【ヒソカ死亡】クロロVS.ヒソカ|351~357話のネタバレ
クロロはどのような戦略を組み立て、どのようにしてヒソカに勝利したのか。クロロVS.ヒソカの戦いの様子を解説。
観客を操り数の暴力
クロロは天空闘技場という観客がいる環境を利用し、以下の能力のコンボを使って数の暴力と撹乱による攻略方法を取りました。
栞のテーマ:本を持たずに特定の能力を使えるようにする能力
携帯する他人の運命:生きた人間を操る能力(最大2人)
神の左手悪魔の右手:非生物のコピーを作る能力
人間の証明:人形を操る能力
番いの破壊者:刻印を押した物体が触れ合うと爆発する能力
転校生:自分と他人の見た目を入れ替える能力
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1.まずクロロは天空闘技場の観戦者たちをコルトピの複製能力「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」で複製しそれを「人間の証明(オーダースタンプ)」によって「ヒソカを壊せ」と命令を与え特攻させるという、単純な物量による攻撃を仕掛ける。
◆「神の左手悪魔の右手」のルール
コルトピの能力は生物がコピーできないのではなく、生物を生物としてコピーすることができない。
そのため、人間を「形だけそっくりの作り物」としてコピーすることは可能。
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2.更に、その物量による撹乱に乗じてシャルナークの「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」で「番いの破壊者(サンアンドムーン)」によって爆弾なった人間をマニュアル操作し、ヒソカに特攻をさせる。
◆「携帯する他人の運命」が必要だった意味
「人間の証明(オーダースタンプ)」の操縦は命令によるオート操のため場面に応じた柔軟な操作はできないが、「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」はケータイを使ったマニュアル操作が可能なので、物量に乗じた奇襲には「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」が必要だった。
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3.その間、クロロ本体は「転校生(コンバートハンズ)」を利用して大量の観客たちに紛れながらヒット・アンド・アウェイを仕掛ける。
これによりヒソカはクロロに致命傷を与えることもできず、物量に押され爆死させられる事となりました。結果だけ見れば、ヒソカはボロ負けしたことになりますね。
その後…
爆死の前に〈死後の念〉に賭けるヒソカ
大量の爆弾攻撃に己の死を悟ったヒソカは、自分の両手を胸にあてて「伸縮自在の愛(バンジーガム)」を発動。死後に強まる念に賭け、自身の能力に心臓マッサージをするよう働きかけます。
結果、ヒソカは賭けに勝利し生き返ることに成功しました。
ヒソカを追い詰めるためにクロロがけしかけた肉壁が緩衝材となり、死因が爆発による肉体の損傷がではなく、酸欠による窒息死だったのも幸運だったでしょう。
マチの優しさが裏目に出る
ヒソカの思惑はどうあれクロロの除念に協力してくれたことは事実だったため、マチは爆発によってひどい状態になっていたヒソカの死体をエンバーミング(死体を繕いキレイに)してあげることにしました。
しかし、先述の通りヒソカは復活。
その後ヒソカはボロボロの肉体も、自身の「伸縮自在の愛(バンジーガム)」「薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)」によって取り繕い、マチの治療を必要としませんでした。
クロロにボロ負けしても懲りた様子もなく、スリルある戦いをしたことに満足げなヒソカを見たマチは、思わず余計なアドバイスをしてしまいます。
「ま、これに懲りたら今度からは戦う相手と場所はちゃんと選ぶことだね。」
「HUNTER×HUNTER」34巻357話より抜粋
ヒソカはこれまで「正々堂々タイマン♡相手の土俵に入るのも刺激的で良いよね」といった行動を取っていたのが、このマチの言葉により「勝つためにはちょっと卑怯でも良いよね♡」と、戦闘のための優先順位を変えたような行動をするようになります。
その結果、旅団は常にヒソカに命を狙われるという面倒な状況に陥りました。
クロロが使った能力
ヒソカとの戦いでクロロが用いた能力を解説。
栞のテーマ(ダブルフェイス):オリジナル
クロロの持つ念能力「盗賊の極意(スキルハンター)」の新たな能力。
本来、盗んだ能力はページを開いておかないと使えないため、複数の能力を同時に使うことや両手が必要な能力は扱えなかった。
