった。
【転】テロリズムの余波
翌朝、2人は軍施設でケネスと朝食をともにする。
ケネスは昨日のテロ対応を不十分に感じており、さらにマフティー包囲網を強化すると語る。
また、ケネスはギギの優れた洞察力や振る舞いに魅力を感じて、彼女を「キルケー(ギリシャ神話に登場する獰猛な獣をおとなしくさせる魔女)」と称する。
そして、行動を共にしてくれと頼み込む。
強引な大人の言い方を嫌ったギギは2人を残して、席を離れていく。
残った男たちは再びテロ事件の話を交わし、ケネスは必ずマフティーの首を刎ねると語るのだった。
しばらくして、ハサウェイとギギはそれぞれケネスから事情聴取を受ける。
一足先に聴取を取り終えたハサウェイは軍から解放される。
その後、本来予定していた植物研究先のメナドに向かわず、徒歩やカヌー、水上艇を乗り継ぎ極秘にロドイセア(マフティーの秘密基地)に向かう。
ケネスはギギの身辺を調査し、齢80を越える伯爵(ギギのためにハウンゼンのチケットを2枚も予約した大物)との関係や渡航先の香港に移住歴がないことを不審に思う。
結局、ケネスはギギの説明に納得するのだった。
そして、キルケー部隊勝利の女神と称して近くのコテージに引き留める。
その頃、マフティー本隊に合流したハサウェイは、幹部メンバーと現況報告を交わし、次の手を考える。
月からガンダムを搭載したカーゴを射出し、海洋で回収する予定が狂ってしまったからである。
その原因は付近の連邦軍の潜水艦がハサウェイが乗っていた水上艇を察知し、これの迎撃にMS部隊を出撃させてしまったことにある。
そのため、ロドイセアはもう隠れ家ではなくなってしまったのだ。
そこで、ハサウェイは地球に落ちてくるカーゴを大気圏外でキャッチ、そのままガンダムに乗り込む作戦に変更する。
ロドイセアでは、脱出組とガンダム受領組に分かれて準備をすることに。
ガンダム受領は一度きりの危険な作戦なため、ハサウェイの他に予備パイロットのエメラルダが参加することになった。
一方その頃、ケネスは、捕虜のガウマンを尋問。
マフティーの正体を探るがガウマンからは核心的な答えは返ってこなかった。
その後、潜水艦沈没の一報を受けたケネスは、MS部隊を出動させる。
隊長機であるペーネロペーのコクピットには尋問の末気絶したガウマンが拘束されて押し込まれていた。
【結】ガンダム空中受領、交戦
大気圏離脱用のブースターを取り付けたギャルセゾン(マフティー側のSFS、シャトル)にハサウェイが乗り込むと、機体は轟音と爆煙を残しながら宇宙へ打ち上げられていく。
夜空に残ったロケットの軌跡を察知したレーンは、現場に急行する。
大気圏を離脱したギャルセゾンからはハサウェイとエメラルダが搭乗したメッサーが出撃する。
エメラルダはカーゴとの相対速度を合わせて取りつこうと手を伸ばすも、カーゴとの位置がズレてしまう。
焦ってパニック陥ったエメラルダをハサウェイは「オートではなくマニュアルで操作しろ」と宥める。
少々手荒くもカーゴに取り付いたメッサーから、ハサウェイがカーゴに移乗する。
新ガンダム(Ξガンダム)専用のパイロットスーツに着替えたハサウェイはガンダムに搭乗し、アイドリングを開始する。
一方、ロケットの軌跡を追っていたレーンは、落下する飛翔体をレーダーに捕捉し迎撃行動に移る。
落下するカーゴの中で、ハサウェイは走馬灯のように回想するハサウェイ。
ペーネロペーから射撃を受けながらも、エンジンに火が入ったガンダムを操縦しカーゴから離脱させる。
カーゴから高速で離脱するMSにレーンは、さらに攻撃に加える。
直撃コースを避けられたレーンは驚いた声を上げる。横にいたガウマンの「マフティー専用のガンダム」という言葉にさらに驚愕する。
Ξガンダムと交戦状態に陥ったレーンは、強気に攻撃に出るが有効打を決められずに反撃にあう。
見かねたガウマンは回避に徹しろと助言。
レーンが回避行動をしている中、ハサウェイは他のMSを撃墜し、戦力を削っていく。
いとも簡単に戦力差は巻き返したハサウェイは、レーンに対してビームサーベルによる格闘戦を仕掛ける。
鍔迫り合いの中、ハサウェイはペーネロペーにガウマンが搭乗していることに気づく。
