2015年に劇場で公開された映画「セッション」。観たことがなくてもタイトルは知っているという方も多いのではないでしょうか。
視聴したことのある方の作品レビューを見てみると、「トラウマになった」や、「怖すぎて鳥肌が止まらなかった」などの意見も多くあるようですが、音楽を題材としている教師と教え子の話は、音楽好きにはたまらない作品です。
今回は、「セッション」のネタバレを含むあらすじや、指導者であるフレッチャーについての考察をご紹介していきます。
更新日 : 2025年03月26日
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2015年に劇場で公開された映画「セッション」。観たことがなくてもタイトルは知っているという方も多いのではないでしょうか。
視聴したことのある方の作品レビューを見てみると、「トラウマになった」や、「怖すぎて鳥肌が止まらなかった」などの意見も多くあるようですが、音楽を題材としている教師と教え子の話は、音楽好きにはたまらない作品です。
今回は、「セッション」のネタバレを含むあらすじや、指導者であるフレッチャーについての考察をご紹介していきます。
(引用:amazon)
作品名 | セッション/WHIPLASH |
公開日 | 2015年4月17日公開 |
監督・脚本 | デイミアン・チャゼル |
主演 | マイルズ・テラー/J・K・シモンズ |
上映時間 | 107分 |
監督のデイミアン・チャゼルは当時28歳という若さで、この作品を作り上げました。
また、制作費は3億円と言われていて、同時期に公開された映画の制作費を大きく下回っています。
アメリカン・スナイパー | 約65億円 |
マイ・インターン | 約38億円 |
博士と彼女のセオリー | 約16億円 |
低予算な上でヒットした映画としても注目されている上に、アカデミー賞を三部門も受賞していて、「アカデミー賞が飛びついた才能と狂気」と謳われるほどです。
映画「セッション」を視聴できる動画配信サービスは下記の通り。
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それでは、次章より「セッション」のあらすじや考察をご紹介していきます。
テレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)
アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)
ニコル(メリッサ・ベノイスト)
ジム・ニーマン(ポール・ライザー)
プロのジャズドラマーを目指し、名門音楽大学に入学したアンドリュー・ニーマンは、ある日、フレッチャー教授のバンドにスカウトされる。夢に近づいたことを喜ぶアンドリューだったが、完璧を求めるフレッチャーのレッスンは常軌を逸したものだった…。
次章からは、「セッション」のネタバレを含むあらすじをご紹介していきます。
ネタバレを見たくないという方は、お気を付けくださいね!
19歳のアンドリュー・ニーマンはジャズドラマーを目指して、名門シェイファー音楽院に入学し、ドラムレッスンに励んでいた。
そこで出会ったのは、伝説の教師フレッチャー。
フレッチャーは自身のバンドメンバーを探していると、ニーマンのレッスンを見てくれたが、スカウトされることはなかった。
父親と映画館に訪れたニーマンは、フレッチャーにドラムを見てもらったことを話す。
父親は、音楽の道に進めなくても、別の道もあるから視野を広げてみるべきだと励ました。
それでもフレッチャーのバンドに入りたいニーマンは、毎日ドラムレッスンに励む。
そんな努力の甲斐あってか、ある日フレッチャーによりニーマンは、初等クラスから引き抜かれる。
自分に自信がついたニーマンは、再び映画館へと出向き、気になっていた店員のニコルをデートに誘った。
(引用:amazon)
上級クラスのレッスンは、全てにおいて別格だった。
レッスン開始前に雑談をしていた生徒達は、開始直前になると一斉に音合わせをし、時刻ぴったりにレッスンが始まる。
1秒のずれも許さないフレッチャーは、音がずれている生徒に罵声を浴びせ追い出す。
初めてのレッスンで早々に上級クラスの厳しさを思い知らされた。
フレッチャーは、最初こそニーマンに優しく接した。