しかしこの「栞のテーマ(ダブルフェイス)」…栞を本に挟むことで、本を閉じた状態でも栞を挟んだページの能力を使うことができるようになり、両手がフリーになる。
携帯する他人の運命(ブラックボイス):シャルナーク
旅団メンバー・シャルナーク=リュウセイの能力。
アンテナを対象に刺すことで、その対象を携帯電話から操作・洗脳する能力。
刺した相手の記憶を操作したり、戦闘を行わせたりすることなどができる。
アンテナを刺すためには一度ターゲットに接近する必要があるが、一度刺せば遠距離から操ることができる。
操作できる人数は最大2人まで。
神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク):コルトピ
旅団メンバー・コルトピ=トノフメイルの能力。
左手で触れた物体を右手から複製することができる能力。複製したものはサイズ質量問わず24時間で消滅する。生命体を複製することはできないが「動かない物体」としてなら生物も複製可能。
また、複製した物体は<円>の役割を果たし、本物を触ることでコピーの位置を把握できる特性を持っている。
番の破壊者(サンアンドムーン):流星街長老
左手で「太陽(プラス)」の刻印を押し、右手で「月(マイナス)」の刻印を対象物に押し、プラスとマイナスの刻印が触れ合うと爆発する能力。
刻印自体は一瞬で押せるが、威力を上げるには対象者に約3〜5秒触れ続ける必要があり、最大威力は約5秒。
死後に強まる念の効果で、一度押印された刻印は爆発するまで消えません。
人間の証明(オーダースタンプ):不明
スタンプを具現化し、それを人形に押すことで人形を操る能力。
死体は人形と判断されないが、人間をコピーした非生物であれば人形と認識され操作することが可能。
胴体から首を切り離すことで能力を強制解除することができる。
余談:元の持ち主について
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この能力は人形偏愛症(ピグマリオンコンプレックス)と呼ばれる特殊性癖の持ち主の愛が生み出した能力のようですね。名前からも「人間の証明」と、人形を生き物として認識していることが伺え、首が取れると動けなくなるのも、生物として認識しているためでしょう。
この能力が「ミルキ=ゾルディックのモノ」という意見もありますが、彼に人形偏愛症らしき様子は見られません。
人形偏愛症者のよく見る特徴だと、お出かけするときに連れ歩くというものです。レストランの予約も2人分。ホテルの予約も2人分。必ず人形を一人とカウントして行動します。
しかし、ミルキが外に出ていたときにフィギュアを連れていた様子はありませんでした。愛し方の違いと言ってしまえばそれまででしょうが、部屋の様子を見る限り、ミルキはごく一般的な趣味としてフィギュアを集めているように見えるので、この能力の持ち主とは思えません。そこまで人形に深い愛があるとは思えない。(あと、家柄的に人形偏愛症だとキキョウママはうるさそう…)
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転校生(コンバートハンズ):不明
右手で人に触れると相手を自分の姿に変えることができ、左手で人に触れると触れた相手の姿に変身することができる。
両手で触れると、両方の効果が適応され、一瞬でお互いの姿を入れ替えることができる。
敗因|ヒソカの好みは、ギリギリのタイマン戦
「正攻法だね。ボクの絶頂はそんな連中の膝が折れて「こんなハズでは…」という表情を見下ろす瞬間さ♡」
「HUNTER×HUNTER」352話より抜粋
「確実に勝てる条件が揃うまで待つ」と述べるクロロに対してヒソカは、そんな連中の負けた姿が最高だと宣います。愉悦部員の波動を感じますね。
ヒソカの快感は、己が圧倒的勝利を収める瞬間ではなく、相手が「勝てる…!」と確信した瞬間が覆されるところにある。だから、彼の好きな戦いは「ギリギリの戦い」なんですよね。
タイマンじゃなかったことと後手に回ったこと
今回のヒソカの敗因はハッキリしていますね。彼がクロロの土俵に上がってしまったことにあります。
そもそも、タイマンや障害物がある場での戦いが向いていそうなヒソカの能力と、戦略を押し付けられたらほぼ勝確なクロロの能力では、得意な戦場が全く異なりますよね。
天空闘技場のリングという障害物のない開けた場所で、クロロの戦略を押し付けられたヒソカにほぼ勝ち目はなかったでしょう。
残念なことに、ヒソカの望んだ「ギリギリの戦い」はさせてもらえなかったのです。
◆所感
まぁヒソカの命がギリギリという点ではしっかりギリギリの戦いでしたが、戦闘は終始クロロ有利な場面が続いていたので、ヒソカにとっては内心不完全燃焼な戦いだったのだと思います。
だからこそ、その無念が〈死後強まる念〉として呪いに変わったのでしょう。
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解説&考察|ヒソカはどうやって復活した?なにがしたい?