ハサウェイはレーンに対して「人質を取らなければ戦えない情けないな奴」と煽る。心外に思ったレーンはコクピットからガウマンを放り出し、ハサウェイの元に戻す。
ガウマンを確保したハサウェイはレーンの潔さに感嘆しながらも、次の会敵で勝負を決めるとガウマンに伝える。
そして、ガンダムの機能を活かし、意表をついた作戦で、ペーネロペーを海上に叩き落とす。
場面は変わり、レーンは海上に辛うじて浮かぶペーネロペーから脱出すると、中破した愛機を眺めながら、トドメを刺されなかったことに茫然とする。
さらに場面は変わりケネスはギギをコテージに送りながらギギ(幸運)のおかげで、レーンが死なずに済んだと語る。
ハサウェイはロドイセアから脱出してきたメンバーと洋上のタンカーで合流し、幕が降りる。
映画の気になる点、分かりにくい用語を解説
ここからは、映画で登場したキーワード・用語や分かりにくい場面の解説を行います。
▲ネタバレをたぶんに含みます▲
アデレード会議
地球連邦政府の閣僚が一堂に会す機会となったのが「アデレード会議」。
オーストラリアのアデレードで行われることからその名がついています。
今回の議題は地球連邦政府による土地と居住に関する特例法であり、可決すると「連邦政府から認可された人々でなけれれば、地球に住むことができない」という事態になってしまいます。
特権階級者がさらに増長するのはもちろんこと、マンハンターの人狩りに免罪符を与えてしまいます。
この会議の阻止するために、マフティーは閣僚の粛清を行います。
ちなみに機内のギギが操作するタブレットのニュースページにアデレード会議の宣伝が載っています。
ハサウェイがハウンゼン(シャトル)に乗った理由
ハサウェイが、ケネスやギギと出会うきっかけとなった「ハウンゼン356便」。
月と地球を結ぶ往還シャトルで、一部の特権階級者でしか搭乗を許されていません。
ハサウェイは月のアナハイム社でΞガンダムの最終調整を行い、月から帰還にハウンゼンを選びました。
そして、シャトルに乗った理由は「ハサウェイが粛清する閣僚の姿を一目見ておきたい」という単純な思い付きです。
劇中でも語られるように彼らしいこの考えによってマフティーは行動は大きく変わります。
ガンダムを空中で受け取った理由
続いて、Ξガンダムを空中で受領した理由ですが、こちらも劇中で簡単に説明があったように本来ならば海上に落下したカーゴを回収する予定でした。
しかし、ケネスが司令官として赴任したことにより監視が強化され、哨戒中の潜水艦にロドイセアが捕捉されたことにより回収が困難に。
その結果、空中(大気圏外)でカーゴに乗り込むといった強硬手段になりました。
ちなみに乗り込む際にハサウェイの代わりににメッサーを操縦していたパイロットは、エメラルダという予備パイロットです。
打ち上げ前のブリーフィングでも語られていますが、カーゴとの接触に失敗した場合、地球の引力に引かれてMSは大気圏を突入、機体は爆発すること必至。
そのため、残酷ではありますが彼女を起用することに至ったようです。
幸い、作戦後、彼女も無事に帰還でき、正規パイロットとしてハサウェイの搭乗したパープルカラーの指揮官機用メッサーを受け継ぐことになりました。
マンハンター
マンハンターとは、刑事警察機構の実行部隊。
大元の刑事警察機構は、地球連邦政府が軍とは別に組織した治安維持組織です。
ハイジャック後空港で、ハサウェイら乗客に対してケネスとは別に調書を取っており、ケネス達とは別ルートでマフティーを追っています。
マンハンターの印象的なシーンでは、脚部が黒いジェガンが登場し、地球に住む不法移民を取り締まるシーンですよね。
わざわざ、MSの腰部に銃座を取付け、生身の人間に対して攻撃する様子は、単に取り締まるだけではなく、どうみても見せしめですよね。
ちなみに逆襲のシャア冒頭でも人狩りのシーンが登場します。
偽マフティーとオエンベリ
偽マフティーは、ハイジャック犯の主犯格として登場し、自らマフティーと名乗ったカボチャ頭のテロリスト。
