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あらすじ|物語のハイライトをピックアップ
「陰の実力者」に憧れていた主人公・シドは、昔からその事のみに注力し、自身の能力向上に努めていた。
その結果、なんやかんや魔力の存在する異世界に転生し、「ここならば自身の夢を形にできる!」と、より一層夢に向かって邁進していく。
「ヒャッハー!逃げる奴は盗賊だ!逃げない奴はよく訓練された盗賊だー!」
元ネタ『フルメタル・ジャケット』
「逃げる奴はベトコンだ!!逃げない奴はよく訓練されたベトコンだ!!ホント 戦争は地獄だぜ!」
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異世界に転生し、現実をRPGと混同して自由気ままに楽しむ主人公・シド。
盗賊に人権はない。盗賊は金をドロップする雑魚エネミー。そう、RPGならね。
ファンタジー世界にて、倫理観を完全に捨て去った主人公の、楽しい楽しい「陰の実力者」ロールプレイ物語。その一部をご紹介。
「ディアボロス教団(妄想)」が、「ディアボロス教団(ガチ)」
シドが趣味の盗賊狩りでたまたま拾った「生きた肉塊」。
魔力実験を繰り返して遊んでいたら、なんか肉塊が美少女エルフになった。これが全ての始まり。
この肉塊は「悪魔憑き」と呼ばれる魔力暴走した者のなれ果てで、現在一般的には「治療不可能」とされている症状だった。
とりあえず、元の姿に戻ってしまった美少女エルフに、シドは自分が彼女を実験のオモチャにしていたことをなかったことにして、恩人面しながら「悪魔憑きの真実(妄想)」「黒幕(妄想)」を説明。
彼女たち悪魔憑きが生まれるのは「ディアボロスの呪い(妄想)」のせいであり、不当な扱いを受けるのは「ディアボロス教団(妄想)」が真実を捻じ曲げているせい、と主人公は説明する。
で、実はこの妄想、妄想ではなく真実だったという展開。
なんやかんや「シャドウガーデン」という、ディアボロス教団に対抗する組織をその場のノリででっち上げたら、初めに助けた元肉塊美少女エルフ改めアルファの主動で、組織はどんどん拡大。
「アルファたちの設定だと、ディアボロス教団は世界規模の超巨大組織だったらしい。へ~、すごいね」
とまぁ、基本こんな感じで「彼女たちは自分のごっこ遊びに付き合ってくれてる」と、軽いノリで影の組織の盟主ロールプレイを楽しむシド。対して仲間たちは真剣にディアボロス教団と戦うため組織を拡大し、暗躍していく。
4話目には、シドがごっこ遊びだと思って暢気に構えている間に「シャドウガーデン」の構成員が100人を超えていた。
ボスが知らない間に100人増えてる組織。いやすぎる。
またしても何も知らない主人公さん
妄想を垂れ流し、陰の実力者ロールプレイに余念がないシドさん。
全てごっこ遊びと思い気楽に意味深なセリフを吐き続けるその裏で、なぜか事件の中心に知らず知らずのうちに立たされている。しかしシドはごっこ遊びに夢中でその事に気が付かない。
ヒロインその1が、婚約者によって誘拐されても、我関せずでロールプレイを楽しむ主人公。(しかし事件は解決し、主人公の評価が上がる、勘違いも加速する)
学園がテロリストに襲撃されるという、中二病が夢見た展開に大興奮し、陰の実力者ロールプレイ(主に暗殺)を全力で楽しむ主人公。(しかし事件は解決以下略)
聖教の闇に意図せず入り込み、引っ搔き回して戦闘を楽しむ主人公。(しかし事件は以下略)
本人は行き当たりばったりで、目の前にあるイベントに参加してる程度の認識で「陰の実力者ロールプレイ」を楽しんでいるのに、巡り巡って大きな陰謀を阻止ししたり、事件解決しちゃったりできちゃってるから、本人の認識と他者からの認識の差がえぐいほど広がっていく。
それが「陰実」!