このピエロ、しぶとい。
ヒソカが死から蘇った方法の解説と、その後のヒソカの凶行について考える。
解説|〈死後の念〉で強まった変幻自在の愛
〈死後の念〉…死後強まる念とは、作中の言葉を借りるなら「深い恨みや未練を持ったまま死ぬとその念はおそろしく強く残る」というもの。つまり、ほぼ呪いですね。
ヒソカはクロロによって爆死させられそうになった瞬間、両手を胸の前に置き「変幻自在の愛(バンジーガム)」を発動させました。
クロロとまともにタイマンすることもできず、致命傷を与えることもできず、ギリギリの戦いではなく終始自分がクロロの策の中で踊らされたあの戦い。まさにクソゲー。
ヒソカにってはここで死ぬのは惜しいと思うのに十分な内容だったでしょう。
その無念が「変幻自在の愛(バンジーガム)」を強め、ヒソカの死後も残り、ヒソカの無念を晴らすため動き出しました。ヒソカの戦いへの愛は凄まじいですね。
考察|ヒソカの好みはギリギリの”勝てる”タイマン戦
人が嫌がることを率先して行います♡
これまでのヒソカの特徴
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①力量差がない相手との戦い
②相手の土俵で勝ってNDKする
③言葉での撹乱も使って戦略的に戦う
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この3つがヒソカの戦いにおいて優先順位が高かったように思います。
自分の言葉に惑わされる相手を見て楽しみ、ギリギリのスリルを楽しみ、最後に相手に勝って「ねぇねぇ今どんな気持ち(=NDK)」と、相手の絶望した表情を楽しむ。それが今までのヒソカでした。
しかし、クロロとの戦いを経て、マチの言葉を聞き、ヒソカはこの優先順位を幻影旅団に限り変えています。
対幻影旅団のヒソカ
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①自分が勝つこと
②彼らが嫌がること
③相手が絶望するのを見ること
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まず、優先順位の一番上に「自分の勝利」を置いたように思います。
でなければサポート特化のコルトピ相手にトイレでの奇襲で各個撃破なんて面白みもない戦い、これまでのヒソカなら積極的には行わないように思います。(ハンター試験中みたいに暇すぎたらやるかもだけど)
そして、イルミに「ヒソカの暗殺(?)」という依頼をヒソカ自身がしているという謎行動。
ヒソカはクロロと再戦するために、今まで以上に、愉快に慎重に楽しく策謀巡らせているみたいですね。
おそらく、これまでヒソカが強者だったゆえに見えてこなかった一面が、クロロとの戦いを経て、道化の皮が剥がれてしまったのではないでしょうか。
ヨークシン編でもヒソカはクロロと戦うために策謀していましたが、最近は以前より手段を選ばない感じになっていますね。
◆矛盾してない?
矛盾してない。
ヒソカは戦闘狂ですが、元々命を投げ捨てたような戦いをしたいわけではありませんでした。
アイザック=ネテロのようなザ・格闘家の精神ではなく「自分がいかに長く楽しめるか」が最重要項目です。だから青い果実たちを育ててその過程を楽しむということもします。
今までは、その柔軟な思考と頭脳とよく回る口で「相手の土俵に立とうとも己が勝てる」という自負がありましたが、クロロとの戦いでそれが覆されました。
ゲームは、勝てなくてはつまらない。負けたら、次は勝てるように立ち回る。
クソゲークソゲー言いコントローラー投げつけながらも、クリアする快感が忘れられなくてまたゲームに興じるプレイヤーがヒソカなのだと、私は思っています。
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でも、変化系は嘘吐きらしいので、彼の行動や言動がどこまで本心かわかりませんよね。
案外、マチに「幻影旅団には出会い次第殺す」っていうのも、ブラフの可能性が高そうです。
ブラフの示唆
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・イルミがヒソカから受けた「ヒソカ暗殺依頼」
・イルミがなぜか幻影旅団員になってる
・イルミはヒソカが目撃された3層に「仕事」と理由を付けて留まりたがっている
・イルミの一人称が「ボク」になっている
(本来イルミの一人称は「オレ」)
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巷では「このイルミ…ヒソカでは…?」と言われています。信憑性があるので、私もその可能性は否定できないです。
でもそうなると、マチに言った「これからは戦う場所を選ばない」「旅団には出会い次第殺す」は、ヒソカお得意の戯言だったということになりますね。さすが変化系、きたない。
ヒソカ被害者|殺された幻影旅団
「マチに言ったこと嘘じゃないよ、ホントだよ」と示すように、ヒソカは面白みのない旅団狩りをします。
そんなヒソカに狩られ、退場することになった旅団員をご紹介。
第一被害者:コルトピ
公園のトイレで奇襲され死亡。
クロロとヒソカの対決後、死亡し蘇ったヒソカはマチの助言(?)「これに懲りたら今度からは戦う相手と場所は選ぶことだね。」を聞き、勝てる戦いを実行。その第一被害者。
コルトピはシャルナークと行動中、公園のトイレで用を足している間にヒソカによって瞬殺されたもよう。
コルトピはヒソカが幻影旅団メンバーを狩ると宣言したあとの、最初の犠牲者となりました。
第二被害者:シャルナーク
トイレに行ったコルトピを待っていたら、コルトピの首を持ってトイレから出てきたヒソカに襲われ死亡。
コルトピ同様とくに戦闘描写もなく瞬殺されたようです。
まとめ:ヒソカの現在(2024年6月)
ヒソカは現在、新大陸へ向かう船・ブラックホエール号の3層で目撃されています。(392話)
ヒソカと懇意にしている(?)イルミが仕事を理由に同じ3層でとどまっているのは、なんだか意味ありげですよね。
果たして、このイルミは「依頼でヒソカと組んでいる」のか「ヒソカがイルミに化けている」のか「言葉通り(←まずないでしょう)」なのか…今後の展開が気になりすぎて夜しか眠れません。
イルミの分かっていること
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・イルミはヒソカから「ヒソカの暗殺」を依頼されてるらしい
・イルミは現在幻影旅団員
・弟のカルトも幻影旅団員
(兄を取り返したがってる?どの兄だ?)
・イルミはヒソカが目撃された3層に「仕事」と理由を付けて留まりたがっている
・イルミの一人称が「ボク」になっている
(本来イルミの一人称は「オレ」)
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