瞬時にハウンゼンを掌握するなど、戦闘訓練は受けているものの、ギギの一言に気を取られてしまい、ハサウェイの反撃にあいます。
彼を逮捕したケネスが「オエンベリと関係があるのか」と語ります。
オエンベリとはオーストラリア北部の町で、事件の数日前からマフティー本隊とは違う不穏分子が終結しています。
閣僚を人質に身代金を得ようとしていることいから、強力なバックアップいるマフティーとは違い資金繰りに難航しているようですね。
ただ、ハウンゼン襲撃にブースター付きのギャプラン(結構レアなMS、機動戦士Zガンダムに登場します)を使用していることから、別のコネクションがあるようにも思えます。
ちなみに偽マフティーは、カボチャマスクとも呼ばれ「神経が苛立つ」「よくしゃべるっ!」などのセリフや愛嬌あるフェイスから公開前から、ネット上で人気者になりました。
クェスの幻影
ホテル爆撃からハサウェイと共に公園に避難したギギは、駆け付けたケネスを見て、飛びつきます。
これを後ろから見たハサウェイはかつてのクェスを思い出すわけですね。
逆襲のシャアの「あのシーン」と気づいた人も多いはず。
また、ハイジャック時にもギギの「やっちゃいなよ!」というセリフの前にも、ハサウェイの脳内でクェスの「やっちゃいな」という声が響いています。
小説と違い映画では、そこまでクェスに対するハサウェイの思いや苦悩が描かれていませんが、衝撃的な出会いと別れをしたクェスをギギに重ねていることは確かですね。
Ξガンダムとペーネロペー
Ξガンダムとペーネロペーどちらも本作の主役機体で、ガンダムタイプにしては異形なフォルムが特徴的です。
両機は姉妹機でありミノフスキーフライトユニット(MFF)を搭載した次世代MS。大気圏内で高度な飛行能力を有します。
劇中では、メッサーやグスタフ・カールといった量産機は上空では満足に戦闘ができませんでしたが、両機は空中を自在に駆け抜けていました。
また特徴的な武装として、サイコミュ(パイロットの脳波)でコントロールするミサイル「ファンネル・ミサイル」を装備しています。
宇宙世紀のガンダムではミノフスキー粒子という、電波や赤外線を妨害する粒子が撒かれています。
そのため、現代のように離れたところからミサイルやドローンを撃つわけにはいきません。
そう、MSは有視界で戦うために作られた機動兵器だったわけです。
さて、人類は戦争を重ねていくうちにサイコミュ技術が発展していき、ミサイルに再び誘導性を持たすことができるようになりました。
ちなみにサイコミュはミノフスキー粒子に干渉されず、むしろ媒介として広範囲に伝達できるため、ガンダムにおける不可解な事象もこの二つで説明できるとか何とか(笑)。
ペーネロペー(PENELOPE、形式番号RX-104FF)
ペーネロペーはマフティー討伐のためにケネスが用意したMS。Ξガンダムと最大の相違点はMFFが内蔵されていない点です。
核となるオデュッセウスガンダムにMFFを装着しているため、Ξガンダムよりも外見が大きく、MFF中はユニットの一部が発光したり独特な効果音を発していました。
爆撃で崩れ落ちるビルの合間から見える本機は、さながら怪獣映画のような雰囲気を醸し出していました。
Ξガンダム(XI GUNDAM、型式番号RX-105)
Ξガンダムは、アナハイム社からマフティー側に用意されたMS。
姉に当たるペーネロペーと違いMFFが内蔵してあるため、ペーネロペーほど全長が大きくなく、高速戦闘時も簡易変形により人型に近いフォルムを維持しています。
マフティーの専用機として生体登録が成されおり、その様子が起動時に確認できます。
劇中では、互角の運動性能をみせながらも、技量の差でペーネロペーに打ち勝っていました。
原作小説からゲーム登場時にリファインされ、よりガンダムらしくなった本機ですが、映画化に伴い原作小説に寄せた機体デザインになりました。
そのため、頭部や胸部の意匠やカラーリングが原型に近くなっています。ゲームで本機を知ったという人にはびっくりするアレンジかもしれませんね。
暗い? ホテル爆撃とラストの戦闘を解説
元々戦闘シーンやアクションシーンに定評のあるガンダムですが、今回の戦闘シーンは圧巻でしたね~!