ニーマンの憧れている“バディリッチのようだ”と褒めてもみせた。
しかし、レッスン途中フレッチャーの望むリズムでドラムを叩けなくなったニーマンに、何度も繰り返し同じ箇所を練習させた。
それでも上手く叩けないニーマンに、フレッチャーは椅子を投げつけた。
フレッチャーはニーマンにビートを数えさせ、ビンタを繰り返し、テンポが速いのか遅いのかを答えさせた。
「わざと私のバンドの邪魔をするとブチのめすぞ」
その後もテンポを数えさせ、上手くできないニーマンに罵声を浴びせた。
ニーマンは、ついに悔し涙を流してしまう。
そして家族のことを絡めたいやがらせ発言を繰り返し、ニーマンに「悔しい」と叫ばせる。
ニーマンは悔しくてたまらなかった。その悔しさをドラムへとぶつけた。毎日練習に励み、手から出血するほど練習を繰り返した。
(引用:amazon)
ニコルとデートの日になった。
大学で周りから嫌われているかもと話すニコルを励まし、自分も同じだと話すニーマン。
二人の距離が更に近づいた。
(引用:amazon)
ニーマンが参加して初となる大会で、ドラム主奏者タナーの楽譜めくりとして参加するニーマン。
タナーに楽譜管理を任されたニーマンだが、楽譜を無くしてしまう。
タナーは、楽譜を暗譜していなかったため、暗譜していたニーマンがステージに立つことに。
ニーマンは、個人練習に励んでいたため、演奏は完璧だった。
シェイファー音楽院は、優勝を勝ち取ることができたのだった。
しかしその後、主奏者タナーの楽譜を無くしステージに立ったニーマンは、周りから冷たい目を向けられる。
ステージに立ちたいがために、わざと楽譜を隠したと思われたからだ。
ドラムの主奏者はタナーからニーマンに代わった。
ニーマンは、周りの目を気にせずに喜んだ。
父親には、「フレッチャーに気に入られたと思う」と嬉しそうに話した。
主奏者となったニーマンは、毎日レッスンに励む。
しかし、フレッチャーは新たにドラム奏者コノリーをスカウトしていた。
コノリーが主奏者になる道も遠くないと、ニーマンを焦らせ、狂わせた。
ニーマンは、恋人となったニコルを呼び出し「音楽に没頭するため邪魔になった」と伝え、別れを選ぶ。
それからは、毎日狂ったように練習を重ねた。
指からは血が出ても、練習を止めることはなかった。悔しさをドラムへとぶつけた。
ある日のレッスンの前に、フレッチャーは6年前の教え子ショーン・ケイシーの話を始めた。
「成績はギリギリで他の先生は、誰も彼に期待していなかった。
彼はいつも必死で練習していたから、彼の努力を買ってバンドに誘った。
音楽院卒業後は、有名バンドのトランペット奏者に選ばれた。
しかし、今朝車の事故で亡くなったと連絡がきた。」
フレッチャーは、彼にまだ音楽を教えたかったと泣きながら話した。
レッスンがスタートすると、まずはコノリーがドラムを叩いてみせた。
しかし、フレッチャーはすぐにニーマンへと変えさせる。
「主奏者になれるチャンスだ」とニーマンを煽る。
しかし、今度はタナーへと変えさせる。
コノリー、ニーマン、タナーの三人をとっかえひっかえドラムを叩き続けさせるフレッチャー。
三人は、必死にドラムを叩き手からは血を流す。
そして、フレッチャーは主奏者にニーマンを選んだ。
次の日は大会だった。
大会当日、時間通りにバスに乗るニーマンだったが、バスがパンクし進めなくなる。
レンタカーを借り、なんとか開演前に間に合ったが、レンタカーショップにドラムスティックを忘れてしまい、ステージにはコノリーが立つことに。
11分後のステージに立つために、車でレンタカーショップへと戻る。
スティックを見つけ、車で会場まで急ぐも途中でトラックと衝突事故を起こしてしまう。
血だらけになりながらも、立ち上がり会場へと走るニーマン。
何とか開演時間に間に合い、ステージに立ちドラムを叩き始めるが、傷を負っているため上手く叩けない。
ついにはスティックを地面に落とし、演奏を止めてしまう。
どの大会でも優勝を目指しているフレッチャーは、ニーマンに「終わりだ」と伝える。
ニーマンは糸が切れたかのようにフレッチャーへと掴みかかり、暴れ、退場させられてしまった。
(引用:amazon)
ニーマンは、 シェイファー音楽院を退学させられた。
そんなニーマンの元に、弁護士がやってきてフレッチャーの元生徒、ショーン・ケイシーが首をつって自殺したことを話した。