キャラ紹介
物語に登場する主要キャラを一部ご紹介。
シド・カゲノー / シャドウ(CV:山下誠一郎)
夢を諦められずに己を鍛え続けた狂人。
かなり倫理観が死んでるから、殺しも、アイテムドロップ(盗賊行為)も、人体実験も、普通にやる。多分マジでRPGしてる気分で生きてる狂人。
主人公でも悪役でもない、陰から物語を支え、時に主人公を手助けし、時には敵対する「意味深キャラ」に憧れ続け、転生した後も「理想の自分」を実現するため、研鑽と妄想を欠かさない。
転生後は、妄想とカッコイイ(と思っている)セリフを垂れ流し、夢にまで見たファンタジー世界で陰の実力者“ごっこ”に興じるが、ごっこと思って楽しんでいるのは主人公のみである。
◆陰の組織盟主:シャドウ
「シャドウ」というのは「ディアボロス教団(妄想)」に対抗するため結成された秘密組織「シャドウガーデン」の盟主としての名前。
なお、「ディアボロス教団」は妄想ではなく実在している。妄想として楽しんでるのはやはり主人公のみである。
「コードギアス」とか好きそう。
アレクシア・ミドガル(CV:花澤香菜)
ミドガル王国第二王女であり、シド・カゲノーと同じミドガル魔剣士学園に通う生徒。腹黒。
陰の存在を謳うシド・カゲノーの対応するような、主人公的存在。
学生のシドと、シャドウガーデンの盟主・シャドウ、両方と関わることで物語の中枢に食い込んでいく、まさにどこかで見たような主人公的巻き込まれ方。
罰ゲームで告白したシドを「胡散臭い婚約者への当てつけ」として受け入れ、仮初の恋人関係を築く。シドに対しては本性を見せており、彼をポチと呼んだり、貶したりと、なかなかの扱いをする。
剣士として優秀な姉と比べられ「凡人」と称される自身の剣技にコンプレックスを抱いていたが、シドの言葉により「凡人の剣でも積み重ねれば天才に届く」と吹っ切れる。
平凡な剣士であるが、その地道な努力と研鑽に裏打ちされた技術によって強者を目指す、まさに主人公要素モリモリの存在。
クレア・カゲノー(CV:日高里菜)
シドの2歳上の姉。
弟をときにイジメ、ときにイジメ(可愛がる)、ときにイジメ(心配す)る創作内でよく見かける「意地悪だけど実は弟想い」の姉。生意気だとイジメたりもするけど、誘拐された弟をちゃんと心配するお姉ちゃん。とってもブラコン。
弟の危機を察知(節穴)すると暴走しがち。
なお、そんな愛する弟からの評価は「あの人やたらしぶといよね。」
14歳の時に悪魔憑きを発症し、シドにより治療される。
ローズ・オリアナ(CV:白石晴香)
オリアナ王国王女であり、ミドガル魔剣士学園の生徒会長。
主人公であるシド・カゲノーに好意を寄せている。彼の事となると盲目的に行動しがちになり、シドには引かれ距離を取られ、仲間にはフォローされることもしばしば。
ドエム・ケツハットという、スゴイ名前のアゾられそうな声と見た目の婚約者がいる。アニメ監督は確信犯。
◆「アゾられる」
近しい関係の者から、短剣で背後から刺殺されることのネットスラング。詳しくは「Fate/Zero」を見よう。
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ラムダ(CV:長谷川育美)
1期の最終回にチラッと登場した、シャドウガーデンの幹部「ナンバース」の一人。11番の位を持つ女性。
褐色肌に白髪のエルフで、元軍人で、元諜報員で、シャドウガーデンの新人教育を務める。なんというか、みんなが大好きなどちゃくそシコい要素詰込みセールのキャラクター。今後の活躍に期待。
【ネタバレ注意】666番(CV:????)