作画の綺麗さもさることながら、MSの巨大さや空を自由に飛べることの優位性などが、上手く表現されていました。
ですがその一方で、戦闘シーンの多くが夜戦であったため、劇場によっては「暗くて何が起きているか分からない」ということもあったそうです。
VOD配信で見直すか、英語版の「閃光」のMVを見ると幸せな気持ちになれるでしょう。
ホテル爆撃のシーン
1)ミッション目的
ミッション目的は3つ。
空港及び迎撃部隊の制圧、ガウマンのハサウェイ救出と閣僚の粛清である。
マフティー側の戦力はギャルセゾン2機+メッサーが3機。
2)180秒のインターバル
180秒のインターバルの話。
これはガウマンが最初のホテルを攻撃してから、ハサウェイが宿泊しているホテルの攻撃するまでの時間。
ホテルを攻撃してから一度、機体を森林の中に隠していますね。
3)空中戦
MFFを搭載していない一般のMSは、自由に飛ぶことができません。スラスターの出力に任せて無理やり飛ばすことに。
そのため、ガウマンは一度機体を高高度まで上昇させ自由落下しながら戦闘を行っています。
一方で、迎撃部隊のペーネロペーは機体の高度や進入角度を自在に操れることから、簡単に叩き落としています。
4)ケネスの甘えのなさ
キンバレー部隊の未熟さを知っているガウマンは、今回の襲撃も苦戦することはないと考えていました。
ですが、迎撃部隊の展開が早く、ガウマン以外のMS部隊は予定時間よりも早く撤退をしいられることに。
また、戦い方にケネスの怖さを体感することになりました。
具体的には、ハサウェイのホテルを狙撃後の戦闘シーンです。
ガウマンは落下しながら機体を反転させて、自機の上を取ったグスタフカールに対して、ダバオの街を背にすることで、市民を盾にします。
軍人とはいえ撃つことを躊躇いますが、彼らは容赦なく攻撃をします。
ちなみにこの戦いではレーンの駆るペーネロペーだけが、機首のバルカンを用いて、最小火力でメッサーを制圧します。
この行動に対して、「彼の自信の表れでもあり非情になれない弱さ」であると、ケネスは評価します。
また、これが後にケネスの命令を無視して、ガウマンをハサウェイに返すことにも繋がります。
ラストシーン
1)ミッション目的
連邦軍側は落下する飛翔体の迎撃。
戦力はケッサリア(連邦軍SFS)3機+グスタフ・カール6機、そしてペーネロペー。
マフティー側は、ガンダムの回収とロドイセアからの脱出
戦力は実質Ξガンダムのみ。
2)ガウマンとレーン
ここの戦いで面白いのは、ベテランパイロットであるガウマンとエリートながらも実戦経験が少ないレーンとのやり取り。
Ξガンダムの思わぬ反撃を受けてたじろぐレーンに教官のように叱責します。
もちろんこれは、ガウマンの死にたくない一心から出た言葉ではありますが、ガンダム作品らしい陣営を越えた共闘でもあるでしょう。
ハサウェイからの攻撃を牽制とは思わないレーンに対して、牽制によって誘いこまれていると気づき、次の攻撃位置を読んでいるガウマンとの対比が腕の差を如実に現していますよね。
3)ΞガンダムVSグスタフ・カール
ペーネロペーの頭を抑えたハサウェイは、次にグスタフ・カール6機と交戦。
性能差はあれど数で劣っているハサウェイは、まずケッサリアと分離したグスタフ・カールを狙います。
これはメッサーと同じく自由落下しかできないため。すれ違いざまに1機を中破し、さらにビームライフルで2機落とします。
そして、彼らの足ともいえるケッサリアを2機撃墜。
まだ、グスタフ・カール自体は残っていますが、ケッサリアを落とされたことで、戦線から離脱していきます。
4)意表をついた作戦
戦闘終盤に差し掛かりガンダム同士の一騎打ちに。
海上を逃げるΞガンダムに対して、ペーネロペーはミサイルとビームライフルを浴びせます。
爆発の光に撃墜を確信するレーンですが、実はハサウェイはビームライフルを射出し囮にしいていました。
作戦自体は非常にシンプルですが、何故この作戦が成功したかというと機械(コンピューター)の優秀さとレーンの未熟さが合わさった結果です。
ガンダムの世界では、コックピットに映る映像は、機体のOSによってCG加工された映像です。
例えば、本来ならば真っ暗で何も見えないはずの宇宙でも星やコロニーなどが可視化されています。
本作のシーンで例を出すと、ペーネロペーの計器には落下中のカーゴに対して△のマーキング処理がなされています。
そして、そこから飛び出たガンダムを捕捉して新たな△のマーキングがされています。
このようにパイロットを補佐しているわけですが、これが仇になってしまいました。