二度と彼のような人を出さないためにとニーマンを訪れていた。
ニーマンはフレッチャーを一度はかばったが、父親の一押しもありフレッチャーについてを話した。
ニーマンは自室のドラムセットを片付け、音楽を遠ざけた。
カフェでアルバイトをし、音楽とは無縁の生活をし音楽院とは別の学校へ通おうとしていた。
(引用:amazon)
ニーマンは、町で開催されているジャズライブのゲストにフレッチャーの名前があるのを目にする。
思わず会場へと足を運んでいた。
そこには、ピアノを弾くフレッチャーの姿があった。
ライブ終わりに二人で会話をすることになった。
フレッチャーは、誰かの親から密告があり音楽院を辞めたこと、皆を期待以上に育てたかったこと、今はプロのバンドの指揮をしていてドラムを探していることを話す。
別れ際に、ニーマンにドラムとして大会に参加して欲しいとオファーする。
曲は、音楽院で練習をしていた「キャラバン」や「ウィップラッシュ」で、慣れている人が欲しいと。
ニーマンは、コノリーやタナーの名前を出すが、フレッチャーは二人はニーマンを育てるための刺激剤だったと言う。
ニーマンは、フレッチャーの頼みを引き受け、ドラムレッスンを勤しむ。
再び人生に光が見えたニーマンは、参加することになった大会に元恋人のニコルを招待するが、ニコルには新しい恋人ができていた。
大会当日、会場へと向かうニーマン。
大会では、スカウトの目に止まるチャンスだと話すフレッチャー。ヘマをすれば音楽での道はなくなると。
それぞれが準備をし、ステージに立つ。
ドラムの前にいるニーマンに、フレッチャーが近づき、「私をナメるなよ。密告は お前だな」と言い残し、ステージ中央に向かい指揮の準備を。
そして曲名を発表する。
「アップスウィンギン」
ニーマンが聞かされていた曲とは全く違っていた。
曲に合わせようとドラムを叩くが、当然合わせることができない。
曲が終わるとフレッチャーは再度ニーマンに近寄り、「お前は無能だ」と吐き捨てた。
フレッチャーから最大の裏切りを受けたニーマンは、ステージから立ち去るしかできなかった。
ステージ袖にいた父親が近寄り、ニーマンを抱きしめ家に帰ろうと慰める。
しかし、ニーマンはステージへと戻り、ドラムを叩き「キャラバン」を演奏し始める。
それに合わせて周りも演奏を始める。ニーマンは、フレッチャーに「クソったれ」と吐き捨てる。
フレッチャーも指揮に入る。
「目玉をくりぬいてやる」と伝えられるも、ニーマンの手は止まらない。
ニーマンのドラムは、1秒たりとも狂いがなく完璧だった。
フレッチャーの求めていたそのものだった。
ニーマンは、曲が終わってもドラムを叩き続けた。
目を合わせる二人は笑い合い、全ての楽器が一つとなり演奏が終わった。
映画「セッション」は、誰もが予想していなかった結末だったのではないでしょうか。
二人の再会で、フレッチャーは行き過ぎた指導を認め、少し反省しているかのように思えましたし、ニーマンはまたドラムに触れられるようになってハッピーエンドになると。
しかし、最後のフレッチャーの復讐からのニーマンの反撃は本当にしびれます。
今回は、「フレッチャーはどんな人間だったのか」について考察をまとめてみました。
フレッチャーは、だだのパワハラ人間。
音楽が好きで、バンドを優勝に導く才能やセンスはありますが、気に入らない人や生意気な人に教師という立場を利用して強く当たっているという説。
現に、6年前の教え子 ショーン・ケイシーをうつ病になるまで追い詰め、自殺させてしまっている訳ですし、ニーマンのことも追い詰めたかったのかもしれません。
また、ニーマンが初参加となる大会で、楽譜を無くしてしまった事件では、誰が楽譜を無くしたかは作中に描かれていませんでした。
ニーマンの腕前や度胸を試すために、フレッチャーが楽譜を隠したのではないかと感じました。
実際に「セッション」を視聴した方のフレッチャーについての意見を調べてみました。
「セッション」鑑賞。J・K・シモンズ演じるフレッチャーの陰湿なクズさにちょっと笑ってしまった。パワハラこえー。それにしても最後のドラミングシーンはかっこよかったなー。
— ロンぎつね (@aegis_metusu) February 12, 2020
久々に『セッション』観てる。フレッチャーは最低最悪のクズだ、許してはならない……!