シャドウガーデンの新入り。
その正体は…ローズ・オリアナ。
シャドウ(シド・カゲノー)により悪魔憑きの治療を施され、シャドウガーデンの一員となる。
アニメ「陰の実力者になりたくて!(1期)」感想・レビュー
【評価】★★★★☆
厨二病!!
主人公のノリが全てを持っていきました。
本当に毎回、目的の為に訳のわからないことをして楽しませてくれました。
主人公以外のキャラも魅力的ではありますが、主人公が強すぎました。
引用:https://www.anikore.jp/anime_review/13830/
【評価】★★★★☆
厨二病全開のアニメに見えてキャラも多く個性強めの設定が見てて飽きない感じが面白かった。圧倒的強者の主人公のアニメは個人的に見やすくて面白い。
引用:https://filmarks.com/animes/2513/3211
【評価】★★★☆☆
幾つか有名な転生ものは観てきたけど多分1番造りが簡単な設定。中身はスカスカ。
中学生とか高校生にハマるタイプの作品だから年齢的に適性から外れているので上手く楽しみ切れない。
設定の甘い『オーバーロード』みたいな。狙っているのか主題歌はOxTだったり。
主人公体質にも関わらず目指すところが陰の実力者なのでご都合主義もいいところ。
でも、なんだかんだシーズンを通して見てしまったあたり転生もの好きなんだな、僕は。
引用:https://filmarks.com/animes/2513/3211
誰かの心にエターナルフォースブリザード
主人公が中二病の極地に立っていて、私の心にエターナルフォースブリザード。【効果】私は死ぬ。
この作品を「楽しめる」「楽しめない」はかなり分かれるでしょう。
楽しめるタイプ
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・最近アニメを見るようになった人
・大人になってから「なろう系」「俺TUEE」を知った
・現役の高校生・中学生
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楽しめない・見ない方が良いタイプ
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・フォレストやナノに聞き覚えがある人
・0番隊隊長だった人
・雪の守護者だった人
・哀れなアクマの魂を救済してた人
・I need more power…と呟いた人
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「何を言っているか分からない」という人は、安心して『陰の実力者になりたくて!』を視聴してください。
『楽しめない・見ない方が良いタイプ』一個目から「アッ…」となった人は、危険です。作品を観ることで心に深刻なダメージを受ける可能性があります。
◆厨二病の過去を持つものは2話から見ろ。フリじゃない。
わざとらしい変人アピール。
授業中にハンドグリップで握力強化。
夜の学校の屋上から意味深に見下ろす。
服の下に重りを付けて生活するロックリースタイル。
武器の知識ありますアピール。
他、言葉にできない行動の数々。
完璧(パーフェクト)だ!第1話から完璧なまでの厨二病ムーブ!