機械では新たな物体を捕捉したわけですが、レーンはこれをガンダムだと勘違いしてしまったわけです。
ちなみにガンダムの世界のパイロット、ことに宇宙世紀のニュータイプ達はコックピットを開けたまま戦闘することがあるので、その異常っぷりが分かりますね。
続編? 最後のメッセージの意味
本作はヴァリアントの甲板を歩くハサウェイが映りエンドロールが流れます。
ですが、エンドロール後も映像があり、破壊された街を描いたイラストと英文が映り幕が降ります。
見逃し方や一瞬のことで忘れてしまったという方に解説すると、「オエンベリで集結した部隊の蜂起が失敗したこと」を物語っています。
▶英文
Australian continent
Northern Territory
OENBELLI
2days ago…
▶和訳
オーストラリア大陸
ノーザンテリトリー
オエンベリ
二日前…
ここで注目したいのは、これから起きること(続編)ではなく、既に起きてしまったということ。
これは、ケネスが赴任する前にマフティー討伐の任に就いていたキンバレーが行った作戦を示しています。
マフティー部隊には練度不足から、大した戦果を挙げられなかったキンバレー部隊ですが、不穏分子とはいえ烏合の衆だったオエンベリの連中を圧倒するだけの戦力はあったようです。
襲撃の様子は劇中では描かれていませんが、ロドイセアでハサウェイがブリーフィングしている際にイラムから「キンバレーのMSに街が攻撃されている」という報告があります。
意外なところで人気が爆発? 感想・レビューをまとめてみました
本作が公開されて約3か月近く経ちましたが、人気は衰え知らず。
劇場以外でも盛り上がっているようなので、Twitterからみんなの感想やレビューをまとめてみました!
また、明日使えない「閃光のハサウェイ」に関するネットミームを紹介。
▶面白かった!
▶マフティー構文
マフティー構文とは閃光のハサウェイにまつわるネットミーム。
これはとある予告で登場した3つのセリフと、その後に颯爽と流れる主題歌「閃光」が元ネタ。
使い方としては、キャラクターが無理難題を押し付けられているところに、いきなりマフティーが乱入させて、閃光を流せば成立するみたいです。
ガウマン「やってみせろよ、マフティー!」
ハサウェイ「何とでもなるはずだ!」
レーン「ガンダムだと!?」
~鳴らない言葉をもう一度描いて~
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うーん。オールドタイプの筆者には良く分かりませんでした…。
▶カボチャダンス
もう一つのミームは、偽マフティーことカボチャ男が踊るミーム。
既に海外でミームとして流行していた「The Pumpkin Dance(パンプキンダンス)」に主題歌閃光を合わせたもの。
元々、ハイテンションなカボチャ男がキレッキレのダンスと相性がよく、また一見すると謎しかない映像がネットユーザーの肝を掴みました。
https://twitter.com/ANIKI_OSI/status/1438083933506211843?s=20
「閃光のハサウェイ」が視聴できるVOD
2021年10月16日(土)よりVOD配信がスタートするということで、本作を視聴できるVODサービスを紹介します!
また他のガンダムシリーズを配信しているかもまとめてみました!
人気のVODには多くのガンダム作品が配信されていましたが、中でも注目したいのがU-NEXTです。
何と「閃光のハサウェイに繋がるガンダム作品」がU-NEXTだけで網羅できます。
またU-NEXTは、ガンダムシリーズの漫画や小説も配信中なので、ガンダムをもっと深めたい方、沼りたい方にもうれしいですね!
U-NEXTでは31日間の無料トライアルを実施しているので、トライアルからはじめてみましょう!
映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のまとめ
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のあらすじと簡単な考察を紹介しました。
冒頭でもお伝えしたように10月から、VOD配信やBlu-rayなどお家でも楽しめるようになります。
ぜひ、本記事と合わせて見返して見てください!
また「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第二部を制作中とのことなので、続報があり次第、更新していきます!