「五星大飯店~Five Star Hotel~」の脚本を手掛けているのは、多くの作品が映像化されている中国の人気作家・海岩(ハイ・イェン)。
作家でありながら、北京にある5ツ星ホテルの経営者でもある原作者の海岩氏。中国観光ホテル協会の会長も務めている関係で、通常撮影許可がおりないといわれている中国屈指の5星ホテルでドラマは撮影されました。
一流ホテル経営者が脚本し、本物の一流ホテルで撮影という、リアルなホテルの裏側が描かれたドラマに仕上がっているのが「五星大飯店」です。
今回の記事では、そんな「五星大飯店〜Five Star Hotel〜」の配信状況と、実際に視聴した感想をご紹介します。
ドラマ「五星大飯店~Five Star Hotel~」配信中のサービス
「五星大飯店~Five Star Hotel~」配信状況
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U-NEXT
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Amazon Prime Video
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dTV
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FOD
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12/15配信
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ドラマ「五星大飯店~Five Star Hotel~」あらすじ
五つ星ホテルのホテルマンとしての成功を夢見て大都会にやってきた苦学生のパン・ユーロン。
授業料が払えず、一時は休学するもアパートの隣人タン・トウトウと助け合いながらなんとか卒業する。
のちに中国最高峰のホテル「万乗ホテル」に就職するが、研修生から一転、韓国大企業「時代」の新会長キム・ジエの専属バトラーに選ばれてしまう。
パン・ユーロンを巡る幾つかの純粋な愛と企業間の勢力争い。
それに翻弄されながらも真っ直ぐに真実を信じ続ける彼が、
最後に掴む「真実」とは。
引用:https://fivestar55.com/
キャラクター紹介
主人公:パン・ユーロン
(演:ジュンニン)
一流ホテルマンを目指し銀海観光学院でホテルビジネスを専攻する苦学生。
授業料が払えず休学している期間に、アパートの隣人タン・トウトウと出会い、どういうわけか恋愛に発展。なんやかんや学費が手に入り復学。
無事に大学を卒業したユーロンは、中国最高峰ホテル「万乗ホテル」に就職。直後、研修生から一転、万乗ホテルに泊まりに来ていた韓国大企業「時代」の新会長キム・ジエの専属バトラーに指名されてしまう。
タン・トウトウ
(演:ニウ・モンモン)
本作のメインヒロイン。ダンスチーム「真実」のリーダー。
幼い頃に自殺した母が作曲し、トウトウに遺した曲「真実」がダンスグループの由来で彼女の信念。そのため、曲がったことや卑怯なことを極端に嫌う。
中国大企業「盛元(ションユェン)」のCMキャラクターに抜擢される。
キム・ジエ
(演:チョン・ユミ)
韓国の大企業「時代」の会長だった父のキム・ソンファンが死亡し、会社の経営権を譲り受け「時代」新会長に就任してしまった、若すぎる会長。これがきっかけとなり社内派閥の抗争に巻き込まれてしまう。
社内抗争から逃れるため、唯一信頼している秘書のパク・ウォンソンと共にユーロンの働く「万乗ホテル」に静養に訪れる。そこでユーロンを専属バトラーに指名する。
ヤン・ユエ
(演:ツァオ・シーウェン)
「万乗ホテル」の広報課に所属する見習い弁護士。
新入社員の面接時にユーロンと初対面し、彼の夢や真実を追い求める姿に惹かれる。ユーロンが窮地に追い込まれる時も無償で彼を助け、ユーロンも彼女を強く信頼する事になる。
人物相関図
引用:https://fivestar55.com/
「五星大飯店~Five Star Hotel~」は面白い?実際に視聴した感想
序盤のヒロインと主人公の謎の急接近にさえ目を瞑れば、とてもよく出来たストーリーです。
ドラマの軸になっているのは、一流ホテルマンを目指す青年・ユーロンの奮闘と成長の物語。
3人のヒロインに思いを寄せられるモテモテ主人公ユーロンが、就職した5星ホテル「万乗ホテル」で、新人でありながらVIP付きのバトラーに大抜擢されるというサクセスストーリー。そこから始まる、お家騒動、企業間の争い、事件、権力者の思惑が絡み合うサスペンス。
大人たちの汚い生き方に反抗する主人公の青臭さと実直な気持ちが心を打つ、ロマンスもありつつサスペンスとしても良く出来たストーリー。
普段知ることができない一流ホテルの裏側を見れる面白さや、企業間での情報戦にハラハラドキドキする面白さがある作品です。
…ただ、これは2007年のドラマなので、色々と古いです。
物やファッションが古いのは置いておいて、演出が全体的に平成初期のドラマなんですよね。ゲレンデがとけるほど恋したいって感じのロマンスみを感じる演出でした。
古さ?それとも雑さ?