厨二病を患った者が行う、パンピーには理解できず、同胞にしか分からない、厨二的行動。ここまで第1話から完璧なる厨二の行動を見せられ、俺は、ぼくは、私は…。
共感性羞恥で死にたくなった。
ひとつ、普通の厨二病と違うのは、夢に向かってひたむきに愚直なまでに努力を止めない事。
誰かに与えられたチートで無双する転生主人公よりも、ずっと好感が持てるキャラクターなのは間違いない。厨二病だけど。
◆主人公に目をつむれば面白い
主人公の転生前の厨二ムーブさえ耐えきれば、その後はファンタジーの定番面白要素がふんだんに詰め込まれてて、手軽に頭空っぽで楽しめます。
主人公の学生と組織の盟主という二重生活や、主人公の学生としての顔しか知らないキャラが巻き込まれていくことや、主人公だけ“ごっこ遊び”と思ってノリノリで楽しんでいるという周りとの温度差、勘違いなどなど。
「主人公が絶対勝つから気楽に楽しめる」という点が、こういう最強主人公モノの良いところですよね。
コメディ部分では「異世界ファンタジーあるある」「モブあるある」を丁寧に踏襲したり、逆に無視したり、ファンタジー作品や昔懐かしのRPGに馴染みがあればあるほどクスッと笑えます。
古き良き王道の面白いが手軽に摂取でき、勘違い展開とネタとシュールさに笑える作品です。
まだ完結していないのに「打ち切り」と言われた理由・原因
何かあるとすぐ「打ち切り」って言う…。
1期が20話で終わった
大抵の場合、2クールあると話数は12話+12話で、24話の構成になります。
しかし『陰の実力者になりたくて!』の1期は20話で最終回を迎えてしまったので、アニメに馴染みある人ほど「え、ここで終わり?」「もしかして打ち切り?」となったようで、プチ炎上していました。
これには公式も思うところがあったようで、2期では公式サイトから「全12話」であることが事前に書かれていましたね。
1話から改変でぷち炎上
アニメでは本来書籍版4巻で描かれるはずの転生前のストーリーを第1話に持ってきていました。そのせいで、第1話では物語のメインである「主人公の転生後」が全く描かれなかったのです。
原作では「主人公の独白→転生」と、サクッと死んで転生するので、アニメの「転生前の話(西野アカネ視点)→主人公の独白→転生」という流れは、なんというか冗長気味でテンポが悪く感じるんですよね。
だから「第1話から転生前の話を1話丸々使ってやる必要はあったのか」と、不満を爆発させたファンが「あーはいはいアニメは打ち切り打ち切り」となってプチ炎上したわけです。
原作者が忙しすぎてネットに浮上しない
Web小説投稿サイトでの更新もなく、書籍版も約1年半発売されなかった時期に、不安に感じたファンが「打ち切り…?」と言い出しました。
ついでにSNSにも全然浮上しない為、一部で「死んだのでは?」とも囁かれていました。が、さすがに作者死亡してたら出版社が報告してくれるでしょ…。
書籍版の執筆、アニメのチェック、アプリゲームのチェック、海外版の準備と、人気作品故にメディアミックスも多く、かなり多忙を極めていたようですね。
書籍版・漫画版・アニメでどう違う?
それぞれストーリーの違いを軽く解説。
書籍版は4巻からWEB版とは違う展開に
書籍版3巻までは、加筆や修正を加えているものの物語の大筋に変化はありません。
大きく物語が分岐していくのは書籍4巻。WEB版同様、オリアナ王国での内乱を主軸とした物語ですが、展開が大きく変わっていきます。
WEB版ではぼんやりと存在を示唆されていた「魔界」。書籍版4巻では、その魔界についてより詳細に踏み込む内容となっています。
ぶっちゃけると、この魔界というのは「現代日本」、まぁ我々にとっての現実が「魔界」と異世界人から呼ばれていたわけです。
軽いノリで魔界に行ってしまったシド・カゲノーが、転生前の日本に逆転移してしまい…。というのが、書籍版4巻からの新たなストーリーとなっています。
書籍版と漫画版の内容は変わらない
漫画版は書籍版を元としているため、ストーリーに大きな違いはありません。
アニメ1話が書籍4巻の内容
アニメ版では先述した通り物語の順番が入れ替わり、本来書籍版4巻の「オリアナ王国の内乱」後に描かれた「シドの生前の様子」が第1話に持ってこられています。
まとめ
「陰の実力者になりたくて!」について、まだ見ていない人向けに解説していきました。
この作品はファンタジー好きな人の、ファンタジーにありがちな展開が全て詰まっているので、テンプレと思うものも多いのですが、そのテンプレを主人公自身がテンプレとメタ発言して先回りするので、いい具合にコメディとして落とし込まれつつ、ちゃんと(主人公以外)シリアスとして成立しているのが面白いですね。
ファンタジーが好きで、最強主人公が好きで、共感性羞恥に耐えられる猛者には是非みて欲しい作品です。