— 坂バ🍉 (@sakamotocoolG) December 13, 2016
フレッチャーの人間性がクズ過ぎる
— いどちゃん (@idocha14) November 14, 2015
「スカウトは一度見たヤツを忘れない」→初めての曲を演らせる
#セッション
皆さんフレッチャーに、あまり良い印象を受けていないようです。
ニーマンを育てていることに間違いはないかもしれませんが、他のバンドメンバーには関心がないというか、才能を感じない人間はどうでもいいという冷酷人間な気がしますね。
とにかく、フレッチャーのやり方は少し度が過ぎているように感じてしまいます。
フレッチャーは、やり方は行き過ぎているけれど、良い指導者。
音楽の道は厳しいため、その道でも成功できるようにフレッチャー自ら鬼となり生徒を指導しているのではないかという説。
作中にも、少女と話しているシーンがあり、「大きくなったら私のバンドに入るかい」などと、笑顔で優しく話しかけるシーンが映し出されています。
また、6年前の教え子 ショーン・ケイシーの話をする際も、涙を流しながら話していたり、ニーマンの最後の暴走でも、しっかりと指揮をし全体をまとめてもいましたね。
掴めない人間ではありますが、全く愛がない訳でもないと感じました。
ニーマンと再会した時にも、「期待以上に育て上げたかった」と発言していますし、ニーマンに期待して指導していたのは確かだと思います。
実際に「セッション」を視聴した方のフレッチャーに良い印象を受けているという意見を集めてみました。
https://twitter.com/maybeitslavi/status/1399304979538595842?s=20
セッション視聴(2回目)
— 海野シュウスケ/Shusuke Unno (@kinokokimuchi_2) March 28, 2018
ラストシーンでフレッチャーがGood Jobって言ってるのでは?っていう考察見て気になったのでもう一回みた。
確かにそんな雰囲気出ててめちゃ感動してる。
あえて口元が映らなくて本当はどうだったのかわからないのがもどかしいけど、良い。
セッションな、やっぱりフレッチャーが本当に良いキャラクターだった。
— タコニン (@Takonin_K2) June 27, 2016
パッとみたら生徒を異常にしごくマジキチ教師だけど、根底には音楽に対する狂信的な愛があるんだよな。 pic.twitter.com/up9HgKD3N1
フレッチャーとニーマンは、親子のようにぶつかることはあるけれど、お互いにどこかで信頼しあっているような関係性だと感じました。
映画「セッション」は、監督であるデイミアン・チャゼルが実際に体験したことに基づいて制作されたようです。
学生時代に出会った教師をモデルにしているんだそう。
音楽業界で生き残るための厳しさなどもひしひしと伝わってきますよね。
ラスト9分間で、最高のドラムパフォーマンスを披露したニーマンですが、その後の様子などは描かれていません。
最後の大会には、音楽業界のスカウトがたくさん来ているとフレッチャーも言っていましたし、ニーマンは認められ音楽の道に進めた可能性も。
これは私個人の感想ですが、ニーマンは音楽の道には進んでいないような気がします。
何としてでもフレッチャーを見返したい、認められたいという思いからドラムを演奏していただけで、最後の大会では音楽業界への道は考えていないように感じました。
何が正解かわかりませんが、いろいろな可能性を考えてみるのも面白いですね。
今回は、映画「セッション」のネタバレあらすじや考察をご紹介しました。
107分という時間の短さで、恐怖やどん底、感動までもが味わえる「セッション」。
「セッション」を視聴するなら、U-NEXTがおすすめ。
天才と狂人は紙一重。
ぜひ一度視聴していただきたい作品です。