ヒロイン・トウトウの金髪カツラがダ、ダサい…。キャラクターの立場的にもっと凝った衣装を用意しててもいいんじゃないの??
金髪ボブの個性派にしたいなら、もっとピシッとツヤっと綺麗に!後ろ髪ハネてるよ!
ナチュラルにしたいのか個性派にしたいのかどっちつかずで絶妙にダサい。設定は今売れてる歌手でしょ?
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■ハーレム系ドラマ
よくある「ハーレム系」です。社会派ドラマだと思って見ると、かなり裏切られるので要注意。
恋愛ドラマに紛れ込む社会派ドラマ、的な。戦いの中で愛を育む的な…。
「俺には結婚を約束した恋人が故郷で待ってる。でも戦友の彼女も大切だ。共に戦ってきた仲間と、故郷の彼女…。くそっ!俺はどうしたら…!」みたいな感じ。使い古されたハーレム系ライトノベル。
まぁでも、主人公は一貫してメインヒロインのトウトウにのみ恋愛感情を向けているので、そこは好感が持てます。
ついでに言えば、ストーリーの主軸は『企業間の争いに巻き込まれる一般人の奮闘と成長の物語』です。なので痴情のもつれ的なドロドロの醜い男女関係もありません。
■中国文化を知らないと分からない部分がある
私は第一話ですでに躓きました。
第一話でヒロインのお父さんが家で倒れたとき、隣に住む主人公に助けを求めるのですが「いや、救急車呼べよ」と内心突っ込みました。中国の固定電話の普及率は知らないですが、2007年は貧困層とかではなかったりしたのでしょうか?
そして、主人公のバイト先である偽ホテルに集団で人が押し寄せ、雇われ支配人に対して「俺たちの土地で稼いでるんだろ!」「どういうことだ!」と詰め寄るのですが…え?となります。「俺“たち”の土地」とは??君ら全員家族なんです…?
調べてみると、どうやら中国では「中国の全ての土地が国家所有又は農民の集団所有に属するとされている。」らしいです。
多分この「俺たちの土地」と言うのはこの農民の集団所有に該当するセリフでしょう。
そしてそのホテル会社はその土地を無断で使用していたのではないでしょうか。「大手ホテル会社の子会社」という嘘もといていたので、土地の無断使用もあっておかしくなさそうです。(そんなことってあるんだ…)
■社会派に見せかけたラブロマンス作品
企業間の争い…ってあらすじには書いてありましたが、少しラブロマンスに偏ってます。
社会派の真面目なドラマが好きな人向けと言うより「ロマンスにはスパイスが欲しいよね」と思っている人向けの作品だと感じました。
(恋愛ドラマというほど恋愛だけでもないし、社会派というほどガチガチでもない)
まとめ
主人公とヒロインたちの恋愛部分さえ除けば、主人公の奮闘と成長のラストはとても感動的でした。
主人公が万乗ホテルに来たときから登場していたリー宿泊部長が、最終話で試験に受かりバトラーとなった主人公に「よく頑張ったな」という表情で肩に手を置くシーンはとても良かったです。悩みのタネだった主人公が立派に成長して、リー宿泊部長も感慨深いでしょうね。
恋愛部分で私が「そうはならんやろ」と感じたのは、私に恋愛ドラマへの馴染みがないからでしょうか…?
個人的には「いっけなーい!遅刻遅刻!→主人公とぶつかる→恋の予感」くらいのツッコミどころがありました。なんでそれで恋愛が始まるんだ…!!
ちゃおもリボンもなかよしも、マーガレットも花とゆめも通ってこなかった人間には、ちょっとむずかしい…。